大手3社が発表した「+メッセージ」はLINE対抗サービスか

大手3社が発表した「+メッセージ」はLINE対抗サービスか

2018.04.10

NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクは10日、新コミュニケーションサービス「+メッセージ(プラスメッセージ)」を発表した。スタンプが送れるなど、その機能からはLINE対抗のサービスにも見えてしまう。果たしてどうなのだろうか。

スタンプも送れる「+メッセージ」はLINE対抗サービスなのか

「+メッセージ」とは

「+メッセージ」はSMSを進化させたメッセージサービス。SNSでは全角最大70文字しかテキストを送れず、写真・動画などのコンテンツも送信できなかった。対して「+メッセージ」では、3社契約ユーザー間で、全角最大2730文字までテキストを送信でき、写真・動画、スタンプ、グループメッセージ、音声メッセージ、地図情報も送れる自由度の高いものとなる。

メッセージ、スタンプ、地図と多彩に送れる

送信したメッセージは、既読/未読が記される。サービス開始時には、500点の無料スタンプを提供予定だ。まるでLINEのメッセージサービスのようにも思えるが、アドバンテージはないのだろうか。

ドコモらが押すのは、携帯電話番号さえ知っていれば、メッセージを送信することができるという点だ。端末の連絡先と連動しているため、手軽に始められ、もし、不明な差出人からのメッセージが届いても、「未登録」と明記されるため、安心して利用できるとしている。もちろん、LINEにも携帯電話番号を利用した友だち追加機能は存在するが、条件があり、キャリア提供のサービスよりは利用のハードルが高い。

LINE対抗のサービスではない

LINEとの間にわずかな違いがあるが、「+メッセージ」をLINE対抗の新サービスと見てしまうのは仕方がないことだ。しかし、発表会に登壇したNTTドコモ スマートライフビジネス本部 スマートライフ推進部 コミュニケーションサービス担当部長の藤間良樹氏は「対抗意識はない。SMSの正常進化、機能拡張だ」と断言する。にわかには信じがたかったが、サービス開始の経緯を知ると、同氏の言葉に偽りはないとも思えてくる。

そもそも、「+メッセージ」は携帯電話事業者の業界団体「GSMA」で世界的に標準化されているRCS(Rich Communication Services)に準拠したものであり、国内の3キャリアが共同で考案したサービスではない。このRCSがLINEのメッセージサービスと同等だった考えるべきであり、国内で影響力を強めるLINEの現状を分析したうえで3キャリアが始めたわけではないことだ。

藤間氏は「RCSはサービスの拡張性と互換性で国際的に注目を集めている。今後1年でさらに30カ国40キャリアで導入が予定されている。グローバルでの可能性を考えてRCSを採用した」と話す。同氏の発言からは、グローバルトレンドに後れをとらないために、始めたコミュニケーションサービスと認識したほうがいいだろう。

最後はLINE対抗になるかもしれない

とはいえ、ややこしいのは、最終的にLINE対抗となってもおかしくないことだ。「+メッセージ」を単なるコミュニケーションツールとして提供するだけではなく、今後は企業とユーザーをつなぐコミュニケーションプラットフォームへの進化を図ろうと考えているからだ。カスタマーサポートや申込手続、予約確認、リマインド通知といったサービスの提供も検討しているという。

もちろん、先々のサービスの広がりについても、サービス開始の経緯に照らせば、LINE対抗ではなく、GSMAの流れに乗ったもと考えたほうが自然だ。となれば、RCSの他国での使用ケースを見ることで、具体的なサービスについてイメージが見えてくる。

GSMAのウェブサイトを見てほしい。ここにはRCSの利用ケースが動画で紹介されている。メッセージアプリからピザを注文する、Booking.comの予約を確認するなど様々なデモが公開されており、こうしたサービスが将来、同一規格の「+メッセージ」に実装される可能性はありそうだ。

GSMAウェブサイトにはRCSに関連した様々な情報が公開されている

詰まるところ「+メッセージ」について国内のみで見るならば、LINE対抗サービスと表現されてしまう。しかし、RCS準拠という側面を見るならば、むしろFacebook対抗サービスと見るほうが適当なのかもしれない。

いずれにせよ、「+メッセージ」がLINE対抗サービスになるとして、一気に主導権を奪えるようになるとは思えないことだ。ユーザーを拡大し、利用率を上げ、継続的に高い状態にもっていかなければならない。そうでなければ、お金を出す企業も近寄らず、ビジネスとしても成り立ちにくいように思われるからだ。先を語る前に、「+メッセージ」の魅力を高めていくことが必要になるはずだ。

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

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2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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2019.03.20

Googleが新しいゲームプラットフォームを発表

配信方式でゲーム機不要、「ゲーム機」の時代の終焉?

2019年内にローンチ、性能はプレステやXbox以上か

3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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