ユーザーとともに創る日本マイクロソフトのイノベーション戦略

阿久津良和のITビジネス超前線 第5回

ユーザーとともに創る日本マイクロソフトのイノベーション戦略

2018.04.23

多くのIT企業はハッカソン(ハックとマラソンを掛け合わせた造語)やコンテストを実施し、新たなビジネスの創出に努めている。Microsoftおよび日本マイクロソフトは学生向けITコンテスト「Imagine Cup」を2003年から、日本マイクロソフト独自施策としてスタートアップを支援し、技術革新を表彰するコンテスト「Innovation Award」を2007年から例年開催してきた。

過去のInnovation Award受賞者には、法人向けクラウド名刺管理・共有サービス「Sansan」を展開するSansan 取締役 富岡圭氏(2009年度優秀賞)など、ビジネスの第一線で活躍する方も少なくない。2017年から日本マイクロソフト 業務執行役員 コマーシャルソフトウェアエンジニアリング本部長に就任したドリュー・ロビンス氏は「技術スキルに磨きをかける場を提供したい」とその意義を語る。

2016年4月23日に開催した「Innovation Award 2016」の様子。Imagine Cup参加者を交えた記念撮影が行われた
2017年3月22日開催の「Innovation Award 2017」。Information Award受賞者たち

2018年4月16日に都内で開催した「Innovation Award 2018」は、Imagine Cup 2018日本代表最終選考会とInnovation Award最終審査、そして両者の表彰式を行うイベントだ。本稿ではInnovation Award受賞者に焦点を当て、自社の新ビジネス創出につながるアイディアを紹介する。

小型ドローンで各所を保守検査

イベントスポンサーの冠を持つOrange Fab Asia賞 兼 サムライインキュベート賞 兼 東京エレクトロンデバイス賞 兼 三井不動産賞を受けたLiberawareの「LAPIS(Liberated Activation Platform for Information Strategy)」は、非GPS環境下で小型産業用ドローンを活用し、屋内空間のデータ化とAI(人工知能)解析システムを用いた施設および基盤の管理やメンテナンスを可能にするソリューションである。

下水道管や物流センター、植物工場や洞道といった狭い空間に小型産業用ドローンが踏み入り、情報収集や予兆保全などに用いることが可能だとLiberawareは説明する。1例として地下施設内の基盤保守検査について、「Microsoft Azureを活用した機体管理やデータ解析、飛行設計などを行うLAPISを、Microsoft HoloLens(以下、HoloLens)を組み合わせることで、劣化したパイプを可視化するといったシナリオを実現」(Liberaware 関弘圭氏)できると語った。

Liberawareの小型産業用ドローンを音声で制御するデモンストレーション

ドローンから得た空間情報をサーバーに送信し、映像として構成したHoloLensのディスプレイに映し出すという。既に数社とプロジェクトを開始しつつ、音声やジェスチャーを用いたドローンの遠隔操作に着手している。さらなる小型化は可能かと審査員から問われると、同社は「センサーの小型化が課題」(関氏)とドローンを構成する部品の進化が影響を及ぼすと説明した。

顧客とデザイナーのイメージをVRで共有

PR TIMES賞を受けたのは、これまで莫大な費用を必要したVR(仮想環境)空間作成を、3D CADデータを読み込ませるだけで作成し、同空間内で打ち合わせや意思決定を行う空間・建築デザイナー向けのVRビジネスツール「SYMMETRY」。DVERSEの沼倉正吾氏は、「デザインの現場では顧客とデザイナーが互いのイメージを共有しなければならないが、人によって感覚は異なる」と述べ、その差異を埋めるのがSYMMETRYだと説明した。

DVERSEの「SYMMETRY」はWindows Mixed Reallyデバイスを装着し、顧客とデザイナーの間で建築物のスケール共有や修正が可能とする

カメラアングルを変えた背景画像や家具の画像を、教師データとして機械学習に与えることで、VR空間を作成する。顧客とデザイナーはWindows Mixed Reallyデバイスを装着し、VR空間に滞在してイメージをすり合わせるが、3Dモデルの物体認識率は学習済みが98%。未学習画像でも93%の正解率に達するという。DVERSEは、「市場規模は約12.7兆円。デザインの現場で必要だった確認・修正・承認のフローを改善する」(DVERSE 沼倉正吾氏)と述べ、建築や店舗、展示会など幅広い市場での展開を目指す。

懇親会で披露した「SYMMETRY」。デバイスを装着して体験する参加者も少なくなかった

量子コンピューティングをビジネス分野へ開放

プロトスター賞を受けたのは、MDRの「Wildcat」。機械学習などに用いられるプログラミング言語のPython用開発キットを利用し、量子コンピューティングと古典コンピューターの開発環境をクラウド経由で提供するソリューションだ。統計的な変動を用いた、確立リカレントニューラルネットワークの一種であるボルツマンマシンは、規模の拡大に応じて学習の正確性が欠落することから、実用化に大きな課題を残す。同社は「量子コンピューティングは、10年内に古典コンピューターを超えるため、ビジネス分野に明るい方々が量子コンピューティングを使える環境が必要」(MDR 小林俊平氏)だと語る。

MDR「Wildcat」の概要。Microsoft Azure上で稼働する

MDRは量子コンピューティングにまつわる課題を解決するため、ボルツマンサンプリングの計算負荷や精度不足を改善し、"古典+量子コンピューティング"のハイブリッドプログラミング環境を提供するWildcatを用意した。NVIDIAと協力したGPU並列化シミュレーテッド量子アニーラを用いて、ボルツマンのサンプリングを行い、それ以外は古典コンピューターで実行する仕組み。1GPUで5,000量子ビットの演算を可能にし、複数GPUでマルチノード並列化を実装している。今後の展望として同社は、ゲート型量子コンピューターのGPU並列化シミュレーター、量子アニーラや量子コンピューター用独自チップの開発、既存の量子コンピューターへの接続交渉を重ねているという。

Wildcatを支える「GPUアニーラ」の概要

ビジネスパーソンでもデータサイエンスを実行可能へ

弥生賞を受けたのはデータビーグルの「Data Diver」。エンジニアやコンサルタントの専権事項であったデータサイエンスを一般的なビジネスマンが利用可能にするツールだ。同社 代表取締役 西内啓氏は「統計学は最強の学問である」の著者でもある。「新しい統計手法を作っても使われないため、大学を辞めて個人でコンサルティング業務を続けていた。すると、顧客課題は共通項が多いことに気付き」(西内氏)、パッケージ化して同社を起業したと説明した。

データビーグル 代表取締役 西内啓氏

Data Diverは開発言語を用いないノンコーディングシステムで、取り出したい情報にまつわる条件設定を付与することで、RDBMS(関係データベース管理システム)内のデータを引き出せる。出力結果はスプレッドシートのため、エクスポートすれば会議資料にそのまま利用可能だという。データビーグルは現在、「B2Cの小売業界に注力し、既に利用案件が増加中」(西内氏)だと説明した。

データビーグルの「Data Diver」

自然言語理解を用いた情報分析

's ACADEMY賞を受けたのは、コージェントラボの「Kaidoku」。従来のNLP(Natural Language Processing: 自然言語処理)では難しかった言語情報解析にNLU(Natural language understanding: 自然言語理解)を用いて、自動分類や類似検索、視覚的分析を可能にするシステムだ。1例として、米国政府の金融商品に関する30万件のクレーム情報を読み込ませると、顧客が住所変更を行っていないようなデータ欠損や、類似するクレームは特定地域で発生したことが、視覚的に把握できるという。

コージェントラボの「Kaidoku」

コージェントラボの飯沼純氏は、資料作成の時間短縮やコミュニケーションツールに対する検索結果を業務利用する際、Kaidokuが役立つとアピール。「(複数のツールを併用することで業務フローと生産性に混乱が生じた結果、)約4.3兆円/年の機会損失回避や、長時間労働、労働生産性の低下を解決する」(飯沼氏)。

楽曲フレーズの均一性を抽出して類似曲をリコメンド

聴講者からの投票で一番人気となるオーディエンス賞を受けたのは、メタルテックの「SongsLink」。既存の曲推奨機能は音楽的特徴よりも評価や閲覧履歴と言ったメタデータを重視し、自身が聞きたい曲が流れにくい。そこで、イントロダクションのメロディラインやギターソロといったフレーズをデータ化することで、該当するフレーズで他の曲を推奨する。

メタルテックの「SongsLink」

事前の聴者趣向データを登録する必要はなく、Webサイトのウィジェットとして貼り付けることで得られる広告収入や、APIリクエスト課金モデルで収益化を目指すが、現在はYouTubeを基盤としているため、音楽配信会社との連携を図る。作者である長尾俊氏自身がヘビーメタル好きのため、緩急が激しい曲は分別しやすいという。

エッジコンピューターでも機械学習を実現

優秀賞を受けたのは、エイシングの「エッジライトコンピューティングを実現する機械学習AI」。同社はAIパラメータの調整を必要とせず動的な追加学習やエッジ側のリアルタイム学習を実現するDBT(Deep Binary Tree)エンジンを用いたソリューションを紹介した。組み込みを念頭に開発したDBTは、Raspberry Pi 3上で稼働させても50マイクロ秒の応答性を実現する。

DBTをエッジ側に実装することで、大幅な時間短縮と精度向上が可能になる

現在DBTはSaaSソリューションとして提供中だが、DBTアルゴリズムを焼き込んだFPGA版のリリースを予定中。エイシングは事業戦略として船舶エンジンや光学センサー分野で展開し、市場規模の観点から見ても1兆円を超えるビジネスにつながると説明する。授賞の感想を求められた出澤純一氏は、「この賞に恥じないユニコーン企業を目指してまい進する」と語った。

左から日本マイクロソフト 執行役員 最高技術責任者 兼 マイクロソフト ディベロップメント 代表取締役社長 榊原彰氏、エイシング 代表取締役社長 出澤純一氏

計算手法を見直してNN演算を高速化

そしてソフトバンクテクノロジー賞および最優秀賞に輝いたのは、アラヤの「ニューラルネットワークの演算量削減・高速化技術」。同社が考案したフィルタを圧縮する設計を加えると、必要な部分だけ計算するため、ニューラルネットワークの精度を落とさずに演算量を10分の1から50分の1まで削減する。

アラヤの演算量削減技術概要

さらに他の演算手法と組み合わせることで、画像のリアルタイム処理を汎用的なFPGAで可能にする。通常はGPU付きワークステーションなどを必要とするが、スマートフォンや白物家電といったエッジ側の性能を飛躍的に向上させる可能性が出てきた。

物体認識のデモンストレーションでは約10倍の処理高速化を実現。FPGAで実装するれば、30fpsを超えるリアルタイム検出も可能になる

本技術を普及させる施策としてアラヤは、Microsoft Azure上に演算量削減版ニューラルネットワーク自動生成ツールを搭載して、顧客に提供する。同社は大手自動車メーカーと車載デバイス、某通信事業社とドローンの共同開発を進めており、「いずれも消費電力や小型化が必要条件のため、確実に勝てる部分でビジネスを進める」(アラヤ 松本渉氏)。授賞の感想を求められた松本氏は、「我々のプレゼンテーションは地味なので、他のチームが優勝すると思っていた。AIによる社会変革を目指すため、ご支援頂きたい」と語った。

アラヤの松本渉氏(右側2番目)

コミュニティのパワーを新ビジネス創出へ

本イベントの責任者であるドリュー・ロビンス氏は、「我々は顧客と共に技術革新を起こし、参加した学生や企業が他者から刺激を得て活躍する場面を増やしたい」と、長年イベントを続ける意義を語る。

日本マイクロソフト 業務執行役員 コマーシャルソフトウェアエンジニアリング本部 ドリュー・ロビンズ氏

自身も日本マイクロソフト参加する以前から、Microsoft MVPとしてコミュニティに参加してきた経緯を持ち、「技術革新を求めるエンジニアが一堂に会すると、個人ではなし得ない何かが生まれてくる。自分が(1990年代に開催していた)Microsoft Developer Daysに参加した際、Microsoft社員の支援を受けつつ最後までたどり着くことができた」(ロビンス氏)と、コミュニティのパワーを強く感じた経験をつまびらかに明かした。

だからこそ、Microsoft/日本マイクロソフトはImagine CupやInnovation Awardといったコンテストに注力し、2018年2月にはスタートアップを多角的に支援するプログラム「Microsoft for Startups」を開始している。「もしかしたら今日のイベントを切っ掛けに学生やスタートアップのキャリアが大きく変化するかも知れない」(ロビンス氏)イベントを開催し、新ビジネスの創出を目指してきた。

筆者は本イベントの取材を開始して3年足らずだが、Imagine Cup日本予選にチャレンジする学生たちのレベルは年を重ねて高まっている。Innovation Award参加企業も昨年まではアイディア性が際立っていたが、今年は機械学習など時代を反映したソリューションをプレゼンテーションする企業が際立った。いつの時代も世の中を変えるのは、たわいもない発想とそれを実現する熱量を持つ人々である。我こそはと奮起する学生やスタートアップ、もしくは自社の事業に新風を招きたいと考える企業は、来年の本イベントに参加することをお薦めしたい。

Innovation Award 2018受賞者の皆さん

阿久津良和(Cactus)

大盤振る舞いのPayPay、「200億円還元」が導いたビジネスの勝機とは

大盤振る舞いのPayPay、「200億円還元」が導いたビジネスの勝機とは

2019.05.18

PayPayの100億円キャンペーンが終了

「〇〇ペイ」が乱立する中、PayPayの立ち位置は?

6月には新キャンペーンを実施、「決済No.1」への道筋とは

前代未聞の「20%還元」で話題を呼んだPayPayが、第2弾の100億円キャンペーンを5月13日に終了した。だが6月以降には新たなキャンペーンが始まり、まだまだその熱は冷めそうにない。

ソフトバンクグループの資本参加など、PayPayを取り巻く環境は急速に変化している

派手な還元策が注目されるPayPay。今後のビジョンとして打ち出したのは「決済No.1プラットフォーム」を目指すことだ。最近のPayPayを取り巻く状況を振り返りながら、次の展開を予想してみたい。

PayPayは「認知No.1の維持が重要」

4月25日のヤフーによる決算説明会では、PayPayに関する最新の数字として、登録者数は600万人、加盟店は50万店、決済回数は累計2,500万回を突破したことが明らかになった。さらに登録者数は10連休後には700万人に達するなど、順調にその数を伸ばし続けている。

PayPayの累計登録者数が700万人を突破(5月8日のソフトバンク決算説明会にて)

現状、名称認知やサービス理解ではPayPayがNo.1を維持している(PayPay調べ)。これから先、スマホ決済がマジョリティ層に広がっていくにつれ、まずはNo.1のサービスから始めようと考えるユーザーは増えていく。とにかく、認知度No.1を維持していくことが重要というわけだ。

PayPayによる調査では認知度No.1をキープ

100億円キャンペーンの第2弾は終了したが、同社は新たに「次の20%還元」として、6月からはドラッグストアで最大20%を還元するなど、月ごとにジャンルを限定して実施するという。またキャンペーンとは別に、通常の還元率も最大3%に引き上げている。

まだまだPayPayの大盤振る舞いは続きそうだが、店舗側が払う決済手数料は場合によっては0%であるほか、売上金の入金手数料も無料期間を延長している。こうした間にもユーザーへの還元は続いており、PayPayが使われるたびに損失は膨らむ計算になる。

そこで改めて注目されるのが、「どうやって儲けにつなげていくのか?」というビジネスモデルの視点だ。ヤフーやソフトバンクの決算説明会からは、その将来像が明らかになってきた。

PayPayが「プラットフォーム」として本格始動?

ヤフーが決算説明会で示したPayPayのビジネスモデルとは、決済データやPayPay残高の活用だ。蓄積された決済データから個人の消費行動を分析すれば、店舗への送客や広告に利用できる。PayPay残高を利用すればさまざまな金融商品の販売が可能だ。

PayPayのビジネスモデル(4月25日のヤフーの決算説明会資料より)

近未来を描いたイメージビデオでは、PayPay残高が足りないときに利用できる「後払い」、近隣店舗の商品在庫の表示や送客、PayPay残高による投資信託や保険の購入、デリバリーやレンタカーといったサービスを利用する様子が描かれていた。

最近では、楽天やLINEに続き、KDDIもアプリを入り口としてコード払いや資産運用、ショッピングやサービス利用にポイントを循環させていく構想を打ち出している。PayPayが目指すビジネスモデルは、そこに真っ向勝負を挑むものとみて間違いなさそうだ。

続々と強化されるPayPayアプリ。今後は金融サービス連携も?

ヤフーはPayPayのオンライン対応を進めており、6月以降にYahoo!ショッピングとヤフオクに対応する予定だ。特にヤフオクの売上金をPayPayで受け取れるようになる機能は、メルカリの売上金を利用できるメルペイに対抗する動きといえる。

また、ソフトバンクはガラケーからの移行にPayPayを活用する。ガラケー利用者向けの「スマホデビュープラン」では合計6,000円相当のPayPayボーナスを付与すると発表している。PayPayに関心を持ち始めたガラケー利用者に向けて、スマホに移行させつつPayPayユーザーとして取り込む、一石二鳥のアプローチだ。

PayPayを取り巻く体制も変化している。ソフトバンクグループはPayPayに460億円を出資する一方、ソフトバンクはヤフーを子会社化することで効率化を図るなど、グループ全体でのシナジーを追求していく構えだ。

PayPayを中心にソフトバンクグループ全体とのシナジーを追求

スマホ決済の中でも飛び抜けて勢いのあるPayPayだが、アプリ起動やコード読み取りの手間を嫌う声は多い。還元キャンペーンの間だけ盛り上がる一過性のものと考えていた人も少なくないだろう。だがここに来て、ソフトバンクとヤフーはPayPayを本気で「No.1」にする戦略に着手したといえそうだ。

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チームの環境はどう変わったか? 代表者4人が語る「eスポーツ2018-19」

2019.05.17

2018年に大きく飛躍したeスポーツ業界

選手や大会だけでなく「eスポーツチーム」にも影響を及ぼした

eスポーツチーム運営に携わる4人に集まっていただき座談会を実施

チームに起きた変化や現在の環境について話し合ってもらった

2018年に大きく飛躍したeスポーツ業界。選手や大会運営だけでなく、プロ選手の所属する「eスポーツチーム」にも影響があったようだ。そこで、eスポーツチームを運営する4名に、チームの変化やeスポーツの現状、これからの展望について語ってもらった。

今回、集まっていただいたのは「よしもとゲーミング」「SCARZ」「SunSister」「DetonatioN Gaming」の4チームの代表者だ。

流入する資本。eスポーツのマネーゲーム化を懸念

――昨年からeスポーツを取り巻く環境が大きく変わったと思います。みなさんのチームにはどのような変化がありましたか? 昨年その波に飛び込んだよしもとクリエイティブエージェンシーさんは、eスポーツへの参入意図について教えてください。

よしもとスポーツ 代表取締役社長 星久幸氏(以下、星):巷で言われているのと同様に、弊社にとっても2018年は“eスポーツ元年”でした。よしもとクリエイティブエージェンシーはエンターテインメントの総合商社として、タレントに仕事を持ってくることがメインの会社です。内容は時代によって変化しますが、eスポーツはまさにこれからタレントの活躍の場の1つとなると考えたため、参入することにしました。

ただ、「よしもとゲーミング」として、eスポーツ事業に乗り出したはいいものの、右も左もわからない状態だったので、まずはすでにeスポーツチームを運営しているところにパートナーとして参加しました。プロeスポーツチームの「よしもとLibalent」がそうですね。

また、よしもとはイベント運営も行っている会社なので、興行としてのeスポーツにも注目しています。2019年からは『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』の国内リーグの「League of Legends Japan League(LJL)」の運営に参加しています。

よしもとスポーツ 代表取締役社長 星久幸氏

XENOZ 代表取締役CEO・SCARZ オーナー 友利洋一氏(以下、友利):これまでは、チームのスポンサーを探しに行った際、いつも「eスポーツとは」という説明からスタートしていましたが、昨年あたりからその説明が不要になりました。

また、認知度が高まっているので、プロゲーマーを目指す人も確実に増えてきていますね。ちょっと前だとYouTuberの影響などもあり、ゲームで稼ぐというとストリーマーを目指す人が多かったのですが、最近は選手志望の人が増えている印象です。20歳以下の選手も増えてきたのではないでしょうか。なので、チームとしては、資金も選手も厚みが出てきました。

XENOZ 代表取締役CEO・SCARZ オーナー 友利洋一氏

SST-GAMES 代表社員CEO・SunSister オーナー 太田桂氏(以下、太田):チーム設立当初は、ゲーム好きが集まる、いわばコミュニティの延長のようなものでした。なので、ゲームで日本一になりたい、世界に行きたいという気持ちは強かったのですが、「お金を稼ごう」とはあまり考えていませんでしたね。しかし、次第に企業から協賛の話をいただくようになり、「ビジネスとしてしっかりやっていかなければならない」と思うようになりました。

企業側も、資金提供されるようになってからは、eスポーツについて勉強されるので、選手やチームの状態なども細かく見られます。そのため、いまは「スポンサーされるチーム」と「されないチーム」がふるいにかけられているでしょう。協賛の数も増え、ご提供いただく資金も増えるなかで、昔ほど緩い感じではなくなりました。業態としても、これまでのようなPCメーカーやPC周辺機器メーカーだけでなく、PC関連以外の企業の参入も増えています。

あと、eスポーツが普及して感じる変化ではもう1つ、ファンの存在が挙げられると思います。最近では、試合後に選手を出待ちするファンを見かけるようになりました。プロゲーマーがアイドル化してきたなと思いますね。

SST-GAMES 代表社員CEO・SunSister オーナー 太田桂氏

Sun-Gence 代表取締役社長 DetonatioN Gaming オーナー 梅崎伸幸氏(以下、梅崎):最近は、Twitterのアカウントをスポンサーさんに見張られている気がします(笑)。打ち合わせのときに「梅崎さんこの前~していましたよね」と言われて、「どうして知っているんですか?」と聞いたら「Twitterで見ました」って。選手も私も下手な発言はできなくなったと感じましたね。

チームとしては、やはり2018年に大きく変わりました。以前の年と比較すると、グッズ販売などの売上が2倍以上も違うんです。数千万円クラスですね。イベントだと選手のサインがもらえることもあり、現場でグッズを購入する人が増えている印象です。

選手の給料も上がってますし、確実に市場価値は高まっているでしょう。ただ、主要タイトルではマネーゲームが始まっている感じがして、それがちょっと気がかりですね。

Sun-Gence 代表取締役社長 DetonatioN Gaming オーナー 梅崎伸幸氏

友利:大資本が入ってくるということですよね。それはまずいことなんですか?

梅崎:たとえば、中国資本が入ってきて、選手を多額の資金で集め出すと、市場はあっという間に吹き飛んでしまうでしょう。「選手1人に3000万円払います」「予算は10億あります」って言われたら、DetonatioNなんか消し飛んでしまいますよ。リアルスポーツのプロチームもeスポーツに参戦していますし、経営基盤がしっかりしているところと勝負して勝てるのかなという不安はありますね。

太田:ちょうどこの前、友利さんと話をしていたときに「数年後には、SunSisterないから」と言ったのを覚えています。「なんでそんなこと言うんですか」って言われましたけど、バックに銀行のような大資本が付いている企業と札束ゲームをしても絶対に勝てないじゃないですか。「SunSister、強くなったよね。君、いくらもらっているの? そう、じゃあ月100万出すよ」って言われたら、太刀打ちできません。

星:eスポーツの運営ノウハウがないところは、チームごと買うケースも出てくるでしょうね。

梅崎:そうですね。チーム売却まで行かず、資金力のあるところとパートナーを組んでいければいいのですが。

選手の意識は“ファンの存在”で変わる

――TwitterなどのSNSについて話が出ましたが、選手は特に注目されていると思います。そのような状況に慣れていない選手も多いと思いますが、チームとしてはどう対応していますか。また、ファン対応についてもお聞かせください。

星:うちはマネジメントの会社なので、コンプライアンスに関してはしっかりと時間をとって教育していますね。弁護士や警察OBの方に来ていただき、一人ひとりに説明します。

メディア対応についてもレクリエーションを実施しています。全員に行き渡っているとはまだ言えませんが、eスポーツ選手でも目立つ存在のジョビンには特にたたき込んでいますよ。

リーグ運営という側面からほかのチームを見ていると、そのようなことができているチームとできていないチームがはっきりとわかりますね。

友利:ファンサービスは力を入れていきたいと考えています。eスポーツの場合、会場に行けば選手に会えるという「身近さ」も魅力の1つでしょう。

実はSCARZには、「元アイドル」をしていた選手も在籍しているんですが、アイドル時代よりも、eスポーツ選手になった今のほうがファンとの距離感が近くなって、彼自身も喜んでいますね。最初はeスポーツに興味がなかった彼のファンにも、eスポーツを身近に感じてもらえるようになりました。

太田:選手の教育自体は、それこそチームの発足時からしっかり行っています。ただ、なかなか浸透するまでに時間がかかりますね。選手にコンプライアンスの大事さを説明すると、その場では素直に話を聞きますし、「わかりました」って言ってくれて。やんちゃなタイプの人は少ないのですが、それでも、トラブルを起こしてしまうことがあるんです。

そのときに「SunSister、ちゃんと教育しろよ」って言われるんですが、実際は丁寧にやっているんです。たぶん、どのチームも教育はしていると思いますが、やらかす人はやらかしてしまいますね。

ただ、ファンが増えて「自分が注目されている」と認識できれば、そこで態度が一変することが多いですね。「これは下手なことはできないな」と思うようです。コンプライアンスを説明するよりも、ファンに見られているという意識を持つほうが、大事なのかもしれません。

梅崎:チームのメンバーと焼き鳥屋さんに行ったとき、店員さんからうちのチームのファンだって声をかけていただいたことがありました。すぐに「下手なこと言うなよ」選手たちに伝えましたね(笑)。太田さんがおっしゃったように、「いつどこで誰が見ているかわからない」ことを実感しました。

DetonatioNは大所帯なので、教育自体はマネージャーに任せています。なので、その教育者、教育内容を間違ってしまうと、選手が勘違いしてしまうことはありますね。僕らの考えていることをマネージャーに伝え、それをマネージャーから選手たちにきっちり伝えられる座組を作っていかないといけないと考えています。

太田:ファン対応については、定期的にファンミーティングを実施しています。実施し始めた頃は「僕にファンなんていません」とか「そんなことやって意味あるんですか」とか、ファンとの触れ合いを怖がる選手もいましたが、実際にファンミーティングをやってみると、思いのほか人が集まって「いつも動画見ています」「試合に行きました」って言ってもらえるんです。そうすると、うれしくなるんでしょうね。ファンの存在を実感して、イベントへの参加も楽しくなってきて、ファンから見られていることに対してもポジティブに感じられるようになったはずです。

梅崎:DetonatioNでは以前、ファンが離れぎみになってしまったことがあったんです。そのときに私も含めて意識改革を行って、今まで以上にファンを大事にするようにしました。

選手も昨年の「Worlds」で、わざわざ韓国まで応援に来てくださったファンがいたことがすごくうれしかったようで、意識が変わったように思います。

友利:教育という意味でいうと、有名になって、成績も残せるようになると、選手が迷子になってしまうことがありますよね。チームではなく自分の力で勝っているとか、自分だけに人気が集中しているとか、イベントのオファーは自分に来ているとか。もちろん、選手個人の強さもあると思いますが、チームゲームの場合は1人では勝てません。目立つプレイの裏には支えてるチームメイトがいます。そうなるとチームを離れても、オファーがもらえるのではないかと思ってしまうんです。

梅崎:たしかにあります。でも実際は違うんですよね。よしもとさんは、特にそのあたり詳しいのではないでしょうか。多くの芸人さんが在籍していて、よしもとの看板で仕事がくることも多いわけですから。

星:永遠の課題ですね。オファーをいただくのは、「芸人の人気」か「よしもとの存在」か。私はどちらもあると思います。もし、芸人の力だったとしても、そこまで育てたのはよしもとですし、eスポーツであればチームなわけです。

友利:実際にチームを離れてから、チームの人気に支えられていたと気づくこともあるようです。もちろん、チームの人気は個々の選手の人気あってのこと。あと、チームは強いことで人気が出るのですが、強すぎてしまうのも弊害はありますね。

星:リアルスポーツでも一緒ですよね。1チームだけが強すぎてしまうと、試合にならないですし、実は集客もトータルでは減ってしまうんですよね。NBAなどのアメリカのスポーツリーグでは、各チームが選手に支払える給料の総額に上限を設けて、戦力のバランスを取っていますが、eスポーツでは、まだそういうレギュレーションがありません。勝つことで集客を見込めるようになったのに、勝ち続けてしまうことでお客さんが離れるというジレンマですね。「観に行かなくても、どうせ勝つんだから」って、なるんです。

梅崎:そうか! 負けるように言わなきゃ(笑)。

ドライな関係が増えた「選手」と「チーム」

――賞金やプロゲーマーという職業が話題になることも増えました。もともとゲームタイトルが好きでコミュニティからプロになった選手と、eスポーツが確立されてからプロになることを目的に始めた選手では、ゲームに対する向かい方は違うのでしょうか。

太田:特に違いはないと思います。チームのなかには、ゲームを楽しみたいと思っている人もいれば、トップを目指したいと取り組んでいる人もいます。それでも、ゲームや大会への熱量はそんなに変わらないでしょう。ただ、結果が出たときに、以前の選手は「よっしゃー、勝ったー」で終わっていたところ、今では「よっしゃー、勝ったー。結果出したからお金ください」ってなるだけだと思います。

梅崎:昔からいる人はお金を求めないことが多いですね。「強さ」や「世界での活躍」が先にきます。今の選手はお金をもらえるのが当たり前という印象です。もちろん、お金の話は重要なんですけど。面接のひと言めから「いくら出します?」はちょっと……。

友利:うちも似たような感じですね。強い選手は勝つことを最重要に考えています。「勝ちたい」「結果を出したい」と頑張っている人には、こちらからサポートしたいと思うもの。そこは情の部分になってしまいますけどね。

梅崎:情は大事です。なかなか結果を出せない選手がいると「うちと契約続けるのは難しいな」とならざるを得ないのですが、本人とその話をするときに「もう少しだけ頑張らせてください!」と懇願されてしまうと「そうかぁ」って判子を押してしまうんですよね。

太田:たぶん、梅崎さんも長いことやっていらっしゃるので、どうしても選手を切らなきゃならない場面に遭遇して、涙を流しながら契約解除した経験ってあるんじゃないですか?

梅崎:そりゃありますよ! 泣きましたね。

太田:そうですよね。私も経験があります。選手と泣きながらお別れしたことがありました。できることなら契約継続したかったですし、選手もSunSisterで続けたいって思いがあったわけですから。

もちろん、今もそのようなケースはゼロではないですけど、契約に関してはわりとドライな関係が多いですね。内容に不満があったら辞めますし、こちらから切らざるを得ない場合でもあっさりと辞めていきます。

ただ、プロとしてお金をもらえることが当たり前になった時代に生まれたので、対価を求めること自体は悪ではありません。

――今年LJLは大きくレギュレーションを変え、売上が5000万円必要であったり、資本金が1000万円以上であったりと、リーグに参加できるチームの条件も変わりました。また、2部リーグを廃止し、1部リーグのチーム数を8に増やすなど、さまざまな改革を行っています。ほかのタイトルでも一定数の資本金額や売上額を満たしていないと、リーグへの参加申請ができなくなっていますが、この状況についてどう感じますか。

梅崎:LJLに関して言えば、6チーム制から8チーム制にしたのは大賛成ですね。ただ、2部制をなくしたのは早すぎたと思います。現状でも地域密着のフランチャイズ体制がまともに機能していないなかで、2部制をなくしてしまうと、東京の一極集中になりますし、これからLJLを目指そうとする若者の活躍の場が少なくなってしまいます。

リーグとしても2部との入れ替え戦があるからこそ、成績下位チームも最後まで緊張感を持って試合できるわけです。今の状態だと優勝を見込めなくなったチーム同士の試合はただの消化試合になってしまいますから、観る方もつまらなくなるのではないでしょうか。

友利:うちのチームは1部と2部を行ったり来たりしていたので、落ちたときの悔しさ、昇格したときの感動が得られなくなったのは残念ですね。

梅崎:リーグ側からすれば、資金不足が原因でチームが解散してしまうリスクを懸念して、ある程度資金力、実力のあるチームを選定していると思います。なので、2部リーグに関しては、その売上や資本金の規定を1部よりも低く設定するなどの処置で継続していただければうれしいですね。

友利:チームの売上を求めるのであれば、エコシステムも同時に作ってほしいですね。放映権を作って、チームに分配するとか。もちろんチーム自体が考える必要もありますが、さまざまな面でリーグに協力していただけるとうれしいですね。

たとえば、海外から有力選手を招聘すると、入国管理局から「厳しい」と言われることがあるんです。なぜかというと、プロリーグとしてのシステムが確立していないケースが多いためです。LJLはそこをクリアしているので、ガンガン海外の選手が入ってきています。日本の『LoL』が飛躍的に伸びたのは、韓国人選手が入ってきたことが大きいんです。「実力がはるかに上の韓国人選手がこれだけ練習しているのに、日本人選手はそれでいいのか」という雰囲気になって、日本人選手の意識が変わってきました。

選手としての実力の高さが国内のリーグのレベルを引き上げてくれるだけでなく、海外の常識、特にeスポーツ先進国の韓国のやり方が入ると、国内の選手やチームの意識改革ができるんです。Jリーグの関係者も同じことを話していましたね。

星:LJLの2部廃止は我々の決定というわけではないのですが、まず1部リーグに注力してLJL自体を広めることが目的だと思います。もっと競技人口が増えてから、2部リーグの話が再び出てくるのではないでしょうか。

梅崎:若手発掘という位置づけであれば、参加希望者によるトライアウトの「スカウティング・グラウンズ」がありますけど、狭き門のうえ、参加するのは選手単位。即席チームでのプレイを数試合観ただけで選手の実力を判断することは無理ですよ。

友利:スカウティング・グラウンズで新しい選手を獲得したとき、現存の選手の誰かを切る必要が出てきます。2部があれば、そこでの活躍次第で1部への復帰も見込めますが、現状だと1度1部を離れてしまうと、復帰は難しいでしょうね。

2019年1月に開催された「LJL 2019 SPRING SPLIT」の様子。試合会場が中野の「Redbull Gaming Sphere Tokyo」から「よしもと∞ホール」に変更された

太田:主催者側の観点から考えると、チームが安定して運営されているかどうかの担保は必要だと思います。ただ、それをされるとうちは辛いかな。まあ、レギュレーションで出られないのであれば、それは仕方ないこと。こちらはあくまでも出させていただいている立場なので。

友利:大会自体もっと増やしてもらえればうれしいですね。せめて年間スケジュールは早めに出してほしい。スポンサーさんからスケジュールを聞かれるんですけど、決まってないから言えないんです。下手すると1カ月前にならないと出ないところもあって。

太田:IPホルダーが簡単に大会を主催させてくれない点も、なんとかしてほしいところです。権利を持っているところほど何もやらず、お金も出してくれない。それでいて、大会を開こうとしても許諾が降りないのでは、タイトルが盛り上がるわけがありません。

友利:そういう点で『カウンターストライク:GO』はすごいですね。さまざまなところが開催できるので、年間700回くらい大会がありますし。選手は休むヒマがないんですけど、今の日本のように「大会がない!」という状況よりはいいのではないでしょうか。

――今後eスポーツに求めることやチームとしての目標は何でしょうか。

星:リーグ運営はもっとしっかりしたいと思っています。選手に還元できるエコシステムの構築やスタッフの育成、また、セカンドキャリアの構築なども進めていきたいですね。よしもとクリエイティブエージェンシーはスポーツ選手のセカンドキャリアを支援しているので、eスポーツ選手にも対応できると思います。

友利:日本チームが世界を取るところを見てみたいですね。そのためにも、チームとして、選手はもちろん、スタッフの育成をしていくことが重要だと思っています。フィジカルやメンタルのケアができる環境も整えていきたいですね。ファンの方々にも選手を見て喜んでいただくためにも、大会で活躍できるだけでなく、人としてしっかりとした選手を輩出していきたいと思います。

太田:せっかく多くの人にファンになっていただいたので、もっと喜んでもらいたい。見ていて、「このチームおもしろいね」って言ってもらえるようなチーム作りをしたいと考えています。ファンが増えれば、それだけチームや選手にも還元されるわけですから。チームとしては、世界中から「SunSisterすげえな」と言われるようになりたい考えています。それが一番ファンも喜んでくれると思うので。選手の意識改革をし、ファン重視で運営していきたいですね。

梅崎:今、チームの主要タイトルは『LoL』なので、昨年以上の成績を残していきたい。また、実行するまでにしばらく時間がかかりそうですが、地方に根付いたチームにしていきたいと思っています。地盤を築き、その土地のファンや地元の企業と一緒に何かやっていければいいですね。選手中心での運営するスタンスは変わりませんが、ファンのための施策もいろいろ考えていきます。ファンクラブを作ったり、グッズを増やしていったり、そんな感じですね。

――ありがとうございました!

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