ジワジワと人気が増すワインの2017年を振り返る

ジワジワと人気が増すワインの2017年を振り返る

2018.01.04

若者のビール離れが叫ばれている。ビールだけでなく発泡酒も減少傾向だ。そんななか、ジワジワと人気を伸ばしているのがワインだ。

ワインは1998年頃に、ポリフェノールがフックとなり、第6次ワインブームを迎えた。その後、景気低迷で消費量を落としたが、2010年頃から少しずつ復活。2012年から消費量最大を更新し続けている。2016年は伸びが鈍化したが、それでも右肩上がりだったと報告されている。

では、2017年はどうだったのか。横ばい、もしくは若干の伸びではないかと、ワイン関係者は話す。統計がまだ出ていないので詳細はわからないが、着実に日本人に馴染んできているといえよう。だが、フランスやイタリアといったワインの本場の国と比べると、まだ日本のワイン消費量は少ない。ただ、それだけに、飽和してしまっているビールに比べれば、伸びしろが十分にあるといえる。

市場を牽引するチリ産ワイン

そんなワイン業界の2017年を振り返ってみると、やはりチリ産ワインの勢いが強い。2007年にEPA(経済連携協定)をチリと締結したことにより関税が削減され、安価に入手できるのが支持されている原因だろう。2015年にはオーストラリアともEPAを締結した。オーストラリアもワイン原産国なので、人気が高まってくるとにらんでいる。

左:チリ産ワインなどをボトリングする、キリンの藤沢工場。右:ワイン市場を牽引する安価な製品

こうしたなか、にわかに注目され始めているのが日本産ワインだ。とくに日本固有のブドウ種、「甲州」を使用した白ワインは、完全に市民権を得たといってよい。やはり日本固有の黒ブドウ(赤ワインの原料)である「マスカット・ベーリーA」の名前も知られるようになった。ちなみにマスカット・ベーリーAは、「日本ワインの父」と呼ばれる川上善兵衛により誕生した。

日本のブドウ種、甲州

山梨県にある「岩の原葡萄園」が倒産危機に陥った際、川上のブドウ栽培技術を見込んだ鳥井信治郎が出資。鳥井は寿屋を創業した人物で、この会社は成長し現在、サントリーとなり、ぶどう園は同社の日本ワイン製造の拠点「登美の丘」と呼ばれている。

余談が長くなったが、2016~2017年にはワイン業界に動きがあった。そのなかで目立つのが、日本のワインの雄、キリンの動きだ。同社傘下のメルシャンは、長野県塩尻市片丘地区に約7ヘクタールのブドウ農園を拓くとした。ブドウの収穫には3~5年、場合によっては10年近くかかるかもしれないが、生産力アップの投資といえるだろう。

なお、同社のぶどう農園は、秋田県や福島県、そしてワイン生産が盛んな山梨県にあるが、長野県の農園開発に力を入れている感がある。長野県には片丘以外にも、桔梗ヶ原や椀子(まりこ)といった農園があり、そこで収穫されたブドウを使って醸造したワインに、各農園の地名を冠している。

さらに、ブドウ栽培だけではない。ワインを醸造するワイナリーの新設もリリースした。前出の桔梗ヶ原と椀子地区だ。これまで、日本産ワイン醸造のおもな拠点は、山梨県甲州市にあるシャトー・メルシャンだった。それが一気に2カ所も新設されることになる。

同社が、ブドウ農園やワイナリーに対して、これだけ投資を進めるのは、やはり日本産ワイン人気の向上を見越しているからだろう。

一方で、安価な輸入ワインも好調だと聞く。2017年に投入された「ワールドセレクション」は、年間の目標を10カ月で到達したという。

サントリーが仕掛けたワールドプレミアム

もう一方のワインの雄、サントリーもワイン市場で仕掛けてきた。しかも戦略がなかなかユニークだ。フランス・ボルドー、イタリア・キャンティ、オーストラリア・シラーズ/ヴィオニエ、チリ・カルメネール、ドイツ・リースリング、日本・甲州といった、世界のワイン産地の製品を「ワールドプレミアム」というシリーズで販売開始した。サントリーの担当者がいうには、6カ国ものワインをひとつのシリーズで統一するのは初めてではないかという。

そしてもうひとつ、このワールドプレミアムには特筆すべきことがある。それは、サントリーとセブン-イレブンとの共同開発で誕生したということ。酒類のメーカーであるサントリーはわかる。だが、コンビニ大手のセブンがワインの開発に携わるのは、異例といえるだろう。

少し高めの価格で勝負

いいかえると、コンビニ大手もワイン人気にひかれたということだ。しかも、セブンが関わったワインということは、積極的に店舗のワインコーナーで売られることになる。ほかの酒類メーカーにとっては驚異といえるだろう。価格は1,380~1,780円と、売れ筋のワンコインワインに比べれば少々高めだが、安価なワインに満足できなくなった層には、リーチしやすい価格だ。

輸入ワインも好調らしい。ただ、輸入ワインを牽引した、ボージョレ・ヌーボーは、全盛期の半分ぐらいの消費量になっているらしい。ただ、こうも考えられる。フレッシュな新酒ではなく、タンニンを味わえる熟成させたワインに嗜好が移っているのではないかと。 いずれにせよ、ワイン人気は今後も続くだろう。2018年も、さまざまな動きがワイン業界で起こるにちがいない。

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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2019.03.20

Googleが新しいゲームプラットフォームを発表

配信方式でゲーム機不要、「ゲーム機」の時代の終焉?

2019年内にローンチ、性能はプレステやXbox以上か

3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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