JDIが

JDIが"FULL ACTIVE"になるのはいつか、第3四半期決算は最終赤字が拡大

2018.02.17

ジャパンディスプレイ(JDI)が2月14日に発表した2017年第3四半期累計(2017年4~12月)連結業績は、売上高が前年同期比12.2%減の5655億円、営業損失は388億円の赤字、経常損失は585億円の赤字だった。そして当期純損失は1006億円に達し、最終赤字が拡大した。

アップルがiPhone Xで有機ELを採用したように、スマートフォンの主要顧客が有機ELの採用を加速したことがマイナスに影響した。また、中国市場を中心としたスマホ出荷台数の減少や、中国ディスプレイ市場における価格競争の激化がマイナス要素になったという。

「本来、第3四半期は売上げが拡大する時期だが、今年度は第2四半期並みに留まり、売上高は前年同期比800億円の大幅な減少になった。工場の稼働率は、前年同期の9割から6割に留まっており、粗利率も1.2%しかない。また、白山工場の稼働で固定費が増加したほか、特別損失として事業構造改善費用で147億円、営業外費用として持分法による投資損失36億円を計上したことで、前年同期比で赤字幅が拡大した」(JDI 執行役員CFO 大島隆宣氏)

構造改革の現状は?

営業成績の概要だけで見れば、JDIの現状は厳しいと言うほかないが、明るい兆しとまでは行かないものの、JDIの構造改革が着実に進展しているように見える数字も出てきた。

例えば、課題となっていた過剰在庫は在庫の削減活動を進めた結果、2017年9月に完成品(商品および製品)の在庫保有日数が21日だったものが同12月には13日まで削減できた。仕掛品も23日から19日に削減している。大島氏は、「顧客へと届けるまでの日数が大幅に短くなっている」と語る。

この在庫の改善には、2017年10月に導入したカンパニー制の成果があるという。カンパニー制の導入に伴って、増益目標だけでなく、月次キャッシュフローの評価指標を取り入れた。これによって、カンパニー長の意識が変わり、部材発注ひとつでも慎重な裁定になったという。

カンパニー制を導入したJDI(9月の発表より)

これまでは増益だけを重視する姿勢によって「生産の立ち上げや、出荷を優先し、部材の調達数を多く、投入も多くしていたが、キャッシュフローを重視することで、部材を仕入れれば目先の状況は悪化する」(大島氏)。カンパニー長が在庫に対して敏感になり、いかに現金化するかを意識したことこそ、カンパニー制が機能し始めた結果だという。なお同社では、第2四半期までに滞留在庫の評価損として116億円を計上し、在庫処理も完了させている。

大島氏は、この四半期の業績について、前年同期比で悪化しているものの、「原価増減、販売管理費および一般管理費、数量ミックス、為替影響など、営業利益の増減要因についてはほぼ変化がなく、足元は大きく悪化はしていない」(大島氏)と評価する。

設備投資額については当初見通しの650億円を500億円に引き下げたが、「製造に利用する金型や治工具にはしっかりと投資をしており、必要な投資はタイムリーに行っている」としたほか、研究開発費については当初計画の250億円を維持し「使うところには使っている」(大島氏)と話す。

構造改革に向けた取り組みの一つでは、2017年12月に国内前工程生産を行っていた能美工場の生産を停止。今後、建屋や一部の生産装置はJOLEDによる有機ELの生産に活用する方向で検討を開始し、有機ELの開発リソースについても茂原工場に統合した。

構造改革は着実に実行しているとJDIは話す(9月の発表より)

海外後工程製造子会社の統廃合は依然として協議中だが、中国やフィリピンの海外遊休資産の一部については、第3四半期までに149億円の減損を計上し、前倒しで減損処理を進めている。また、早期希望退職者は募集枠の240人に対し、290人が応募しており、第3四半期には早期割増退職金を24億円計上した。

この結果、構造改革費用の計上額は、第1四半期に27億円、第2四半期に138億円、第3四半期に147億円となり、2017年8月に発表した1700億円の構造改革実施に伴う特別損失についても、「100億円単位で下回る見込みである」として、見直しを発表する姿勢を示した。

「構造改革費用による特別損失が見通しを下回るのは、昨今の状況変化がある。これは、グローバルパートナーとの話し合いにおいても、プラス効果になる」(大島氏)

ノンモバイルとFULL ACTIVEに期待するJDI

JDIは、中期経営計画の柱のひとつに「グローバル企業とのパートナーシップの構築」を盛り込んでおり、資本提携を含めて協議を進めている。当初の想定に比べてスケジュールは遅延しているものの「数社と鋭意交渉を続けている。話し合いについての基本的な方向性にはなんら変更がない。ステークホルダーにとって最適な結論を出したい」(大島氏)という。

これまでJDIは、発表していた2017年の通期売上高見通しを、具体的な数値を示すことなく「前年度比15~25%減」としていたが、今回の決算発表にあわせて7100億円程度と発表した。これは前年比20%減となる数字で、当初計画のちょうど真ん中の水準だ。上振れもなければ下振れでもない、中期経営計画の想定通りの進捗だ。

有機ELディスプレイのトレンドこそあるものの、同社の4辺狭額縁液晶ディスプレイ「FULL ACTIVE」が好調な売れ行きとしており、一部報道ではアップルが次期iPhoneで採用するとの見方もある。モバイル向けの有機ELディスプレイはサムスン電子の独占状態にあり、価格も高止まりであるため、同等のデザイン性を確保できるFULL ACTIVEであれば価格優位性で競争力があるということなのだろう。

FULL ACTIVEは狭額縁で有機ELディスプレイに対して競争力を持つ(9月の発表より)

「特に、中国スマホメーカー向けの売上げの半分は、FULL ACTIVE。2018年度下期からは、中国スマホメーカーの回復も期待できる。今後、FULL ACTIVEの営業活動を強化し、価格競争が厳しいなかでも、FULL ACTIVEの強みを訴求し、魅力のある製品を適正な価格で出し、他社との技術的差異化を提案していきたい」(大島氏)

また、今後の成長領域とする車載などのノンモバイル領域では、第3四半期決算で一部民生向けが減少。ただし車載やウェアラブル、デジタルカメラ向けが堅調で、「VRなどの新規需要も生まれている。全体への貢献度はまだ低いが、ノンモバイル事業の拡大に取り組んでいきたい」と大島氏は話す。

JDIはノンモバイル領域を拡大し、スマホ依存率を引き下げる予定だ

大島氏は最後に、改めて「重要なのはキャッシュフローを改善すること」と、引き続き財務体質の改善に尽くすことを強調する。構造改革の進展が見えつつも厳しい四半期決算だったJDI。グローバル企業とのパートナーシップの話し合いも遅れる中で、構造改革の手綱を締めるだけでなく、それを実行する速度をどこまで早く"フルにアクティブ出来るか"が今後の鍵となりそうだ。

wenaプロジェクトリーダーが語る「スマートウォッチ市場の今」

wenaプロジェクトリーダーが語る「スマートウォッチ市場の今」

2018.09.18

ソニー「wena wrist」開発者に取材

腕時計とスマートウォッチの境界線は”なめらかに”

セイコーとのコラボ新モデルも登場

ソニーのスタートアップの創出と事業運営を支援する「Seed Acceleration Program(SAP)」から生まれたハイブリッド型スマートウォッチ「wena wrist」が登場して、2年半が経過しようとしている。そしてこの秋、新製品を投入しプロジェクトも新しい段階に入る。

wenaはどう市場に受け入れられ、これからどのような道を歩もうとしているのだろうか? プロジェクト責任者である、ソニー Startup Acceleration部 wena事業室統括課長の對馬哲平氏に話を聞いた。

ソニー Startup Acceleration部 wena事業室統括課長の對馬哲平氏

人に近づくと「バリエーションは増える」

wenaはいわゆるスマートウォッチに類する製品だが、他のスマートウォッチ、例えばApple Watchなどとは大きく異なる点がある。それは、「時計」でなく「バンド」がインテリジェントになっている、ということだ。wena wristではモーションセンサやスマートフォンとの通信部分がバンド側にあり、バンドと時計のヘッドを組み合わせることができれば、どんな腕時計であってもスマートウォッチになる。

2016年の発売以降、wenaには多数の製品が用意された。對馬氏は、「ソニーといえど、これほどたくさんのバリエーションを販売する製品はなかったのでは」という。だが、そのことは、wenaのプロジェクトチームにとっては「当然」のことだった。

「身につけるものは、冷蔵庫や洗濯機とは違い、非常に強い趣向性が求められます。弊社の吉田(憲一郎社長)も『人に近づく』という経営の方向性を示していますが、人に近づくほど、より趣向性が求められると思っているんです」(對馬氏)

確かに、腕時計は商慣習的に、非常に種類が多い。對馬氏によれば、市場全体で、1年に1社だけで50から60もの製品が出るというのだ。「wenaもその戦略にそって、モデル数は増やさざるを得ない。ですから、ヘッド(時計)部分は多数のラインアップを用意しています」。

しかしながら、ヘッドは複数種類あるものの、バンド部は3つしか存在しない。このことは、wenaという製品の特徴がわかりやすく現れた部分かと思う。腕時計はファッション性が重要で、好みも広い。機能も重要だが、それだけで選ばれるわけではない。だからこそ、wenaはバンド部とヘッド部を分け、腕時計としてのアイデンティティがより強く出る部分を自分で「選べる」ようにしている。

wenaオリジナルのヘッドあるが、それ以外にも時計メーカーやブランドとのコラボレーションを進め、「選べる」ことを強みとしている。wena wristを自分の好きな時計につけて使っている人も多いという。

セイコーとのコラボで「機械式」「登山用」も登場

そんな中で登場するのが、wenaの新モデルである。これまでwenaは、自らのブランドの時計部には、メーカーとコラボし、彼らに設計・製造を委託したものが使われてきた。ただし、ブランドとしてはあくまで「wena」である。

しかし今回、セイコーとのコラボレーションが決定した。セイコーの機械式のデザインをベースとしたモデルと、登山用のデジタルウォッチを使ったモデルである。どちらも、セイコーとwenaのダブルブランド。いままでと違うのは、時計としてはあくまで「セイコーの製品」である、ということだ。

wenaの「SEIKO Digital」シリーズ

wenaの「SEIKO Mechanical」シリーズ

 

「これまでもいろんなブランド様とコラボモデルを出してきましたが、今度は相手先のブランド名が入ります。ブランド名が入るということは、その社の『社名がかかる』ということですから、大変です。一番はじめから、時計メーカーと組みたいと思っていましたが、伝統のあるセイコー様と組めたのは嬉しい限りです」(對馬氏)

どちらも、デザインなどはwenaのコラボモデル専用のものだが、特にユニークなのは、登山用のモデルの方だ。実はこちら、ヘッド側にも「スマートウォッチ」としての機能がある。バンドとヘッド、両方がスマートフォンと連動するようになっているのだ。

「wenaと登山用ヘッド、両方のアプリをスマホに入れて用途に合わせて使い分けます。スマートウォッチ系ではありますが、ヘッド部は登山用です。標高や登山スピードなど、登山に必要な機能を持っているのが特徴です。それに対してwenaは、活動量計や通知機能、電子マネーといったタウンユースに特化しています。双方が補完関係にあるので選びました」(對馬氏)

スマートウォッチというと「機能」というイメージが優先しがちだ。実際、wenaもスタートした時は、「バンドだけでスマートウォッチ化できる」という機能が注目された部分が大きい。だが現在、wenaのアピールポイントは少々変わって来ている。

「2016年に『第1世代』を出した時は、やはり、斬新さ・新しさを強調しました。現在、スマートウォッチの市場は全世界で9000億円程度で、時計市場の7分の1・8分の1くらいと言われています。ですからそろそろ、『腕時計とスマートウォッチとwena、という第3の選択肢』『いまはこういう選択肢もある』という形を打ち出すことにしました」(對馬氏)

すなわち、スマートウォッチの中でもデザインバリエーションやヘッドの付け替えの自由さをアピールした。これには事情もあった。このプロジェクトでは、開発にかけられる人数も限られていたことから、ソフトウェアで他社に対して明確な優位性を出すのは難しかったという。そのため、そこは割り切り、他社連携でアピールすることにしたのだ。

「1社独占」はない。コラボでバリエーション拡大へ

スマートウォッチは大きく期待されたジャンルである。「ポストスマートフォン」のようないい方もされたが、実際にはスマートフォンの周辺機器であり、市場としては落ち着いてきた印象だ。そこに、エクササイズという用途に軸を切り直したApple Watchが広がり、結果的に、気付いてみれば「期待したほどではないが、底堅い市場を構築した」状態である、といっていい。

そんな市場を、wenaはどうやって切り開こうとしているのだろうか?

2016年頃を振り返ってみると、主だったスマートウォッチは、ディスプレイ付きか、wenaのようなバンド式のものしかなかった。そこから、ちょっとした通知だけを時計側に入れたもの、「時計合わせだけ」をスマホ連携でやるものなど、いろいろなものが増えてきた。特に最近は、腕時計側からのアプローチが増えている印象がある。

「腕時計とスマートウォッチの境界線は次第になだらかになってきていると思います。そういう市場ですから、1社独占はあまりない。そもそも趣向性が大事なので、みなが同じものをすることはないんです」(對馬氏)

スマートウォッチ市場ではアップルが50% のシェアをもっているが、腕時計市場全体ではワンオブゼムに過ぎない。

「wenaも利便性は追求したいので、もっと機能拡張をしたり、時計側になにかを組み込む可能性もあるでしょう。しかし我々は、アナログ時計の良さと利便性を両立させる立場だとも思っています。それは、身につける喜びと利便性の両立でもあります。しかし、今のソニー・wenaからではアプローチできないお客様がたくさんいます。そうした層に知っていただくためにも、バリエーションを増やし、コラボレーションを充実させていきたいです」(對馬氏)

重課金勢が歓喜!? Google Playで「魔石」が買えるポイントプログラム開始

重課金勢が歓喜!? Google Playで「魔石」が買えるポイントプログラム開始

2018.09.18

Google Playが新たにポイントプログラムを開始した

ポイントはPlayストアの買い物や対象アプリ内アイテムとの交換に使える

ポイント付与率はステータスに応じて変化

Googleは2018年9月18日、日本ユーザーを対象に、Google Playにおけるポイントプログラム「Google Play Points」を開始すると発表した。

「Google Play Points」のアイコンは魔石のようなデザイン

「Google Play Points」は、Google Play上でアプリやゲーム、音楽、映画、電子書籍などのコンテンツを購入することで、ポイントを獲得することができるプログラム。貯めたポイントは、Playストアのクレジットとして使えるだけでなく、対象ゲーム内のアイテムなどと交換することも可能だ。

また、会員は利用率に応じて5段階のステータスに分けられる。現状、初期ステータスは「ブロンズ」からスタート。「ブロンズ」の場合は100円につき1ポイントの付与率だが、「ダイヤモンド」までランクアップできれば100円につき2ポイントが付与されるようになる。

さらに、「パズドラで100円使うたびに4ポイント付与」「FFBEをインストールすると5ポイントゲット」といった、週ごとのポイント増量キャンペーンも実施される予定だ。

同プログラムの利用は無料。入会特典として、利用開始から7日間限定で100円につき3ポイント付与というキャンペーンが実施される。

会員のステータス一覧
Play Pointsの画面イメージ。ホーム画面では、自分のステータスとポイント残高、現在のキャンペーン内容などを確認できる
Google Play Lifecycle Programs & Partnership DirectorのEunice Kim氏

発表会に登壇したGoogle Play Lifecycle Programs & Partnership DirectorのEunice Kim氏は「日本ユーザーに感謝の気持ちを示したいと思い、このプログラムを開始いたしました。日本には強力なデベロッパーも多く、そのパートナーシップを活用すれば、日本ユーザーに喜ばれるユニークなプログラムを提供できるのではないかと考えました」と、日本エリアのみで同プログラムを開始することになった経緯を述べた。

 

連携パートナー一覧

夢中になっているゲームであれば、ついつい課金してしまうのが人の性。このポイントプログラムを機に、今まで「欲しいアイテムが手に入るイベント中のみ課金」していたユーザーも、「ポイントが多く貯まる今のうちに課金して魔石を貯めておこう」という思考になる可能性が高い。「あと1回課金すれば、ポイントでもう1回ガチャができるぞ」という人も出てくるだろう。Androidユーザーはますます課金がはかどること間違いなしだ。

つい先日iPhoneの新機種が発表されたばかりではあるが、重課金勢にとってこのプログラムはAndroidへの乗り換えを検討する重要なファクターになり得るのではないだろうか。

なお、Google Playのギフトカードでチャージして決済した場合でも、ポイントを貯めることが可能とのことなので、「すでにカードを購入してしまった」という人も安心してほしい。