AI搭載の盆栽「BonsAI」、TDKが考案した深い理由

AI搭載の盆栽「BonsAI」、TDKが考案した深い理由

2018.02.27

TDKが人工知能(AI)を搭載した盆栽「BonsAI(ボンス・エーアイ)」のコンセプトムービーを公開した。人と会話する、水をねだる、日の光を求めて動き回る、といった機能を持ち、話題を呼びそうなネタだが、なぜTDKはこうした変り種を考案したのだろうか。

BonsAIが生まれたいきさつ

「BonsAI」誕生の原点は2015年。TDKが創立80周年を迎えた同年に“Attracting Tomorrow”というコミュニケーションメッセージを掲げ、ブランディング活動を進めたことに始まる。その理由を端的に言えば、TDKがどんな会社かを正しく認知してもらうためだった。

30代以上はTDKを知っているだろう。かつてカセットテープやビデオテープなど消費者向け商品を販売し、イメージは残っているはずだ。しかし、未だにテープの販売や音楽関連のビジネスを展開していると誤認されることがあり、誤ったイメージを正したかったのだという。それがブランディングを進めた理由だ。

もうひとつ。カセットテープなど。かつての商品は市場から姿を消し、同社のビジネスのほぼ100%がBtoBとなってしまった。その結果として、20代には知名度が浸透していないという課題も抱えていた。

これらの課題を解決するために始めたのが、テレビCMだった。同社は2015年にテレビCMを再開。スティーヴィー・ワンダーさんらを起用したCMで社名を訴求した。翌2016年にはメディアアーティストの落合陽一さんらを起用したテレビCMで、TDKがテクノロジーに関連する会社であることを訴えのだ。

これらをホップ、ステップとして、帰結のジャンプに当たるのが、目下、取り組んでいる「テクノロジーでなにしよう」というテーマだ。このテーマを具現化させたものがBonsAIであり、「TDKがどんな会社なのか」を具体的に伝える使命を帯びているというわけだ。

「テクノロジーでなにしよう」というテーマのもとBonsAIが考案された

TDKはどんなメーカーか

BonsAIを見れば、TDKのことがざっくりとわかる。BonsAIは人と会話し、自ら光って水をねだり、自律走行もする。ここにメーカーであるTDKの技術、製品が使われる。

たとえば、安定した走行を実現するための9軸センサー、電源供給や照度センサーの役割を果たすフィルム太陽電池、ケーブル不要のワイヤレス給電装置だ。ほかにも、会話や駆動を制御するマイクロコンピュータ、各種コンデンサやインダクタもTDKの製品だ。

会話の制御にマイクロコンピュータなどTDK製品を使用

TDKは総合電子部品メーカーと表現されるが、こうしてBonsAIを通じて見てみると、何に取り組んでいるかわかりやすい。ぼやっとした言葉とイメージから脱却させる大きな力をもったスーパー盆栽といえるだろう。ミッションを達成するために、後はBonsAIが大きな話題になるだけだ。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu