これまでにないヘッドセット「Xperia Ear Duo」が革新的な理由

これまでにないヘッドセット「Xperia Ear Duo」が革新的な理由

2018.04.17

4月12日、ソニーモバイルコミュニケーションズがワイヤレスヘッドセットの新製品として「Xperia Ear Duo」を国内向けに発表した。

ソニーモバイルが「Xperia Ear Duo」(XEA20)を国内で発売へ

一見すると、最近急増している左右が独立した完全ワイヤレスイヤホンのようだ。だが、その中身はこれまでにない革新性が注目を浴びている。普通のワイヤレスイヤホンとは何が違うのだろうか。

ソニー独自技術で「耳を塞がない」イヤホンを実現

ソニーが販売する完全ワイヤレスイヤホンとしては「WF-1000X」などが人気を博している。だがソニーモバイルのXperia Ear Duoは用途が大きく異なっている。その背景には、Xperia Ear Duoが耳を塞がない構造を実現し、周囲の音と音楽を同時に聴けるという特徴がある。

その形状は、イヤホンとして特異なものだ。ソニーの研究開発で実現した「音導管設計」により、耳の下に位置するドライバーユニットからパイプを伝わるように音が鼓膜に届くという。耳の穴に入る部分はリング状になっており、周囲の音はそのまま入ってくる仕組みだ。

ドライバーユニットから音がパイプを伝わる独自技術を採用

音楽も会話も同時に楽しめる特徴を最大限に活かせるのが、スマート機能だ。マイクを通した音声コマンドでスマートスピーカーのように使えるほか、Androidスマホと連携すれば音声だけでLINEメッセージを送ることも可能。通勤時や出社時には、天気や今日の予定を自動的に読み上げてくれるアシスタント機能も搭載した。

Androidスマホと連携し、音声だけでLINEを送ることが可能

スマホが普及したことで、歩きスマホに代表されるように画面に没頭しすぎる問題にソニーモバイルは着目。イヤホンにスマート機能を搭載し、画面を見ることなく耳から情報を得られるようにすることで、顔を上げたコミュニケーションの機会を増やそうというのがXperia Earシリーズの狙いだ。

Xperia Ear Duoを充電ケースに入れた様子

ただ、いくら耳から情報を得られるとはいえ、イヤホンをしたまま外を出歩くのは危険も伴う。前モデルのXperia Earは安全性を考慮して片耳だけのイヤホンとして発売したが、音楽の視聴には物足りない製品だった。

そこでXperia Ear Duoでは、ソニーの独自技術を駆使することで周囲の音を取り込めるイヤホンを実用化し、この課題をクリア。最初のコンセプトの発表から1年あまりの時間をかけ、両耳に装着できるモデルとして登場したというわけだ。

ハンズフリーの特徴を活かしたビジネス展開に期待

ソニーモバイルはXperia Ear Duoのビジネス展開も狙っている。最初に発表したのが日本航空との実証実験で、ハンズフリーで利用できるメリットを活かし、客室乗務員の飛行機内での業務におけるコミュニケーション目的で導入するという。

日本航空の客室乗務員による実証実験を4月下旬より開始

これまで客室乗務員の情報共有は、固定式のインターフォンや口頭に頼っていたという。だがXperia Ear Duoなら、ソニーモバイルが提供する特別仕様のアプリを用いて、機内のどこにいても情報共有ができるようになる見込みだ。

ここで役に立ちそうなのが両耳に2基ずつ、合計4基のマイクによる「クアッドビームフォーミングマイク」だ。雑音の多い環境でもノイズを分離し、的確な集音が可能になるという。騒音の大きい飛行機内で使えることが実証されれば、さまざまな現場に応用できそうだ。

もうひとつは観光需要だ。結婚式場としても知られる八芳園では、観光ガイドにXperia Ear Duoを実験的に採用。自然の音を楽しみつつ、同時にガイドの音声も聞き取れる。観光地では配布する通訳レシーバーを置き換えることもできそうだ。

これまでソニーモバイルは「Xperiaスマートプロダクト」としてスマート機能を搭載したプロジェクターやロボットを出してきたが、その中でも特に実用性の高い商品が登場してきた感がある。Xperiaブランドは国内で大きな支持を得ているだけに、そこで培った技術をスマホ以外の市場に拡大しようという試みに注目したい。

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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2019.03.20

Googleが新しいゲームプラットフォームを発表

配信方式でゲーム機不要、「ゲーム機」の時代の終焉?

2019年内にローンチ、性能はプレステやXbox以上か

3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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