ドミノ・ピザ、20分配達「ミッション 20 ミニッツ」を実現できたワケ

ドミノ・ピザ、20分配達「ミッション 20 ミニッツ」を実現できたワケ

2018.01.22

ドミノ・ピザ・ジャパンは新たな配送サービス「ミッション 20 ミニッツ」の提供を全店舗で開始した。注文からデリバリーを20分で実現するこのサービスは、宅配ピザ業界に一石を投じることになるかもしれない。

20分デリバリーは差別化につながるか

様々な取組みで実現したサービス

「ミッション20 ミニッツ」は、追加料金200円で20分配達を実現するオプションサービス(追加料金300円で15分配達を実現するサービスも)。ネット経由での注文に限られ、20分配達を実現できなかった場合には、Mサイズピザ1枚無料クーポンをメールで進呈するというものだ。

20分プレミアムサービスを提供。カウント開始は予約注文確定時、配達終了は配達車両が配達先から半径100メートル圏内に到達、エンジンが切れたと確認できた時刻から30秒後の時点になる

サービスの実現に向けて、同社は様々な取り組みを行なってきた。ひとつは3分オーブンの開発だ。約2年の試行錯誤を経て、加熱力をアップさせたり。熱風の当て方に工夫を凝らすなどして従来の5分オーブンから2分短縮させた。

サービス実現に向けた取り組み

ピザ作りの時間を短縮するために人材育成も進めた。さらに、Eバイクの活用やオリジナルのGPS配送システム「GPS DRIVER TRACKER」の活用を進め、効率的なデリバリーオペレーションやスケジュールの組成も可能になった。

こうした一連の取組みにより、20分配達サービスを実現したのだ。そこまでには多大な苦労があったと思われるが、ビジネス的な見方からも理に適った取り組みといえる。

人材育成により業務効率が大きく向上し、オプション料金も得られる。配達時間を短縮することで、ピザの味も落とさずに食べてもらえるようになる。売上、味、2つの側面からどちらもプラスになるのだ。

また、横並びにも見える他のピザチェーンとの差別化という点でも大きなアドバンテージとなりそうだ。他社の追随に関しても、配達システムに独自のアルゴリズムを採用するなど、「簡単にはマネできない」(ドミノ・ピザ・ジャパン広報担当)と見ている。

課題は消費者にどう受け取られるかだろう。そもそも追加料金を払ってまで10分短縮したいと思う利用者がどれだけいるのか。また、交通状況や配達状況などの諸条件が整った場合に利用可能となっており、どのタイミングで利用できるのかが明確にはなっていない。ピーク時を外してしまえば、支持され続けるサービスになるのかどうかはわからない。これから次第と言えそうだ。

淘汰が始まった2018年のMVNO市場、「mineo」の生き残り策とは?

淘汰が始まった2018年のMVNO市場、「mineo」の生き残り策とは?

2018.01.22

1月18日、ケイ・オプティコムはMVNOサービス「mineo」についての事業説明会を開催し、契約数100万件を目前にした同サービスの最新状況や新たな施策を発表した。

mineoの説明会に登壇したケイ・オプティコム 経営本部 モバイル事業本部グループ グループマネージャーの上田晃穂氏

2017年末の格安スマホ市場では「FREETEL」の事業承継や楽天モバイルによるMNO参入など、今後の業界再編を予感させるニュースが相次いだ。2018年、mineoはどのように生き残りを図っていくのだろうか。

100万契約が見えたmineo、MVNO市場は淘汰の時代に

これまでmineoは契約回線数の目標として、2018年3月までに100万件という数字を公言してきた。その進捗状況として、1月現在は90万件に到達。単月で4万8000件増加した月もあるなど、順調さをアピールした。

契約回線数は90万件を突破し、3月末の100万件が見えてきたという

国内MVNO市場でのシェアは、2017年9月末時点で第4位となる8.2%を確保。上位3社のシェアは上から13.9%(インターネットイニシアティブ)、12.2%(NTTコミュニケーションズ)、11.4%(楽天)と大きくかけ離れた数字にはなっておらず、混戦状況が続いていることを示した。

MVNO市場のシェアでmineoは4位

市場全体の動向としては、2017年9月末時点でMVNOの契約数は1012万件、比率では6.7%に達しており、普及拡大期に入っていることを指摘した。その一方で700社以上がひしめくMVNO市場では買収や破綻の事例も出てきており、「優勝劣敗が始まり、生き残りをかけた淘汰の時代に入った」と上田氏は分析する。

MVNO契約数は1012万件に、同時に「サブブランド」批判も展開

その先にmineoが見据えるのが黒字化だ。他のMVNO事業者と同様、mineoも契約数が100万件を超えたもう少し先に損益分岐点があることを囲み取材で認めた。値上げの予定はないものの、契約数の増加に合わせてコストも増えているという。他のMVNOの買収については今後も状況を注視していくとして、含みをもたせた。

今後の市場動向を占う上で見逃せない動きが、ワイモバイルやUQモバイルといった「サブブランド」への批判だ。総務省主導で始まった検討会でケイ・オプティコムは、MVNO並みの低料金で大手キャリア並みの高速回線を提供していることを指摘し、勢いを増すサブブランドを牽制した。

mineo成長の鍵は「ファンファースト」戦略

MVNO市場における生き残り策としてmineoが打ち出したのが、「ファンファースト」戦略だ。mineoのファンを増やすことで、新規ユーザーの獲得と同時に既存ユーザーの長期利用を促していくものになる。

ファン重視戦略の中心にあるのが、コミュニティだ。オンラインコミュニティの「マイネ王」は会員が30万人を突破。オフラインでのイベントも開催し、mineoファンと直接ふれ合う機会を増やしているという。

ファンが増えることで、具体的にはどういう効果があるのだろうか。ユーザーからの問い合わせの1割には他のユーザーが返答しており、電話やチャットによるサポートを補完している。Amazonランキングでは「携帯電話・スマートフォン SIMカード部門」で3年連続1位に。解約率は約1.1%と2016年より低い水準で推移しており、新規ユーザーの4割近くが既存ユーザーの紹介で加入するなど、口コミも広がっているという。

他のMVNOにはない新端末として、「iPhone 7」と「iPhone 7 Plus」を発売することも明らかにした。MVNOにありがちな海外モデルの整備品ではなく、メーカー認定のルートから独自に調達した新品の国内版SIMフリーモデルとなっている。

アップルストアでは販売終了した「iPhone 7」のレッド色も

価格の面では、仕入れルートの関係でアップルストアより割高になっているものの、すでに販売終了したレッド色や256GB版を取り揃えているのは面白い。mineoから買うことで、端末代金と通信料金をまとめて払いたいニーズもあるという。

このようにmineoは、他社にはない施策を採り入れつつ、ファンコミュニティを成長エンジンとする独自の戦略を強化することで、淘汰の時代における生き残りを図っている。

電気自動車のワイヤレス充電は夜明け前? 普及の鍵を握るのは誰か

電気自動車のワイヤレス充電は夜明け前? 普及の鍵を握るのは誰か

2018.01.22

電気自動車(EV)が普及の兆しを見せる中、新しい充電方法の提案を行っているのがクアルコムだ。同社はワイヤレス充電システム「Qualcomm halo」の製品化に向け、EVの充電器を製造するニチコンとライセンス契約を締結し、現在は技術移転を進めている。EVを停めるだけで充電が始まる社会が到来すれば便利そうだが、このシステムは実際に普及するのか。「オートモーティブ ワールド 2018」に出展していたクアルコム ジャパンに聞いてみた。

日産「リーフ」を使ったワイヤレス充電のデモ

将来は走りながら充電も可能に?

クアルコムが普及を目指すワイヤレス充電システム「Qualcomm halo」は、クルマ側と地上に充電用のパッドを設置することにより、その場所に駐停車するだけでEVを充電できるというもの。同社は将来的に、充電パッドを道路に敷設することで、走りながらEVを充電できるようなシステムを構築することも視野に開発を進めている。

同システムの製品化に向けてクアルコムは、EVの充電器(有線)などを製造するニチコンと2017年7月にライセンス契約を締結。クアルコム ジャパンの小沢幸雄氏によると、同社とニチコンは現在、試作品の製作に向けた技術移転を進めているところだという。ニチコンによれば、製品化の目標は2021年頃とのことだった。

クアルコム ジャパン ビジネスディベロップメントの小沢幸雄シニアディレクター

日産のEV「リーフ」に試乗した際、有線での充電を試してみた経験からいうと、ケーブルを充電器に差し込んで充電するのは大した手間ではないし、セルフのガソリンスタンドを利用するのと比べれば、ほとんど利便性に差はないという感じがした。しかし、クルマを停めるだけで充電できるのであれば、そちらの方が便利であることは間違いない。ワイヤレス充電システムの普及はEVそのものの普及にもつながりそうだが、社会に実装する上で何が課題となっているのだろうか。

普及に向けた2つの課題

課題の1つは安全性だ。小沢氏によると、ワイヤレス充電の仕組みは「簡単にいうと、電子レンジがそのまま露出しているようなもの」だそうで、充電中のパッドの上に金属の異物が乗っかれば、それは熱を持ち発火してしまう危険性がある。

ただし、ワイヤレス充電システムの「異物」による危険性は当初から指摘されていたことでもあり、クアルコムもFOD(Foreign Object Detection=異物検知)システムの開発には余念がない。小沢氏によれば、「Qualcomm halo」は異物を検知した状態で充電を始めないし、充電中に異物を検知した場合は充電を直ちに中断するという。

もう1つの課題はコストだ。具体的に1セットでいくらくらいになるのかは聞けなかったが、個人で後付けのワイヤレス充電システムを用意するにしろ、自動車メーカーが新車にオプションとして設定するにしろ、コストはネックになりそうだ。

地上に設置する「Qualcomm halo」の充電パッド。地中に埋設することも可能だ

誰がワイヤレス充電を普及させるのか

このように課題も抱えるワイヤレス充電だが、普及の突破口となりそうなビジネスモデルも小沢氏から聞くことができた。それは、駐車場とワイヤレス充電の組み合わせだ。充電パッドが設置された駐車場があって、そこにEVを停めると充電が自動的に始まり、駐車場から出る際には、クレジット決済で駐車と充電を合わせた料金の精算が済ませられる。買い物や食事などの時間をワイヤレス充電に充当するという、このような新しい駐車場の在り方を小沢氏は提示した。

もちろん、駐車場を運営する事業者が、その意義を感じてワイヤレス充電システムに先行投資できるかどうかという部分は問題として残る。まだまだEVが普及したとは言いがたい状況にあって、新技術への先行投資を行い、その投資額を駐車料金に上乗せして回収できるかというと、おそらく駐車場を運営する側は尻込みするだろう。

地上側充電パッドの中身

結局、EVの普及が先か、EV普及に向けた環境整備が先か、という問題に帰着してしまうわけだが、小沢氏は「夜明け前が一番暗い」として、ワイヤレス充電に率先して取り組む意義を強調した。どのくらいのスピードで、どのくらいの台数のEVが世の中に広まっていくかは未知数だが、「少ないとはいえEVは普及しつつあるのだから」(小沢氏)、ワイヤレス充電を特色とする駐車場の運営に乗り出す勢力があっても良さそうな気はする。

自動車メーカーの中には、今後はクルマを作るだけでなく、モビリティサービス・プロバイダーを目指すと宣言している企業もある。そういった企業が、自動運転のEVを使って人やモノを運ぶようなサービスに乗り出す際に、ワイヤレス充電設備の重要性を再認識する可能性もある。なぜなら、自動運転の導入でドライバーのコストを抑えたのにも関わらず、有線の充電器を使用するために人の手を必要とするようでは、画竜点睛を欠くと言わざるを得ないからだ。

クルマが自動で動いて仕事をこなし、バッテリーの残量が少なくなれば所定の場所で勝手に充電を行う。こんなビジネスモデルを構想する企業にとってみれば、ワイヤレス充電システムは不可欠なインフラとなるのではないだろうか。