LINEモバイルとソフトバンクが戦略的提携へ、出澤社長が話す狙い

LINEモバイルとソフトバンクが戦略的提携へ、出澤社長が話す狙い

2018.01.31

LINEは31日、MVNO事業を展開する子会社のLINEモバイルがソフトバンクと資本業務提携を行なうことで基本合意したと発表した。何を目的として資本業務提携を行なうのか。決算説明会では、本件に関する質問が多数出た。

ソフトバンクとの戦略的提携について回答する出澤社長

LINEが発表したソフトバンクとの戦略的提携は次のようなものだ。LINEモバイルが2018年3月に実施する第三者割当増資にソフトバンクが応じ出資する。新生LINEモバイルの社長は引き続き、嘉戸彩乃氏が務めるが、問題はその出資比率だ。第三者割当増資実施後の出資比率は、ソフトバンクが51%、LINEが49%となる。

出資比率を見る限りLINEがMVNO事業を見限ったとも思えるが、出澤剛社長はダイレクトには答えなかったものの次のように回答した。「売ってしまうのかということについて、我々は49%の株式を持っている。イコールパートナーと言ったらいいのか、共同で事業を大きくしようという目線で今回発表させてもらった」とする。

そもそもの提携にいたったきっかけとして、逆風が吹き始めたMVNOの事業環境が原因とも見えるが、それについても出澤社長はやんわりと否定する。「LINEモバイルはMVNOとして順調に成長している。成長を加速させるための戦略的提携」(出澤氏)とする。

加えて、舛田淳取締役は「LINEモバイルのカウントフリーが多くの人に受け入れてもらえている。ユーザーの獲得効率はいい。しかし、LINEモバイルの価値を高め、さらに攻めていくには、端末調達や店舗の問題を含めてやるべきことがある。そこで提携にいたった」と業務提携の目的についても話す。

LINEモバイルのKPIと今後のイメージ

確かにKPI自体はよさそうだ。しかし、経営陣とのやりとりを踏まえても、腑に落ちないのが筆者の感想だ。LINEが単独でMVNO事業を進展・拡大させるには、LINE単独では厳しい環境になったとしか思えない。

100万契約で収益化が可能になるとも言われるのがMVNO事業だ。LINEモバイルは契約者数を公表していないが、収益化できるほどのユーザーを抱えてはいないはず。単独での成長が難しい経営環境になったとしか思えない。

新生LINEモバイルのマジョリティをソフトバンクが握ったことも依然として不可解だ。そこも腑に落ちないが、合従連衡の嵐がいつ起きてもおかしくないのがMVNO事業だ。先手を打ってキャリアと結び付いたのは、生き残りのためには正解のようにも思えるが、どうだろうか。

日本上陸する中国「OPPO」とはどんなメーカーなのか

日本上陸する中国「OPPO」とはどんなメーカーなのか

2018.01.31

中国のスマホ市場において、急激に頭角を現してきたのが「OPPO」だ。アジアでは1位、世界シェアでも4位につけるなど、グローバルで存在感を示しつつある中、いよいよ2018年2月に日本市場に上陸する。

深センの電気街、華強北にあるOPPOの販売店(写真はいずれも2018年1月に撮影)

果たしてOPPOとはどのようなブランドなのか、競争が激化しているスマホ市場で他のメーカーとの違いはどこにあるのだろうか。

中国で激しいシェア争い、強みはインカメラ

中国の空港に降り立つと、すぐに目に飛び込んでくるのがOPPOの広告だ。ショッピングモールや地下鉄など、中国国内では至るところにコーポレートカラーである緑色をあしらった広告が展開されている。端末を販売する実店舗の数も多い。

中国でOPPOの広告を目にしない日はないほどだ
深センでも大規模な広告を展開していた

米IDCの調査によれば、世界のスマホ出荷台数はサムスン、アップル、ファーウェイに続き、OPPOは4位につけている。2017年第3四半期にはファーウェイの3900万台に対し、OPPOは3000万台と肉薄している。

中国市場でのOPPOはファーウェイと激しい首位争いを繰り広げており、同じくシェアを急拡大させたVivoと日本でも知名度のあるXiaomiがそれに続いている。数年前までは中国でもiPhoneの人気が高く、北京や上海ではiPhone 6や5sばかりを見かける時期もあったが、最近は中国で使いやすいアプリを搭載したAndroid端末がシェアを拡大してきた。

その中でもOPPOのスマホの特徴は、優れたカメラ性能だ。たしかにどのメーカーもカメラには注力しているが、特にOPPOはフロントカメラにこだわっており、最新の「R11s」はフロントカメラにリアカメラと同じ2000万画素のセンサーを採用。カメラアプリには人工知能(AI)を利用した美顔効果を搭載するなど、アジアで高まるセルフィー需要に対応している。

日本で第1弾製品となる「R11s」。中国での価格は2999元(約6万円)

日本市場で成功できるのか

中国市場でトップ争いを繰り広げるOPPOだが、アジアを中心に海外展開も進めており、Mobile World Congressなどグローバルの展示会にも出展している。2017年は台湾でも存在感を高めており、大手キャリア各社が「R11s」を取り扱うなど人気を誇っている。

台湾の大手キャリア、中華電信も「R11s」を売っている
台北でもOPPOの人気が高まっている

一方、日本のスマホ市場ではiPhoneが半数を占め、SIMフリー市場ではファーウェイに勢いがあり、台湾のASUSや国内メーカーも根強い人気がある。果たしてOPPOに参入の余地はあるのだろうか。

OPPOのスマホは価格に対して質感やスペックは十分に高く、他の中国メーカーと比べても甲乙つけがたい仕上がりだ。また、OPPOは日本でブルーレイプレイヤーなどのAV機器を展開しており、全く無名の存在というわけでもない。しかしスマホ市場での知名度はなく、販売チャネルやサポート体制についても他社の水準に追いつくには時間がかかりそうだ。

だが、日本のSIMフリースマホ市場はまだまだ伸びるとの見方は多い。たとえばファーウェイ・ジャパンの端末事業を統括する呉波氏は、OPPOの日本上陸を歓迎することを2018年1月のCESで語っている。というのも、SIMフリー市場はまだまだキャリア端末の市場に比べてシェアが小さく、複数のメーカーが参入することで市場のパイを大きくしたいのだという。

2017年末、国内のモバイル業界ではOPPOが人材引き抜きを仕掛けているとの話で持ちきりになるなど、日本市場の開拓には本腰を入れている印象だ。実店舗の展開や大手キャリアが取り扱う可能性も含め、中国で起きたような市場シェアの逆転劇が日本でも見られるのか、注目したい。

ドコモ、第3四半期も好調 - 業績支えるドコモ光の存在

ドコモ、第3四半期も好調 - 業績支えるドコモ光の存在

2018.01.30

NTTドコモは30日、2017年度第3四半期決算を発表した。第3四半期累計で、営業収益は3兆5957億円と前年同期比3.6%増加、営業利益は8353億円で同0.8%減となった。見かけ上は減益となるが、通信事業の償却変更によるもので、実態は想定どおり順調。業績を支えるのがドコモ光だ。

2017年度第3四半期決算累計

好調な通信事業

セグメント別に見ると、通信事業の営業収益は2兆9463億円で同4.7%増、営業利益は7200億円で3.2%減となった。償却方法の変更等による影響が大きく、特殊要因を除くと営業利益は前年同期比140億円増の7993億円となる。

通信事業が好調だったのは、固定通信のドコモ光の契約数が大きく伸びたことが影響している。契約数は前年同期比1.5倍の448万。ARPUは前年同期比150円増と大幅な増加に貢献した。ドコモ光の成長が通信事業を支えているともいえるのだ。

セグメント別

ドコモ光の現状について吉澤和弘社長は「当初はフレッツからの転用が主だったが、現在は新規の契約が増えている。また、ドコモ契約者が他の契約から乗り換えてねじれの解消も進んだ」と話す。

本日発表の割引施策も「ドコモ光」と絡めたものであり、しばらくの間はドコモ光とスマートフォンの組み合わせで打ち出す顧客還元策が続きそうだ。ただし、今後の契約数の伸びについては吉澤社長は「徐々に緩やかになっていくのでは」とし、すでに"伸びのピーク"は過ぎたという見方も示している。

ドコモの顧客還元の取り組み

スマートライフ領域はどうか

他方、スマートライフ領域の営業収益は6738億円で同0.4%減、営業利益は1153億円で同17.5%増だった。こちらも補足説明が必要だ。営業収益は子会社のD2Cの会計方法の見直し(総額法から純額法に変更)が影響したに過ぎず、営業利益を見るほうが実態に近い。

スマートライフ領域の営業利益

スマートライフはサービス領域が多岐に渡る。とりわけ貢献しているサービスは、ケータイ補償サービス、あんしん遠隔サポートなどの「あんしん系サポート」で全体の35%、次いでdTV、dヒッツ、dマガジン、dショッピング、DAZN for docomoなどの「コンテンツ・コマース」が同25%、dカード、dケータイ払いプラスなどの「金融・決済」が同20%を占め、これらの3分類で全体の8割を占めている。

全体から見ても、セグメント別に見ても、計画通り順調に進んでいるのがドコモの現状のよう。決算説明会ではかねてより発表していた中期戦略「beyond宣言」の進捗について言及するなど、波風立たぬ順風満帆な決算説明会だった。