シャープのスマホが躍進を遂げている理由

シャープのスマホが躍進を遂げている理由

2018.05.21

スマートフォンの国内販売台数で「Xperia」シリーズで人気のソニーモバイルコミュニケーションズを抜き、国内メーカー首位となった「AQUOS」シリーズのシャープ。液晶ディスプレイに強みを持ちながら、近年はあまり存在感を発揮できていなかったシャープが、いま大躍進を遂げているのにはどのような理由があるのだろうか。

自社開発の「IGZO液晶」が最大の強み

ここ最近、国内スマートフォン市場で躍進を遂げているのがシャープだ。昨年には各種調査において、国内のAndroidスマートフォンの販売台数で首位を獲得していたソニーモバイルコミュニケーションズを抜き、首位の座を獲得。今年も首位の座を維持するべく、新製品「AQUOS R2」「AQUOS sense plus」を投入するなど攻めの姿勢を見せている。

シャープのスマートフォンで特徴的な機能となっているのは、やはり液晶ディスプレイである。シャープはこれまで、高精細ながら省電力性に優れた自社開発の「IGZO液晶」を採用したディスプレイをスマートフォンに搭載し、他社との差異化を図ってきた。

そのことを象徴する要素の1つが、「IGZOフリーフォームディスプレイ」である。これは通常は四角いディスプレイを、自由な形にできるというもの。AQUOS R2を例に挙げると、四辺に丸みを帯び、インカメラ部分がくり抜かれている本体のボディデザインに、ディスプレイの形状そのものを合わせていることが分かる。

液晶技術を存分に生かした「AQUOS R2」。「IGZOフリーフォームディスプレイ」により、丸みがあり、フロントカメラ部分を切り欠いた形状にディスプレイを合わせている

そしてもう1つは「ハイスピードIGZO」である。これは120Hz駆動、要するに1秒間にディスプレイを書き換える回数が、通常のディスプレイが60回であるのに対し、ハイスピードIGZOを採用したディスプレイは120回となっているのだ。ハイスピード液晶の採用によって、残像が少なく、タッチ操作にディスプレイの表示がしっかり追いつくことから、滑らかな操作感を実現できるのである。

AQUOS R2は「ハイスピードIGZO」も採用。120Hz駆動でタッチ操作に画面の表示がしっかり追従し、快適な操作感を実現してくれる

ディスプレイはスマートフォンの顔であり、直接触れて操作するインターフェースでもある。それだけに、自社で液晶ディスプレイを直接手掛ける強みが、シャープのスマートフォンには生かされているわけだ。最近では、スマートフォンにも有機ELの採用が広がっており、液晶の優位性は薄らいでいるとも言われているが、シャープは液晶技術にさらに磨きをかけ、他にはない特徴を打ち出しているのである。

販売戦略の転換が躍進の契機に

だがシャープが液晶ディスプレイに強い、というのは以前から多くの人が知っていることだ。ではなぜ、シャープがここ最近躍進を遂げているのかというと、それは販売戦略の変化によるところが大きい。

シャープは他の国内メーカーと同様、販売数が多い大手3キャリア向けに端末を提供するビジネスを展開しているのだが、それぞれのキャリアに配慮してか、同じ端末でありながら、例えばフラッグシップモデルであれば、NTTドコモ向けは「AQUOS ZETA」、au向けは「AQUOS Serie」、ソフトバンク向けは「AQUOS Xx」といったように、キャリアに応じて異なるブランド名を付けて販売していた。そのことが、シャープのスマートフォンのイメージが伝わりにくい要因となっていたのである。

そこでシャープは2017年より、フラッグシップモデルは「AQUOS R」、ミドルクラスのモデルは「AQUOS sense」に統一。このブランド戦略の変更によって、顧客にシャープのスマートフォンのイメージが明確に伝わりやすくなったことから、ブランドイメージ向上と販売拡大へとつながったのである。

2017年のフラッグシップモデルから、ブランド名を「AQUOS R」に統一したことが、シャープ躍進の大きな要因の1つとなった

そしてもう1つ、シャープが躍進を遂げた大きな要因となっているのが、ミドルクラスのAQUOS senseの存在である。AQUOS senseは3万円前後と低価格ながら、フルHDのIGZOディスプレイを搭載するなどお得感を打ち出しヒットを記録している。

AQUOS senseのコストパフォーマンスの高さを実現する鍵となっているのは、販路の広さにある。AQUOS senseは大手3キャリアだけでなく、そのサブブランドにも提供されているし、さらにはMVNOに向けても、ボディ素材をやや変更して価格を抑えた「AQUOS sense lite」を提供している。販路を増やすことで出荷台数を増やし、製造コストを下げていることから低価格を実現できているわけだ。

「AQUOS sense」の好評を受け、高機能モデルの「AQUOS sense plus」をSIMフリーモデルとして提供。独自のSIMフリー端末を展開できるというのも今のシャープの強みだ

こうした攻めの販売戦略を取ることができるようになった裏には、2016年にシャープが鴻海精密工業の傘下となり、経営面での不安がなくなったことが大きいと考えられる。国内での復活に続いてスマートフォンで欧州への進出を計画するなど、勢いに乗るシャープが今後どこまで躍進できるのか、大いに注目される所だ。

大変革の新型「カローラ」に試乗! 激戦のハッチバックに挑むトヨタの事情

大変革の新型「カローラ」に試乗! 激戦のハッチバックに挑むトヨタの事情

2018.08.22

ハッチバックとなった背景に2つの理由

TNGA導入効果で走りは変わったか

コネクティッド機能は充実もスマホ連携に改善の余地

トヨタの「カローラ スポーツ」が発売となった。新型モデルにはさまざまな大変革が見られる。まず、先代モデルはセダンボディの「アクシオ」とワゴンボディの「フィールダー」という車種構成だったのに対し、今回の新型カローラシリーズで先陣を切ったのはハッチバックモデルであった。カローラの歴史を紐解くと、このボディタイプは2006年まで販売された「カローラランクス」以来、実に12年ぶりの復活となる。なぜ今、ハッチバックなのか。その理由は大きく2つ挙げられる。

ハッチバックを選んだ2つの理由

1つ目の理由は「若返り」だ。現在、カローラユーザーの平均年齢は70代で、ワゴンモデルのフィールダーでも60代だという。一昨年に50周年を迎えたカローラは、トヨタの基幹車種として愛され続けてきた反面、ロイヤルティの高いユーザーは高齢化していたのだ。そこで新型車には、次の50年に向けて若い人たちに乗ってもらえるクルマにしたい、という思いを込めた。

2つ目の理由としては「グローバル化」を挙げることができる。カローラは1966年の初代誕生以来、150以上の国と地域で累計4,600万台を販売してきた。世界16拠点の生産工場を持ち、10秒に1台を販売するグローバル商品だ。しかし、「カローラ」の名はつくものの、ボディタイプやプラットフォーム、搭載するエンジンなど、その中身は国や地域により作り分けていた。それを今回は、名実ともに、基本は世界ワンスペックのクルマとして作った。そして、グローバルで見ると、ハッチバックは人気が高い車種なのだ。

中国や米国などのビッグマーケットでも、ハッチバックの販売が伸びている。一足先に発売となったライバルのホンダ「シビック」も、セダンに加えハッチバックモデルをラインナップしているが、米国ではハッチバックが約3割を占めているそうだ。

このような理由から、まずはハッチバックの「カローラスポーツ」が登場することとなった。

新型車「カローラ スポーツ」のボディタイプはハッチバックだった(全ての画像提供:トヨタ自動車)

サーキットで感じた第一印象

カローラ スポーツと最初に出会ったのは、ショートサーキットだった。一言でいうと、存在感はあるけど強烈なクセはない、すんなり受け入れられるデザイン、というのが第一印象だ。切れ長でシャープな眼、ワイド&ローのプロポーションで、特にデザイナーがこだわったというリヤは“カタマリ感”、踏ん張り感で安定性をアピールしながらも、全体的にはスポーティーなシルエットとなっている。

ディテールを見ると、サイドのプレスラインはかなりエッジが効いている。つまり、作る際には鋭角的に鉄板を折り曲げる必要があり、実はこれもかなりチャレンジングだ。先に述べたように、トヨタは今回、グローバルで作るため、各工場の作り手の技術を安定させるという「工場の開発」にまで挑んでいるのだ。

エッジの効いたサイドのプレスライン

走ってみると、クルマの基本性能である「走る・曲がる・止まる」の性能が飛躍的に向上していた。実に気持ち良く走る。しっかりしたシャシーとボディに包まれ、足元のサスペンションはしなやかに動く。ステアリングはしっかり感があって、切れば素直に曲がっていく。従来のクルマと比べ、ドライバーの操作の伝達スピードと確度が格段に上がった印象だ。

サーキットの路面はフラットなので、そもそも安定感が高い。なので、意地悪く縁石を踏んでみたりもしたが、乗り越えの際にも尖った突き上げ感はなく、常にタイヤの接地を失うことなくスマートにいなした。また、限界域まで追い込んでみても、旋回中にブレーキを踏んでも、リヤが破綻することなく安定性を保っていた。DSC(ダイナミックスタビリティコントロール、クルマが曲がりすぎたり、逆に曲がらなかったり、横滑りしたりするのを防ぐ機能)を解除して電子制御なしで走っても唐突な動きはなかったので、トヨタが基本的な素性から作り込んでいることが確認できた。

後日、一般道と高速道路でも試乗した。ハンドリングの良さは納得だが、やはり、荒れた路面やアンジュレーションのある”生きた道”を走ってみないと乗り心地や静粛性といった「快適性」の側面はわからないからだ。しかし、サーキットで受けた印象が覆されることはなく、快適に、気持ち良く走ることができた。エンジンは1.8Lハイブリッドと1.2Lターボのガソリンがある。燃費志向の方にはハイブリッド、気持ち良さや瞬発力を求める方にはガソリンエンジンをオススメしたい。

「HYBRID G」というグレードの内装(色はサドルタン)

「TNGA」導入の効果は明らか

「走り」の進化は、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)プラットフォームの導入によるところが大きい。TNGAは「もっといいクルマをつくろう」という豊田章男社長の号令の下、トヨタが推し進めた開発コンセプト。現行「プリウス」で初採用し、人気の高いコンパクトSUV「C-HR」で走りを磨いたが、第3弾となるカローラ スポーツでは、その能力をさらにブラッシュアップしている。

具体的には、C-HRよりさらにステアリングの剛性がアップしたことで、リニアな操縦性が実現している。摩擦が低く滑らかに動く新開発ダンパーの投入により、動き始めからしなやかさを発揮する。さらには電子制御が良くなっているし、静粛性も向上している。

先代カローラを国内専用モデルとして開発したトヨタだが、プラットフォームはBセグメントの「ヴィッツ」と共用していた。それに対して今回は、Cセグメントで使う新規プラットフォームを採用しているので、動的性能の向上幅が大きい。

スポーティでありながら、スポーツカーほど尖った性格ではないし、パワーに対して高いシャシー性能があるので、初心者でも安心して乗れる。この後、セダンやワゴンも登場するとのことだが、ワゴンよりカッコよく、リヤシートを倒して使えるなどセダンよりフレキシビリティのあるハッチバックは、若い人たちにも受け入れられるのではないだろうか。

6月26日の発売から1カ月で「カローラ スポーツ」の受注台数は約9,200台に達したとのこと。月販目標は2,300台だ

コネクティッド機能が充実、スマホ連携は少し残念

ところで今回、クルマ本来の楽しさに加えて、トヨタが開発に注力したのが「コネクティッド」機能だ。「クラウン」と「カローラ」という基幹車種の同時フルモデルチェンジにも関わらず、メディア向け発表会は開かず、ユーザーを対象とした「コネクティッドデイ」なるイベントを大々的に開催したことからも、その力の入れようは容易にうかがえる。

カローラの全グレードに標準装備となるコネクティッド機能を使えば、例えばオペレーターを介してナビの目的地設定を行ったり、インジケーター点灯時に対処法のアドバイスを受けることができたりするし、エアバッグ作動時には自動でオペレーターに接続し、ドクターヘリの出動判断を行う「D-Call Net」にも対応していたりする。さらに、LINEにマイカーを「友だち」として追加すると、乗車前に目的地登録やガソリン残量の確認などを行うことができる。

安心・安全が格段に上昇するが、一方で、ちょっと残念なのは、スマホアプリを車載ディスプレイで操作する機能が搭載されていない点だ。というのも、トヨタはAppleやGoogleと手を組まず、独自のプラットフォーム「SDL」(スマートデバイスリンク)を介してスマートフォンとナビゲーションシステムを連携させ、スマホアプリを車載ディスプレイで操作する機能を開発しているからだ。

なので現状、Wi-fiがつながる環境は整っているのだが、「Apple CarPlay」や「Android Auto」は使えない。もっとも、これにも理由がある。彼らと提携すればことは簡単なのだが、そのシステムはブラックボックス化されていて、トヨタには管理できない。より安全なものを提供したい、というこだわりがあるゆえの選択なのだ。

とはいえ、若者にとって(いや、若者に限らずかも)スマホはマストアイテムであり、運転中も”つながっていたい”というニーズは高そう。また、スマホと車載ディスプレイの連動は「ながら運転」を抑止するための重要な機能でもある。なので、早急な対応を望みたいところだ。

コネクティッドは面白い機能だが、やはりスマホ連携も充実させて欲しいところだ

カローラ スポーツが位置するCセグメントのハッチバックモデルは、フォルクスワーゲン「ゴルフ」、メルセデス・ベンツ「Aクラス」をはじめ、競合車がひしめく大激戦区だ。しかしながら、グローバルを見据えてトヨタが大きた革新を施した新型カローラ スポーツは、その土俵でも十分に戦える戦闘力があると思わせるクルマに仕上がっていた。
 

なぜMVNO通信サービスは昼休みの通信速度が遅いままなのか

知って納得、ケータイ業界の"なぜ" 第22回

なぜMVNO通信サービスは昼休みの通信速度が遅いままなのか

2018.08.22

MVNOの通信速度が遅いのはどうしてか

データの通り道が細いMVNO特有の問題

フルMVNOとなって帯域幅を広げる企業

大手キャリアから料金が安いMVNOのサービスに乗り換えた人が不満を抱くのが、昼休みなど多くの人がスマートフォンを利用する時間帯を中心に、劇的に通信速度が遅くなることではないだろうか。同じ大手キャリアのネットワークを使っているのに、なぜMVNOの通信速度だけが遅くなりやすいのだろうか。

MVNOのネットワークは“道”が狭い

大手キャリアでスマートフォンを利用していると、月々の通信料が6~7千円から1万円はかかるのが一般的だ。それゆえ毎月のスマートフォンの通信料金を節約するために、“格安”をうたうMVNOに乗り換えたという人も、多くいることだろう。

確かにMVNOのサービスは、同じ通信容量であれば毎月の通信料金が大手キャリアの半分から3分の1と、大幅に抑えられるので、料金面でのメリットが非常に大きいのは事実だろう。だが一方で、MVNOのサービスを利用している人から多くの不満の声が聞かれるのが通信速度だ。

というのも、特に昼休みや朝夕の通勤時間帯など、多くの人がスマートフォンを利用する時間帯になると、MVNOのサービスは軒並み通信速度が劇的に遅くなってしまうのだ。MVNOの状況にもよるが、その通信速度は動画視聴はおろか、Webサイトの閲覧やSNSの利用などであっても、まともに利用できないほど遅くなるケースもあり、深刻な状況が続いている。

こうした事象は大手キャリアのサービスではほとんど起きることはなく、MVNO特有の問題となっている。ではなぜ、MVNOの通信速度が遅くなりやすいのかといえば、それはネットワークの帯域幅、要するにデータの“通り道”が狭いからである。

MVNOは、お金を払って大手キャリアから借りたネットワーク帯域を使い、通信サービスを提供している。このことは、鉄塔を建てるなど莫大なインフラ投資をする必要がなくなるため設備投資が少なくて済み、MVNOが安価にサービスを提供できる一因となっている。

だが一方で、帯域幅を増やすにはより多くのお金をキャリアに支払う必要があり、無尽蔵に増やせる訳ではない。それゆえMVNOの帯域幅は大手キャリアよりも狭い、つまり道幅が狭いのである。狭い道路にたくさんの車が通れば渋滞が起こるのと同じように、帯域幅が狭いネットワークに、多くのデータが流れ込めば混雑が起きやすくなる訳だ。

2018年7月1日に実施されたLINEモバイルの発表会より。ネガティブイメージとしてネットワークと通信速度に対する不安が挙げられるなど、MVNOは通信速度の問題に大きな影響を受けている様子が見える

解決に特効薬がない頭の痛い問題

もう1つ、キャリアがMVNOに対して、時間帯に関係なく一定の帯域幅で貸し出していることも、MVNOが簡単に帯域幅を増やせない要因となっている。というのも、ユーザーのデータ通信利用は24時間常に一定という訳ではなく、確かに昼休みや朝夕などはスマートフォンの利用者が増えて混雑が起きやすいのだが、深夜・早朝などはスマートフォン利用者が大幅に減り、帯域が空いている状態になる。

帯域が空いているということは、お金を払ってネットワークを借りているMVNOにとって“無駄”が生じていることでもある。混雑している時間帯に合わせた幅の帯域幅を借りると、空いている時間帯に多くの無駄が発生してしまうことから、MVNOはコストの無駄を抑えるため、混雑時にユーザーが不満を抱かない範囲の帯域幅を借りてサービスを提供しているのだが、ユーザーとともに増えるデータ通信量に耐え切れず、混雑時に通信速度が大幅に落ちてしまうのである。

この問題を解消するにはいくつかの方法がある。1つはキャリアにより多くのお金を支払って、混雑する時間帯に合わせた帯域幅を借りること。KDDI傘下のUQコミュニケーションズが提供している「UQ mobile」は、帯域幅を自らWiMAX 2+のネットワークを提供することで得ていることに加え、他のMVNOより高めの料金設定にすることによって、KDDIからより広い帯域幅を借り、高速な通信速度を維持している。

UQ mobileは他のMVNOより通信料を高く設定することで、売上を増やしより多くの帯域幅を借りることで、通信速度の低下を抑えている

2つ目は、自らキャリアになってしまう方法だ。そうすれば他社にお金を支払う必要はなく、自身のネットワークの帯域幅が使い放題になるため、問題は一気に解消する。この手法を取ろうとしているのが楽天で、同社は2019年に携帯電話事業に参入することを発表している。

そして3つ目は、空いている時間帯の帯域幅を有効活用することで、帯域の無駄を減らし底上げを図る方法だ。実際、MVNO大手のインターネットイニシアティブ(IIJ)は、自らSIMを発行できる「フルMVNO」となり、法人向けのデータ通信サービスに力を入れることで、深夜などの時間帯にもネットワークを活用してもらう取り組みを進めている。

IIJは個人のスマートフォン向けサービスだけでなく、IoTを中心とした法人向けのサービスにも力を入れることで、深夜のネットワーク稼働率を高め無駄を減らそうとしている

より直接的な施策を打ち出しているのが、ソニーネットワークコミュニケーションズの「nuroモバイル」が提供する「時間プラン」の「深夜割」だ。これは深夜1時から早朝6時の5時間だけ、高速通信を使い放題にするいうもの(それ以外の通信速度は200kbps)。空きのある深夜の帯域を有効活用してもらうことで、利用効率を高めようとしている訳だ。

だが、1つ目、2つ目の方法を取ることができるMVNOは相当限定されるし、3つ目の方法は劇的な効果には結び付きにくい弱点がある。それだけにMVNOにとって、通信速度の問題は頭の痛い問題として残り続けることとなりそうだ。