【博報堂DYホールディングス】世界に通用するノウハウの買収を仕掛け、電通と異なる成長を

【博報堂DYホールディングス】世界に通用するノウハウの買収を仕掛け、電通と異なる成長を

2016.06.25

【博報堂DYホールディングス】世界に通用するノウハウの買収を仕掛け、電通と異なる成長を

 博報堂DYホールディングス<2433>は博報堂を中心とする広告代理店の持株会社である。

 グループの中核である博報堂は、1895年に教育雑誌の広告取次社として創業された。1950年に「内外通信社」に商号変更された際も広告部門は「内外通信社広告部博報堂」と称して名を残し、55年に再度「博報堂」に戻る。2001年に広告会社である大広、読売広告社と提携。2003年10月に3社の株式移転によって博報堂DYホールディングスが設立された。05年に上場。

 博報堂DYホールディングスの16年3月期の連結売上高は1兆2152億円であり、電通に次いで国内広告業界2位の広告代理店である。3位以下とは一線を画する二大巨頭として博報堂とともに「電博」と称される。

 日本国内首位であり、世界有数の広告会社となった電通とも比較しながら博報堂DYホールディングスのM&A経歴を見ていきたい。

■博報堂DYホールディングスの行ったM&Aは以下のとおりである。

年月 内容
2006.7 博報堂DYメディアパートナーズを通じて、F1層に特化した広告メディアレップのF1メディアの株式34.42%を第三者割当引受により買収。
2007.4 博報堂DYメディアパートナーズを通じて、映画製作・劇場配給とビデオ・DVDの発売などを行う東芝エンタテインメントの株式100%を買収。
2008.1 店頭マーケティングのアウトソーシングを専門とするメディアフラッグの株式10万株を買収、出資比率・金額共に非公開。
2008.6 連結子会社の読売広告社を通じて、インターネット領域に強みを持つ不動産広告のデベロップジャパン(売上高13億4千万円)の株式20%を第三者割当増資引き受けにより買収。
2008.9 博報堂を通じて、Webインテグレーション事業大手(売上高42億8千万円)のアイ・エム・ジェイの株式20.88%を買収。
2009.5 博報堂DYメディアパートナーズを通じて、スポーツ・コンテンツ・データの販売に強みを持つデータスタジアム(売上高12億8千万円)の株式53.12%を6億1千万円で買収。
2010.11 デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムを通じて公開買付によりインターネットマーケティング広告を主業とするアイレップ(売上高115億円)の株式を20.55%から53.76%まで9億2千万円で追加取得。
2011.12 博報堂を通じて公開買付により、営業支援、販売促進業務のアウトソーシング事業及び人材派遣事業を行うバックスグループ(売上高110億8千万円)の株式93.55%を31億8千万円で買収。
2012.3 デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムを通じて公開買付により、インターネット関連広告事業のngi group(売上高53億3千万円)の株式42.38%を18億8千万円で買収。
2013.4 博報堂を通じて、ファッション、スポーツ関連業種の広告事業を行うコスモ・コミュニケーションズ(売上高71億3千万円)の株式100%を14億1千万円で買収。
2014.2 博報堂DYメディアパートナーズ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムを通じて、インターネットマーケティング広告を主業とするアイレップの株式を3.25%ずつ11億4千万円で追加取得。博報堂DYメディアパートナーズが7.85%、デジタル・アドバタイジングが57.08%まで持株比率を引き上げる。
2014.5 米国の専門マーケティングサービス企業であるSYパートナーズの株式100%を買収。
2014.5 米国の専門マーケティングサービス企業であるRed Peak Groupの株式100%を買収。
2015.1 博報堂を通じて、企業広報支援を手掛ける英国のアシュトン・コンサルティングの株式の65%を買収。
2015.6 デジタルコンテンツ製作及びブランド体験創出に特化したDigital Kitchen(米国)の株式100%を買収。
2015.7 カナダのクリエイティブエージェンシーSid Lee Internationalの株式100%を買収。
2016.2 米国の世界的に高名なデザイン/イノベーション会社のIDEO LPの持分30%を取得。将来的に過半数を所有するオプションを保有することに合意。

 08年にはインターネットやECの台頭を見据えてWebインテグレーション事業大手のアイ・エム・ジェイの株式を取得しているが、それ以外の買収対象は主に同業の広告会社である。買収金額・対象の売上規模共に大きくはないのも特徴だ。現在までの時点で売上高が最も大きい買収対象は10年11月に株式を約30%追加取得したアイレップで、売上高は115億3千万円。次いで11年に31億円を投じたバックスグループであり、こちらの売上高は110億8千万円。

 13年まではM&Aの対象エリアも国内のみである。もちろん自前で拠点を構えて進出しているが、早くからアジアや米国、インドなどにM&Aで進出していた電通とは対照的だ。13年には英国イージス社を買収し、世界に飛び出した電通に比べると、どこか攻め手に欠ける印象が拭えない。

 博報堂DYホールディングスがM&Aを強化する方針を打ち出したのは14年5月、社内カンパニーの「kyu」を発足してからだ。

 13年11月に発表した19年3月期までの新中期経営計画により、広告事業のみにとどまらずマーケティング戦略の企画・提案など企業に対するコンサルティング事業を成長事業と位置付けた。「枠取り」に徹し、広告会社が顧客の注文通りに広告をつくるだけの時代は終わったとして、アイデアを売り込み、川上に打って出る形だ。しかしながらほとんど広告事業専業に近い博報堂DYホールディングスはこの分野でのノウハウに強くない。北米や欧州の専門的・先進的なマーケティング手法を提供する企業の買収にkyuは向こう5年間で500億円以上を投じる使命を担う。

 14年5月のkyuの発足と同時に米国の専門マーケティング会社であるSYパートナーズ及びRed Peak Groupを買収。欧米への進出の足掛かりとする。

 翌15年1月には企業の広報支援などを手掛ける英国のアシュトン・コンサルティングの株式の65%を取得。6月にはデジタルコンテンツの製作やブランド体験環境の創出を手掛け、多くのクリエティブアワードを獲得している米国のDigital Kitchenを完全子会社化。同じ期中に、カナダのSid Lee International、米国のIDEO LPと続く。

 宣言通りに、専門性が高く、世界に通用するノウハウの買収を仕掛ける。

 博報堂DYホールディングスの業績の推移を見て行きたい。

■業績推移

 上場直後の05年3月期の売上高が1兆895億円で営業利益が223億円。その後若干の波はあるがおおむね順調に推移し、09年から10年にかけてはリーマンショックの影響で落ち込みが見られる。13年以降は売上高を着実に積み上げながら、営業利益ベースでは過去最高益が続く。博報堂DYホールディングスによると、13年3月期の過去最高益の達成位は売上総利益の伸びとグループ各社の販管費コントロールによるものであると言い、14年3月期も同様。

 14年3月期に掲げた19年3月期へ向けての経営目標はのれん償却前営業利益で450億円。成長イメージとしては売上総利益増額に占める成長割合を「オーガニック:M&A=50:50」としていた。16年3月期にはのれん償却前営業利益は472億円となり、既に中期目標を前倒しで達成している。

 なお、基準年となる14年3月期からの売上総利益増分に占める割合はM&A:オーガニック=41:59。オーガニック成長に追い付くべくM&Aを行うとしても、あまり大規模な買収は必要ない。最初からM&Aを売上や利益の単純な積み増しに位置付けていないことがうかがえる。電通のイージス社買収のように規模的に派手な成長を追い求めるのではなく、あくまでM&Aでは規模よりノウハウを買いに行き、シナジーによってオーガニック成長を促すのが当面の方向性というところか。

■ネットデットと自己資本比率

 BSの推移においても博報堂DYホールディングスは電通と対象的である。多数のM&Aやイージス買収によって借入が増え、一時は自己資本比率が30%を下回った電通と比べ、博報堂DYホールディングスは自己資本比率が40%を下回ることがない。加えて、上場以来ネットデットは常にマイナスであり、年々キャッシュを蓄え続けている状態だ。

 大変良好なバランスシートだが、過大な現預金を社内に眠らせているという見方もできる。kyuの発足から5年間のM&A予算が500億円以上というのは同社の過去のM&A経歴から見れば強気な設定だが、財務面から見るともう少し冒険できるようにも見受けられる。リスクを取ってでも事業規模を追う電通とはこの点でも趣が異なる。

 kyuの発足から日が浅い中、早くも中期経営目標を達成した博報堂DYホールディングス。19年までは電通とは異なる成長戦略を描くが、その戦略にM&Aが組み込まれていることに変わりはない。事業のノウハウ、M&Aのノウハウを蓄えて19年以降はどのような戦略を描くのか。

この記事は、企業の有価証券報告書などの開示資料、また新聞報道を基に、専門家の見解によってまとめたものです。

まとめ:M&A Online編集部

新AQUOSは“片手ポケット族”狙う iPhone不在の「小型スマホ」市場に勝機

新AQUOSは“片手ポケット族”狙う iPhone不在の「小型スマホ」市場に勝機

2018.11.16

シャープが新スマホ「AQUOS R2 compact」を発表

大画面化の波に逆らい、「片手ポケット族」が増加傾向に

iPhone不在の「小型スマホ」市場を狙う

11月15日、シャープがAndroidスマートフォンの新製品「AQUOS R2 compact」を発表した。名前に「compact」と付いている通り、最近のスマホ市場では選択肢が減っている小型モデルであることが特徴だ。

小型スマホの需要を取り込む「AQUOS R2 compact」

コンパクトな見た目とは裏腹に、中身にはハイエンドである「AQUOS R」シリーズのスペックを詰め込んでいる。世界的にスマホの大画面化がトレンドとなっている中で、あえて時代に逆行するシャープの狙いはどこにあるのだろうか。

スマホを片手で持ち、ポケットに入れて使う人が増加

世界のスマホ市場では、6.5インチの「iPhone XS Max」に代表される大画面モデルが人気を博している。だが、日本では通勤電車などの利用シーンにおいて、片手で使う人が多いといわれている。シャープによれば、スマホを片手で持つ人は64% 、服のポケットに入れて持ち運ぶ人は49% に達しており、その割合は上昇傾向にあるという。

片手で持ち、ポケットに入れて持ち歩く「片手ポケット族」が多いという

その背景として、シャープはスマホの「インフラ化」を指摘する。SNSやコンテンツを楽しむだけでなく、サービスの利用やモバイル決済にスマホは欠かせない存在になっており、日常生活でスマホを取り出す場面が増えている。

AQUOS R2 compactは、日本人の手のサイズを念頭に置いた「横幅64mm」のボディに、できるだけ高性能な部品を詰め込んだハイエンドコンパクト機になっている。プロセッサは最新のSnapdragon 845、メモリは4GBを搭載しているが、これは大画面モデルのAQUOS R2と同等だ。

ポケットに入れやすいサイズに高性能を詰め込んだ

スマホ本体を小型化する一方、画面は前モデルの「AQUOS R compact」より大型化した。このためにシャープは画面の上下に切り欠き(ノッチ)を持つIGZOディスプレイを開発。インカメラと指紋センサを搭載しつつ、表示領域を上下に広げてきた。

前モデル(左)と比べて新モデル(右)は表示領域が広がった

「iPhone不在」の小型スマホ市場を直撃

シャープによれば、小型スマホを求める人は全体の3割程度という。スマホ市場では残りの7割に向けた大画面モデルが幅を利かせており、最新のiPhoneでは6.5インチのXS Maxに加え、一般向けモデルの「iPhone XR」も6.1インチとなっている。

一方、小型モデルとして根強い人気のあった「iPhone SE」は、後継モデルが出ないまま販売が終了。中古市場では価格が上昇する騒ぎもあった。

日本で最大シェアを誇るiPhoneだが、小型スマホ市場では存在感が薄れつつある。ソニーモバイルはXperiaシリーズのコンパクト機を投入しているが、2018年夏モデルの「Xperia XZ2 Compact」と比較して、シャープ機は画面の大きさ、薄さ、軽さの面で圧倒している。

中国メーカーとして日本でも勢いを伸ばすファーウェイ、OPPOも世界市場において大画面化競争を繰り広げており、小型モデルに積極的な動きは見せていない。この点もシャープにとって有利に働いている状況だ。

また、AQUOS R2 compactは顔認証と指紋認証の両方に対応しているのも特徴。これは、iPhoneにもXperiaにもない機能だ。スマホをポケットから取り出し、顔の前に持ち上げるだけでロックを解除できる顔認証だが、卓上に置いている場合は使いにくい。だが指紋センサがあれば、指を置くだけで済む。

顔認証に加えて指紋認証にも対応

スマホの端末メーカーの多くはグローバル市場に目を向け、大画面化のトレンドを追いがちだ。だが、シャープは国内の需要をしっかりとらえた上で、日本のユーザーに刺さる製品作りを続けている。

依然としてiPhone人気が続いている中で、限られた市場であっても「不在」のチャンスをタイムリーに活かし、ユーザーを奪還する。国内に目配りできるシャープならではの戦い方に注目したい。

大画面化するスマートフォン 使いやすさの試行錯誤は縦長から折り畳みへ

知って納得、ケータイ業界の"なぜ" 第23回

大画面化するスマートフォン 使いやすさの試行錯誤は縦長から折り畳みへ

2018.11.16

海外メーカーの台頭で日本にも大画面化の波が到来

大画面化と使いやすさの両立、各社の工夫の歴史

縦長スマホにとって代わるのは「折り畳み」スマホか

スマートフォンのディスプレイは年々大型化が進んでおり、かつては「大きすぎる」と言われた5インチディスプレイが、今や小さい部類に入ってしまうほどだ。一方で使いやすさを維持しながらディスプレイの大画面化を実現するため、メーカー各社はさまざまな工夫を重ねている。スマートフォンのディスプレイサイズはなぜ大きくなり、今後はどのように変化していくのだろうか。

海外メーカーの台頭で日本でも大画面化に拍車

スマートフォンにとってディスプレイは、単に情報を表示するだけでなく、タッチして操作するインタフェースも兼ねている非常に重要な存在だ。そのスマートフォンのディスプレイが、ここ10年ほどで最も大きく変化した要素が「サイズ」である。

どれくらい大きくなったのかというのは、新旧のスマートフォンのディスプレイサイズを比べてみれば一目瞭然だ。日本で最初に発売されたiPhoneである「iPhone 3G」のディスプレイサイズは3.5インチだった。一方、「iPhone X」や「iPhone XS」、「iPhone XR」といった最近のiPhoneのディスプレイサイズは6インチ級があたりまえ。1.7倍に以上に拡大しているのだ。

今やスマートフォンのディスプレイサイズは5インチ以上が一般的で、6インチも珍しくなくなった。画像の「iPhone X」のディスプレイサイズは5.85インチだ

さらに「iPhone XS Max」は6.5インチもあるし、他の大手メーカーでもサムスン電子の「Galaxy S9+」やファーウェイの「HUAWEI P20 Pro」のように、6インチを超えるディスプレイを採用した機種は増えている。なぜ、これほどまでにディスプレイサイズが大きくなったのかというと、それは大画面が欲しいというユーザーが多いため。スマートフォンの性能向上によって動画やコミック、ゲームなどのコンテンツを楽しむ人が増えていることから、ユーザーのニーズに応えるかたちで、大画面が求められるようになったといえよう。

だが日本国内の事情に目を向けてみると、公共交通機関での通勤・通学が多いのに加え、片手で文字入力ができる「フリック入力」が広く普及したこともあり、片手でスマートフォンを操作する傾向が強く、実は大画面に対するニーズはそこまで大きい訳ではない。実際日本では、4インチディスプレイの「iPhone SE」が人気を保っていたし、シャープの「AQUOS R Compact」やソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia XZ2 Compact」などのように、4インチ台のディスプレイを採用したコンパクトなスマートフォンも投入されている。

2018年の夏モデルとして販売されている「Xperia XZ2 Compact」は4.9インチと、最近では珍しくなった4インチ台のディスプレイを採用したコンパクトモデルだ

にもかかわらず、日本でも大画面のスマートフォンが増えているのはなぜか。まずは国内のスマートフォンメーカーが減少したことで、市場に海外メーカー製のスマートフォンが増えているためだ。海外では移動手段の違いに加え、文字入力システムの違いからスマートフォンを両手で持って操作する機会も多く、片手操作に対するこだわりが弱いのだ。

新興国などでも、ディスプレイサイズが大きいほど人気が出る傾向が目立ち、大画面に対するニーズが強いのである。海外製スマートフォンが日本市場に入り込みやすくなったことが、日本国内においてもスマートフォンの大画面化を進めたといえる。

縦長スマホの元祖はアップルだった?

とはいえ、スマートフォンが大画面化するに従って、本体の横幅がひろがり、さすがに海外のユーザーからも「持ちづらい」という声が増えてきたようだ。そこで近年急速に増えているのが、従来の16:9比率ではなく、18:9や19:9といった縦長比率のディスプレイの採用である。

持ちづらさに影響する横幅をこれ以上広げることなく、ディスプレイを縦に伸ばすことで大画面化しようとしたのだ。この流れをけん引したのは韓国メーカーで、2017年にはLGエレクトロニクスが「LG G6」(日本未発売)、サムスン電子が「Galaxy S8/S8+」といったように、縦長比率のディスプレイを採用した機種を積極的に投入した。

2017年発売の「Galaxy S8」「Galaxy S8+」は、18.9:9と縦長比率の有機ELディスプレイ「インフィニティディスプレイ」を採用したことで大きな話題となった

この韓国の両メーカーとも、グループ内にディスプレイデバイスを開発する企業を持っている。それゆえ縦長比率のディスプレイが生み出されたのには、実は大画面化だけが目的ではない。自社のスマートフォンに新しいディスプレイをいち早く搭載し、トレンドを作り上げることで、グループ企業のディスプレイデバイス販売拡大につなげる狙いもあったといえる。

だが、縦長ディスプレイで大画面化するというアイデアを真っ先に実践したのは、実はアップルである。アップルはかつてディスプレイの大画面化に消極的で、2011年発売の「iPhone 4s」までは3.5インチのサイズにこだわっていた。だが大画面化を求めるユーザーの声を受け、2012年発売の「iPhone 5」でディスプレイサイズを4インチに拡大した際に、ディスプレイの横幅はそのままに、縦に長くするという手法をとったのである。ある意味、アップルは5年前に現在のトレンドを先取りしていた、といえるかもしれない。

スマートフォンのディスプレイを縦に伸ばして大画面化するというアイデアをいち早く実践したのは、アップルの「iPhone 5」だった

しかしながら、ディスプレイを縦に伸ばして画面サイズを大きくする工夫にも、いずれ物理的な限界が来ることは目に見えている。そこで、さらなる大画面化の追求で、いま注目されているのが折り畳み式ディスプレイだ。このアイデア自体は、NTTドコモが2013年の「MEDIAS W」(NECカシオ モバイルコミュニケーションズ製)、2018年の「M」(ZTE製)で既に実現しているものだが、いずれも2枚のディスプレイを用いていたため、どうしても画面の折り目に継ぎ目が発生してしまう弱みを抱えている。

折り畳みスマートフォンとして注目されたNTTドコモの「M」は、2枚のディスプレイを用いるスタイルであるため折り畳み部分に継ぎ目が発生してしまう

だが有機ELを用いれば、ディスプレイを折り曲げられる“真の”折り畳みスマートフォンが開発できると言われており、大手スマートフォンメーカーがその開発を進めているとの観測報道も幾度となくなされている。

これは折り畳みできるという意味の「フォルダブル」スマホなどと呼ばれ、先ごろはサムスン電子が、来年発表するというフォルダブルスマホ「Galaxy F」のプロトタイプを開発者向けに見せはじめたりしている。2019年は各社から製品が登場するのではないか? との声もあるようだが、いま確実に言えることは、真の折り畳みスマートフォンがいつ、どのメーカーが、どのような形で投入するのかが、大いに注目されているということだけである。