「E-PACE」を日本で発売! ジャガーがSUVを作る2つの理由とは何か

「E-PACE」を日本で発売! ジャガーがSUVを作る2つの理由とは何か

2018.02.23

高級サルーンやスポーツカーのイメージが強いジャガーが、同ブランドで2台目となるSUV「E-PACE」を日本で発売する。伸びる市場に商品を投入するビジネス上の判断は理解できるが、それ以外に、ジャガーがSUVを作る理由はあるのだろうか。SUVを作るのであれば、ジャガー・ランドローバーには、この車種を専門とするレンジローバーというブランドがあるにも関わらずだ。その理由を新車発表会で聞いてみた。

“サイズが小さい”ことと“新しく生まれたジャガー”であることを踏まえて、「BABYJAGUAR」(ベイビージャガー)とも呼ばれる「E-PACE」。サイズは全長4,410mm、全幅1,900mm、全高1,650mmだ

先入観をくつがえす2台目のSUV、狙うは新規顧客の開拓

ジャガー「E-PACE」は、ブランド史上最速のペースで販売台数を伸ばすSUV「F-PACE」に続き、同社が市場投入するコンパクトSUVだ。新車発表会に登壇したジャガー・ランドローバー・ジャパンのマグナス・ハンソン社長によると、E-PACEはジャガーらしいスポーティーなキャラクターと実用性を兼ね備える日本市場に適したクルマだという。デザインはジャガーのスポーツカー「F-TYPE」にインスパイアを受けている。クルマの性能についてはこちらの記事を参考にしていただきたい。

左が「F-PACE」、右が「F-TYPE」だ

ジャガー初のSUV「F-PACE」はハイペースで台数を伸ばしているそうだが、ジャガー・ランドローバー・ジャパンのマーケティング・広報部でディレクターを務める若林敬一氏は、E-PACEがF-PACEを超えて「最も売れるジャガー」になると予想する。

F-PACEより小型で価格もこなれたE-PACEでは、「ジャガーは値段が高くて、大きくて、自分よりも年上の人が乗るもの」というような先入観を持つ人にアピールし、新規顧客を開拓する構え。狙うのは30~40代だが特に30代とし、世帯年収としては1,000万円以下の顧客の割合を6割くらいにしたいとする。また、主に男性が乗るものとの固定観念にも挑戦し、女性比率で4割くらいを目指したいとも若林氏は語っていた。

SUVを作る1つ目の理由は「市場の声」、2つ目は…

では、より具体的に、E-PACEではどのくらいの販売台数を狙うのだろうか。数値目標を掲げることは避けた若林氏だが、ヒントはくれた。まず、日本自動車輸入組合(JAIA)によると、2017年の日本におけるジャガーの新規登録台数は2,614台。販売台数の内訳では同ブランドで最も売れている「F-PACE」と「XE」がトップ争いを繰り広げており、この2モデルで総販売台数の7~8割を売っているという。そして、E-PACEはF-PACEよりも売れるというのが若林氏の見立てだ。

「E-PACE」の日本における受注受け付けは始まっている。3つのグレードのスタート価格は「E-PCAE」が451万円、「E-PACE R-DYNAMIC」が504万円、「E-PACE FIRST EDITION」が738万円だ(左は若林氏、右はハンソン社長)

さて、なぜジャガーがSUVを作るかという冒頭に掲げたテーマに戻ると、まずは「売れるクルマだから」というのが1つ目の理由のようだ。実際のところ、世界的にクルマの需要はセダンタイプからSUVにシフトしているのが現状。日本でもミニバン、セダン、ハッチバックなどからの乗り換えが増えていると若林氏は分析する。シートが高く、荷室の広いSUVは「日本を含め、全世界の顧客が本当に欲しがっている種類のクルマだ」とはハンソン社長の言葉だ。ただし、ジャガーは市場の声に従って、仕方なくSUVを作っているのではない。

SUVでもジャガーライクな走りを追求

ジャガーがSUVに参入した理由の2つ目としてハンソン社長は、「最近は技術がとても進歩して、このタイプのクルマを、ジャガーとしてのキャラクターを保ったまま開発することが可能となった。例えばシャシーやボディなどの部分でだ」と語った。「車高が高いクルマであっても、“ジャガーライク”な走りを実現することができるようになった」として、ハンソン社長はジャガー製SUVの出来栄えに自信を示す。つまり、売れるタイプのクルマを、ジャガーらしさを損なうことなく作れる環境が整ったことが、同ブランドがSUV市場に参入した理由というわけだ。

発表会の会場となった「1 OAK TOKYO」の外に展示されていた「E-PACE」

では、ジャガーらしいSUVの乗り味とはどんなものなのか。若林氏はジャガーの創業者であるサー・ウィリアム・ライオンズ氏の「車とは我々が創造しうるものの中で、最も生き物に近い」という言葉を引き合いに出しつつ、「ジャガーは動物のようなクルマといっているので、乗ってワクワクするとか、楽しいとか、癒されるといった効果も期待できる。E-PACEを選んでもらえれば、人生が豊かになる」とする。

クルマを動物のジャガーに見立てたのか、檻に入っているような感じだ

SUV市場はまさに群雄割拠の様相を呈しており、価格帯やセグメントの分け方で考えた場合、E-PACEはBMW「X1」、ボルボ「XC40」、メルセデス・ベンツ「GLA」、レクサス「NX」、アウディ「Q3」などと競合するというのが若林氏の予想だ。しかし、選択肢が飽和状態のSUVセグメントで、あえてスポーティーな部分を突出させて商品化したE-PACEである以上は、「ポルシェの『マカン』とガチンコ勝負」(若林氏)をしたいという思いもあるようだ。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

NewsInsightは、諸般の事情により記事更新を終了いたします。

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なお、NewsInsightに掲載中の記事につきましては、引き続きマイナビニュース(https://news.mynavi.jp)へと掲載場所を移管いたします。

掲載中の連載記事につきましても同様に、マイナビニュースへ移管いたします。各連載記事の新しい掲載URLにつきましては、以下となります。

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○森口将之のカーデザイン解体新書
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○清水和夫の自動運転ソシオロジー
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○ゲームとともに振り返る“平成”という時代
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○企業戦士に贈る「こむぎのことば」
https://news.mynavi.jp/series/komuginokotoba

○藤田朋宏の必殺仕分け人
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○「食べる」をつくる科学と心理
https://news.mynavi.jp/series/food_science

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○知って納得、ケータイ業界の"なぜ"
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○文具ソムリエール・菅未里の「新しいコンパス」
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○活字・写植・フォントのデザインの歴史 - 書体設計士・橋本和夫に聞く
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○カレー沢薫の時流漂流
https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu

最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu