小田急の新ロマンスカーGSEは今後の「標準」か!?

小田急の新ロマンスカーGSEは今後の「標準」か!?

2018.03.29

2018年3月17日に実施された小田急電鉄のダイヤ改正については、さまざまな話題があったが、中でも注目されたのが、新型ロマンスカー70000形「GSE」のデビューだろう。オレンジ一色に思える外観や、小田急の伝統を受け継ぐ展望席などが注目の的となっている。

左:GSEの編成全景。ボギー車で、どの車両も乗降扉は車端部にはない点に注目。(提供:小田急電鉄)。右:連接車である、小田急50000形VSE

ただ、2005年に登場した同じく展望席付きの50000形「VSE」とは異なり、「連接車」であることをやめ、展望席がない30000形「EXE」や60000形「MSE」、あるいは通勤型電車と同様の「ボギー車」となったことには、あまり着目されなかったようだ。

連接車は特殊な存在

鉄道車両において一般的なのはボギー車の方だ。細長い車体の車端に近い部分に、前後各1台ずつ、車輪を2軸組み込んだ台車を履かせる構造で、用途を問わず、旅客用の車両のほとんどがこれを採用している。

ただしボギー車には、例えば台車より外側の部分(オーバーハングと呼ばれる)の振動が大きくなり、乗り心地が悪くなるといった欠点もある。それを克服するために考案されたのが連接車だ。台車を車両の連結部分に置き、双方の車体を台車の上に乗せる。こうすることによってオーバーハングがなくなるという利点が得られる。

しかしながら連接車にも、検査の際などに車両を切り離すことが面倒で、特殊な設備を用いなければならないなどといった欠点がある。それゆえ日本ではあまり普及せず、代表格が小田急ロマンスカーであった。

連接車はオーバーハングがない分、1両あたりの長さがボギー車より短い。例えばVSEは10両編成だが、全体の長さは一般的な1両あたり20m級車両に換算すると7両分しかない。

20m級×7両=約140mという長さは、箱根登山鉄道の小田原~箱根湯本間に乗り入れ可能な列車の限界でもあり、小田急ロマンスカーはこの制限を受ける。GSEも20m級車両の7両編成である。

特急型車両の乗降扉は、必ずしもホームドアに対応する位置にはない。写真はGSEに次いで新しいMSEの例

反対に、列車全体の長ささえ合っていれば、これまでは連接車であれボギー車であれ、営業運転に差し支えはなかった。しかし、安全上からホームドア設置が求められるようになると、車両1両ごとの長さや、乗降扉の位置などにも制限がかかるようになってきた。要するに、ホームドアと列車の扉の位置が合っていなければ、乗降が困難になるのだ。

ネックは特急型車両?

多くの鉄道会社における通勤型電車は、20m級の車体に片側4ヶ所の扉を持つタイプだ。そして、その路線のすべての車両が同じタイプにそろっているならば、ホームドアの導入は難しくない。JR山手線がよい例である。

しかし、小田急ロマンスカーのように、車体の長さも扉の位置も異なる車両が同じ路線を走っている場合は、少々厄介である。VSEが2005年、次のMSEは2008年に登場しているが、小田急で初めてホームドアが設置されたのは2012年の新宿駅。それも急行、快速急行などが発着する4・5番ホームのみで、特急ロマンスカーが停車する駅、ホームには、いまだどこにも設置されていない。

ただし、解決策がないわけではない。扉が開閉する幅をより広く取れ、多くの車両のタイプに柔軟に対応できる昇降式ホームドアもその一つ。小田急も、2017年9月から2018年3月にかけて愛甲石田駅でこれの実証実験を行った。

小田急は2022年度までに、1日の利用客数が10万人を超える駅にはホームドアを設置する計画を、すでに発表している。その中には新百合ヶ丘、町田、本厚木など、特急停車駅も含まれるため、従来のタイプとは異なるホームドアを採用するなど、何らかの対応が取られることになる。

そして、車両面で初めて、ホームドアへの対応が取られたロマンスカーがGSEである。報道公開や試乗会の際、いささか違和感を覚えたのが、この車両の乗降扉の位置。インバウンド客の増加に伴い、必要性が増したラゲージスペースを4号車を除く各号車に設けたのはよいが、3・5号車については、これが客室外の車端部にあり、その内側に乗降扉が設けられていた。言うまでもなく、自分の荷物は自席から見える範囲において置きたいもの。その他の号車は客室内にラゲージスペースがあって安心感がある。

こういう配置となった理由として気がついたのが、ホームドア対策。つまり、車両のいちばん端に乗降扉を持ってこないための設計だった。3・5号車以外の号車は車端部に乗務員室やトイレ・洗面所が設けるため、乗降扉は「自然に」車端部を避けることができる。3・5号車にはラゲージスペースと客席以外、特別な設備はない。それゆえ、ふつうに設計すると、乗降扉は車端部になる。

左:GSEの4号車には身障者用設備などが集中して設けられており、乗降扉は内側寄り。右:6号車はトイレ・洗面所、7号車は乗務員室が車端部にある

一方、片側4カ所に扉がある通勤型電車の車端部には乗降扉はなく、やや内側に寄っている。混雑に偏りが出ないよう、扉1カ所あたりの床スペースを均等にするための工夫だ。GSEの乗降扉の位置は、通勤型電車の扉位置に極力、合わせたと見なしてよいだろう。なお、身障者用の大型トイレや多目的室がある4号車は、車端部にこれらのスペースが広く取られているが、乗降扉の位置は、通勤型電車の車端から2ヶ所目の乗降扉と、それほどずれていない。

汎用性があるGSEの車体

GSEは小田急のシンボルとして、展望席がある先頭車両付きで製造されたが、ボギー車かつホームドアに対応できる設計となれば車体の汎用性は高い。EXEやMSEのように展望席がなく、途中での連結・切り離しに対応する貫通扉付きの先頭車を連結する可能性も、十分にある。

70000形「GSE」と名乗るかどうかは別にして、今後、登場してくる新しいロマンスカーはGSEの車体設計を基本とするつもりではあるまいか。設計に要する費用や手間は大きい。今後の標準と位置づけることも考えて、GSEは設計されたように見受けられる。

プラズマ乳酸菌で労働生産性が向上!? ヤフーとキリンが共同発表

プラズマ乳酸菌で労働生産性が向上!? ヤフーとキリンが共同発表

2018.11.16

キリンとヤフーが共同で健康経営に関する研究を実施

プラズマ乳酸菌の摂取が免疫細胞の司令塔を活性化させることを確認

免疫力アップが労働生産性の向上につながることも導き出した

キリンとヤフーは11月15日に、キリングループの研究している「Lactococcus lactis strain Plasma(プラズマ乳酸菌)」について、共同で実施した研究結果を発表した。

研究結果は、「プラズマ乳酸菌を摂取すると、労働パフォーマンスの指標が向上する」というものだ。いったいどういうことなのだろう。

プラズマ乳酸菌が活性化させるのは免疫細胞の司令塔

そもそもプラズマ乳酸菌とは何か。乳酸菌はヨーグルトなどに入っているイメージだが、プラズマとは違う物質なのだろうか。キリン社によると、プラズマ乳酸菌とは免疫細胞の司令塔を活性化する唯一の乳酸菌だという。

どうやら免疫細胞には命令系統のようなものが存在し、司令塔を活性化させることに成功すれば、司令塔の命令を受けるすべての免疫細胞が活性化されるのだという。

ただし、一般的な乳酸菌が活性化できるのは、命令系統下位の細胞のみ。そのため効果も限られる。それに対して今回研究結果を発表した、プラズマ乳酸菌は免疫細胞の司令塔である「プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)」を活性化することができるため、免疫細胞全体を活性化することができるという。

そんなプラズマ乳酸菌が労働パフォーマンスとどう関係があるのか。次は、今回の研究で行われた試験内容を見てみよう。

一般的な乳酸菌とプラズマ乳酸菌の違い

元気な体が、低労働生産性の「プレゼンティーズム」を回避

今回の試験は、ヤフー社員226名を対象として行われた。プラズマ乳酸菌1000億個含むヨーグルトを4週間摂取し、体調、気分、労働生産性に関するアンケート評価を実施。その結果、非摂取の状態と比較すると、プラズマ乳酸菌を摂取している状態のほうが、活気があり、体調も良好だと感じている人が多かった。

また、「風邪気味で頭がボーっとする」「下痢で何度もトイレに行く」といった、出勤しているが心身の健康上の問題によって十分なパフォーマンスを発揮できていない状態を「プレゼンティーズム」と呼ぶが、今回の試験によって、このプレゼンティーズムの状態が軽減され、労働生産性が向上したことを確認できたという。

つまり、プラズマ乳酸菌を毎日摂取することで、生体内の免疫が活性化し、体調がよくなり、プレゼンティーズムを改善して労働生産性が向上することがわかったのだ。

簡単に言うと、プラズマ乳酸菌を摂取して元気な状態で仕事をすれば、高いパフォーマンスを発揮できるということである。

プラズマ乳酸菌の摂取によってプレゼンティーズムが改善するという結果が得られた

キリン 代表取締役社長の磯崎功典氏は「従業員とその家族が健康であることは、社会にとってプラスの価値を生みます。健康寿命が延びることによる労働力の確保、ひいては、経済の活性化にもつながると考えました。その結果、従業員は考える時間やチャレンジする時間を持てるようになり、仕事のパフォーマンス向上や、イノベーションの実現につながっていくでしょう」と、キリンが健康経営に力を入れる理由を説明した。

キリン 代表取締役社長の磯崎功典氏

同社が乳酸菌事業に参入してから1年。すでに、初年度の売上額は、目標の1.5倍の額にあたる55億円に達しているが、さらに拡大していき、3年後には2.7倍の150億円を目指す。

たしかに筆者自身も、プレゼンティーズム状態だと感じることはしばしばある。疲労だけでなくオフィス内の騒音なども、仕事に集中できない原因の1つだと思われるが、はたして、そのようなメンタル面のプレゼンティーズムも改善されるのだろうか。実際にプラズマ乳酸菌を飲んで、試してみたいところだ。

『パワプロ』eペナントレース開幕! 元プロ野球選手の解説も

『パワプロ』eペナントレース開幕! 元プロ野球選手の解説も

2018.11.16

『パワプロ』のeペナントレースが開幕

プロアナウンサーの実況と元プロ野球選手の解説で盛り上がりを見せた

規模の大きさにプロ選手も緊張していた様子

コナミデジタルエンタテインメントとNPB(一般社団法人日本野球機構)は、11月10日に、ベルサール渋谷ガーデンにて「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ2018」の開幕戦を開催した。

eBASEBALLは、『実況パワフルプロ野球』のeスポーツイベント。プロ野球全12球団に登録された3名ずつ、計36名のプロゲーマーによって行われる。リーグ内で各チームと3戦ずつ、全15戦行い、ペナントレースを争う。

今回、先だって行われたプロテストeドラフト会議を経て、いよいよ開幕を迎えることになった。開幕戦では、セ・パ両リーグともに試合が行われたが、基本的に土曜日にセ・リーグ、日曜日にパ・リーグの試合が開催される。

試合前にはオンライン投票での勝敗予想も行われる。チーム自体の強さもさることながら、プレイする選手の実力も加味して投票される
全チームではないが、球団マスコットも会場に駆けつけた。一緒に写真撮影したり、サインをもらったりと、ファンにとっては貴重な一日となったのではないだろうか
オープニングでは、ベリーグッドマンによるテーマソングも披露された

1節に実施される試合回数は各チーム3戦。チームの選手が1人ずつ対戦する形式だ。試合は6イニング制で、延長は9回まで。3戦連続で試合をするため、ゲーム内選手のスタミナ面などが後の試合に影響する。つまり、実際のペナントレースと同様に、投手起用などを考える必要が出てくるのだ。

また、選手の調子はランダムで決定される。主力選手の好不調に合わせて戦略を変える必要もあるだろう。エラーや悪送球なども一定確立で発生するので、eスポーツとしては珍しく運要素もある。とはいえ、実際のスポーツ、今回題材としている野球においても運要素がまったくない訳ではないので、そこは逆にリアルとも言える。

試合直前に発表される選手の調子。絶好調、好調、普通、不調、絶不調の5段階あり、絶不調の場合、選手の持つ特殊能力が発動しなくなる。選手の好不調と実力を考え、オーダーを組み直す必要もあるだろう。主力選手が絶不調だったときの絶望感は相当なものだ

開幕戦は、メインスタジアムのセンタースタジアムと、レフトスタジアム、ライトスタジアムの3カ所で実施。いずれもプロのアナウンサーによる実況と元プロ野球選手の解説が行われた。3つのスタジアムでは同時に試合が進行し、他のスタジアムの途中経過なども表示されるといった、まさにプロ野球中継さながらの臨場感を味わえるようだった。会場にいれば、好きなスタジアムでの観戦ができるのも嬉しいところだ。

左からニッポン放送アナウンサーの清水久嗣氏と元中日ドラゴンズ監督の谷繁元信氏、プレイヤーゲストのまめしば氏
左からeスポーツ専門アナウンサーの平岩康佑氏と元千葉ロッテマリーンズの黒木知宏氏、プレイヤーゲストのアールグレイ氏
左から文化放送アナウンサーの槙島範彦氏とギャオス内藤氏、プレイヤーゲストのハル氏
左から清水久嗣アナウンサーと元ソフトバンクホークスの多村仁志氏、プレイヤーゲストのまめしば氏
左からフリーアナウンサーの田中大貴氏と前ヤクルトスワローズ監督の真中満氏、プレイヤーゲストのめし原氏

開幕戦で注目カードの1つとなったのが、センタースタジアムの第2戦で行われた中日ドラゴンズ対ヤクルトスワローズの一戦。ドラゴンズ愛あふれるでらナゴ!選手とeドラフト会議で4チームから指名を受けたマエピー選手の試合だ。ある程度の打撃戦となることは予想されたが、結果は7対3ででらナゴ!選手の勝利。昨年の覇者であるマエピー選手が初戦を落とすという波乱の展開となった。

3試合通しての結果としては、唯一3連勝を飾った西武ライオンズが、頭ひとつリードと言ったところ。セ・リーグは、2勝1敗2チーム、1勝1敗1分2チーム、1勝2敗2チームと混戦状態だ。なお、試合結果と順位表は公式ページからも確認できる。

昨年までも「パワプロチャンピオンシップ」として、大会は開催されていた。しかしながら、いわゆるeスポーツのような位置づけでもなく、注目度も高くなかったこともあり、今年はプロ選手によるeBASEBALLとして大きく様変わりしている。大会出場経験のある選手たちも、規模の大きさや注目度の高さに驚いているようだった。

読売ジャイアンツ所属のティーノ選手は「人前でプレイするのは昨年もやっていましたが、規模が違いますね。打撃が得意だったので、今回の試合も10点くらい取れるかなと思っていましたが、ベルガモット選手も私も3安打とまったく打てませんでした。気がつかないうちに緊張をしていたんだと思います」と、感想を述べた。

東京ヤクルトスワローズのマエピー選手も「すごく緊張しました。キャッチャーの送球が逸れまくって、4回の盗塁のうち、本来なら2回は刺せたと思いましたし、ピッチャーの悪送球やサードのエラーなど、かなり運にも見放されていました。ただ、それを差し引いたとしても、打ち負けていたので、完敗です。来週に向けて練習してきます」と語っていた。

横浜DeNAベイスターズのAO選手は「たぶん、私は数少ない3年連続出場の選手なのですが、今年はやはり独特です。この場の雰囲気に緊張しました。ただ、勝てばヒーローになれると思っていましたし、逆転ホームランを打ったときの大歓声はすごくて、大舞台での試合を楽しめました」と、いずれにしても大会の規模と注目度には緊張をしていたということがわかった。

阪神タイガースの実力者ベルガモット選手と対戦し、1対0で勝利を収めた読売ジャイアンツ所属のティーノ選手
珍しく大敗を喫した東京ヤクルトスワローズ所属のマエピー選手
少ないチャンスをものにし勝利した横浜DeNAベイスターズ所属のAO選手

そのほか、大会の見どころとしては、元プロ野球選手の解説が間近で聞けることや、球団マスコットとふれあえることが挙げられるだろう。アメリカのいわゆるボールパーク状態で、野球や『パワプロ』に興味がない人も十分に楽しめる時間となったのは間違いない。

今後の予定は、毎週土日にeペナントレースが行われ、12月16日には、クライマックスシリーズにあたる「eリーグ代表戦」が行われる。さらに来年の1月12日には「e日本シリーズ」も開催予定だ。

開幕戦のすべての試合はYouTubeのKONAMI公式チャンネルにアーカイブされているので、興味がある人は観てほしい。プロによる実況解説、試合展開の盛り上がりなど実際のプロ野球と比べても遜色ないので、プロ野球ファンも是非。