KDDIは

KDDIは"ワクワクを提案し続ける会社"へ、高橋誠新社長が語る理想の姿

2018.04.05

KDDIは5日、新社長に就任した高橋誠氏の社長就任会見を開催した。今後の目指すべき姿として「ワクワクを提案し続ける会社」という言葉で表現。新体制のもと、KDDIが大きく変わっていくかもしれない。

変わるスローガン

KDDIはこれまで「ライフデザイン企業への変革」というスローガンを掲げてきた。しかし、漠然としたイメージが強く、社内からは通信からEコマースや電力事業に移行してしまうのか、といった疑問の声があがり、社外からも「そもそもライフデザインとは何か?」といった声も聞こえてきたという。

新社長に就任した高橋誠社長

ライフデザインのイメージについて高橋社長も「Eコマース、金融、エネルギー、教育という言葉で表現され少し無機質な感じがしていた」話す。そこで目指すべき姿として「ライフデザイン企業への変革」ではなく「通信とライフデザインの融合」を事業のベースにし、ライフデザインを「ライフデザイン=生活を楽しくすること=お客様体験価値」と置き換え表現した。

そして、顧客とともに顧客視点でサービスを考案し、KDDI単独もしくはパートナー企業とともに新たな価値の創造と提供を図ろうという考えだ。

こうした価値観をまとめると、事業の中心軸に「通信」「お客さま」があり、金融、エンタテインメント、教育、エネルギー、コマースなどの様々な分野に、生活を楽しくする体験価値を提供していくという流れだ。

通信と顧客を中心に据えて各分野に体験価値を提供していく

中心軸に据えた「お客さま」については一歩踏み込んでおきたい。顧客視点でサービスを開発していくために、KDDIではビッグデータの活用を顧客理解にあてていくという。5G、AI、IoTといった新技術を用いてサービス展開をするにあたっても、顧客が何を求めているのかがわからなければ、サービスを提供しても響かないからだ。

「最新技術をどう体験価値に返還するのかが勝負所。5GやAIという言葉から入るとプロダクトアウト的な感じがする。簡単なことではないが、体験価値を届けていきたい」

これら一連の考えをまとめてワンフレーズにしたスローガンが「"ワクワクを提案し続ける会社"へ」というわけである。

ワクワクの提案とは何か

それでは、どんなサービスが該当するのだろうか。就任会見では、具体例に相当するものがいくつか提示された。ひとつが、ECサイトの「Wowma!」だ。高橋社長は「単なる物販サイトにするつもりはない。体験価値を提供する入り口にする。ワクワクしてもらえるように社内で議論している」という。

Wowma!は体験価値の提供も行なうという(画像:Wowma! ウェブサイトより)

次がau WALLETだ。キャッシュレス生活の実現も人をワクワクさせるものであり、進化させていく。こうした考えのもと4月5日からは、au WALLET プリペイドカードで残高不足に陥った際、不足分をチャージするリアルタイム機能の提供や個人間送金(au WALLET プリペイドカード利用者同士)、じぶん銀行への「払出」機能も追加した。

au WALLETの新機能として個人間送金や払出機能が加わった(画像:プレスリリースより)

スポーツマッチングビジネス「Now Do」への参画も具体例として挙げている。Now Doはプロサッカー選手の本田圭佑氏が代表を務め、スポーツ選手の育成や現役を引退した選手の新たなサービスチャンスの創造を目的とした会社だ。

スポーツを習いたい人とコーチを結び付ける新サービスを提供(画像:プレスリリースより)

その同社がスポーツを習いたい人がサイト上でトレーナー手軽に見つけられるマッチングサービスをインターネットスポーツメディアのスポーツブル(運動通信社が運営)上で5月からサービス提供する予定だ。KDDIは運動通信社と協業・出資の関係にあり、パートナー企業とのサービス提供でワクワクを提供したい考えのようだ。

このほか、AR、VR、MRなどを活用した体験価値の創出も図る。イメージとしては、自宅の部屋をスタジアムにしたり、遠距離恋愛を近距離恋愛にするといったものだ。

サービス創出のために

こうした様々な展開を考えつつも、ワクワクを提案し続けるには、サービスの開発・創出が必要になってくる。そこで、KDDIはIoT、5G時代を見据えたビジネス開発拠点「KDDI DIGITAL GATE」を東京・虎ノ門に今夏オープンする。専門性の高いパートナー企業との共創により、価値の高いサービスの創出に取り組む考えだ。

パートナーとの共創でサービス創出に取り組む。そのための拠点を虎ノ門に設置する(画像:プレスリリースより)

また、IoT、5G、AI、ビッグデータ関連のベンチャー企業への投資を進めるべく、新ファンド「KDDI Open Innoovation Fund 3号」を設立する。同ファンドではKDDIほか、KDDIグループの知見やネットワークを活かしつつ、5年間で総額200億円の投資を行なっていく。投資によりワクワクを生み出すサービス提供への道も切り開かれそうだ。

ソラコムらグループ企業の力を借りつつ投資対象の発掘や事業の共創に取り組む(画像:プレスリリースより)

新体制のもとKDDIは「"ワクワクを提案し続ける会社"へ」の変貌を図る。かつてはサービスが横並びと評されたこともある大手キャリア。新ステートメントがKDDIならびにグループに深く浸透すれば、他社とのさらなる差別化において効果を発揮しそうだ。先々、どんなワクワクを提案してもらえるのか、今から楽しみだ。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

NewsInsightは、諸般の事情により記事更新を終了いたします。

ご愛顧いただいた読者の皆様、また関係者の皆様に、編集部一同、誠に感謝いたします。

なお、NewsInsightに掲載中の記事につきましては、引き続きマイナビニュース(https://news.mynavi.jp)へと掲載場所を移管いたします。

掲載中の連載記事につきましても同様に、マイナビニュースへ移管いたします。各連載記事の新しい掲載URLにつきましては、以下となります。

○安東弘樹のクルマ向上委員会!
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○森口将之のカーデザイン解体新書
https://news.mynavi.jp/series/cardesign

○清水和夫の自動運転ソシオロジー
https://news.mynavi.jp/series/autonomous_car

○ゲームとともに振り返る“平成”という時代
https://news.mynavi.jp/series/game_heisei

○岡安学の「eスポーツ観戦記」
https://news.mynavi.jp/series/e-Sports_review

○企業戦士に贈る「こむぎのことば」
https://news.mynavi.jp/series/komuginokotoba

○藤田朋宏の必殺仕分け人
https://news.mynavi.jp/series/shiwakenin

○「食べる」をつくる科学と心理
https://news.mynavi.jp/series/food_science

○阿久津良和のITビジネス超前線
https://news.mynavi.jp/series/itbiz

○山下洋一のfilm@11
https://news.mynavi.jp/series/filmat11

○モノのデザイン
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○知って納得、ケータイ業界の"なぜ"
https://news.mynavi.jp/series/mobile_business

○文具ソムリエール・菅未里の「新しいコンパス」
https://news.mynavi.jp/series/bungu

○活字・写植・フォントのデザインの歴史 - 書体設計士・橋本和夫に聞く
https://news.mynavi.jp/series/font-history

○カレー沢薫の時流漂流
https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu

最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu