ビジネスとカジュアルが同居する街、六本木に新たな顔

ビジネスとカジュアルが同居する街、六本木に新たな顔

2017.12.27

東京・六本木。上杉や朽木、一柳といった「木」のつく大名の屋敷が6棟あったからその名がついたとも、6本の松の木があったからともいわれている。

つまり、江戸時代にはすでにあった土地であるが、当時はほぼ何もないところだったといわれている。

それから、およそ400年、六本木は東京を代表する繁華街になった。とくに1980年代、いわゆるバブル期には若者が娯楽を求めて、数多く集まってくる街となった。そこから生まれる文化やファッションは、社会現象ともいえるようなものだった。

ただ、バブル期特有のわい雑さも体現していた。電話ボックスやガードレールには怪しげなチラシが貼られ、始発が過ぎても飲み歩く若者やサラリーマンが横行していた。活気はあったけれども、お世辞にもキレイな街とはいえなかった。

巨大なランドマークが街を変える

六本木を代表する、いや東京屈指のランドマーク、六本木ヒルズ

だが、バブルがはじけ、2000年代に入ると、様相が少しずつ変わってくる。そのきっかけのひとつとなったのが、2003年にオープンした六本木ヒルズだろう。高感度なショッピングができる商業施設、グルメをうならせるレストラン、映画館や展望台、そしてオフィスやレジデンスを備える、東京を代表する複合ビルとして誕生した。

六本木ヒルズの登場によって、言葉は悪いが“飲み屋街”からファッショナブルでビジネスパーソンが集う街となった。

たとえば、六本木ヒルズには、デベロッパーである森ビルのほか、ゴールドマン・サックス・グループやアップル、グーグル、フェラーリジャパン、バイドゥといったそうそうたる企業が入居している。これは、首都高を挟んだ北側にある東京ミッドタウンも同じで、三井不動産はもちろん、ナイキジャパン、コカコーラボトラーズなどが入居している。以前はヤフーも東京ミッドタウンに居を構えていた。

ともすれば、“大企業御用達”のお土地柄というイメージが色濃く染みついている。特に六本木ヒルズや東京ミッドタウンは、大企業でなくては入居できない、というイメージを持っている方が多いのではないか。だが、それも少しずつ変わり始め、ベンチャーや個人事業主でも六本木の巨大ビルが開放され始めている。

そのひとつの例が、六本木ヒルズに12月18日からオープンした「PARK 6」だ。これは、ノマドワーカーや在宅勤務者、フリーランスといったビジネスパーソンに、時間貸しでワークスペースを提供するシェアオフィス。PARK 6という名前のとおり、「公園」のような空間を演出し、緑豊かなリラックスした気分でワーキングできる環境を整えている。PARK 6の“6”は、六本木ヒルズの6階にあるからだろう。ひょっとしたら“六本木”の六と掛け合わされているのかもしれない。

ノマドワーカーやフリーランスは、個人事業主という例が多いが、それでも前述したような大企業との取引はあるだろう。大企業だけではなく、六本木はさまざまな企業や個人事務所の集積地だ。そうした企業と商談や打ち合わせをする際、六本木に拠点があるのとないのとでは、効率が異なってくる。喫茶店やレストランを使うという手もあるが、万が一にもネットワークが使えなかったり、談笑しているお客さんが多かったりで集中できないことも考えられる。さらに、コピー機やコンセントが使えない場合が多い。それならば、オフィスとして特化された施設でプレゼン資料を作ったり、メールなどで連絡を取ったりしたほうが都合がよい。

施設の概要をチェックしてみよう。PARK 6はおもに3つのスペースから成り立っている。打ち合わせやリラックスした休憩ができるパブリックスペース、集中して仕事ができるワークスペース、そしてその両スペースをつなぐような配置にあるカフェスペースだ。

上左:緑豊かなワークスペース。上右:仕事に集中できるブース。下左:併設されたカフェ。下右:カフェで食べられるクロワッサン

パブリックスペースもワークスペースも、緑が豊かでリラックスして仕事に打ち込める。以前、オフィスの緑化を手がける企業を取材したが、そこによると緑視率は10~15%が最適なのだそうだ。緑が多すぎても、かえってストレスを感じるらしい。PARK 6にある緑は、視認したところ10~15%ぐらいに感じた。リラックスして仕事ができる環境といえるだろう。

フリードリンクのコーヒーがウレシイ

そして、カフェ。オープンなワークスペースは1時間800円、集中できるように仕切られたブースは1時間1,100円となっている。利用者はフリードリンクでコーヒーが楽しめ、ワインなどのアルコールも販売されている。筆者も取材時にいただいたが、「パークシックス パワード バイ ボンドルフィ ボンカフェ」のコーヒーは味わい深かった。

さて、こうしたコワーキングスペースは都内に増えている。そのおもな理由は、ライフ・ワーク・バランスを重視するワーカーが増えているからだろう。会社にガチガチに縛られ、上司の機嫌をうかがいながら短くない残業をこなす。それよりも、趣味や子育て、そしてビジネスのバランスを考えている方が増えているのだろう。お話をうかがった森ビルの渡邉茂一氏が教えてくれた「ONとOFFとをシームレスに繋ぐ“サードプレイス”」というキャッチがそれを表している。

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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2019.03.20

Googleが新しいゲームプラットフォームを発表

配信方式でゲーム機不要、「ゲーム機」の時代の終焉?

2019年内にローンチ、性能はプレステやXbox以上か

3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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