今さら聞けないビジネスIT用語集 第6回

"気付き"を生み出す資産となる--「ビッグデータ」

2017.07.12

現在、研究が進んでいる自動運転車はレーダーやセンサー(感知器)、カメラなどを用いて周囲と自身の状態を認知し、適切に行動する次世代の交通手段として多くの注目を集めている。とある大手IT企業は2020年に至るまで、ネットワークを介したクラウド分析が加速すると推察し、それ以降は深層学習を用いた学習の効率化と現実的な運用に移ると予測した。

例えばMicrosoftは、自動運転車が生み出すデータ量は1秒あたり100GBに達し、エッジ(端)からデータが生み出される時代に達しつつあるという。とある調査結果では2020年までに250億台のIoTデバイスが世界中に点在し、日々データ生成や処理を行うという。このような背景から、Microsoftは2017年5月に開催したBuile 2017で、「インテリジェントクラウド、インテリジェントエッジ」を提唱した。

日本マイクロソフトが2017年5月23日に開催した「de:code 2017」のスライドより

既に米国政府や日本政府もビッグデータに対する取り組みを発表し、バズワード化の傾向がある。そもそもビッグデータは、その中身はコンビニエンスストアなどで購入した商品履歴や、日々送受信するメールデータやSNSへの投稿内容といった細かで複雑な情報。サーバー側に目を向ければログデータなど溜め込んだデータ全体を指す単語である。だが、注目すべきはデータの管理と活用に移行している点だ。例えば総務省はビッグデータを「事業に役立つ知見を導き出すためのデータ」と定義し、データ自身ではなく活用方法に力点を置いている。

他方でデータを管理する手法も見直されるようになった。従来のRDB(リレーショナルデータベース)は構造化データを格納することに特化し、規則性の有無がある非構造化データの扱いに窮してしまう。しかし、ビッグデータと呼ばれるデータ群は構造化されていない画像や音声、不規則的な文字なども含まれるため、非構造化データへの対応が求められている状態だ。

そこでMicrosoftは自社のパブリッククラウド上から、Azure SQL Data WarehouseやオープンソースのApache Hadoopを用いて、非構造化データから構造化データを取り出すソリューションを提供している。もちろん同様のアプローチは各社が鎬(しのぎ)を削っている状況だ。

ビッグデータは単なるデータである。だが、データが新たな価値を生み出す存在であることに気付いている経営者は多い。ビッグデータの分析から得られる洞察や気付きは社員の創造性向上につながり、企業全体の生産性を改善する。将来的には各個人の役割が変革する"スキルシフト"にも至るだろう。このような文脈の上で深く掘り下げて行けば、自(おの)ずと現在の問題点や改善点は見えてくる。

繰り返しになるがビッグデータは単なるデータだ。注目すべきはそこから得る企業の状況と展望である。

阿久津良和(Cactus)

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu