ダイハツ「ハイゼット カーゴ」がマイナーチェンジ、改良の目玉は?

ダイハツ「ハイゼット カーゴ」がマイナーチェンジ、改良の目玉は?

2017.11.13

ダイハツ工業は軽商用車「ハイゼット カーゴ」および軽乗用車「アトレー ワゴン」をマイナーチェンジして発売した。「マイナーチェンジと言えどフルモデルチェンジに近い」(ダイハツの松林淳専務)という今回の改良だが、目玉は衝突回避支援システム「スマートアシストⅢ」の採用だ。

マイナーチェンジを受けて発売となった軽商用車「ハイゼット カーゴ」

全面改良に近い追加要素

1960年に発売となった軽商用車「ハイゼット」は、農業や建設業、配送業など、幅広い業種で使われるクルマで、累計生産台数は400万台を超える。ダイハツにとって最も歴史のあるモデルだ。

ハイゼット カーゴは1961年の発売で、現行モデルは10代目となる。フルモデルチェンジからは13年が経過しているが、ダイハツ取締役で専務執行役員の松林淳氏は、「マイナーチェンジと言えどフルモデルチェンジに近いくらい色んなアイテムを盛り込んだ」と今回の改良に胸を張る。

マイナーチェンジの発表会に登壇したダイハツの松林専務

外観を一新したほか、こすりやすいバンパーの角の部分を着脱可能な「コーナーピース」とするなど改良点は多いが、マイナーチェンジの目玉はステレオカメラを用いた衝突回避支援システム「スマートアシストⅢ」(スマアシⅢ)の採用だろう。

こすりやすいバンパーの角は20mm切り上げた。色が黒いので傷は目立たないし、修理するとしても着脱可能なので従来よりは安く済むという

安全装備の充実を打ち出す自動車メーカー

昨今、新車の発売やモデルチェンジでメーカーが安全面を強調する事例が増えている。例えばホンダは、軽自動車「N-BOX」のフルモデルチェンジで安全運転支援システム「ホンダセンシング(Honda SENSING)」を全タイプ標準装備としていたし、ダイハツも軽乗用車「ミラ イース」をフルモデルチェンジした際、低価格や低燃費といった従来の競争軸を押さえた上で、「安心・安全」を新たな軸とするとして「スマアシⅢ」の初採用を強調していた。

軽商用車にとっても、安心・安全は重要な競争軸になっているようだ。

50年超の歴史を持つハイゼット、変わるユーザー像

ダイハツによると、ハイゼット カーゴが属する軽キャブバン市場の規模は、ここ10年で大きく変わらず、19万台前後で推移しているという。しかし、ハイゼット カーゴはフルモデルチェンジから13年が経過し、使われ方や使う人が変わっているようだ。ダイハツはマイナーチェンジに際して、社会情勢の調査やユーザー調査などをしながら企画立案を行った。

軽キャブバンの市場環境

ダイハツの調査によれば、ハイゼット カーゴを使う業界ではユーザーの忙しさが増している。例えば東京オリンピックを控えた建設業であったり、ECが増えた配送業であったりといった具合だ。使う人は高齢化しつつあり、就業率が向上している女性が運転するケースも増えているという。そんな状況もあって、クルマの「安心・安全」に対するユーザーの関心がますます高まっているそうだ。

ハイゼット カーゴを使用するユーザー像にも変化がありそうだ

事業主にとっても買いたいクルマに?

ダイハツが今回、軽商用車としては初めて搭載した「スマアシⅢ」は、ステレオカメラにより、歩行者も認識して作動する衝突回避支援ブレーキが特長だ。他にも車線逸脱警報機能であったり、誤発進抑制制御(前・後方)といった機能がある。

ダイハツ広報に聞くと、例えば事業主として軽商用車を購入する顧客は、客先に出向くクルマで事故などを起こしたくないという意識があるので、安全装備を欲しがるケースが多いという。また、そもそも法人向け車両を供給しようと考えた場合、対人のブレーキ支援が付いていなければ、そもそも入札に参加できないというケースも存在するそうだ。

「ハイゼット カーゴ」の価格帯(税込み)は93万4,200円~149万5,800円。「スペシャル」というグレードの4AT、2WDで比べると、スマアシⅢの有無で価格差は6万円強だ

軽自動車は価格の上昇が販売に大きく響く車種なので、新たな装備を搭載するにも制約があるはずだ。しかしダイハツでは、「先進技術を皆のものに」(松林専務)という考えのもと、「軽自動車やコンパクトカーなど、より経済性を重視されるカテゴリーでも、顧客に喜んでもらえる機能と価格で、これらの(先進)装備を届けること」(同)を重視していくという。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu