首都圏に商品を売り込め! 地域商社やまぐちの挑戦

首都圏に商品を売り込め! 地域商社やまぐちの挑戦

2017.12.27

自社製品を首都圏に売り込みたい――。様々な取組みを進めつつも、首都圏への売り込みの難しさを感じている地方の中小企業は少なくない。ここでは県産品の売り込みというくくりになるが、課題の解決手段として、地域商社やまぐちの取組みは興味深いものがある。

首都圏に産品を売り込むにはどうすべきか

地域商社やまぐちとは?

地域商社やまぐちは、山口県の県産品を首都圏へ売り込むために10月に設立された会社だ。もともとは地方創生を目的に、山口銀行と山口県がゼロベースで研究を進めたのが始まり。県内の企業の抱える課題などを約2年かけて調査した結果、首都圏への販売を拡大させるには地域商社が必要と判断、山口フィナンシャルグループ、山口県内の民間企業6社、ベンチャーファンドの出資によって設立された。

2年に渡る調査から見えたのは、首都圏に向けた販路開拓の困難さだった。個々の企業では、展示会などを通じてバイヤーに売り込みをかけてきたものの、全国から売り込みがかかっており、「生産者単独で商談に来られても全部は見られない」「セット販売などの企画を持ち込んで欲しい」などといった要望を聞くにとどまるところもあった。山口県産品の少量多品種という特徴も、供給面の問題から売り込みには足枷となっていたようだ。

地域商社やまぐちの果たす役割

そうした課題を解決するのが地域商社やまぐちだ。生産者に代わり、業界経験を持つ同社社員が首都圏で営業を行い商談を行なう。首都圏の高級スーパーや百貨店のバイヤーなどへ売り込みをかけ、BtoBビジネスを展開することになるが、単に話を持ち込むだけでは、差別化には乏しい。何かしらのインパクトが欲しいところだ。

そこで生み出されたのが「やまぐち三ツ星セレクション」というブランド。県内に本社を置く事業者が、主要原材料に山口県産品を使用し、県内で生産・製造、さらに原料や製法に地域性やこだわりを持つものをブランドの対象品とする。さらに、生産者がどんな思いで作り上げた産品なのか、そうしたストーリー性に溢れたものをやまぐち三ツ星ブランドの商品としていく考えだ。こだわりの商品を揃えてセットでの売り込みを可能とすることで、かつてのように門前払いに近いような状況を回避しようというわけだ。

やまぐち三ツ星セレクションとして採用予定のヤマカ醤油のフルーツビネガーとにいやの漬物
やまぐち三ツ星セレクションの商品に使われるブランドロゴ。3つの丸は毛利藩の家紋に用いられる三ツ星をイメージしたという

さらに売れ行きの良し悪しに関わらず、東京の営業社員から消費者ニーズ、マーケット情報をフィードバックしてもらい、商品のブラッシュアップや新商品の開発につなげていこうという考えも持ち合わせる。

特に強みを持つのが山口銀行のネットワークを活用できる点だ。そもそも地域商社やまぐちの代表は山口銀行出身の坪倉昭雄氏。坪倉社長によると、本社も山口銀行本店内にあり、県内のどの企業がどういった商品を作れるのか、情報収集がしやすい環境にあるという。

将来に向けた構想も描いており、中国や東南アジアへの展開、ECサイトを活用した販売も視野に入れている。また、販売機会の拡大にとどまらず、県産品を一括集荷・配送する物流機能や支払い代行機能など、生産者に対するサービスも充実させていく方針だ。

会社自体がスタートを切ったばかりということもあり、「やまぐち三ツ星セレクション」が高級スーパーや百貨店などでお目見えするにはまだ少し先のことになる。まずは、30品目をメドとして商品を拡充、その作業を進めている最中だ。見立てどおり事がうまく運ぶのか、今後が気になるところだ。

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

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2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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2019.03.20

Googleが新しいゲームプラットフォームを発表

配信方式でゲーム機不要、「ゲーム機」の時代の終焉?

2019年内にローンチ、性能はプレステやXbox以上か

3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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