アマゾンやグーグルらが激突するスマートスピーカー市場、勝者は?

アマゾンやグーグルらが激突するスマートスピーカー市場、勝者は?

2017.12.02

米国で人気のスマートスピーカー「Amazon Echo」が日本でも発売され、盛り上がりを見せている。音声アシスタントとして本命視される「Amazon Alexa」に対応しており、パートナー企業の数も多いのが特徴だ。

スマートスピーカーの「Amazon Echo」(左)と「Google Home」(右)

本当に日本でスマートスピーカーは売れるのか懐疑的な見方も多い中で、競争は激化している。その中から果たして「勝者」は現れるのだろうか。

アマゾンとグーグル、日本語で使いやすいのは?

スマートスピーカーとは、音声操作でさまざまな機能を利用できるスピーカーだ。「今日の天気は?」などと問いかけると、現在地の情報に基づいた天気予報を教えてくれる。内容はネット検索で得られる情報と同レベルだが、音声だけで使えるのが特徴だ。

11月15日には、米国でシェア7割ともいわれるアマゾンの「Echo」シリーズが日本で発売された。販売数が限られておりプレミアがついているが、最大の商戦期を迎えた米国では大量に売られており、日本への供給もいずれ解決するだろう。国内ではLINEやグーグルに対して後発となったアマゾンだが、獲得したパートナー企業は100社以上とリードを築いている。

日本の有名企業のロゴが並ぶ「Amazon Echo」のパッケージ

販売競争も加熱している。Echoの発表後、アマゾンの通販サイトでLINEのスマートスピーカーが販売禁止となったことが報じられた。アマゾンは国内EC市場で楽天と並び2強の地位にあるだけに、ライバル製品の排除には疑問の声も上がっている。

一方、グーグルも「Actions on Google」によるパートナー連携で対抗する。スマートスピーカーの「Google Home」に加え、Androidスマホでも同じ音声アシスタントを利用できるのが強みだ。KDDIのホームIoT「au HOME」もグーグル対応を優先してきた。

KDDIの「au HOME」はGoogle Home対応を強調

実機を比べてみると、肝心の日本語対応でアマゾンは一歩出遅れた感がある。グーグルのほうが読み上げは自然で、回答のバリエーションも豊富だ。だがアマゾンでは買い物に使えるのが大きい。音声だけで欲しいものを探すのは難しいが、以前の注文を繰り返すのは簡単で、IT機器が苦手なシニア世代でも使いこなせる。

シニア世代ではガラケーからスマホへの移行が進んでいるものの、全員が移行できるわけではない。音声アシスタントなら、最初のセットアップの手間さえクリアすれば、スマホがリーチできない層まで取り込める可能性があるというわけだ。

2018年、アップルの反撃はあるか

果たしてスマートスピーカーは日本で売れるのか。今後もさまざまな機器に音声アシスタントの搭載が見込まれるとはいえ、その切り込み隊長であるスマートスピーカーが転けると、「音声はダメだ」との烙印を押されかねない。

米国で売れている理由は、音楽ストリーミングを手軽に聞くために、ネット接続に対応したスピーカーの需要があったからだ。だが日本ではそうした下地がなく、スマートスピーカーを見ても「スマホがあるから不要だ」と反応する人は多い。

各社は音楽ストリーミングでも競合する。アマゾンはプライム会員向け「Prime Music」の100万曲に加え、4000万曲が聴き放題の「Music Unlimited」にも月額380円のEcho専用プランを設けた。一方、音楽ストリーミングで世界シェア最大のSpotifyは、国内では現時点でグーグルにのみ対応する。

「Amazon Music Unlimited」は4000万曲で月額380円のプランも

この点で大きく出遅れたのが、デジタル音楽に強いアップルだ。iOSなどで使えるSiri搭載のスマートスピーカー「HomePod」を12月にも米国や英国で発売するはずだったが、年明けに延期された。

スマートスピーカーの市場はまだ立ち上がったばかりで、現時点での出遅れは致命的ではなく、業績への影響も軽微との見方が多い。だがデジタルコンテンツの競争ではアマゾンやグーグルの躍進を許すことになる。アップルが「Siri」を中心にHomePodの完成度をどのように高めてくるかが、次の注目ポイントになりそうだ。

日本のEC市場を変える? アマゾン「YouTuber」起用でライブコマース参入

日本のEC市場を変える? アマゾン「YouTuber」起用でライブコマース参入

2018.11.22

アマゾンが年末セール「サイバーマンデー」を実施すると発表

今年の目玉は特大おせちと“急がない便”?

「YouTuber」「試着サービス」で新規ユーザー獲得狙う

アマゾンジャパンは12月7日18時~11日午前1時59分まで、年末セール「サイバーマンデー」を開催すると発表した。これは毎年の恒例行事となっており、7月の「プライムデー」に匹敵する大規模なセールだ。

今年は新たに「試着サービスやライブコマース」に取り組むとのこと。さらなるEC事業の拡大に向け、特に新規ユーザーの掘り起こしを強化したいという狙いがあるようだ。

アマゾンが毎年恒例の年末セール「サイバーマンデー」を開催

今年の目玉は特大おせちと「急がない」便?

米国におけるサイバーマンデーとは、感謝祭(11月の第4木曜日)の次の月曜日から始まるオンラインのセールを意味する。日本ではあまり馴染みがないものの、感謝祭翌日の金曜日「ブラックフライデー」とともに、現地では1年で最大の商戦期として定着している。アマゾンジャパンは12月のセールにこの名称を使ってきた。

2018年のサイバーマンデーも数十万点の商品を用意しており、カスタマーレビューが4つ星以上の商品が豊富に用意される「特選タイムセール」を始め、「数量限定タイムセール」や、限定商品も複数用意する。

限定商品の例としては、「ル・クルーゼの鍋と料理教室」「レゴのロボットとプログラミング体験」のように、今年の時流もあってか商品と体験をセットにしたものが目立つ。また、お正月に向けた目玉商品として、約30人前で税込39万円の「林裕人監修 スーパー超特大おせち」をはじめ、大小さまざまなサイズのおせち販売にも力を入れる。

30人前で39万円の超特大おせち

大幅な値引きや限定商品でセールを盛り上げる一方、懸念されるのが配送だ。人手不足が社会問題化する中で、アマゾンのセールは年末年始の混雑に拍車をかける形になる。

これに対してアマゾンは今年、無料でお急ぎ便を利用できるプライム会員が、あえて「通常配送」を選んだ際、引き換えにAmazonポイントを還元するポイントバック施策の導入を決めた。「急がない」メリットを選択肢として加えることで、出荷を平準化する狙いだ。

プライム会員が「通常配送」を選ぶことで30ポイントをバックする

「YouTuber」「試着サービス」で新規ユーザー獲得へ

日本でも年々、セールの規模を拡大させているアマゾンだが、国内のEC市場は約16.5兆円規模で、物販分野のEC化率は約5.8%にとどまっている(経済産業省調べ、2017年)。中国では今年11月11日の「独身の日」に、アリババがたった1日で約3兆4000億円を売り上げたと話題となったが、日本市場はEC化率が低い分、まだまだ成長余地はあるとみられる。

そもそもネットで買い物をする習慣がないなど、アマゾンを使ったことがない人は意外と多い。新規ユーザーの取り込みが成長の鍵となってくるのだ。

そこで同社は、サイバーマンデーをきっかけに、アマゾンでの買い物に慣れ親しんでもらうことを狙う。コンビニやATM払いにも対応する決済の便利さや、不慣れな人向けに買い物の方法を説明するコンテンツを用意して強くアピールする方針だ。

また、ファッションに特化した新サービスとして、10月からは「プライム・ワードローブ」も始まっている。これは、好みの服やシューズを取り寄せて自宅で試着できるサービスで、一定の条件下で7日以内なら返品できることが特徴だ。返品せず、手元に残すことを決めた時点で初めて代金が請求される仕組みで、気軽に試着できる。

服やシューズを試着できる「プライム・ワードローブ」

ネット通販でありがちなのが、実際に試着しないと色合いや質感、サイズが分からないという問題だ。プライム・ワードローブなら、欲しいシューズがあれば3つのサイズを一度に取り寄せ、合わなかった2つを返送するといった使い方ができる。

海外を中心に盛り上がりを見せる「ライブコマース」にもアマゾンジャパンとして初めて取り組む。動画のライブ配信とECを組み合わせた販売手法で、動画クリエイターと組んでアマゾンの商品を紹介する。発表会場には「MasuoTV」(チャンネル登録者数約109万人)で知られるYouTuberのマスオさんが登壇し、動画撮影を実演した。

超特大おせちの紹介動画を撮影するYouTuberのマスオさん

動画はアマゾンの公式YouTubeやTwitterアカウントだけでなく、動画クリエイターのアカウントでも閲覧できるようにする。影響力のあるインフルエンサーに独自の視点や語り口で紹介してもらうことで、視聴者をアマゾンに呼び込むのが狙いだ。まずはサイバーマンデーのセール商品に対象を絞って展開するが、反響次第ではECのあり方を大きく変える可能性も秘めている。

実は20代に選ばれるクルマだった! 「シボレー カマロ」に新型登場

実は20代に選ばれるクルマだった! 「シボレー カマロ」に新型登場

2018.11.22

GMジャパンが第6世代「カマロ」の新型を発売

購入者を年代別に見ると驚きの事実が

「競合車」の概念が変わる? クルマ選びの実態とは

ゼネラルモーターズ・ジャパン(GMジャパン)が開催した新型「シボレー カマロ」の発表会で、驚きのデータが判明した。アメリカを象徴するマッスルカー「カマロ」を買っているのは、多くが20代の若者だというのだ。なぜ若者に「カマロ」が受けているのだろうか。

伝統のV8エンジンを積む「シボレー カマロ SS」。総排気量は6,153cc、最高出力は453馬力だ

6世代目「シボレー カマロ」がマイナーチェンジ

「シボレー カマロ」は1967年に発売となったアメリカンクーペで、現行モデルは6世代目だ。GMジャパンは2016年末に6代目カマロの予約受付を開始し、2017年に発売した。今回の新型モデルは、6世代目カマロがマイナーチェンジを受けたものだ。

オープンカーになる「シボレー カマロ コンバーチブル」。2リッターターボエンジンを積む。パワートレインは「LT RS」というグレードと一緒だ

6代目カマロには伝統のV8エンジンを積む「シボレー カマロ SS」のほか、直列4気筒ターボエンジンを搭載する軽量モデル「シボレー カマロ LT RS」とオープンカーになる「シボレー カマロ コンバーチブル」がある。今回のマイナーチェンジでは、全てのクルマがフロントとリアのデザインを刷新。「SS」は新開発のパドルシフト付き10速オートマチックトランスミッションを搭載した。価格は税込みで「SS」が680万4,000円、「コンバーチブル」が615万6,000円、「LT RS」が529万2,000円だ。

画像は新型の誕生を記念した限定モデル「シボレー カマロ LAUNCH EDITION」。「LT RS」は限定20台で税込み561万6,000円、「SS」は30台限定で同712万8,000円だ

購入者の7割超が新規、そのうち3割近くが20代!?

発表会でGMジャパンの若松格(わかまつ・ただし)社長は、6代目カマロの販売状況に関する興味深いデータを示した。このクルマを購入した人のうち、74%が新規顧客(GMのクルマを買うのは初めてという人)であり、その新規顧客の内訳を年齢別で見ると、割合としては20代が28%で最多だったというのだ。

6代目「シボレー カマロ」の顧客分布。74%が新規顧客で、そのうち28%が20代だったという

もちろん、カマロは年間数万台を販売するクルマではないし、この6代目も数百台というボリュームだとは思うのだが、「若者のクルマ離れ」といわれて久しい中で、こういう内訳となっているのは意外だった。アメリカ車を買う人といえば、「若い頃に映画などでアメリカ文化にしびれた」世代、年齢でいえば40~60代あたりが中心だろうと思っていたからだ。

6代目「カマロ」の購入者は初代「カマロ」(画像)に憧れた世代が多いのかと思ったら、そうでもないらしい

なぜ、6代目カマロは若者に受けたのか。若松社長によれば、このクルマの販売ではSNSなどを用いたデジタルマーケティングに注力したので、それが響いたのかもとのことだったが、この結果については、社長も喜びつつ驚いていた。

GMジャパンの広報からは、現代のクルマ選びに関する示唆に富む話も聞けた。カマロを実際に購入した人の多くは、必ずしもアメリカのクルマを対抗馬(競合車)として検討していなかったというのだ。日本車とカマロで悩む人もいれば、アメリカの文化が好きだということで、バイクのハーレーとカマロを比べる人すらいたという。フォードが日本から撤退したので事情が変わったのかもしれないが、「カマロ」と比べるなら「マスタング」(フォード)とか、何かマッスルなクルマだろうと思っていたのだが、その想像は間違っていた。

若者が何をきっかけに「カマロ」の購入を検討し始めたのかは気になるところ。6代目の発売時期から考えると、ロックスター・ゲームスの「グランド・セフト・オートV」をプレイして、マッスルカーが欲しくなったという人がいてもおかしくない

新しいクルマが登場すると、「このクルマの競合車は何だろう?」という視点で考えがちな自分にとって、カマロ購入者のクルマ選びに関する話は目からウロコだった。ひょっとすると、クルマについて既成概念や先入観を持たない若者がクルマを買う場合には、同クラスの似たような車種を比べて決めるのではなく、「これが欲しい!」という“指名買い”が多くなるのかもしれない。そんな風に感じた新型カマロの発表会だった。