ホテルスマホ「handy」、国内展開を加速するねらいとは?

ホテルスマホ「handy」、国内展開を加速するねらいとは?

2018.07.20

ホテルスマホ「handy」が国内展開を加速している。7月2日にはソフトバンクとの資本業務提携を、7月12日にはトラベルエージェント事業のCEOとしてエイチ・アイ・エス前代表取締役社長の平林朗氏を迎えることを発表した。

ホテルスマホ「handy」がソフトバンクと資本業務提携

観光業界では訪日観光客の急増とともに、旅行中の「タビナカ」需要や「民泊」の増加、人手不足が注目を浴びている。ホテルスマホを提供するhandyの狙いはどこにあるのだろうか。

handyがホテルのIoT化を推進

香港など世界に展開するhandyは、2017年7月に日本上陸。東京・中央区のロイヤルパークホテルを皮切りに、2018年度中には全国のホテルの3割にあたる24万室に導入されるという。筆者も出張の際にhandyのスマホを見かける機会が増えてきた。

中部国際空港近くのホテルに設置されていたhandy(2018年5月撮影)

handyが提供するスマホはホテルの客室やフロントに設置され、宿泊客はデータ通信を含めて無料で利用できる。これまでは一般的なスマホとしての利用が中心だったが、今後はIoT連携として、チェックイン/アウト業務やルームキーとしても活用できるという。

将来的には、客室の鍵やエアコン、照明などの一括管理も可能に

ルームコントロール機能では、客室内のオーディオや目覚ましといった機能もhandyで操作できるようになる見込みだ。今後は民泊のようにフロントがなく、スタッフが常駐しない宿泊施設が増えるとみられており、IoTによる省力化の需要は高まりそうだ。

handyはホテル内だけでなく、外に持ち出して観光に使えるのが特徴だ。そこでシティガイドやマップ、タクシー配車、オンラインチケットとも連携していく。これらのトラベルエージェント事業を率いるのがエイチ・アイ・エスの平林前社長だという。

動画やVRコンテンツも提供していく。すでに客室内のテレビでエンタメを提供しているホテルは多いが、スマホで楽しめるコンテンツは急速に増えている。handy端末の画面はそれほど大きくないが、テレビ出力やVRゴーグルを使えば迫力ある体験になる。

このようにhandy端末に期待される役割は増える一方だが、現状のhandyはそれほどハイスペックの端末とはいえない。この点については、VR対応などを想定した端末スペックの強化が課題といえる。

宿泊客にとっては無料のhandyだが、すでに自分のスマホを持っているという場合も多いはずだ。だが、個人のスマホがあってもhandyを活用できる場合はあるという。

たとえば大阪北部地震の際には、handy端末が緊急地震速報を配信し、約半分の端末でメッセージが開けられたという。特に日本のさまざまな災害に不安を持つ訪日外国人に心強い機能といえる。

また、handyの回線を他の端末から使える「テザリング」も、ホテル側のリクエストに応じて提供していくという。これができれば、自分が使い慣れたスマホやタブレットをhandyの無料データ回線でお得に使えるというわけだ。

ソフトバンク側はIoTの技術的な基盤を提供し、コンテンツやタクシー配車、宅配サービスなどでソフトバンクグループが協力。ソフトバンクが誇る法人営業チームがhandyを全国展開していくという。これまでhandyの導入は東京、大阪など都市部の比率が高かったが、さらに展開地域が広がりそうだ。

handyにソフトバンクグループのサービスを提供

handyのデータ通信にはドコモ系のネットワークを使っていたが、新規導入はソフトバンク回線を使い、既存のドコモ回線も順次ソフトバンクに置き換えていくという。

これまでMVNO事業に乗り遅れてきたソフトバンクだが、今後のhandyの普及を見据えれば、数十万の回線をまとめてドコモから奪える計算になる。この点もソフトバンクの狙いだろう。

wenaプロジェクトリーダーが語る「スマートウォッチ市場の今」

wenaプロジェクトリーダーが語る「スマートウォッチ市場の今」

2018.09.18

ソニー「wena wrist」開発者に取材

腕時計とスマートウォッチの境界線は”なめらかに”

セイコーとのコラボ新モデルも登場

ソニーのスタートアップの創出と事業運営を支援する「Seed Acceleration Program(SAP)」から生まれたハイブリッド型スマートウォッチ「wena wrist」が登場して、2年半が経過しようとしている。そしてこの秋、新製品を投入しプロジェクトも新しい段階に入る。

wenaはどう市場に受け入れられ、これからどのような道を歩もうとしているのだろうか? プロジェクト責任者である、ソニー Startup Acceleration部 wena事業室統括課長の對馬哲平氏に話を聞いた。

ソニー Startup Acceleration部 wena事業室統括課長の對馬哲平氏

人に近づくと「バリエーションは増える」

wenaはいわゆるスマートウォッチに類する製品だが、他のスマートウォッチ、例えばApple Watchなどとは大きく異なる点がある。それは、「時計」でなく「バンド」がインテリジェントになっている、ということだ。wena wristではモーションセンサやスマートフォンとの通信部分がバンド側にあり、バンドと時計のヘッドを組み合わせることができれば、どんな腕時計であってもスマートウォッチになる。

2016年の発売以降、wenaには多数の製品が用意された。對馬氏は、「ソニーといえど、これほどたくさんのバリエーションを販売する製品はなかったのでは」という。だが、そのことは、wenaのプロジェクトチームにとっては「当然」のことだった。

「身につけるものは、冷蔵庫や洗濯機とは違い、非常に強い趣向性が求められます。弊社の吉田(憲一郎社長)も『人に近づく』という経営の方向性を示していますが、人に近づくほど、より趣向性が求められると思っているんです」(對馬氏)

確かに、腕時計は商慣習的に、非常に種類が多い。對馬氏によれば、市場全体で、1年に1社だけで50から60もの製品が出るというのだ。「wenaもその戦略にそって、モデル数は増やさざるを得ない。ですから、ヘッド(時計)部分は多数のラインアップを用意しています」。

しかしながら、ヘッドは複数種類あるものの、バンド部は3つしか存在しない。このことは、wenaという製品の特徴がわかりやすく現れた部分かと思う。腕時計はファッション性が重要で、好みも広い。機能も重要だが、それだけで選ばれるわけではない。だからこそ、wenaはバンド部とヘッド部を分け、腕時計としてのアイデンティティがより強く出る部分を自分で「選べる」ようにしている。

wenaオリジナルのヘッドあるが、それ以外にも時計メーカーやブランドとのコラボレーションを進め、「選べる」ことを強みとしている。wena wristを自分の好きな時計につけて使っている人も多いという。

セイコーとのコラボで「機械式」「登山用」も登場

そんな中で登場するのが、wenaの新モデルである。これまでwenaは、自らのブランドの時計部には、メーカーとコラボし、彼らに設計・製造を委託したものが使われてきた。ただし、ブランドとしてはあくまで「wena」である。

しかし今回、セイコーとのコラボレーションが決定した。セイコーの機械式のデザインをベースとしたモデルと、登山用のデジタルウォッチを使ったモデルである。どちらも、セイコーとwenaのダブルブランド。いままでと違うのは、時計としてはあくまで「セイコーの製品」である、ということだ。

wenaの「SEIKO Digital」シリーズ

wenaの「SEIKO Mechanical」シリーズ

 

「これまでもいろんなブランド様とコラボモデルを出してきましたが、今度は相手先のブランド名が入ります。ブランド名が入るということは、その社の『社名がかかる』ということですから、大変です。一番はじめから、時計メーカーと組みたいと思っていましたが、伝統のあるセイコー様と組めたのは嬉しい限りです」(對馬氏)

どちらも、デザインなどはwenaのコラボモデル専用のものだが、特にユニークなのは、登山用のモデルの方だ。実はこちら、ヘッド側にも「スマートウォッチ」としての機能がある。バンドとヘッド、両方がスマートフォンと連動するようになっているのだ。

「wenaと登山用ヘッド、両方のアプリをスマホに入れて用途に合わせて使い分けます。スマートウォッチ系ではありますが、ヘッド部は登山用です。標高や登山スピードなど、登山に必要な機能を持っているのが特徴です。それに対してwenaは、活動量計や通知機能、電子マネーといったタウンユースに特化しています。双方が補完関係にあるので選びました」(對馬氏)

スマートウォッチというと「機能」というイメージが優先しがちだ。実際、wenaもスタートした時は、「バンドだけでスマートウォッチ化できる」という機能が注目された部分が大きい。だが現在、wenaのアピールポイントは少々変わって来ている。

「2016年に『第1世代』を出した時は、やはり、斬新さ・新しさを強調しました。現在、スマートウォッチの市場は全世界で9000億円程度で、時計市場の7分の1・8分の1くらいと言われています。ですからそろそろ、『腕時計とスマートウォッチとwena、という第3の選択肢』『いまはこういう選択肢もある』という形を打ち出すことにしました」(對馬氏)

すなわち、スマートウォッチの中でもデザインバリエーションやヘッドの付け替えの自由さをアピールした。これには事情もあった。このプロジェクトでは、開発にかけられる人数も限られていたことから、ソフトウェアで他社に対して明確な優位性を出すのは難しかったという。そのため、そこは割り切り、他社連携でアピールすることにしたのだ。

「1社独占」はない。コラボでバリエーション拡大へ

スマートウォッチは大きく期待されたジャンルである。「ポストスマートフォン」のようないい方もされたが、実際にはスマートフォンの周辺機器であり、市場としては落ち着いてきた印象だ。そこに、エクササイズという用途に軸を切り直したApple Watchが広がり、結果的に、気付いてみれば「期待したほどではないが、底堅い市場を構築した」状態である、といっていい。

そんな市場を、wenaはどうやって切り開こうとしているのだろうか?

2016年頃を振り返ってみると、主だったスマートウォッチは、ディスプレイ付きか、wenaのようなバンド式のものしかなかった。そこから、ちょっとした通知だけを時計側に入れたもの、「時計合わせだけ」をスマホ連携でやるものなど、いろいろなものが増えてきた。特に最近は、腕時計側からのアプローチが増えている印象がある。

「腕時計とスマートウォッチの境界線は次第になだらかになってきていると思います。そういう市場ですから、1社独占はあまりない。そもそも趣向性が大事なので、みなが同じものをすることはないんです」(對馬氏)

スマートウォッチ市場ではアップルが50% のシェアをもっているが、腕時計市場全体ではワンオブゼムに過ぎない。

「wenaも利便性は追求したいので、もっと機能拡張をしたり、時計側になにかを組み込む可能性もあるでしょう。しかし我々は、アナログ時計の良さと利便性を両立させる立場だとも思っています。それは、身につける喜びと利便性の両立でもあります。しかし、今のソニー・wenaからではアプローチできないお客様がたくさんいます。そうした層に知っていただくためにも、バリエーションを増やし、コラボレーションを充実させていきたいです」(對馬氏)

重課金勢が歓喜!? Google Playで「魔石」が買えるポイントプログラム開始

重課金勢が歓喜!? Google Playで「魔石」が買えるポイントプログラム開始

2018.09.18

Google Playが新たにポイントプログラムを開始した

ポイントはPlayストアの買い物や対象アプリ内アイテムとの交換に使える

ポイント付与率はステータスに応じて変化

Googleは2018年9月18日、日本ユーザーを対象に、Google Playにおけるポイントプログラム「Google Play Points」を開始すると発表した。

「Google Play Points」のアイコンは魔石のようなデザイン

「Google Play Points」は、Google Play上でアプリやゲーム、音楽、映画、電子書籍などのコンテンツを購入することで、ポイントを獲得することができるプログラム。貯めたポイントは、Playストアのクレジットとして使えるだけでなく、対象ゲーム内のアイテムなどと交換することも可能だ。

また、会員は利用率に応じて5段階のステータスに分けられる。現状、初期ステータスは「ブロンズ」からスタート。「ブロンズ」の場合は100円につき1ポイントの付与率だが、「ダイヤモンド」までランクアップできれば100円につき2ポイントが付与されるようになる。

さらに、「パズドラで100円使うたびに4ポイント付与」「FFBEをインストールすると5ポイントゲット」といった、週ごとのポイント増量キャンペーンも実施される予定だ。

同プログラムの利用は無料。入会特典として、利用開始から7日間限定で100円につき3ポイント付与というキャンペーンが実施される。

会員のステータス一覧
Play Pointsの画面イメージ。ホーム画面では、自分のステータスとポイント残高、現在のキャンペーン内容などを確認できる
Google Play Lifecycle Programs & Partnership DirectorのEunice Kim氏

発表会に登壇したGoogle Play Lifecycle Programs & Partnership DirectorのEunice Kim氏は「日本ユーザーに感謝の気持ちを示したいと思い、このプログラムを開始いたしました。日本には強力なデベロッパーも多く、そのパートナーシップを活用すれば、日本ユーザーに喜ばれるユニークなプログラムを提供できるのではないかと考えました」と、日本エリアのみで同プログラムを開始することになった経緯を述べた。

 

連携パートナー一覧

夢中になっているゲームであれば、ついつい課金してしまうのが人の性。このポイントプログラムを機に、今まで「欲しいアイテムが手に入るイベント中のみ課金」していたユーザーも、「ポイントが多く貯まる今のうちに課金して魔石を貯めておこう」という思考になる可能性が高い。「あと1回課金すれば、ポイントでもう1回ガチャができるぞ」という人も出てくるだろう。Androidユーザーはますます課金がはかどること間違いなしだ。

つい先日iPhoneの新機種が発表されたばかりではあるが、重課金勢にとってこのプログラムはAndroidへの乗り換えを検討する重要なファクターになり得るのではないだろうか。

なお、Google Playのギフトカードでチャージして決済した場合でも、ポイントを貯めることが可能とのことなので、「すでにカードを購入してしまった」という人も安心してほしい。