ファーウェイがP20を発表、AIがカメラの常識を覆す

ファーウェイがP20を発表、AIがカメラの常識を覆す

2018.03.30

3月27日、ファーウェイはパリで開催した発表会において、最上位の「P」シリーズの最新モデルとして「HUAWEI P20/P20 Pro」を発表。かねてより予告してきたトリプル(3眼)カメラが注目を浴びている。

HUAWEI P20 Pro

2017年にスマホの世界シェアで3位となったファーウェイは、今後1〜2年で2位を目指すという。果たしてそのフラグシップモデルはどのように進化を遂げたのだろうか。

最新ハードとAIの組み合わせでカメラの常識を覆す

2017年、ファーウェイは世界で1億5300万台のスマートフォンを出荷し、シェア3位となった。中心を占めているのは中・低価格帯のスマホとみられるが、最上位モデルの存在感は下位モデルのブランドイメージを左右することもあり、注目度は大きい。

パリの発表会に登壇した、コンシューマー事業部門CEOのリチャード・ユー氏

発表イベントは、ライカと共同開発したカメラの紹介を中心に進行した。P20 Proには3つのカメラを搭載し、メインのセンサーは4000万画素。3つ目のカメラは光学3倍相当のレンズを搭載するなど、順当なスペックアップを遂げている。

P20 Proが搭載した「3眼」カメラ

専門サイト「DxOMark」による評価ではP20 Proが「109」、P20が「102」と、いずれもiPhone XやGalaxy S9を大きく上回り、スマホカメラの最高峰に達したことをアピールした。 また、カメラの進化はハードだけでなく、ソフトも欠かせない要素になっている。ファーウェイはここに人工知能(AI)技術を投入しており、P20シリーズでは特に夜景の撮影が進化。三脚を使うことなく、4秒や6秒といったシャッタースピードの撮影が手持ちでできるようになった。

三脚なしで撮影したシャッタースピード「4秒」の作例

こうした夜景撮影では、手ぶれを防ぐために三脚などでカメラを固定することが常識だ。だが高度な画像処理技術があれば、複数の写真を合成して手ぶれを補正できる。これまでのスマホは処理能力が不足していたが、ファーウェイ製SoC「Kirin 970」のAI処理に特化したプロセッサーを使うことで、実現に至ったというわけだ。

P20 Proなら手持ちで雰囲気のある夜景を撮れる(パリにて筆者撮影)

スマホのカメラといえば、搭載できるセンサーやレンズの大きさに限界があることから、一眼レフのような本格的なカメラには及ばないと認識されてきた。だがハードの進化とAIによる画像処理を組み合わせることで、カメラの世界の常識を覆す進化を遂げたのは面白い点だ。

米国展開は課題、日本の大手キャリア採用はあるか

一方、ファーウェイのグローバル展開において、大きな課題といえるのが米国市場だ。1月のCESでは米大手キャリアからのスマホ発売を断念したことで注目を浴びたが、3月に入ってからは家電量販店のベストバイ(Best Buy)がファーウェイ製品の取り扱いを中止することが報じられた。

これに対してファーウェイは、発表会のゲストに米グーグル幹部を招き、最新OSの「Android 8.1」の搭載など緊密な連携をアピール。AIの活用ではアマゾンやマイクロソフトとの協業を示すなど、米国大手企業と良好な関係を築いていることを強調した。

最新Androidや音声アシスタント、ARなどで米グーグルと協業

日本での展開はどうだろうか。日本・韓国リージョンを統括するデバイスプレジデントの呉波氏にパリの発表会場で確認したところ、P20シリーズの日本展開を検討していることに改めて言及した。

だが前モデルの「P10」は、MVNOやSIMフリーの販路で売られたものの、売れ筋は「P10 lite」のような3万円前後のモデルに集中している。P20 Proの欧州での価格は899ユーロで、日本での価格は10万円前後と予想されるだけに、大きな割引を期待できる国内大手キャリアの採用があるかどうか注目したい。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu