実は「カイエン」より売れていた! ポルシェが「マカン」を推す理由

実は「カイエン」より売れていた! ポルシェが「マカン」を推す理由

2018.01.27

街でよく見かけるポルシェのSUVといえば「カイエン」だが、実は販売台数でいくと、カイエンより小さくて、カイエンに比べれば価格の安い「マカン」の方が売れていると知って、少し驚いた。ポルシェジャパンではマカンの認知度を上げるべく、六本木ヒルズに期間限定で「Macan Valentine Cafe」というカフェ施設をオープンするなど、施策を展開中。このクルマはポルシェジャパンにとって、客層拡大に欠かせない商品となりつつあるようだ。

「Macan Valentine Cafe」は六本木ヒルズに1月27日と28日の2日間限定でオープン。「マカン GTS」(画像)も展示される

ポルシェで存在感を増すSUVセグメント

ポルシェが日本市場に「カイエン」を導入したのは2002年のこと。スポーツカーメーカーのポルシェだけに、「SUVを作ることには懐疑的な意見もあった」とポルシェジャパンの七五三木(しめぎ)敏幸社長は振り返るが、「SUVであってもスポーツカー」という独自のコンセプトが多様化する顧客のニーズに合致し、それが評価につながったことで、販売台数が増えていったという。「ラグジュアリーSUVセグメントで真のスポーツカーであり続けるカイエンは、ポルシェの典型ともいえるパフォーマンス、高い快適性と実用性に加え、独自のエレガンスを融合した唯一無二の存在」と七五三木社長は定義する。

「Macan Valentine Cafe」のメディア向けオープニングイベントに登場した七五三木社長(左)。イベントには「ポルシェ ドライビング アスリート」に任命されたカヌー選手の“ハネタク”こと羽根田卓也さんも駆けつけた。羽根田選手の直筆サイン入りで同選手のカヌーを積んだ「マカン」も展示される

「マカン」が日本にデビューしたのは2014年だが、その後はカイエンよりも売れる車種となり、現状ではポルシェジャパンの販売台数のうち、全体の4分の1くらいがマカンなのだという。カイエンの方がよく見かける印象なのはなぜかといえば、単純にカイエンの方が販売期間が長く、総台数が多いからというのが理由のようだ。

ポルシェの日本市場における車種構成比率。SUVセグメントの伸びが大きく、「マカン」が最も売れるモデルとなっている。日本自動車輸入組合によると、ポルシェの登録台数は2016年度で6,745台だ

デビューにぴったり? ポルシェにとって重要な「マカン」

ポルシェジャパン広報部の塚原久部長によると、カイエンより安く、より小さいだけでなく、その走りのシャープさもマカンが日本で受けている要因とのこと。このクルマでポルシェデビューを果たす人も非常に多いそうで、中には「911」のことすらよく知らないような、いわゆるクルマ好きのポルシェファン以外の新たな顧客もいるそうだ。

コアなファンとは逆の方面にいる、潜在的な顧客にポルシェを知ってもらうのにうってつけなマカン。このクルマをフィーチャーしたカフェをオープンするのも、新規顧客とのタッチポイントとしての機能を期待してのことだろう。「ここから入って、ポルシェの別のモデルにも興味も持ってもらえればベストかな」と塚原部長も話していた。

「マカン」は全高1,624mm、車幅1,923mm、全長4,697mm。2018年中に登場予定の新型「カイエン」は全高1,696mm、車幅1,983mm、全長4,918mmだ。価格はマカンが699万円から、新型カイエンは976万円からとなっている

超高性能エンジンを擁するスポーツカーメーカーというのがポルシェのコアな立ち位置であり、その路線で手を抜くつもりはないものの、一方で、固定化したイメージからの脱皮を図っているのも現在のポルシェの姿だと塚原部長は語る。一度目の脱皮がカイエンによるSUVセグメントへの参入であったとすれば、現在は二度目の脱皮の最中というのが同氏の見立てだ。二度目の脱皮を迎える現在は“クルマの電動化”が進む時期とも重なっており、ポルシェでも電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の準備に余念がない。ポルシェ初の100%EVである「ミッションE」は2019年にもデビューを果たす見込みで、将来的にはSUVの電動化も計画しているという。

昨年の東京モーターショーで展示された新型「カイエン」

SUVを作ったりクルマを電動化したりするのは、ポルシェがイメージチェンジを図り、新たな顧客との接点を作ろうとする思いが端的に現れた動きといえる。ただ、ポルシェデビューがSUVであろうとEVであろうと、ポルシェへの愛情が深まれば、「911」のようなクルマに乗り換えることもできる。これはポルシェならではの強みだろう。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu