予約殺到は狙い通り? マツダ「CX-8」の受注状況を分析

予約殺到は狙い通り? マツダ「CX-8」の受注状況を分析

2017.12.15

最大7人の多人数乗車が可能なSUV「CX-8」は、マツダがミニバンに代わる選択肢として、さらには同社のSUVラインアップの最上級モデルとして世に問う新型車だ。弊紙では商品概要試乗を踏まえた分析などを掲載してきたが、今回は発売日の12月14日にマツダ国内営業本部の高場武一郎氏に聞いた話をお伝えしたい。

マツダ「CX-8」の受注状況は

売れ筋は上位グレード、有料カラーも人気

まずCX-8の売れ行きだが、発売日までの予約受注は7,362台と好調な滑り出しとなっている。これは月間販売目標の1,200台に対しては6倍強の数字で、9月の商品発表から発売までに3カ月という期間があったことを考慮しても、1カ月あたりの予約数は月販目標の2倍強ということになる。国内の3列SUV市場で最も売れているトヨタ自動車「ランドクルーザー」シリーズでも、月間販売台数は1,000台くらいとのことだ。

CX-8には「XD」「XD PROACTIVE」「XD L Package」の3つのグレードがあるが、予約受注の内訳は最上位グレードの「XD L Package」が43%、中間の「XD PROACTIVE」が51%と上位機種がよく売れている。ボディカラーはマツダがカタログなどで訴求する「マシーングレープレミアムメタリック」が33%と最多で、次点が「スノーフレイクホワイトパールマイカ」の23%、3位が「ソウルレッドクリスタルメタリック」の13%という結果だ。ちなみに、この3色はいずれも有料オプションで選べるボディカラーとなっている。

白も人気の「CX-8」

CX-8登場で注目すべき「防衛率」とは何か

高場氏はマツダにとってのCX-8の戦略的な位置づけを「防衛率」という指標を使って説明した。防衛率とはマツダ車からの乗り換えを行う顧客のうち、再びマツダ車を選ぶ人の割合がどのくらいかを示す数値だ。ここ最近は販売面の改革が奏功したこともあり、防衛率が50%を超えるなど改善してきているというマツダだが、それまでは長きにわたり、防衛率の低さに苦しんできた経緯がある。

マツダ国内営業本部・ブランド推進部主幹で、「ロードスター」「CX-5」「CX-8」のマーケティングを担当する高場武一郎氏

マツダの課題は、マツダ車から他メーカーに乗り換える人(マツダが流出を防衛できなかった顧客)がどんな人で、どんなクルマを選んでいるかを知ると分かりやすい。

高場氏によれば、マツダから流出する顧客は、未就学~高校生くらいの子供を抱えるファミリー層であるケースがとても多いという。そういう流出客が最も多く選ぶ乗り換え先はミニバンだ。つまり、マツダの防衛率を押し下げる要因として、同社に多人数乗車ニーズを満たす商品がなかった、あるいは少なかったというポイントが浮かび上がってくる。同社には「ビアンテ」「プレマシー」「MPV」というミニバンがあるが、新世代商品群にミニバンはないし、今後も作る予定はない。

そんな状況の中で登場したのがCX-8だ。このクルマに乗り換えるのがどんな人で、どんなクルマからの乗り換えが多いのか、次に見ていきたい。

マツダの狙い通りに売れているのか

マツダが一部の販売会社からデータをとってまとめた下取状況を見ると、CX-8を購入する顧客のうち、マツダ車から乗り換える人の割合は6割強だ。マツダ車からの代替のうち、もともと乗っていたクルマとして最も多いのはミニバン「MPV」で、次がSUV「CX-5」だという。この2車種からの乗り換え客はほぼ同数で、3位の「アテンザ」以下の車種を大きく引き離しているそうだ。他メーカーから乗り換える3割弱の新規顧客を見ると、やはりミニバンから代替する人が多いという。

マツダ「MPV」(画像)からの乗り換えが多いという(画像提供:マツダ)

この結果を見ると、マツダがCX-8で狙った顧客の獲得は、現状のところ計画通りに進んでいると考えられる。マツダからの乗り換えが多く、顧客が乗っていたクルマとしてはミニバンの比率が高いというのは、マツダが思い描いた通りの結果だといえる。

高場氏はCX-8を「マツダを選び続けてもらう商品ポートフォリオを完成させる重要なピースであり、戦略的な役割を担うクルマだ」と表現する。つまり、「デミオ」や「アクセラ」などでマツダの顧客になった人が、家族が増えたり多くの荷物を運ぶ必要のある趣味を持った時に選べるクルマとして、CX-8は重要な役割を担っている。子供が大きくなったり趣味が変わったりした時には、「ロードスター」に乗るなり「アテンザ」を買うなりしてもらう。これにより、生涯を通じてマツダ車に乗り続けることが可能になったわけだ。

新世代商品群の中で乗り換えていけば、ずっとマツダ車に乗っていられる

では、CX-8の好調は今後も続くのか。高場氏は市場環境に触れつつ、3列SUV市場の成長とCX-8の継続的な受注に自信を見せた。

世界的なSUV人気、日本ではミニバンからの乗り換えが増加

世界的にSUVの販売台数が伸びている状況は、先日掲載した三菱自動車「エクリプスクロス」の記事でも触れておいた通り。日本におけるSUVの販売台数は年間20万台前後で推移していたが、ここ数年でボリュームは急拡大し、2016年(暦年)には50万台を超えた。今年は60万台を超えそうな勢いだという。

SUV人気は世界的な潮流。日本でも台数は急増している

一方、ミニバンの国内市場は2004年に100万台超とピークを迎えたが、その後は漸減しており、2016年は70万台規模まで縮小している。ミニバンからの流出先として、ここ10年くらいで急激に伸びているのがSUVセグメントだ。

「3列の座席を備えるクルマ」だけを切り出して市場を見てみると、まだまだミニバンのボリュームが圧倒的に多いが、SUVの存在感は増している。ミニバンの70万台市場は、潜在的な3列SUV市場でもあると捉えることが可能なのかもしれない。

つまり、SUV人気が高まる一方でミニバン人気は下がり、ミニバンからの乗り換え先としてSUVの存在感が高まっているのが最近の状況だ。CX-8にとって市場環境が追い風であるのは間違いない。

選択肢は豊富な3列SUV、CX-8の独自性は?

言わずもがなかもしれないが、3列SUVを商品化したのはマツダが初めてではない。日本車にはトヨタ「ランドクルーザー」、日産自動車「エクストレイル」、三菱自動車「アウトランダー」といったクルマがあるし、最近ではレクサス「RX」からも3列シートが登場している。輸入車にもBMW「X5」、ボルボ「XC90」、アウディ「Q7」といった幅広い選択肢がある。

トヨタ「ランドクルーザー」や日産「エクストレイル」(画像)など、選択肢は豊富な3列SUV市場

ではなぜ、マツダはCX-8で「新しい市場を創造」すると言うのだろうか。既存の3列SUVとCX-8の違いについて、高場氏が真っ先に挙げたのは3列目の居住性だ。もともとは中型車のエクストレイルやアウトランダーにとって、3列目は緊急用といった感じの意味合いがあるというのが高場氏の分析。急遽7人で乗る必要が出た場合に使うシートという意味だ。

一方、CX-8は大人7人が普通に乗れることを強みとして打ち出している。実際に3列目に乗ってみたところ、身長174センチの筆者であれば膝と2列目の間にこぶし1~2個分の隙間が確保できる。頭上はさすがにギリギリといった感じだったが、3列目でもリクライニングシートのように体勢を斜めにして座れるので、そこまで窮屈な感じもしなかった。3列シートのクルマであるため全長は長いが、横幅が「CX-5」と同等であるCX-8は、日本の道路でも許容範囲の寸法なのに、3列目が“おまけ”ではないという部分を独自性として訴求する。

3列目に乗り込むには、画像のように2列目を倒し、前方にスライドさせる

悪路走破性に特色のあるランドクルーザーと比べると、オンロードでの走行を主に考えて作られたクロスオーバーSUVであるCX-8は商品性が異なる。輸入車は日本で乗るには寸法が大き過ぎたり、価格が高かったりもするので、CX-8と正面から競合するシーンは少なそうだ。そういった意味で、CX-8は3列SUVの中でも新味のある存在だといえる。

他メーカーの2列SUVユーザーは潜在顧客なのか

日本でよく売れているSUVは、ホンダ「ヴェゼル」やトヨタ「C-HR」および「ハリアー」など、2列シートのクルマばかりだ。しかし、こういったクルマに乗っている人も、ライフステージが変われば多人数乗車の必要性に迫られるかもしれない。こういった人はSUVが気に入っているので、乗り換えが必要になった時にはCX-8を選択肢に加えるはずという高場氏の話も納得できるものだった。

「CX-8」は他メーカーのSUVから顧客を引っ張ってくることができるか

CX-8の販売状況は、他メーカーも注視しているかもしれない。実際のところ、3列SUVにどのくらいの需要があるのか。それが大きなビジネスになりそうであれば、他メーカーも商品を充実させてくるだろう。ホンダは来年、SUVの「CR-V」を日本市場で復活させ、3列シートモデルも導入するとすでに発表している。この市場は今後、激戦区になるかもしれないが、マツダは先行者としての立場をフル活用し、CX-8で存在感を高めておきたいところだ。

ファーウェイが高性能スマホ「Mate 20」発表、自社規格などで独自色高める

ファーウェイが高性能スマホ「Mate 20」発表、自社規格などで独自色高める

2018.10.17

ファーウェイがフラグシップスマホの新製品「Mate 20」発表

AI処理に優れたSoC「Kirin 980」など最高クラスの性能

動画・ゲーム向けや20万円超の高級機など多彩な派生モデル

中国通信機器メーカー大手の華為(Huawei:ファーウェイ)が英国ロンドンでイベントを開催し、フラグシップスマホ「Huawei Mate」の新機種として、「Huawei Mate 20シリーズ」を発表した。

世界最高クラスの性能を特徴とするAndroidスマートフォンだが、Huaweiと関係の深い中国HiSilicon社が独自設計し、AI専用チップも統合した新型SoC「Kirin 980」を搭載するほか、メモリカードにはmicroSDを代替し、nanoSIMサイズまでコンパクト化した独自規格の「NM Card(ナノメモリカード)」を採用するなど、独自色も高めた。

全機種で新型SoCのKirin 980と、ライカ共同開発による背面3眼カメラの搭載は共通。欧州市場では今月から発売し、日本市場に向けた展開は未定だが、前例から主要商品の日本への投入も近いと見られる。

microSD比で45%小型という「NM Card」。独自規格なので汎用性が課題か
アウトカメラはライカ3眼。他社にない機能や性能を"テンコ盛り"した

発表されたMate 20シリーズの主な機種は以下の通り。

Huawei Mate 20

6.52インチの2244×1080ドット液晶を搭載する基本モデル。IP53の防水性能も備える。メモリ(RAM)とストレージ(ROM)の組み合わせで製品をラインアップし、価格は4GB RAM+128GB ROMの製品が799ユーロ、6GB RAM+128GB ROMで849ユーロ。

基本モデルの「Mate 20」

Huawei Mate 20 Pro

6.39インチの3120×1440ドット有機ELを搭載する上位モデル。IP68の防水・防塵性能を備える。指紋センサーが本体背面ではなく、表の画面内にあるというユニーク機能も。価格は6GB RAM+128GB ROMの製品で1049ユーロ。

「Mate 20 Pro」は有機ELを搭載する上位モデル
画面に指を置くだけで解除できるディスプレイ内蔵の指紋センサー

Huawei Mate 20 X

Mate 20シリーズで最も大きな7.2インチ有機ELの画面を持ち、バッテリーも大容量化することで、Mate 20の性能を踏襲しつつ動画・ゲーム体験を高めた、スマホというよりはファブレットと呼ぶべき派生モデル。専用オプションのゲームコントローラーをドッキングすることで携帯ゲーム機のように操作することもできる。価格は6GB RAM+128GB ROMの製品で899ユーロ。

ゲームや動画に適した「Mate 20 X」

Huawei Mate 20 RS

ドイツのPorsche DesignとコラボレーションしたMate 20 Proベースの特別モデル。従来のMateシリーズでも同様の特別モデルが存在していたが、今回も外装にレザーをあしらうなど高級感を高めるデザインを施している。価格は8GB RAM+256GB ROMの製品で1695ユーロ、8GB RAM+512GB ROMでは2095ユーロと、日本円で20万円を軽々と超える強気な設定だ。

Mate 20 Proをベースにポルシェとコラボしたスペシャルモデル「Mate 20 RS」
自動車税制の抜本改正なるか! 消費増税決定でラストチャンス到来?

自動車税制の抜本改正なるか! 消費増税決定でラストチャンス到来?

2018.10.17

2019年度の税制改正大綱、消費増税決定で取りまとめも大詰め

高すぎる日本の自動車税制、抜本改正に向け今が正念場?

先行き不安な日本の自動車市場、維持には税制改正が不可欠

安倍晋三首相は10月15日の臨時閣議で、消費増税について「法律に定められた通り、2019年10月1日に現行の8%から10%へと引き上げる」と表明した。これにより、来年10月からの消費税引き上げが本決まりとなり、2019年度の与党税制改正大綱に関する議論も、いよいよ大詰めを迎える。

この消費増税では「軽減税率」が話題となっているが、これを機に、自動車税制についても「自動車関係諸税の軽減」、すなわち、自動車税制の抜本改正が必要なのではないだろうか。2018年12月末にもまとまる来年度の税制改正大綱に、果たして本件が盛り込まれるか。財務省、総務省に与党自民党の税制調査会が加わる綱引きもここからが本番だ。

自動車税の軽減は? 消費増税を前にヤマ場

そもそも日本の自動車税制では、取得、保有、走行の各段階で税金を負担する必要があり、ユーザーにとっては複雑かつ苛重な体系となっている。国際的に見ても、「日本の自動車税制は、世界一高いレベル」(日本自動車工業会会長を務める豊田章男トヨタ自動車社長)だ。これを簡素化し、軽減することを求めるのが自動車関係諸税の抜本改正(抜本見直し)ということである。

2018年9月の記者会見に日本自動車工業会(自工会)会長として臨んだ豊田章男氏は、「日本の自動車税は高すぎる」と繰り返した

自動車業界はユーザーの声を代弁し、長年にわたり自動車税制の抜本的な見直しを要請してきた。しかし、財務省と総務省は、国税・地方税の歳入・歳出バランスを理由に反対してきた。要するに、クルマは安定的な税収を確保できる対象なのだ。

自動車業界にとって、長年の懸案であった自動車関係諸税の抜本改正。来年10月の消費増税にともない、「自動車取得税」の廃止が決まった今、来年度の税制改正大綱に、より深く踏む込むことができるかどうかが問われている。まさに、ラストチャンスだ。税制改正大綱の取りまとめが本格化する11月がヤマ場となる。

「東京モーターフェス2018」(2018年10月6日~8日、東京・お台場の特設会場にて)でマツコ・デラックスさんとスペシャルトークショー(10月6日)を行った際にも、豊田社長は日本における自動車税の高さを問題視していた

9種類もの税金を払う日本の自動車ユーザー

日本の自動車ユーザーには、3段階で9種類もの税金が課せられている。まず、クルマを取得する(購入する)段階で自動車取得税(地方税)と消費税(国・地方税)を負担する必要があるが、これは二重課税であった。自動車取得税は、かねてから業界が廃止を要請してきたものだが、これまで黙認されてきた経緯があり、ようやく消費増税のタイミングでの廃止が決まった。

日本で自動車を買う人は、複雑で苛重な税体系に直面することになる(以後、スライドは全て自工会調べ)

保有段階では自動車重量税(国税)を支払う。これは旧・道路特定財源で目的税だったが、今では一般財源化され、課税根拠を失ったにも関わらず現存しているものだ。次に、排気量に応じて毎年課税される自動車税(地方税)と軽自動車税(地方税)がある。さらに利用段階では、燃料課税として揮発油税(国税)、石油ガス税(国税)、地方揮発油税(国税)、軽油引取税(地方税)、消費税(国・地方税)を負担する。

これらを合わせて自動車関係諸税という。2018年度の当初予算で見た場合、自動車ユーザーの税負担は年間8.4兆円に達する。つまり、国の租税総収入の約1割を負担していることになるのだ。

元はといえば目的税だった自動車重量税も、一般財源化した今は課税根拠を失っている

「クルマは税金を取りやすい」という非論理的根拠

日本で自動車税制が創設されたのは1940年のこと。当時は戦費調達が目的だったが、戦後は都道府県の一般財源とされた。その後、日本のモータリゼーションが進む中で、道路整備を目的とした道路特定財源として、1968年に自動車取得税、1971年に自動車重量税ができる。これらについて国は、「道路整備5カ年計画」の財源を確保するため、本則税率を上回る「暫定税率」として引き上げて恒常化し、2009年に道路特定財源制度が廃止となったにも関わらず、今でも継続しているのだ。

何しろ、「クルマは税金を取りやすい」という理由で、これだけ複雑で重い税制が続いてきたということである。過去には「物品税」という名で賦課されていたこともあった。物品税とは「奢侈税」、つまり、クルマは「ぜいたく品」という観点からの課税だ。

日本の保有段階における自動車税負担を、国際的に比較するとどうなるのか。自工会の豊田章男会長がいうように、世界で最も高いのだろうか。排気量1,800ccクラスで13年間使用した場合で比べると、車体課税は英国の約2.4倍、ドイツの約2.8倍、米国の約31倍となり、自動車先進国の中では確かに大幅に負担が大きい(自工会調べ)のが実情だ。

保有段階の税負担を比べると、日本が国際的に見て圧倒的に高いと自工会は主張する

日本経済に大きな影響を与える自動車税制の今後

国や地方自治体にとって、自動車諸税の税収は安定的に大きな額になる。多くの非論理性を抱えながらも、“取りやすい税”として、抜本改正に至らないまま続いてきたというのが実態といっていい。しかし今回、消費税10%への引き上げが来年10月に本決まりとなり、「二重課税」だった自動車取得税の廃止も決まった。この機に乗じて自動車諸税の見直しを一気に進めないと、またぞろ「クルマは取りやすい」の論理で続いていくことになりそうだ。

豊田章男氏は自工会会長として臨んだ2018年9月の会見で、「日本の自動車税制をまずは国際レベルとすること、それには軽自動車をベースとした税体系にすべきだ。自動車業界が大転換期を迎える中で、過度な税金をやめ、モビリティ(としてのクルマ)に接するために買いやすくしていくのが、経済全体の流れとなる」と強調した。確かに、日本の自動車需要は、今後の超高齢化社会、人口減に加え、若者の価値観多様化やカーシェアリングの台頭なども考慮すると、現状の年間500万台ラインから大幅に縮小することも予測できる。

一方で、米中貿易戦争に代表される保護貿易の強まる中、自動車産業にとって、自国生産を維持することは重要な命題となっている。そのためにも、自国市場の活性化は不可欠だ。また、地方においてクルマは、生活インフラとしての重要な役割を担う。

つまり、国内自動車市場を維持していくことは、日本にとって、単に自動車メーカーの業績を左右するだけの問題にとどまらず、雇用の維持や地方の生活を守るためなど、多面的な理由で重要なのだ。

そんな自動車市場の将来を考えるためにも、来年度の税制改正大綱論議がヤマ場を迎える11月に、自民税調を中心とし、自動車税制の抜本改正に踏み込めるかどうかには注目したい。宮沢洋一自民税調会長は以前、消費増税の経済への悪影響を抑えるため、自動車に対する減税の拡充を検討するとの考えを示してもいる。

自工会の豊田章男会長も9月の会見で、「とにかくユーザーの声を広く拡散していく。ぜひともユーザーが快適で、よりクルマを買い求めやすい税体系に」と力を込めていた。これまで、苛重で不合理な税負担を強いられてきた納税者(自動車ユーザー)が声を上げることで、ユーザーファーストの抜本改革に結びつくかが焦点だ。