ファミマの「FIT&GO」、成功には相当の覚悟が必要だ

ファミマの「FIT&GO」、成功には相当の覚悟が必要だ

2018.01.25

ファミリマートが24日に披露したフィットネス併設店舗の「FIT&GO」。多店舗展開に向けての基本コンセプトは固まったものの、まだ未確定な部分も多い。

1号店の大田長原店

これから決めるフランチャイズパッケージ

FIT&GOは、ファミリーマート店舗と24時間運営のフィットネスクラブを合体させた新型業態だ。フィットネスクラブ利用者のコンビニ利用率が高く、誘客効果が高いほか、ICリストバンドによる入退館など完全無人化を視野に入れており、加盟店側の負担も少ないことから、ファミリーマートが新業態として展開する。目標は5年で300店舗と大きい。しかし、いろいろと考えると、本格展開までにまだまだ解消すべき課題は多々ありそうだ。

大きな課題のひとつに、フランチャイズパッケージがある。パッケージはまだできあがっておらず、初期投資や設備投資にあたって本部が負担するのか加盟店が負担するのかなど、本決まりにはなっていない。澤田貴司社長によると「ケースバイケース。加盟店が投資する場合もあれば、我々が投資してオペレーションしてもらうケースもある。収益配分もこれから作っていく」とし、複数のパッケージを想定しているとのことだ。

パッケージがない以上、気になるところは多々出てくる。たとえば、運営上、加盟店の負担はどうなるのか。加盟店側が負う作業の範囲など不明な部分は多い。ファミリーマートはこのあたりをどう考えているのか。

設備投資はどうするのかなど未確定な部分は多い

新規事業開発本部 スポーツ・メディカル事業部付部長の茂朋子氏に聞くと、極力、加盟店側の負担は減らす考えのようだ。加盟店の役割について「一番は会員数を獲得してもらうこと。接客や入会などに取り組んでもらえれば」と話す。

つまり、現状は検証を重ねている段階に過ぎない。検証は東京都大田区にある直営店で行なう予定で、直営店でもサービス提供はまだ始まっていないのである。

ライバルはあくまで大手

加盟店側としては待ちの状態。逆に本部側のやるべきことは盛りだくさんだ。たとえば、FIT&GOのオプションサービスに「パーソナルトレーナー」があるが、人材の確保や教育をどうしていくかも考えねばならない。「教育部門は必要。そこはやりたい。外部連携は特定のところだけで連携することは考えていない」(茂氏)という。

個人的にトレーナーの存在は非常に重要だと認識している。そして、トレーナーの確保と活用こそ最大の課題ではないかと思っている。トレーニングルームは、会員を募るための必要最低限にすぎない。運営をしていく上で、会員を逃さないためにも、フィットネスの効果が体感でき、楽しさがあってこそ、人は会員であり続けるはずだ。その際"トレーナー"の存在は大きい。

トレーナーがいれば会員との個別にコミュニケーションをとることができるし、他の大手フィットネスが提供する様々なイベントプログラムを実施することも可能になっていく。

料金面を見ても、FIT&GOの月額会費は7,900円(税別、以下同)、ビジター会員は1日3,000円、その他パーソナルトレーナー30分3,000円~などとなっており、それなりにかかる印象だ。ライバルとなるのはあくまでフィットネス大手であると思われ、そこと遜色のない料金・サービスを提供できなければ、事業としての広がりは厳しいのではないだろうか。

月額会費は7,900円から

今回、ファミリーマートはフィットネスチェーンなどと手を組んではいない。あくまで自前で事業を進めようとしている。ビジネスとして成功させるには、もはやフィットネスチェーンを作り上げる勢いが必要であり、相当な覚悟が求められるようにも思われる。これから先に向けて、やるべきことは山積していると見るべきではないだろうか。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu