日産が電動パワートレイン「e-POWER」を「セレナ」に展開した理由

日産が電動パワートレイン「e-POWER」を「セレナ」に展開した理由

2018.03.17

日産自動車はミニバンの「セレナ」に電動パワートレイン「e-POWER」を搭載した。エンジンで発電し、モーターでクルマを走らせる「e-POWER」を日産が導入するのは、小型車「ノート」に続きセレナで2台目。いろんなクルマを作っている日産だが、このシステムをセレナに積むことに決めた理由とは何か。

日産が「セレナ」に電動パワートレイン「e-POWER」を導入

「セレナ」のDNAは「BIG、EASY、FUN」

セレナは1991年に発売となったミニバンで、現行モデルは5代目となる。2016年のフルモデルチェンジでは、日産が高速道路同一車線自動運転技術として展開中のシステム「プロパイロット」を同社として初めて搭載したことも話題となった。

e-POWERは発電用のエンジンで作った電気でモーターを動かし、その力でクルマを走らせるパワートレインだ。同技術については以前、岡本幸一郎さんに解説していただいている。この記事にもあるように、日産はe-POWERを小型車のノートで初採用したが、その効果もあってかノートは販売に勢いがつき、日産を車名別月間販売ランキングのトップに押し上げた。

セレナにe-POWERを積んだ理由はいろいろありそうだ。「セレナ e-POWER」の開発責任者を務めた日産の中谷信介氏によれば、「家族」という明確なターゲットカスタマーを設定したセレナのDNAは「BIG、EASY、FUN」の3つであり、それらにe-POWERを組み合わせることが「DNAを強化する手段となりうると確信して」導入を決めたという。

アクセルとブレーキの踏みかえが劇的に減少

セレナのDNAである「EASY」は「すべての人が実感できる使いやすさ」に表れているというが、この部分については、e-POWERとの組み合わせで「ワンペダル操作」(日産は「e-POWER Drive」と呼称)という新たな機能が追加となった。

「セレナ e-POWER」に試乗し、開発責任者の説明を聞いてきた

e-POWERは100%モーター駆動で走り、アクセルの踏み込みを弱めたり完全に踏むのをやめた時には、電気を回収してバッテリーを充電する「回生ブレーキ」がかかる。回生ブレーキはエンジンブレーキのようなものだが、これがエンジン車より効くというか、アクセルペダルの操作によく反応する。加減速をアクセルの踏む・弱めるで操作できる点は「ゴーカート」と似た感覚で、踏むのをやめればクルマを停止させることもできる。

アクセルだけでクルマを操作できる領域が広がれば、アクセルとブレーキの踏みかえ回数は少なくなる。中谷氏は「ブレーキの踏み変え頻度がドラマティックに減ると思っている。初めて乗る人は、どこで(どのくらいのアクセルペダル操作で)止まるかについて慣れが必要と仰る場合もあるが、1時間も乗ってもらえれば、楽に止められるようになる。社内データではあるが、踏みかえ回数は7割くらい減る」と説明する。

信号が多い街中を試乗してみた感想として、やはり踏みかえが少なくて済むのは楽だった

高速道路を走行する時には、アクセルペダルの操作でエンジンブレーキをかけつつ速度を調整することがよくある。この操作をワンペダルで行うと、回生ブレーキが効きすぎてギクシャクしないかと心配だったのだが、セレナ e-POWERで高速を走った印象としては、そこまで違和感は感じなかった。

「セレナ e-POWER」では走行速度によって回生ブレーキの効き具合(減速G)が変化する。車速が遅い時には回生ブレーキがよく効き、早い時には緩やかになる調整となっているそうだ

クルマの大きさを感じさせないリニアな加速

「FUN」の部分に寄与するe-POWERの特性、それはモーター駆動であることそのものだ。電動ならではの力強い加速とリニアな反応は、停止状態から走りだす時にはっきりと感じられる。つまり、スッと発進できる。「踏んだ分だけ加速するというところを、実際に、具体的にモーターでやるのは結構大変で、どういう風に電流を流すと余計な振動をせず、スムーズにモーターが回るかは、『リーフ』(日産の電気自動車)で長年培ってきた制振制御技術が生きている」というのが中谷氏の解説だ。

ミニバンに乗ったのは初めてだったが、大きなクルマなのにスッと走り出すものだな、というのが正直な感想だ

エンジン、バッテリー、モーターの全てを持つe-POWERは、場所をとるシステムでもある。セレナが大事にしてきた室内の広さ、つまり「BIG」の部分には悪影響がでてもおかしくないが、セレナ e-POWERではモーターをエンジンルームに積み、バッテリーはエンジンルームと前席下に格納することで「ミニバンNO.1の広さはそのまま」維持できたとしている。

このように、セレナとe-POWERの組み合わせは相性抜群というのが日産の説明だが、e-POWERを投入する背景には、同クラスのミニバン市場で強力な競合車と同居するセレナの販売を加速させたいという思惑も当然ある。

トヨタ車が3台も! 混み合う市場で「セレナ」の立ち位置は

セレナは「Mクラスミニバン」というセグメントに属するクルマだ。ここにはトヨタ自動車の「ヴォクシー」「ノア」「エスクァイア」がいて、ホンダの「ステップワゴン」もいるので混み合っている。これらのクルマがシェア争いを繰り広げているのだが、特にセレナとヴォクシーは抜きつ抜かれつといった間柄だ。

Mクラスミニバンセグメントの販売状況。赤い折れ線が「セレナ」だ。日本自動車販売協会連合会の統計「乗用車ブランド通称名別順位」と照らし合わせた上でいうと、競合A車(紫)は「ヴォクシー」、競合B車(黄)は「ノア」、競合C車(グレー)は「エスクァイア」、競合D車(緑)は「ステップワゴン」を示しているようだ。これら5車種の中でのシェアが縦軸となっている

セレナ e-POWERの開発責任者である中谷氏は、このクルマが置かれた市場環境について「2社が相当強い」と競合の実力を認めつつも、「勝つためにe-POWERを導入した」と力を込めた。e-POWERの導入により、セレナはヴォクシーおよびステップワゴンに対し、燃費の面で優位なポジションを獲得している。

「セレナ e-POWER」は燃費で競合車に競り勝った

2018年に入ってからの数字を確認しておくと、1月の販売台数はセレナが約7,800台であるのに対し、ヴォクシーは約7,300台。2月はセレナが約1万400台、ヴォクシーが約8,000台だ。e-POWER導入の発表時、日産で国内販売を担当する星野朝子専務はセレナの月間販売目標を8,000台と定めていた。e-POWER導入により、セレナが同クラストップの座を確固たるものとできるかどうか、まずは3月の数字が気になるところだ。

バズりを狙いスベって炎上、「リアルガチでやばい」年金ツイート問題

カレー沢薫の時流漂流 第33回

バズりを狙いスベって炎上、「リアルガチでやばい」年金ツイート問題

2019.03.25

漫画家・コラムニスト カレー沢薫さんの社会派連載!

第33回は、リアルガチでやばい「日本年金機構のツイート炎上」について

日本年金機構のツイッター広告が炎上し、即ツイ消しおよび謝罪する事態になったという。その炎上したツイートというのがこちらの文言だ。

「ガチヤバイ!? リアルガチでやばいかも!? 新社会人のみなさまへ 受け取る年金少なくなってない!? ねんきんネットで確認だ!」

これは非常によくある「ウケると思ってスベッた上に大炎上」パターンであり、「炎上ガチャ」でこれが出て来たら確実に低レアなので「即売却」といった感じだ。

問題のツイートでは何かを差別、あるいは蔑視しているワケでもなく、火力としてはチャッカマン程度であり、そんなに怒らなくてもとさえ思えるが、やはり怒る方にも理由はある。

日本年金機構はこれまでに大きな不祥事を起こしてきている。2007年にはオンライン化した年金データに不備や誤りが多いことが発覚した「消えた年金問題」というのがあった。

ちゃんと年金を納めていてもそれが記録されていないため、将来の年金額が減ってしまうかもしれない、という非常に重大な事件である。国民から取るだけ取っておいて、その管理がずさん、という、メロスでなくても激怒して走り出す案件であった。また、2015年には215万人の個人情報を流出させるという情報漏えい事件も起こしている。

こんな信用残機ゼロの状態では「ちょっとしたおふざけ」でも「ガチでやばいのはお前らのせいだろ」「何故こっちを煽る? まずそっちがちゃんとしろ」「こんなことに俺たちの年金を使いやがって」という鬼のマジレスが来てしまうのは当然である。

広告にユーモアは大事だが、「年金」クラスの笑いごとじゃないテーマになると「真面目かよ!」と言われるぐらい真面目にしておいたほうが良い、という好例だ。

炎上広告が出ると必ず「おかしいと思う奴はいなかったのか」「誰か止めろよ」という声が出るが、「SNSでバズること」を目的にすると、人間の視野は2度ぐらいになってしまう。そのため、過度な悪ふざけになっているとか、弩級の差別表現が入っているということにマジで気づかなかったりするのだ。

また、社内に「これはおかしい」と思う人間が5億人いたとしても、トップが「これはウケる」と思ってしまっていたら、下っ端にそれを止めることはできない。個人がやるとどうしても考えが偏るので、企業はさまざまな性別年代の人間に意見を聞いた上で、広告を打った方が良いと思う。

だが意見を幅広く聞いた上で、一番上がそれを「考えすぎだって」と一蹴して断行したりするので、組織の炎上というのは根深い問題である。

今回の炎上を「明日は我が身」と思う理由

だが今回の年金機構の炎上は、個人的感情として「一概に責められぬ」感がある。

今回の広告はその表現を「他人事かよ」と大いに責められたわけだが、年金機構的にはそんなつもりはなく、どうやったら若者に年金に関心を持ってもらえるか、真面目に考えた結果「ああなってしまった」のではないだろうか。

二十代前半ばかりの職場でただ1人アラフォーの自分が、無理して若者言葉を使い盛大にスベッた挙句、給湯室でメチャクチャ悪口言われてた、みたいな図を想像すると、「身に覚えがある」もしくは「明日は我が身」なので、あまり責められないのだ。

実際、年金機構は年金に対し捨て鉢になっているわけではなく、何とか国民に年金に関心を持ってもらい、適切に払ってもらいたいと思っていることだけは確かなのである。

ところで、私は去年無職になったことにより、厚生年金から国民年金になってしまった。当然国民年金だと厚生年金より将来もらえる額は少ない。将来の不安を感じた私は、「国民年金基金」の資料を取り寄せた。

国民年金基金とは、自営業や私のような無職が国民年金とは別途で年金料を収め、将来もらえる年金額を増やせるという制度である。支払った金額は確定申告の控除対象にもなるので節税にもなるのだ。

年金は当てにならないから他で老後資金を作ろうという声も大きいが、それでも年金ほど確実でリスクが少ないものは今のところない、という意見も多く見られる。

だが、資料を申し込んだ時は熱かった気持ちが、届いた時冷めているというのはよくあることで、取り寄せるだけ取り寄せてしばらく放置していた。

すると国民年金基金から電話がかかってきたのである。私は電話が苦手で、取ると青紫色の粉瘤が出来るので取らなかったのだが、こんなテーマで書くことになるなら粉瘤の一つや二つ覚悟で取れば良かった。おそらくだが「国民年金基金どうでしょう?」という内容だったのではないだろうか。端的に言えば「営業電話」である。

その後、電話は数回かかってきて、驚くべきことに、日曜日でもかかってきた。国の機関が日曜に動くとは思っていなかったので驚愕である。

「必死かよ」と思ったが、事実必死なのだろう。それぐらい年金はひっ迫しているのだ。もしかしたらノルマ的なものすらあるのかもしれない。

年金をもらうのは我々である。企業の炎上なら「不買運動」ができるが、年金の場合「不払運動」になり、後々受取額が減って困るのは国民の方である。

今回の炎上で国民が年金に対しますます拒否感を持ってしまったのは、年金機構というより我々にとっての悲劇なのだ。広告自体には反感を持ったかもしれないが、年金に関心を持ち、自身の年金状態を確認するのは大事なことである。

私も次に電話がかかってきたら、粉瘤上等で取ってみようと思う。

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LINEをやめるには? アカウント削除の方法

LINEをやめるには? アカウント削除の方法

2019.03.25

LINEの利用をやめる時はアカウントの削除が必要

機種変更などで使う「引き継ぎ」とは違うので注意

LINEアカウントの削除には、注意が必要だ。機種変更やスマートフォンの故障、アプリの不調といった理由で削除を考えているとしたら、それは間違っている。その場合に必要なのは「引き継ぎ」という処理だ。

アカウント削除はLINE利用そのものをやめる時に行う作業だ。新しく別のアカウントを作り直してもいいが、これまで繋がりのあった人々との縁は切れてしまう。もし連絡を取り続けたいのならば、あらためて友だち登録をしてもらわなければならない。

最近はLINEの連絡先しか知らないという関係も珍しくないから、中には交流が途切れてしまう相手もいるだろう。そういったことを理解した上で、削除作業を進めてほしい。

LINEアカウントを削除する

メイン画面で右上にある歯車マークをタップし、設定画面を開いたら「アカウント」を選択しよう。次に一番下にある「アカウント削除」をタップすると、警告画面が表示されるはずだ。アカウントにログインできなくなるというのは、もう同じアカウントが利用できないことを意味する。問題なければ「次へ」をタップしよう。

設定で「アカウント」を選択
一番下にある「アカウント削除」をタップ
警告画面の中身を読んだ上で「次へ」をタップ

次の画面では、アカウントを本当に削除するのかが確認される。これまで獲得したポイントやアイテム、購入したコイン等も全てなくなるということが「保有アイテム」のところで示されているはずだ。

今回説明に利用しているアカウントは、LINEをほとんど利用していない状態なので、多くの項目が「0」になっているが、ある程度利用していればスタンプをたくさん購入してきていたり、購入のためにコインを保有していたりといったこともあるだろう。それらは新しく作ったアカウントに引き渡すようなことはできない。全て失って問題ないということであれば、下にある「すべてのアイテムが削除されることを理解しました。」という欄にチェックを入れよう。

コイン、ポイント、スタンプ、着せかえの全てが削除されることを理解したらチェックを入れる

下へスクロールすると、連携アプリについても確認される。LINEアカウントを利用してログインしていたアプリや、LINEコインで何かが購入できていた連携アプリがあれば、その連携も解除される。問題がなければ、確認項目にチェックを入れてさらに下へ進もう。

連携アプリがある場合はそちらの利用についても確認したい

最後に友だちリストやトーク履歴を含む全てが利用できなくなることが再確認される。ここにもチェックを入れると「アカウント削除」ボタンが有効になるはずだ。本当に問題がなければ「アカウント削除」ボタンを押して完了させよう。

全ての確認用チェックボタンにチェックを入れれば削除処理が有効になる。「アカウント削除」ボタンが有効になったらタップして完了だ

「LINE(ライン)基本の使い方ガイド」バックナンバーはこちら
https://biz.news.mynavi.jp/category/line

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