日本上陸したAmazon Alexa、音声アシスタントの本命か

日本上陸したAmazon Alexa、音声アシスタントの本命か

2017.11.09

11月8日にアマゾンジャパンがスマートスピーカー「Amazon Echo」を国内発表した。同時に、音声アシスタントの「Amazon Alexa」も日本語に対応。米国のスマートスピーカー市場を牽引するアマゾンが、ついに日本上陸を果たした。

アマゾンの「Alexa」が日本上陸

国内のパートナーは100社以上を発表しており、日本でも本格的にAlexaのプラットフォームを立ち上げる構えだ。各社から参入が続くスマートスピーカーだが、果たしてアマゾンは「本命」といえるのだろうか。

狙いは音声アシスタント「Alexa」の拡大

「Amazon Echo」は音声で使えるスマートスピーカー製品だ。「アレクサ、今日のニュースは何?」などと呼びかけると、合成音声がニュースを読み上げる。これを実現すべく、クラウドで音声認識や自然言語処理を担う音声アシスタントが「Amazon Alexa」になる。 米国のスマートスピーカー市場ではアマゾンが7割のシェアを占め、2017年の出荷台数は1000万台を超えるとの予測もあるほどだ。だが、音声認識や読み上げの能力自体は、すでに日本で発売されたグーグルの「Google Home」と大差がない。

米国では小型の「Echo Dot」登場後、大きく出荷台数を伸ばしたという

アマゾンの優位性はパートナーの数だ。Alexaで利用できる「スキル」は国内100社から265種類が提供される。すでに米国では2万種類以上のスキルが公開されている。音声認識や自然言語処理の難しい部分はAlexaに任せることができるので、自社サービスを呼び出すためのスキルを作る企業が急増したのだ。

国内発売にあたって100社以上のパートナーを同時発表した

スキルは、スマートフォンのアプリのようにストアで公開されている。たとえばJapanTaxiが提供する「全国タクシー」のスキルを入れると、音声でタクシーの手配ができるようになる。

さらに、Alexaに対応したスマートスピーカー自体も作れるため、オンキヨーやハーマンなどが製品を発表した。いわばEchoの競合となる存在だが、自動車や冷蔵庫などにAlexaが搭載されれば、Echoを使わずともクルマやキッチンから直接Alexaを呼び出せるようになる。

アマゾン純正のEcho以外に、他社もAlexa搭載スピーカーを開発できる

アマゾンとしてもEchoを売ることが目的ではなく、Alexaを使うパートナーを増やすことを優先していることがうかがえる。

スマホを補完する役割に期待

米国での盛り上がりを背景に日本でも期待されるスマートスピーカーだが、アマゾンの優位性はほかにもある。

まずは音楽サービスとの連携だ。グーグルのPlay Musicに対抗して、アマゾンも4000万曲が聞き放題の「Amazon Music Unlimited」を国内で開始する。アマゾンのサイトで買い物するときと同じ「レコメンデーション」機能があり、4000万曲の中からユーザーが気に入りそうな曲をおすすめしてくれる。

大型のEcho Plusは部屋にストリーミング音楽を流すのに適している

価格の安さも突出している。プライム会員向けキャンペーンでEchoは4000円引き(Echo Dotは2000円引き)だ。音楽も基本は月額980円でグーグルと同じだが、プライム会員は780円、さらにEchoだけで使えるプランは380円で提供する。ストリーミングの普及が遅れている日本だが、これを機にまずは試してみようという人が増えそうだ。

家庭内をスマート化する「スマートホーム」の実現も見えてきた。たとえば「スマート電球」の電気を消すのにスマホのアプリを立ち上げるくらいなら、壁のスイッチで消したほうが早いと思える。だがAlexaなら「アレクサ、電気を消して」とお願いするだけなので、スマホに手を伸ばす必要はない。

ロボット掃除機の「ルンバ」もAlexaに対応し、音声で「動かす」「止める」操作が可能になった。さすがにAlexaを理由に家電製品を買い換えるのは難しいが、ソフトバンク コマース&サービスが販売する「スマート家電コントローラ」を使えば、赤外線リモコンに対応した家電をAlexaで操作できるという。スマホより便利な音声という操作方法は、スマートホームの普及を後押しするだろう。

ベッドの中から音声で電気を消せる、というスマートホームも実現する

ほかにも多数の企業がAlexa対応を表明しており、音声アシスタントの本命になる可能性は高い。その先には、アマゾンが持つ買い物やコンテンツのプラットフォームをさらに強化するという狙いが見えてくる。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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○ゲームとともに振り返る“平成”という時代
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○カレー沢薫の時流漂流
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最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu