値引き色が薄まった携帯学割、そこに秘められたキャリアの思惑とは?

値引き色が薄まった携帯学割、そこに秘められたキャリアの思惑とは?

2016.01.22

春商戦を間近に控える中、携帯電話キャリアは今年も学生向けの割引施策を発表した。だが今年の学割は、各キャリア共に料金を割り引くよりも、高速通信の利用が可能なデータ通信容量を増やすことに力を入れた内容となっている。一体なぜ、料金ではなくデータなのか。その裏にあるキャリアの狙いを探ってみよう。

割引ではなくデータ通信容量が目玉に

携帯電話業界にとって、1年で最も販売競争が過熱するのが春商戦だ。この時期は新入学シーズンを迎えた学生や新社会人が、新たに携帯電話を契約することが多い。そうしたことから、携帯電話キャリアは毎年、春商戦に合わせて学生を中心とした若年層向けの"学割"キャンペーンを提供している。

従来の学割は、新たに契約した25歳以下の利用者に対し、一定期間基本料金を大幅に割り引くなど、料金面での施策が中心となっていた。しかしながら今年、各キャリアが発表した学割の内容を見ると、その様相が大きく変化していることがわかる。

実際、1月12日にソフトバンクが発表した「ギガ学割」は、25歳以下のユーザーが新機種を購入した場合、3GB(後に6GBに増量)の高速データ通信容量を36カ月間、つまり約100GB分(後に200GBに増量)の容量をプレゼントするとしている。新規・番号ポータビリティ(MNP)による契約の場合は、データ通信容量の増量と、ホワイトプランの基本料が3年間0円になるという料金割引のいずれかを選ぶことができるが、「ギガ学割」という名前が示す通り、割引よりもデータ通信容量の増量を前面に打ち出しているのは確かだ。

ソフトバンクが1月12日に発表した「ギガ学割」は、料金の割引よりもデータ通信容量の増量を目玉に据えた内容となっていた

同じ日に「auの学割」を発表したKDDI(au)も、やはりデータ通信容量を25歳までの間、毎月5GB分のデータ通信容量をプレゼントすることを、今年の学割の目玉として前面に打ち出していた。また1月14日に発表されたNTTドコモの「ドコモの学割」も、ソフトバンク同様6GB分のデータ通信容量を36カ月プレゼントすることを、学割の柱に据えているようだ。

auも1月12日に実施した、au新製品・サービス発表会において、やはりデータ通信容量の増量に主軸を置いた学割の内容を発表している

このように、今年の学割は料金の割引から一転して、データ通信容量のプレゼント合戦となっている。しかし一体なぜ、学割で料金を直接割り引くのではなく、データ通信容量の増量を主軸に据えるようになったのだろうか。そこには若い世代とキャリア、それぞれの最近の動向が大きく影響している。

動画に積極的だが固定回線と縁遠い若年層

まずは、学生を主体とした若年層の事情を紐解いてみよう。キャリアの主力製品であるスマートフォンは、若い世代ほど積極的に利用する傾向が強く、中でも学割の対象となる中高生から20代前半くらいは、スマートフォンが生活の一部として手放せない存在となっている世代だ。

そうした若い世代が近年、頻繁に利用するようになったのが動画のストリーミングサービスである。現在ではスマートフォンでLTEなどの高速ネットワークが利用でき、動画の再生が快適になったことから、スマートフォンで動画を楽しむことは、若い世代にとって一般的な行為となってきているのだ。

なかでもYouTubeは、音楽やエンタテインメントを中心として、若い世代にとって欠かすことのできない身近な動画メディアとなっており、その利用率も非常に高い。また最近では、「ツイキャス」などに代表される動画のライブ配信サービスの人気も高まっており、LINEがライブ配信サービスの「LINE LIVE」を開始するなど盛り上がりを見せている。

だが動画は、テキストや画像と比べ圧倒的にデータ量が大きいことから、ストリーミングで動画を長時間視聴していると、データ通信容量をどんどん消費してしまう。つまり若い世代は動画を頻繁に視聴することで大量のデータ通信容量を消費するようになっており、3GBや5GBといった容量ではとても足りないという人も多く出てきているのだ。

KDDIの調査によると、10、20代のデータ通信容量は月当たり5GB近くに達しているとのこと

しかしよくよく考えてみると、外出先ならともかく、自宅であれば光回線などを敷設し、Wi-Fi環境を整えれば、動画を視聴してもデータ通信容量を消費しないはずだ。にもかかわらず、若い世代がスマートフォンで大量のデータ通信容量を消費し続けているのには、若い世代が光などの固定回線を引かない、あるいは引けないことが大きく影響している。

そもそも中高生は、自宅のインフラ整備に関する権限を持っていないため、固定回線を引くにしても"親の許可"という非常に大きなハードルを超えなければならない。また一人暮らしの大学生や新社会人などであっても、スマートフォンで高速通信ができることに満足していることもあり、工事などの手間を嫌って固定回線を引かない人が少なくない。

ネット動画をもっとたくさん視聴したいけれど、固定回線を引くのは難しい。キャリアはそうした若い世代の動向変化に目を付けて、今年は学割でデータ通信容量を増量するという判断を下したと見ることができよう。

"割引よりデータ"の流れを作りたいキャリア

だが、キャリアがデータ通信容量の増量を学割の目玉に据えたのには、他にも理由があると筆者は見る。先に触れた通り、若い世代はデータ通信容量に対するニーズが高まっているが、実はキャリアにとって、このことは好都合なことでもある。なぜなら、データ通信容量は必ずしも、学割対象となったすべてのユーザーが使い切るとは限らないからだ。

従来通り基本料を割り引いた場合は、学割の対象になったすべてのユーザーに対し、割引を適用する必要があるため、ユーザーの数だけ減収要因が発生することとなる。だがデータ通信容量をする分には、料金自体を割り引く必要はないし、すべてのユーザーが増量したデータ通信容量を使い切るわけではないため、増量によるインフラへの負担も限定的だ。

こうしたことから、データ通信容量の増量を学割の主軸に据えることは、直接料金を割り引くのと比べ、お金をかけることなくユーザー満足度を高められる、キャリアにとってメリットの大きな施策と見ることができるのだ。そして、料金を下げずにデータ通信容量を増やすという学割の施策は、今後通常の料金プランにも広がる可能性もある。

実は動画コンテンツの利用は、キャリアも定額動画配信サービスの「dTV」「Netfrix」などの販売を進めるなどして利用を促進している。それゆえ今後は若年層だけでなく、幅広い世代がスマートフォンで動画を視聴し、カジュアルに大量のデータ通信容量を消費する可能性が高まっているのだ。そこでキャリアは学割にならう形で、売上を大きく左右する料金に直接手を付けることなく、データ通信容量を増やしてユーザー満足度を高めつつ、売上を高める取り組みを増やしていくものと考えられる。

総務省へのメッセージにも

そしてキャリアがこうした取り組みを進めることは、昨年ライトユーザー向けの安価な料金プラン提供を促すなど、携帯電話の料金引き下げを要請してきた総務省に対し、「ユーザーは料金引き下げよりもデータ通信容量を求めている」というメッセージを送ることにもつながっているように感じられる。

昨年11月26日に実施された「料金その他の提供条件に関するタスクフォース」より。総務省はこのタスクフォースの結果を受け、昨年キャリアに料金引き下げの要請をしている

キャリアとしては、データ通信の利用を拡大して通信料収入の底上げをしたいのが本音であり、低料金プランの導入は本意ではない。それゆえキャリアはデータ通信利用の拡大を積極化し、世論を"割引よりデータ"という流れに変えていきたいのは確かであろう。そうしたキャリアの目論見が成功するかどうかの試金石としても、今年の学割に対する若い世代の反応は大いに注目されるところだ。

LINE WORKSを削除(解約)するには?

LINE WORKSを削除(解約)するには?

2019.03.21

LINE WORKSを解約したいと思ったら

解約の前にまずは「所属メンバーの削除」を行う

ユーザーは自分のアカウントを削除できるの?

LINE WORKSを試験的に導入したけれど合わなかったという場合や、利用していたプロジェクトが終了したから削除したいという場合に備えて、LINE WORKSを削除(解約)処理する手順をまとめておく。

LINE WORKSの削除はメンバー削除から

「管理者画面」を開いた上で「基本設定」を開くと、左メニューの一番下に「LINE WORKSの解約」という項目がある。ただし、使っている最中にいきなり解約しようとしても「解約できません」と表示されるはずだ。解約のためには、先に所属メンバー全員を削除しなければならない。

「基本設定」で「LINE WOKRSの解約」を選択
メンバーが残っていると解約できない

メンバー削除は、上メニューで「メンバー」を選んだ画面から行える。最高管理者は削除できないため、解約準備ならば上部のチェックボックスを使って全員を一括選択してから、最高管理者のチェックだけを外すのが簡単だ。上にある「削除」をクリックすると確認画面が表示されるので、「メンバー削除」で完了させよう。

なお「副管理者」など役職者については先に権限を削除してからでなければメンバー削除ができないので注意して欲しい。

「メンバー」で最高管理者以外を選んで「削除」をクリック
確認画面で「メンバー削除」をクリックしよう

解約理由を添えて処理完了

再度「基本設定」で「LINE WORKSの解約」を選ぶと、メンバーの削除が完了していれば解約へ進む画面が表示されるはずだ。最高管理者のパスワードと、解約理由のアンケートを入力すれば解約が完了する。

最高管理者のパスワードを入力
解約理由のアンケートも必須項目だ

個人アカウントの削除方法は?

LINE WORKSを管理者ではなくユーザーとして利用している場合、自分のアカウントを削除することはできない。

LINE WORKSのユーザーアカウントは、会社のメールアドレスのようなイメージだ。アカウントに利用する文字列などはユーザーが決められるが、アカウントの存在自体は管理者がそれぞれに発行している。そのためユーザー側はログインしないことで「使わない」状態にはできても、削除はできない。もし退職する、プロジェクトから外れるなど事情がある場合には、管理者にメンバー削除の依頼を出そう。

同じく、最高管理者の権限を持っている人が異動等でアカウントを削除したい場合には、まずは権限の委任をして、一般ユーザーになってからメンバー削除をしてもらう必要がある。

「LINE WORKS 完全指南 設定&使い方」バックナンバーはこちら
https://biz.news.mynavi.jp/category/lineworks

関連記事
総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
関連記事