かっぱ寿司がハンバーグを売る理由、そこから見える方向性

かっぱ寿司がハンバーグを売る理由、そこから見える方向性

2018.04.26

カッパ・クリエイトは4月27日より、かっぱ寿司全店で、粗引きビーフを100%使用した「かっぱのハンバーグ」を発売する。大手回転寿司では初の試みとし、発表会も行なうなど高い期待を込めた一品だ。回転寿司屋でハンバーグを売る理由を探ると、かっぱ寿司の目指す方向性も見えてくる。

ゲストとして登場した井戸田潤さん、小倉優子さん

なぜハンバーグを売るのか

かっぱ寿司は、デミグラスソースを使った「デミグラハンバーグ」と溶けたチーズを絡めながら食べる「とろっとチーズハンバーグ」を販売する。価格はいずれも税別390円。今年2月に6店舗でテスト販売をしたところ、結果が良好だったことから、全店での販売に踏み切る。

デミグラスソースを使った「デミグラハンバーグ」(写真右)と溶けたチーズを絡めながら食べる「とろっとチーズハンバーグ」(写真左)

牛尾好智マーケティング部長によると「1店舗あたり1日10食程度を想定していたが、実際には20食ほど出た。30食ほど売れた店舗もある」とし、かなり反応はいいようだ。

とはいえ、そもそも、なぜ回転寿司屋がハンバーグを売るのだろうか。牛尾氏は「ファミレスの一番の武器がハンバーグ。シャリもデミグラスソースも酸味があるので、味の面からもケンカはしない。意外にいけるんです。ハンバーグを取り入れてファミリー層の来店につなげたい」と包み隠さず話す。

かっぱ寿司で子供向けのサイドメニューといえば、これまでフライドポテトが代表格だった。ほかにもとり唐揚げやナゲット(ツナゲット)などもあるが、子供向けのメニューを拡充して、ファミリー層を呼び込みたいという気持ちがあったようだ。そのため、ゴールデンウィークを迎える、このタイミングでの発売するという。

オペレーションの面でも、店舗で温めるだけの簡単調理となり、現場の負担も少ない。現状の見通しでも客単価が上がることが見込まれるとしている。

ハンバーグが象徴するもの

ハンバーグの販売は、こうしたファミリー層の取り込みが表向きの理由だが、実は、ある考えの象徴的な商品とも言える。ハンバーグの販売は、かっぱ寿司が重視する価値観にもつながっていくからだ。

「回転寿司は"楽しい"から来るところ。そこが原点。それを今、見直しているところ。おいしさだけじゃないところを会社で定義しようとしている」(牛尾氏)。

かっぱ寿司では昨年から「食べホー」という食べ放題を始めたが、それは寿司をたくさん食べて積み上げる楽しさがあるからだ。ハンバーグも同様。ファミリーの誰もが回転寿司を楽しむためのメニューのひとつだ。

こうした考えをもとに、少し変わったメニューを取り入れたり、キャンペーンを展開していこうとしているのが今のかっぱ寿司の姿なのだ。今回の取り組みを見る限り、ファミリーレストランと回転寿司の境界線をさらに曖昧にしていくものになるのかもしれない。

ちなみに、肝心のハンバーグの味については、かなりの自信があるようだ。澄川浩太代表取締役専務によれば「本来なら倍の値段で出すほどの品質」であるとし、390円で販売するのはかなりチャレンジングな取り組みのようだ。自信のハンバーグはファミリーの来店を促し、回転寿司の定義を変えるきっかけになるかもしれない。

日本のトラックは電動化するのか、日野自動車が語る可能性と課題

日本のトラックは電動化するのか、日野自動車が語る可能性と課題

2018.04.26

自動車業界では電動化が進んでおり、プラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)といったクルマが次々に登場しているが、商用車のトラックも電動化していくのだろうか。ダイムラーやテスラといった海外勢は積極姿勢と聞くが、日本の状況は。日野自動車で聞いた。

環境面だけではないトラック電動化の利点

日野自動車は本日(2018年4月26日)、2017年度の決算会見を開いた。北京モーターショーの会期中で、クルマの電動化について多くのメディアが報じている最中だったことも影響したのか、質疑応答では日野自動車の電動化に関する取り組みについて質問があった。

「再三、日野はEVに積極的ではないといわれ(報道され)、若干、思いが伝わっていないかなと思う」。電動化に関する質問に対し、このように切り出した日野自動車の下義生社長は、「EVは必要な技術。例えば都市内への乗り入れ規制とか、深夜とか、環境だけではなく『音』など、商用車にとっていろいろ利点がある」(以下、発言は下社長)との考えを示した。モーターで走るEVは走行音が静かであるため、騒音の面からも商用車を電動化するのは悪くないとの発言だ。

2017年度の決算会見に登壇した日野自動車の下義生社長

クルマの電動化は環境面からの観点で語られることが多いが、その部分については「『Well-to-Wheel』(ウェル・トゥー・ホイール、燃料採掘から車両走行まで)で考えて、最善かどうかの評価をしっかりとやる必要がある」とした。「Well-to-Wheel」とは、クルマが走行時に排出するCO2だけでなく、クルマの燃料が作られる過程で発生するCO2も含め、全体でいかに削減していくかが重要という考え方だ。

商品化の課題とは何か

環境面のメリットについてはしっかりと見極めていく必要があるが、EV技術は重要との考えを示した下社長。では、日野は電動トラックをいつ、発売するのか。

この点について下社長は、「言い過ぎかもしれないが、いつでも出せる」としつつも、「マーケット、お客様にしっかり評価してもらえるEVを出す」のであれば、「商用車にはコストの問題が付いて回る」ので、すぐには難しいとの考えを示した。

これはつまり、技術的に問題ない電気トラックならば「2020年過ぎに」出すことは可能だが、「ある領域のお客様に、100%EVにしよう」といってもらえるような電動トラック、つまり、コスト的に一般化が可能なレベルのクルマを出すのでれば、すぐにはハードルが高いとの見方だ。

日野はトヨタ自動車、マツダ、デンソーが共同で立ち上げたEV技術開発会社「EV C.A Spirit」に参加しており、つい最近の話としては、フォルクスワーゲン(VW)の商用車部門であるVWトラック&バスとの提携について検討を開始している。VWとの提携では電動化が主な協業分野の1つとなりそうだ。これらの動きで電動トラックのコスト低減を図れるかが今後の鍵を握る。

終わらない「VR元年」問題、レノボとグーグルの最新VRで変わるか

終わらない「VR元年」問題、レノボとグーグルの最新VRで変わるか

2018.04.26

4月24日、レノボ・ジャパンはグーグルの仮想現実(VR)プラットフォーム「Daydream」に対応したヘッドセットやカメラの新製品を発表した。

レノボが発表した「Mirage Solo」(左)と「Mirage Camera」(右)

頭部に装着して没入感を楽しむVRは、対応製品が増えているとはいえ、普及は進んでいない。「今年こそVR元年」と言われながら何年も抜け出せていないことを、レノボ自身も認めている。果たしてレノボの新製品はこの状況をどのように打開するのか。

VRに足りなかった「簡単さ」と「リアルさ」を両立

VRの普及に向けてレノボが重要と考えるのが、「簡単さ」「リアルさ」そして「コンテンツの充実」の3点だという。

まずは「簡単さ」だ。新製品のVRヘッドセット「Mirage Solo」の大きな特徴は、PCやスマートフォンを必要としない「スタンドアロン型」である点だ。Daydream対応品としては世界初だという。

これまでVRといえば、スマホをヘッドセットに装着して楽しむスマホVRか、高性能なPCにつなげる本格的なVRがほとんどを占めてきた。だがMirage Soloは画面やCPU、メモリーなどをすべて内蔵しているため、頭にかぶるだけでいつでもVRを楽しめるというわけだ。

スマホやPCを必要とせず、ヘッドセット単体でVRを楽しめる

次に「リアルさ」の点では、グーグルのモーショントラッキング技術「WorldSense」に対応した。これは装着者の前後左右の移動や、しゃがむ、ジャンプするなど、6自由度(6DoF)と呼ばれる動きを認識できる技術になる。

このWorldSenseに対応したコンテンツなら、VRの世界を歩き回るような、没入感の高い体験を得られる。発表会では、対応コンテンツとしてグリーの「釣りスタVR」やスクエア・エニックスの「プロジェクトHikari」が紹介された。

こうしたトラッキング技術は外部センサーを用いたVRでは実現していたが、PCを含め2〜30万円の投資が必要だった。だがMirage Soloなら5万円台で購入できる本体だけでそれに近い体験を得られる。簡単さとリアルさを両立しようというのがMirage Soloの狙いといえる。

自分で撮れる「VRカメラ」や法人活用も

どんなに優れたVRヘッドセットがあっても、コンテンツがなければ楽しみ方は限定される。そこでレノボは50社以上の企業に評価機を提供し、コンテンツ開発にも注力しているという。

レノボ自らコンテンツパートナーを拡大

発表会では短編映画祭「ショートショート」とのコラボも発表した。もともと短編映画には最新技術が採り入れられることが多く、音や映像の表現方法を根本的に変える可能性があるVR技術には大きな注目が集まっているという。

さらに、同時発表したVRカメラ「Mirage Camera」では、自分でVR映像を撮りたいという需要も取り込む構えだ。グーグルが提唱する「VR180」規格に準拠しており、2基の魚眼レンズで前方180度を撮影できる。

VRカメラの「Mirage Camera」

一般にVRといえば360度の映像を思い浮かべることが多い。ただ、360度のカメラは撮影者自身が映り込んでしまうなど、意外と扱いは難しい。だが180度なら、一般的なデジカメを使うのと同じ感覚でVR映像を撮れるというわけだ。

エンタメ利用だけでなく、法人のビジネス活用も始まっている。発表会では、単体動作するMirage Soloを活かした「VR避難訓練」や、VRカメラで建設現場の作業手順などを撮影したトレーニング目的の利用を紹介した。

ビジネスの現場ではVRを訓練やトレーニングに活用

VRに関心はあっても購入するまでには至らない人に向けて、DMMでレンタルも予定しているなど、レノボは国内展開に意欲を見せる。ビジネス活用の拡大を含め、VR市場をどこまで活性化できるか注目したい。