シャープの冷蔵庫が歩んだ60年、6000万台販売の先に見据える「AIoT」

シャープの冷蔵庫が歩んだ60年、6000万台販売の先に見据える「AIoT」

2017.12.19

シャープは12月11日、1957年に同社初の冷蔵庫「HR-320」を生産開始して60周年となる今年、世界累計生産で6000万台を達成したと発表した。

シャープ 常務執行役員 健康・環境システム事業本部長の沖津 雅浩氏は、「シャープが白物家電事業に本格的に参入したのが1957年。冷蔵庫、洗濯機、掃除機の3つの製品を投入し、1958年には水冷式クーラーを発売した。シャープとして厳しい時期も経験したが、白物家電事業は利益を出すことにこだわり、研究開発も継続し、元気なシャープを表に出せるように努力してきた。こうした観点からも、今回の東証一部復帰に貢献している」と語る。

シャープ 常務執行役員 健康・環境システム事業本部長 沖津 雅浩氏

2000年~2007年頃までは、円高による収益の悪化や、低価格製品が需要の中心になるといった影響から事業部として苦難の歴史もあった。ただ、1980年代までの好調ぶり、そして2008年以降の右肩上がりの成長と、同社の収益を支える「優等生事業」であったのは確かだ。リーマンショックでさえ、白物家電事業はシャープ全体の業績へ悪影響を及ぼすことのない"強い体質"だった。

1957年に発売した第1号冷蔵庫「HR-320」

その体質は、かつて同社が発信していた「目のつけどころがシャープ」というキャッチレーズを裏付けるような「シャープらしい」商品の数々によって支えられていた。

60周年を迎えた冷蔵庫の例では、1968年に冷却方式の主流となる「ファン式霜なし2ドア冷蔵庫」を発売。その後、1972年にはチルド室の先駆けとなる「フレッシュルーム」、1974年には独立した野菜室を搭載した「独立野菜室3ドア冷蔵庫」、1988年には、世界初となる左右開きを可能にした「どっちもドア」、2000年には、世界で初めて液晶インフォメーションパネルを搭載した冷蔵庫を発売するなど、独自性の強い製品を投入してきた。

一方で「ユニークな白物家電製品」もシャープのDNAと言っていい。お茶をたてることができる「お茶プレッソ」や、無水自動調理鍋の「ヘルシオホットクック」、天井設置型プラズマクラスターイオン発生機「ニオワンLEDプラス」などがそれに当たるが、意外にもこれらの製品は、当初計画の数倍の販売台数を記録するヒット製品となっている。

「家事負担の軽減」の時代から「便利なスマート家電」へ

沖津氏は、白物家電事業のこれまでの取り組みを振り返り、3つのフェーズにわける。最初は、1957年から1990年代までの時代で、白物家電の役割は「家事の負担を軽減する」ことであったと定義する。

シャープは、国内初の業務用電子レンジ「R-10」や、業界初の全自動クーラー「SFD-22H1」、国産初のターンテーブル式家庭用電子レンジ「R-600」、穴なし槽を採用した洗濯機「ES-BE65B」などを投入。さらに、先にも触れたように冷蔵庫においても、数々の業界初、国内初の製品を投入し、家事負担の軽減につなげてきた。

第1号機の掃除機「SC-1」は、「ペッカー」の愛称を持っていた
1957年に発売した洗濯機の「ES-163」
1958年に発売した水冷式クーラー「RC-101」

第2フェーズは、2000年代~2011年までの期間で、ここでは「健康で快適な暮らしを実現する家電」が求められた。

2000年に発売したプラズマクラスターイオン搭載空気清浄機「FU-L40X」に端を発し、2004年のウォーターオーブンヘルシオ「AX-HC1」によって、独自技術であるプラズマクラスターイオンや過熱水蒸気技術を活用。新たな切り口で家電製品の提案を行った。2008年には組織名を「健康・環境システム事業本部」に改称しており、名実ともに「健康と環境を追求した白物家電製品」を投入していった時代だろう。

そして現在。2012年以降は、「AIoTで、我が家流に賢く成長し、便利なサービスも利用できるスマート家電」に力を入れる。

新たな時代の第1号製品だったのが、2012年に発売したココロエンジン搭載のロボット掃除機「RX-V100」だ。その後、2013年には無線LAN対応エアコン「AY-D40SX」やココロエンジン搭載洗濯機「ES-Z110」を投入し、2017年にはヘルシオホットクック「KN-HW24C」、冷蔵庫「SJ-GX55D/50D」、加湿空気清浄機「KI-HX75/HS70/HS50」といったAIoTに対応した製品を追加。COCORO+による提案を加速し、COCORO KITCHEN、COCORO AIRといった広がりを見せている。

シャープは、AIとIoTを組み合わせた「AIoT」を全社事業拡大の柱のひとつに位置づけている。

これまでも同社 社長の戴 正呉氏は「従来のシャープは家電メーカーだが、私はシャープをIoTの企業にしたいと考えている」と発言したり、7日の東証一部復帰にあわせて行った会見でも「今後、東証一部の日本企業として『人に寄り添うIoT』や『8Kエコシステム』の実現に向けたトランスフォーメーションを進め、飛躍的成長を目指していく」などと発言している。

現在も白物家電事業を担当する組織は、健康・環境システム事業本部の名称だが、AIoT戦略推進室も設置されており、組織横断でAIoTを推進する体制を整え、AIoTを白物家電事業の推進エンジンに据える姿勢を示している。シャープは「健康」「環境」という軸を維持しながら、横串でAIoTを組み合わせる体制で新たな白物家電の創出に取り組むというわけだ。

では、AIoTが目指す世界観とは何か。沖津氏は、「スマート家電のMIF(市場稼働台数)拡大を図るとともに、他社製品や社内外との連携、ビッグデータの利活用など、新たな価値を提供する積分型ビジネスモデルを創出する」と話す。つまり、「家電」というモノ売りだけではない将来を「AIoT」で目指すというわけだ。

「ドアホンやスマートロック、スマートスピーカーといった他社製品も接続する。宅配業者や調理材料を提供する会社など、家電メーカー以外の企業も、このインフラを活用したサービスを提供するようになる」(沖津氏)

これらのプレイヤーが「接続したい」と思わせるためには、大元となる「シャープの家電」も当然必要不可欠だ。2016年度時点で国内3万台だったシャープ製のスマート家電だが、2019年度には累計出荷約300万台にまで拡大する見込みだ。

「クラウドに接続できるスマート家電は、現在こそ最上位モデルが中心。しかし、2019年度にはエアコンで80~90%、電子レンジでは30~40%がクラウドに接続することになる。300万台の家電製品がクラウドにつながれば、さまざまなビジネスモデルが考えられる」(沖津氏)

AIoTで変わる家電の価値

このスマート家電の最後のひとピースとも言えるのが、冒頭で触れた冷蔵庫だ。

扉にディスプレイを搭載した冷蔵庫は、クラウドと接続することでさまざまな情報を表示できる。今年10月のCEATEC JAPAN 2017でも参考展示していたが、同社 健康・環境システム メジャーアプライアンス事業部長の菅原 靖文氏は、「これは単なるプロトタイプに域に留まらず、AIoTに対応した商品開発に舵を切るものになる」と宣言する。

「冷蔵庫は食品を保存し、長く持たせ、コストセービングするという役割が中心だったが、AIoTと組み合わせることで、世界中の情報を表示したり、近所のスーパーのチラシを表示し、そこから注文するという使い方が可能だ。冷蔵庫は24時間通電するキッチンの王様。その冷蔵庫に何ができるのかを考えた場合、AIoTに対応した商品に舵を切ることは、今後の方向性として間違いではない」(菅原氏)

ディスプレイ搭載AIoT対応冷蔵庫の試作モデルも展示した
シャープ 健康・環境システム メジャーアプライアンス事業部長 菅原靖文氏

AIoT対応冷蔵庫は、決して「何でもあり」ではなく、どういった機能が必要なのか具体的に精査していると菅原氏。

「扉に大きなディスプレイ表示を行うと、デザインを壊すのではないかと考えたが、そうでもないことがわかった。だが、大切なのはメリットが伝わって、お客様が求めるものを提供できるかどうかという点。従来の冷蔵庫にはなかったメリットを提供したい」(菅原氏)

最後に沖津氏は、「私もちょうど60歳。これからは老化していくだけだが、シャープの白物家電は、これから100年に向けて大きく成長していくことになる」とジョークを交えながら、AIoTによる白物家電の進化に期待を込める。

60年目から先のシャープの白物家電は、AIoTによって、どう人に寄り添っていくのか。そして、収益の柱としての位置づけは変わらないままでいられるのか。60年目の節目は、新たなモノづくりの一歩を本格的に開始することを宣言するタイミングになった。

いつかは買いたい? 安東弘樹、アストンマーティン「DB11」に乗る!

安東弘樹のクルマ向上委員会! 第17回

いつかは買いたい? 安東弘樹、アストンマーティン「DB11」に乗る!

2019.03.20

アストンマーティンのV8エンジン搭載車「DB11」に試乗

懐古趣味とは無縁、「DB」のデザインは現代の方がカッコいい

車中で「なぜ運転は楽しいか」を自問自答

日本自動車輸入組合(JAIA)の試乗会を訪れている安東弘樹さん。次に乗るのはアストンマーティンの「DB11」だ。憧れる人も多いであろう歴史ある英国製スポーツカーに、安東さんは何を思うのか。

※文と写真はNewsInsight編集部の藤田が担当しました

安東さんと「DB11」

エンジン信者ではなくとも感じる音のよさ

DB11はアストンマーティンのグランドツアラーで、安東さんが乗ったのは4リッターV型8気筒DOHCツインターボエンジン搭載モデル。最大出力は503hp、最大トルクは675Nmで、停止状態から時速100キロへの加速はわずか4秒という速いクルマだ。トランスミッションは8速オートマチック(AT)。オプションを含まないメーカー希望小売価格は2,278万1,177円となっている。

試乗した「DB11」のボディサイズは全長4,705mm、全幅2,060mm、全高1,290mm。車両重量は1,705キロだ

編集部(以下、編):なぜDB11に乗ってみたいと思ったんですか?

安東さん(以下、安):新しいアストンマーティンに乗っておかないと、という気持ちがありました。他のブランドのように試乗会というものが開催されないので、なかなか機会がありませんし。

先ほど、テスラの「モデルX」に乗りましたけど、その後にDB11に乗ると、電気自動車(EV)とは違う加速を味わうことができますね。どちらが好ましいというのはないですけど。

:EVとは違って、エンジン音に迫力がありますね!

:確かに、いい音だとは思います。ただ、エンジン音の信者ではないので、そんなにうるさくなくってもいいというタイプです。大きさより質、という感じでしょうか。

:クルマのキャラクターに合った音がしてほしい?

:そうですね。

室内の作りは、ドイツ車と比べると違いを感じます。ドイツ車だと、例えば革張りのダッシュボードなどは“パンッ!”て張っている感じですけど、こちらは、良くも悪くも作りが緩いというか、革の表面にうねりのようなものが見てとれますね。

:生命感を表現している、とかですかね?

:どうなんでしょうねー。

:乗り心地はいかがですか?

:ダイレクト感が伝わってくるような作りになっているのは分かります。ただ、ダイレクト感を作り手の側で、どのくらい味付けするのがいいのか……クルマって、難しいですね! メーカーが味付けの部分で競い合うのはいいことだと思います。

:2,278万円という価格については?

:……なぜか今、一瞬、安いって思いました(笑)。

多分、これが理由だと思います。先日、ポルシェジャパンのサイトでコンフイギュレーターを使って、最新のポルシェ「911 カレラ 4S」に、必要だと思うオプションを選んでトータルの価格を見積もったら、2,000万円を軽く超えました……。

DB11もオプションを加えたら、金額は跳ね上がるとは思いますが、ポルシェは3Lターボで最大出力450ps、最大トルク530Nmだったのに対して、DB11は4Lターボで503ps、675Nmだったので、それらを比較して、そう思えたのかもしれません。

「DB11」の価格を聞いて、一瞬だけ「安い」と思ったという安東さん

昔のクルマと今のクルマ、カッコいいのはどっち?

:アストンマーティンといえば、ボンドカー(映画「007」シリーズに登場するジェームズ・ボンドが乗るクルマ)のイメージはありますか?

:ありますねー! 一時はBMWになったりしてましたけど、アストンマーティンを復活させましたもんね。最近は、物語にとって必然性がないのに、ボンドカーを無理やり出している感じがあったんですけど、新しい作品ではアストンマーティンが大活躍してました。まあ、本来は目立ってはいけないスパイが乗るクルマではないですけどね(笑)

:「007 ゴールドフィンガー」に登場した初代ボンドカー「DB5」もカッコよかったですもんね!

:「ゴールドフィンガー」も見たんですけど、私に懐古趣味がないので、今のDB11の方がカッコいいと思います。DB5って、今のクルマに比べると、少し“ずんぐりむっくり”しているというか。

:純粋に、カッコよさで比べた場合、現行モデルの方に軍配が上がると?

:そうですね。ただ、日本車は残念ながら昔のクルマ、特に60年代~70年代の方が圧倒的にカッコいいですけどね。

純粋にカッコよさで比べた場合、初代ボンドカー「DB5」よりも試乗中の「DB11」に軍配が上がるというのが安東さんの感想

:アストンマーティンのイメージは?

:好きでした。歴代のクルマには、必ずマニュアルトランスミッション(MT)の設定があったので、乗りこなせたら格好いいだろうなとは思ってました。

:いつかはアストンマーティンを買いたいと思いますか?

:以前は思ってました。でも今は、乗って満足してしまったというか、「これが欲しい!」という感じではないです。スポーツカーの場合、どうしても、MT車にしか食指が動かないんです。DB11って確か、本国にもMTの設定はないですもんね。

:そうすると、現在の愛車であるポルシェ「911 カレラ 4S」を乗り換えるとしたら、どんな選択肢がありますか?

:“992型”の「911 カレラ 4S」()で、右ハンドルのMTって感じですかねー。

【編集部注】次に発売となる新しい「911 カレラ 4S」。つまり、同じクルマの新型をリピート購入したいということ。

:他のメーカーに候補はないですか?

「メガーヌ R.S.」(ルノー)のMTなんかいいですね!

もし、DB11がMTだったとしても、うまくスポーツ走行をする自信はないんですけど、日常でスポーツカーを楽しむという意味では、MTしか選択肢に入らないんです。

なぜステアリングを切っているだけで楽しいのか

:(箱根ターンパイクを走行しつつ)加速って、どうしても慣れてしまいますね。

:結局のところ、速いか遅いかということですしね。

:だとすると、もうテスラなどの電気自動車にはかなわないですもんね。そうすると、操作を楽しむとか、気持ちはそっちにシフトするわけで。

DB11は、トルコン8速ATもよくできていて、十分にいいクルマなんですけど、なんでしょう、どうしてかは分からないんですけど、ひょっとすると、そのうち飽きがくるかもしれないと思ってしまうんです。MTの運転だけは飽きないですからね(笑)

それにしても、こうやって右に左にステアリングを切っているだけなのに、「何が楽しいのかなー?」って、たまに思うこともあるんですけど、なぜだか楽しいんですよね。クルマに興味のない人には、「何が楽しいの? 危ないだけでしょ?」と思われるかもしれないんですけど。

クルマの運転って、興味のない人からすれば、場合によっては悪意がなくても法律的に罰せられるし、命の危険すらあるのに、何が楽しいのか理解できないでしょうね。ただ、なんなんでしょう、とにかく楽しいんですよねー! こういうワインディングロードを走らなくても、普通に、高速道路で制限速度内で走っていても、車窓の景色が変わっていく様子とか、大きな物体を自分で操る感覚が、たまらないです。

ステアリングを右に左に切っているだけで楽しいという安東さん

DB11に乗りながら、なぜクルマの運転は楽しいのかと自問自答を始めた安東さん。助手席から見ていると、その問答自体がすでに、楽しげに見えた。次に乗るクルマは、ポルシェを買い替える場合の選択肢として名前の挙がった「メガーヌ R.S.」だ。

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2019.03.20

8世代目に突入したアッパーミドルセダン「A6」

「アウディ クワトロ」のDNAを受け継ぐエクステリア

最新テクノロジーよりも大切なユーザー目線

アウディ ジャパンは新型「A6セダン」およびワゴンタイプの新型「A6アバント」を3月20日より発売する。車両本体価格は「A6セダン」が920万円~1,006万円、「A6アバント」が955万円~1,041万円。フルモデルチェンジを経たアウディ伝統のアッパーミドルセダン(おおよそ全長4,800mm以上のクラスの高級セダンで、いわゆるEセグメント)は、同社3シリーズ目となる電動車として登場した。

新型「A6」の発表会に登壇したアウディ ジャパン代表取締役社長のフィリップ・ノアック氏。A6は2019年3月20日から全国のアウディ正規ディーラーで販売する

アウディにとって3作目となる電動車

「A6」は1968年にデビューしたアウディのアッパーミドル(中大型クラス)セダンの流れをくむモデル。今作は初代モデル「アウディ100」から数えて8世代目にあたる。「アウディ100」と「A6」の両シリーズを合わせた累計販売台数は820万台。新型のグレードは、「A6セダン」「A6アバント」ともに「55 TFSI quarto S line」と「55 TFSI quarto debut package」の2種類だ。

「A6セダン」は「55 TFSI quarto S line」が1,006万円、「55 TFSI quarto debut package」が920万円
画像3:「A6アバント」は「55 TFSI quarto S line」が1,041万円、「55 TFSI quarto debut package」が955万円

アウディは「A8」「A7」に続き、新型「A6」に電動化技術を組み込んだ。同社は2019年に6車種のプラグインハイブリッド車(PHV)を導入し、2020年末までに合計12車種の電動パワートレイン車をラインアップする電動化戦略を掲げているが、A6の電化はその一環だ。

A6のパワーユニットは、いずれも3.0リッターV6ターボエンジンにマイルドハイブリッドテクノロジー(MHEV)を組み合わせる。この3.0リッターTFSIユニットは、最高出力340ps/5,200-6,400rpm、最大トルク500Nm/1,370-4,500rpmを発揮する。「A6セダン」が停止状態から時速100キロまでの加速に要する時間は5.1秒(欧州仕様参考値)だ。

「アウディ クワトロ」の遺伝子を受け継ぐエクステリア

発表会でノアック社長が「アウディ車にとって重要なメッセージ」と語ったのがデザインだ。2018年にフルモデルチェンジして登場した「A8」「A7」と同じく、新型「A6」も新たなアウディのデザイン言語を体現しており、「ピンと張った面、キリッと尖ったエッジ、目を引くラインなどが特徴」(ノアック社長)だという。

「A6セダン」のフロントマスク
ボディサイズは全長4,950mm、全幅1,885mm、全高1450mm、ホイールベース2,925mm。長いボンネット、ロングホイールベースなど、造形美が光るプロポーションとなっている

従来モデルよりワイドかつ低く配されたシングルフレームグリルに、フラットなヘッドライト。フロントマスクではエアスポイラーを備えた大型のサイドエアインテークも目を引く。サイドビューは先代モデルと比べて引き締まった印象。力強く張り出したホイールアーチ上の輪郭、長く伸びたルーフラインなど、「アウディ クワトロ」のDNAを受け継いでいることを確認できるポイントは随所で発見できる。

この新たなデザイン言語を読み解くのであれば、バランスのとれたエクステリアプロポーションでエレガンスさを、フロントマスクの造形でスポーティーさを演出している、といったところだろうか。

アウディが考えるユーザー中心の開発とは

「A6を日本市場に導入できることをとても嬉しく思うとともに、誇りに思います」と述べたノアック社長は、日本におけるアウディの戦略にも言及した。

アウディ ジャパンの戦略を語るノアック社長

最初に言及したのが商品攻勢だ。今回の新型「A6」に加えて、新型「RS4アバント」、アウディ ジャパン初のクリーンディーゼルエンジン搭載車となった新型「Q5 40 TDI クワトロ」を発表するなど、積極的な姿勢が目立つアウディ。2019年は今後も、ほぼ毎月、新モデルを投入する予定だという。アウディ初の電気自動車(EV)「e-tron」や新たなセグメントへの参入となる「Q8」など、注目度の高い車種も発表の時を待っている。

そして、ノアック氏が強調したのが、ユーザーを中心に据える「カスタマー・セントリシティ」という考え方だ。

「A6セダン」のコックピット。ドライバー正面とセンターコンソール上部、さらにセンターコンソール下部の3カ所に大型ディスプレイが設置してある

この言葉、ノアック社長は単なる顧客満足度の向上という意味では使っていない。その真意として同氏は、「アウディブランドは新しい技術を駆使し、新たな価値あるものを作り出していきます。ただ、アウディにとってテクノロジーは重要ですが、それ以上に大事なのは、お客様の視点です」と説明した。

どれだけ優れた技術であっても、ユーザーに必要とされなければ、それは不要な技術といえる。新型「A6」は最新のテクノロジーを搭載するが、快適性の向上やドライバーサポートアシスタントシステムの充実、安全性の高さなどは、いずれもユーザーに望まれる技術である。新型車が登場すると新たな機能に注目が集まりがちだが、重要なのは、その機能がユーザーの求めるものであるかどうかだ。

最後にノアック氏は、「今年は本当にエキサイティングな年になると思います。この1年をぜひ、アウディとともにお楽しみください」と語り、記者発表を締めくくった。

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