月額制でクルマに乗れる? 「NOREL」が挑む新たなビジネスモデル

月額制でクルマに乗れる? 「NOREL」が挑む新たなビジネスモデル

2018.02.03

中古車のガリバーを運営するIDOMが、クルマの定額・乗り換え放題をうたって始めた新サービス「NOREL」。もうすぐローンチから2年を迎える同サービスだが、IDOMでは提供エリアの大幅拡大に踏み切り、現状の10倍以上となる会員数10万人を目指す方針を打ち出した。

IDOMは「NOREL」を日本初のクルマのサブスクリプションサービスと表現する

提供エリアを全国に拡大

NORELとは、好きなクルマを月々いくらの定額制で借りられて、飽きれば年に3~4回は乗り換えられるというサービスだ。ガリバーを運営するIDOMは、中古車という資産を活用して同事業をスタートさせた。

車種により金額は上下するが、NORELの最も安いプランは月額1万9,800円(税別)から。3万9,800円のプランであれば、選べるのは5年落ち程度の国産車が中心となる。7万9,800円のプランだと、ジープ「チェロキー」(2015)、メルセデス・ベンツ「E250」(2014)、レクサス「NX」(2015)などが選べる。これらの金額は対人対物無制限・人身傷害3,000万円の任意保険を含む料金だが、駐車場は利用者が用意しなければならない。1台のクルマに90日間乗ると、次のクルマの予約申込みが可能になる。

借りられるクルマの一部

同サービスで、2016年4月のローンチから現在までに獲得した会員数は1万人弱。2月からは現状で18都府県の提供エリアを沖縄を除く全国に拡大する。2019年2月までの目標は売上高10億円、会員数10万人だという。

このほどIDOMは、メディア向け勉強会でNORELの現状と今後を語った。IDOMでNOREL事業部の責任者を務める許直人氏によれば、NORELが競合するのはレンタカーやカーシェアリングなどではなく、「クルマを所有する」という従来の人とクルマの付き合い方そのものであるという。

クルマの所有をリプレイスする

「ハードウェアとしてのクルマではなく、『移動需要』にフォーカスしないと時代の波に取り残される」。許氏はIDOMがNORELの立ち上げを決めた背景として、このような危機感があったと振り返る。NORELが目指すのは、クルマの「所有そのものをリプレイス」(以下、発言は許氏)することだという。

IDOMでNOREL事業部の責任者を務める許直人氏

NORELの特徴は「体験できるクルマの数」だ。「新車の利用年数は平均9年で、リースなら短くて3年、長くて9年といった具合だが、NORELであれば10年で30台、一生に100台も不可能ではない。従来のクルマの所有体験とは全く違う」。それでいて、クルマの利用をやめたい時はいつでもやめられる。この「自由で多彩なクルマ体験」こそが、NORELが打ち出す強みだ。

「レンタカーやカーシェアなどと比較されることもあるが、NORELは所有体験のリプレイスを担うので、一時利用のユーザーとは市場が違う」というのが許氏の見立て。また、「レンタカーやカーシェアリングはフレキシビリティーこそ高いものの、利用頻度の高い人には割高になるので、頻度が上がるようであればNORELの方がお得」だそうだ。

契約数は1万件に迫る勢い。ただし、契約から予約(実際にクルマを使い始めること)までに数カ月を要する会員もいるそうなので、稼働率は別の話と考えるべきだろう

ローンを組むか、月額契約を結ぶか

NORELの今後について、許氏は「まずは年商10億円を目指して投資を拡大していく。まだまだ認知度は低いので、広告投資には1桁(金額の)違う投資を仕掛けたい」とする。ちなみに、NORELではすでに一定数の契約数を確保できているので、投資を抑制すれば今すぐにでも黒字化を達成することが可能だそうだが、スタートアップでもあるので、まだまだ継続的に投資を増やしていくべき段階だというのが許氏の現状認識だ。

ここ数カ月は、対前月比で平均140%以上というペースで予約数が増加しているとのこと。選ばれる料金プランは高価格帯と低価格帯に二極化する傾向にあるようだ

全国展開で需要が増えれば、人気車種が枯渇する可能性がある。対策としてNORELでは、ガリバーグループで投下できる車両を、2月から月間500~1,000台規模で増やすという。それ以降は、中古車、登録済み未使用車、新車などを持つ他社との提携も視野に、提供可能車両を増やしていく方針だ。

サービス開始当初は料金プランが単一で、輸入車のニーズが高かったという「NOREL」。低価格プランの登場で、国産車を選ぶ会員の割合が増えた。トヨタ車では「プリウス」や「ハリアー」といった定番モデルが人気だが、「FJクルーザー」や「86」といった趣味性の強いクルマも、掲載すると「かなり高い確率」で予約が入るそうだ

全国展開すれば、日本各地に点在する中古車を、NORELの需要地に運ぶロジスティクスの問題など、対応すべき課題も増えていきそうな感じはする。しかし、クルマが必須という地域は日本中にあるわけだし、ローンを組んでクルマを購入し、月々いくらという金額を払い続ける“所有”から、NORELに“乗り換える”という決断を下す人がいてもおかしくはない。

「残債もなく、ローンも組まず、必要な時に、必要なだけ、好きなクルマで、クルマの体験自体を楽しむ。そんな需要に徹底的にフォーカスしたサービスにより、クルマの所有体験を根底から変えていく」。こういったビジョンのもと、NORELでは今後も事業拡大を図っていくという。

Googleマップが突然の劣化、ゼンリン地図から自社地図に変更か?

Googleマップが突然の劣化、ゼンリン地図から自社地図に変更か?

2019.03.22

Googleマップが壊れた? 3月21日以降、表示がおかしい

地図のダウンロード機能でゼンリンと決裂したか?

新しい地図は機械学習で地図データ生成という指摘も

Googleマップの表示がおかしい。3月21日頃から、Googleマップの不具合を訴える声が各所で相次いでいる。道路の表示や建物の位置が正確でなかったり、地形すら間違っている場所もある。Googleマップにいったい何が起こったのか。

地図データの提供元がゼンリンではない?

Googleマップの日本地図データはこれまで、地図データで国内大手のゼンリンから提供を受けていた。両社の契約状況は公開されていないが、少なくとも不具合が発生している現在のGoogleマップ上からは、以前までは記載されていたゼンリン社の権利表記が消え、「地図データ (C)2019 Google」へと変更されている。

Googleマップからゼンリン社の権利表記が消えた

Google社は今月のはじめ、今後「数週間以内」に、日本のGoogleマップをアップデートすると予告していた。このアップデートでは、特にダウンロード可能なオフラインマップを追加することに注目が集まっていた。オフライン環境でもダウンロード済みの地図を利用できる便利な機能だが、地図データの契約上の課題があり、日本のGoogleマップでは制限されていた機能だからだ。結局、両社は契約の課題を解決できず、ゼンリンが地図データ提供から降りてしまったことが、今回の不具合の原因と見られる。

新しい地図は使い物になるのか?

現在のGoogleマップは、Googleが新規開発した自社製の地図データを利用しているようだが、いまだに不具合が報告され続けている状態状態であり、混乱が収束する目途は見えていない。

なお、この新しい地図は、航空写真で山脈の陰部分が湖になっていたり、並木の多い道路が公園になっていたりする間違いや、ほかにも交差点に面したコンビニエンスストアの駐車場が道路と語認識されていたりすることから、航空写真をもとにした機械学習や、スマホ位置情報の移動軌跡から地図データを生成しているのではないかと指摘されている。

航空写真では山の陰になっている部分が、川と湖になってしまっている
地図では鎌倉街道から大栗橋公園を抜ける道があるが、実態はただの公園広場だ。スマホ位置情報の移動実績をもとに道と認識したか?

新しい地図の仕組みや改善の見込みについては、Google側のアナウンスを待つほかないわけだが、GoogleマップはAndroidの標準地図として利用されており、影響を受けるユーザーがあまりにも多い。他の地図サービスを駆逐して大きな影響力を持っているのだから、責任も伴うはずだ。

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ペットボトルコーヒーに対抗? キリンが目指す「午後の紅茶」

ペットボトルコーヒーに対抗? キリンが目指す「午後の紅茶」"仕事のお供"戦略

2019.03.22

「午後の紅茶」に微糖のミルクティーが登場

新CMでは無糖・微糖を中心に新しい飲用シーンを訴求

ペットボトルコーヒーに対抗? 今後の戦略は

昨年まで、ビジネスマンの仕事のお供として「ペットボトルコーヒー」に注目が集まっていたが、今年は「紅茶」が主戦場になるかもしれない。

3月26日より発売されるキリンの「キリン 午後の紅茶 ザ・マイスターズミルクティー」は、これまでの“ペットボトルのミルクティーは甘い”というイメージに反して、缶コーヒーでいちカテゴリを築いている「微糖」が特徴。また、同社が長らくカテゴリ内最大シェアを誇る「午後の紅茶 おいしい無糖」についても、あらたな消費イメージを打ち出す方針だ。

今春から「午後の紅茶」新CMに出演する新木優子さん、深田恭子さん、リリー・フランキーさん

ペットボトル紅茶飲料のトップブランドと言える「午後の紅茶」。この春から公開する新CMには、既存の紅茶飲料のイメージを覆す狙いが透けて見えた。

2つの軸で「紅茶」のイメージを変える

紅茶飲料のイメージと言えば、「午後の紅茶」の名前の由来となっている「アフタヌーンティー」(英国発祥の喫茶習慣)に象徴されるように、「女性の飲み物」であり、「時間的・金銭的余裕がある人の趣味」というところだろうか。それも紅茶という商品のひとつの側面だが、近年の消費者層のメインストリームではなくなっている。

今回、キリンが「午後の紅茶」新CMで打ち出したのは、大きく分けてふたつの飲用イメージだ。深田恭子さんが仕事で車を走らせ、駐車して一服するのに選んだのは微糖のミルクティー。一方、アーティスト然としたリリー・フランキーさんが飲んでいるのは無糖の紅茶。2本ともに「仕事のお供」としての訴求が挙げられる。

車を止め、「キリン 午後の紅茶 ザ・マイスターズミルクティー」をひとくち飲む
絵を描く合間にのどを潤すのは「午後の紅茶 おいしい無糖」

もうひとつは、おなじくリリー・フランキーさんがカレーと紅茶飲料を一緒に味わうというCM。過去には同社の無糖紅茶が「おにぎりに合う」と訴求したこともあるが、あらためて食事中の飲料として「フードペアリング」を提案する。

カレーのような香りの強い食べ物とも合わせられる点を訴求
最年少の新木優子さんは、無糖紅茶を飲むようになった自分を「大人になった」と評するCMに出演。若者への無糖紅茶訴求を担う

紅茶を、コーヒーや緑茶と並ぶカテゴリに

カフェなどでは食後の飲み物をコーヒーか紅茶から選ぶのが定番だが、ペットボトル飲料市場では状況が異なる。コーヒーに次ぐ大規模市場は緑茶飲料で、紅茶はそこから比べるとかなり小規模だ。日本全体の清涼飲料市場で見れば、そのシェアは5%以下。仕事中の飲料としてメジャーなコーヒーが14.5%、緑茶飲料が13.3%という数字を見ると、半分以下という状況となっている。

清涼飲料市場において、紅茶はコーヒー、緑茶と比べて市場が小さい

こうした市場背景を確認した上で、今後「紅茶を、コーヒーや緑茶などの無糖茶と並ぶカテゴリに成長させたい」と意欲を示したのは、午後の紅茶を担当するキリンビバレッジ マーケティング部 商品担当 部長代理の加藤麻里子氏。世界での紅茶飲料と茶葉生産量の伸び、国内紅茶市場の回復傾向を論拠に、RTD紅茶のトップブランドとして、新しい紅茶文化を創っていきたいと語った。

「午後の紅茶」ブランド全体としては、既存の定番3種は甘さを求める若年層に対して継続投資を実施。甘さから離れる20代~30代の働く女性に向け、紅茶飲料としては珍しい「微糖」の新製品「キリン 午後の紅茶 ザ・マイスターズミルクティー」を投入する。

午後の紅茶ブランドにおける年代別の主要商品マッピング

また、30代後半意以降の年代を健康意識や嗜好の変化から「糖離れ・無糖飲用層」と位置づけ、すでに市場で受け入れられている「午後の紅茶 おいしい無糖」の訴求強化を行っていく。

狙うはペットボトルコーヒーへの「対抗」ではなく…?

「2年前までコーヒーのCMをやっていたのにどのツラ下げて…というのはありますが」と茶化しながらも、自分のような「おじさん」にこそ紅茶は飲みやすいとコメントしたリリー・フランキーさん

製品ごとに異なる年齢層を狙って投入される新CM。「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖」「キリン 午後の紅茶 ザ・マイスターズミルクティー」のCMでは、商品をことさらには誇張しない画面作りやキャスティング、出演者の自然体な演技とは裏腹に、「コーヒーから寝返っちゃおうかな」(リリー・フランキー出演「寝返り」編)、「ラテよりこっちかな」(深田恭子出演・「裏切られた」編)など、“コーヒー飲料からの転向”を示唆するようなセリフが目立つ。

働く大人がコーヒーから紅茶に「乗り換え」することを示唆するCMは、ここ2年でワーカー向けのペットボトル飲料の拡大を牽引し、ちょうど先日同ブランドから紅茶飲料を発売したサントリーの「クラフトボス」をはじめ、昨今増えているワーカー向けのコーヒーペット飲料に対する宣戦布告にも読める。だが、加藤氏にペットボトルコーヒー飲料のヒットに紅茶で対抗する構えかどうか尋ねると、決してそうではないという。

「今やひとつのカテゴリとなっているペットボトルコーヒー飲料も、複数社から新商品を展開し、協力して棚の広さを獲得した経緯があります。現状、紅茶飲料の棚は一段程度ですが、これを各社協力して2段へと増やしていきたいです」 

オフィス需要に対して、企業とコラボレーションし飲用機会を設ける試みも

また、「仕事のお供」需要を喚起する施策として、三菱地所に対して仕事中の飲料として「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖」を提供。働き方改革推進企業とコラボレーションし、オフィスでの休息機会に手に取る飲料として配布する。今後、他の企業からオファーがあればそちらにも対応するとのこと。想定シーンに対して直接サンプリングすることで、需要の広がりを見込んでいる。

「午後の紅茶」は、日本国内の紅茶飲料としてはNo.1ブランドの地位を獲得しているだけに、紅茶飲用の文化を牽引して、先述の通りコーヒー・緑茶に並ぶ市場規模への拡大を狙っている。

昨今はスターバックスの「TEAVANA」、タリーズコーヒーの紅茶業態などが定着しており、タピオカミルクティーブームも依然続くなど、カフェ業界でも紅茶に追い風が吹いている。今後、午後の紅茶が「コーヒー党」や「緑茶党」をどれだけ引き込めるか、注目したい。

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