ライスバーガーは新たな

ライスバーガーは新たな"和食"だ! モスライスバーガー焼肉が定番メニューに

2016.01.27

1月25日、国内第2位のハンバーガーショップのモスバーガーを運営するモスフードサービスが都内で新商品の発表会を開いた。昨年、イタリア・ミラノで開催された国際博覧会、その日本館で限定発売した日本未発売のライスバーガーを国内でも提供するという。日本発祥のライスバーガーが海外展開を経て、新たな"味"として帰ってくることになる。あわせて国内で提供しているライスバーガーのリニューアルも発表した。

海外で気づいたライスバーガーの魅力

モスフードサービス 代表取締役会長兼社長櫻田 厚氏

会見で、同社の海外展開にも長く携わってきた櫻田 厚社長は「和をテーマにしたライスバーガーが我々の想像以上に現地で話題になり、興味を持ってもらい多くの支持を頂いたことに驚いた。(我々にとっては)灯台下暗しのように、ライスバーガーは、海外の人がこんなにびっくりするようなものだったのかと感じて、もう一度企画してみようと考えた」と今回の復活の理由を説明する。

もともとライスバーガーは1987年に同社が開発した商品。バンズに代えて、ご飯を焼き固めたライスプレートを使った「お米のバーガー」だ。国内での米余りを打開する一手として生まれ、1992年には米の消費拡大に貢献したとして農林水産大臣賞を受賞し、今や同社の看板商品のひとつにもなっていたわけだが、海外に進出することでその新たな価値に気づいたと言えるだろう。実際に櫻田社長も「我々にとっては(ライスバーガーは)当たり前のものだったが、バンズをお米に変えたというのは、実はすごいこと。それに気づいていなかった」と語る。

国内でも人気商品として受け入れられたライスバーガーだが、実はその大きなヒット市場は海外だ。モスフードサービスは積極的な海外展開でも知られており、現在、台湾に243店舗、シンガポールに27店舗などあわせて324店舗を構えている(国内は1,380店舗)。このうち最多の台湾に進出したのは1991年。日本の味を持ち込んだものの、生野菜などに対する食文化の違いなど当初の売れ行きは芳しくはなかったという。その中で、意外にも受け入れられたのがライスバーガーだった。先に挙げたミラノの例でも、ライスバーガー3商品の売上が全体の半分を超えるほどだったという。

新商品は国内のモスバーガー"コア層"へ訴求

モスライスバーガー焼肉

そのライスバーガーが巡り巡って日本に戻ってくるわけだが、その背景には国内での期待の声もあった。櫻田社長が行っているタウンミーティングやお客様相談室に寄せられる復活要望商品の1位には「モスライスバーガー焼肉」が、3位には「モスライスバーガーつくね」がランクインする(2位は「ホットチキンバーガー」)。特に、1990年から2012年まで販売していた「モスライスバーガー焼肉(やきにくライスバーガー / モスライスバーガーカルビ焼肉)」への期待は高く、この国外での反応、そして国内での期待の声に応えるかたちで、2月9日からの「モスライスバーガー焼肉」の定番メニュー化が実現することになる。あわせて、ミラノで好評だった「モスライスバーガーとりの照り焼き」を国内向けにアレンジして2月9日から3月下旬までの期間限定で販売する。具をはさむライスプレートもこれまでの100gから120gへと増量するが、これも台湾店舗などですでに提供しており、その海外での成果を逆輸入することでよりボリューム感を楽しめる商品となる。

今回の新商品は「日本人の一番コアになる方たちに向けた商品」(櫻田社長)というが、海外でも評価の高いモスバーガーへのインバウンド効果はあるのだろうか。櫻田社長は「アジア(から来る訪日外国人)を中心に、結果として多少のプラスのインバウンド効果はあるだろう」とする。

2015年に日本を訪れた観光客数はアジアを中心に約1,974万人と過去最高を記録。観光庁が行った調査によると、その旅の目的(訪日前に期待していたこと)の上位は複数回答で「日本食を食べること(70.1%)」「ショッピング(53.6%)」「自然・景勝地観光(44.6%)」。もっとも期待していたことへの単一回答では、4人に1人が「日本食を食べること」を挙げるなど、食や"爆買い"に代表されるようにショッピングへの期待が高く、特に食は寿司や天ぷらといった日本食が海外で広まったことや、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたことなどを受けて関心が高い。

ライスバーガーは手軽な"和食"

モスフードサービスは今回、訪日外国人に向けライスバーガーを「手軽に日本食の魅力を感じて頂ける商品」とアピールし、国内向けには新たな"味"を持ち込むなど両面作戦で売上拡大を狙う。

ビデオリサーチが昨年行った「和食に対する認識調査」によると、てりやきライスバーガーについて20代の68.3%、60代の58.2%が和食だと回答している。海外のハンバーガーが日本で生まれ変わった新たな「和食」として受け入れられるのか、新たなライスバーガーに期待したい。

大津の園児死亡事故で炎上した「マスコミ」批判

カレー沢薫の時流漂流 第43回

大津の園児死亡事故で炎上した「マスコミ」批判

2019.05.20

漫画家・コラムニスト カレー沢薫さんの社会派連載!

第43回は、大津の痛ましい事故で炎上した「マスコミ」問題について

滋賀県・大津市で散歩中の園児の列に軽乗用車が突っ込み、園児二名死亡、多くの負傷者を出す、という事故が起った。

池袋のプリウス事故の衝撃が冷めやらぬまま、また痛ましい事故が起ってしまった。池袋の事故では「高齢者の自動車運転問題」「上級国民疑惑」が大きく注目されたが、今回の事故では全く別のものが炎上した。

マスコミ問題である。

マスコミが保育園を追求したのは視聴者のため?

事件が起こった当日夕方、被害者の園児が通っていた「レイモンド淡海保育園」が記者会見を行ったのだが、そこで質問をした記者の血が青とか紫とかほとんど寒色系じゃないかと、大きく批判された。

記者会見が、どのような内容だったかというと「危険な場所という認識はあったのか?」「保育士が道路側にいたのか?」という、何としてでも保育園側に批があったようにしたくてたまらない質問、「園児たちの様子は普段と変わらなかったのか?」という意図のわからない質問、 「散歩したのは園に庭がないからか?」という「園に庭さえあればこんなことには…」という「ニ兆円さえあれば」に匹敵する、壮大なたられば論などが挙げられ、質問を受けた園長は号泣、それを記者がバッシャバッシャ撮影するという地獄絵図だったそうだ。

記者会見を見た多くの人が「何を食ったらそんな質問ができるんだ」と思っただろうが、この記者会見は、たまたまその場にプラスチックを食って育った選りすぐりのサイコパッシャーが大集結してしまったという、悪い意味でのアベンジャーズだったワケではないと思う。

記者が何故あのような質問をしたかというと、決して趣味ではなく、おそらく「視聴者の見たい画」「聞きたい言葉」を引き出そうとした結果なのではないか。もちろん「あんなもの見たくなかった」という人が大半だと思う。

しかし、池袋プリウス事故で加害者が即逮捕されないことが大きく批判されたことからも、現在の我々視聴者に「悪が一刻も早く、俺たちの目に見える形で処されるところが見たい」という「ニーズ」が少なからずあることが分かっているのだ。

つまり「お客様に一秒でも早く悪が吊るされる様をお届けします!」というニーズに応えようとする企業努力が、「悪くもない保育園をとりあえず悪にして即斬る」という、完全に間違った「悪・即・斬」になってしまったのではないだろうか。

「マスゴミ」問題は視聴者の問題?

しかし、「被害者側への無配慮な取材はいらん」というのも、今回の件だけではなく、視聴者側が何度も言い続けている「ニーズ」である。

何故それが無視されてこのような会見が行われるかというと、被害者の声まではいらなくても、やはり我々が平素「センセーショナル」な物を求めてしまっているからではないだろうか。よって記者たちは「とにかく刺激的なものを撮ってこい」と言われ続け、感覚がマヒし、本来配慮が必要なはずの取材にすら「センセーショナルさ第一」で臨んでしまい、まるで不倫記者会見のようなノリの質問が飛ぶことになってしまったのではないだろうか。

やはり報道というのは「視聴者が何を見たがっているか」が反映されるものだ、需要がなければ供給はなくなる。このような記者会見が行われなくするためには、何度でも我々が「こういうのはいらんのや、見んし、お前らの雑誌買わんわ」と言い続けるしかないだろう。

ところで、「質問をした記者を特定して処してやろう」という動きも当然のように起こったらしい。やはり我々の「悪を処したい」「処されるのを見たい」という気持ちは根深い物があるのだ。

ちなみに、今回の事故では当初、車を運転していた52歳と62歳の2人が逮捕された。「また高齢者か」という声も上がったが、この年齢で高齢者と呼べるかは微妙なところだ。結局「車を運転する以上誰でも事故を起こす可能性がある」ということである。

車を運転しない人は「歩道を歩いていて車が突っ込んでくるなんてどうしようもない」という被害者観点から絶望したと思うが、車を運転する人は加害者観点でも恐怖したと思う。

もちろん安全運転に越したことはないが、人間には「限界」と「不測の事態」があることでおなじみである。持病もないのに運転中に突然何らかの発作が起こる可能性だってあるのだ。「どうしようもないこと」で被害者になることもあるが、加害者になることもあるのである。

つまり、車がないと生活できない土地で、私が週一ぐらいしか外出せず、引きこもり続けているのは、近隣住民の命を守る草の根活動でもあるのだ。しかし、それは無職だからできる事業なので、多くの人が、少なからずリスクを負って車を運転しなければいけない。

そのリスクを減らすには、運転者が気をつけることはもちろんだが、何せ限界がある。つまり、人間がこれ以上、進化することなく、むしろ高齢化で退化する一方だとしたら、無機物の方を整備していくしかない。

事故が起りにくい道路作り、そして車だ。

現に、車の事故防止機能はどんどん進化しており、自動運転化の開発も進んでいるという。自動運転が本当に安全なのか不安もあるが、少なくとも老が運転するよりは確実に安全になるだろう。

しかし、今のところそういった事故防止機能がついた車を買うか否かは、任意である。そして、そのような機能がついた車は高くなる。よって私の車は金銭的問題で、タイヤとハンドルがついているぐらいであり、運転手がミスったら、そのミス通り事故を起こしてくれる、素直な仕様である。

現在でも事故防止機能のある車を購入した場合、補助がもらえることもあるようだが、導入が任意な以上、つけない人はつけないだろう。これからの車には、タイヤ、ハンドル、事故防止機能を、もう屋根ぐらい忘れても良いから義務付けるべきではないだろうか。

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トヨタが5世代目となる新型「スープラ」を発売

直列6気筒のFRで伝統を踏襲、最上級グレードに予約集中

BMWとの共同開発について気になる点を友山副社長に聞く

トヨタ自動車は新型「スープラ」(GR Supra)を発売した。先代スープラの生産終了から17年ぶりの復活だ。価格は3リッターの直列6気筒(直6)ターボエンジンを搭載する「RZ」が690万円、2リッターの直列4気筒ターボエンジンを積む「SZ-R」が590万円、同「SZ」が490万円。直6+FR(フロントエンジン・リアドライブ)という歴代モデルの伝統を踏襲した5世代目は、トヨタとBMWの共同開発で誕生した。

新型「スープラ」。ボディサイズは「RZ」で全長4,380mm、全幅1,865mm、全高1,290mm。こだわったのは「短いホイールベース(前輪と後輪の間の幅、2,470mm)」「幅広いトレッド(左右のタイヤの幅、RZでフロント1,595mm、リヤ1,590mm)」「低い重心高」の3つの基本要素だという

儲からなければ儲かるまで“カイゼン”

新型スープラはBMW「Z4」のプラットフォームとエンジンを使っている。企画とデザインはトヨタが、設計はBMWが担当した。

トヨタでは月間220台の販売台数を想定していたが、2019年3月に予約注文の受付を開始すると、新型スープラには予想を超える数のオーダーが殺到した。事前受注は約1,400台に達したという。予約注文のうち、約7割が最上級グレードのRZに集中したことも予想外だったようで、トヨタは一時的に、同グレードの予約受付をストップしていた。

増産やグレード変更などの生産調整により、現在、RZの受注は再開している。とはいえ、今からRZを注文しても、納車は2020年1月ごろになるそうだ。

「マットストームグレーメタリック」をまとった新型「スープラ」(画像)は限定車。2019年度分の24台については、6月14日までWeb限定で商談の申し込みを受け付ける。商談順は抽選となるそうだ

「モビリティカンパニー」になると宣言したトヨタが、スポーツカーのスープラを復活させる理由については、最近、テレビやラジオのコマーシャルでもしばしば耳にする「馬がクルマに置き換わっても、競走馬は残った」という言葉の通りだ。つまり、電動化や自動化でクルマの在り方が変わっていっても、単なる移動手段ではなく、所有したり乗ったりすることで、喜びを感じられる存在として残るクルマもあるので、そういった製品を作り続けたいというのがトヨタの思いである。

新型「スープラ」はトヨタとBMWが2013年に包括提携を結んでから初の商品となる。生産はマグナ・シュタイヤーに外部委託し、オーストリアのグラーツ工場で行う

とはいえ、スポーツカーは年間何万台も売れるクルマではないし、採算が取れないおそれもある。その点については、新型スープラ発表会に登壇したトヨタの友山茂樹副社長も「スポーツカーは儲からない、売れないという冷ややかな見方があることは事実」と認めるところだ。しかし同氏は、「儲からなければ儲かるようになるまで、売れなければ買ってもらえるようになるまで、歯を食いしばってでもカイゼンを続ける」ことがトヨタ本来の姿であるとし、「クルマは五感で感じるものだというDNAを次の世代に継承しなければならない」との考えを示した。

新型「スープラ」は歴代モデルと違って2シーターだ

「BMW製では?」の声に友山副社長の回答は

気になるのは、スープラがBMWとの共同開発であり、エンジンとプラットフォームというクルマの中心部分がBMW製であるという点だ。「トヨタの思いは分かるけど、結局、BMWのクルマなのでは……」という見方があるのは、おそらく間違いないだろう。

こちらがBMW「Z4」。大きな違いはスープラがクーペでZ4がオープンカーであるところだ。「Z4」の価格を見ると、3L直6エンジンを積む「M40i」が835万円、2L直4エンジンを積むエントリーモデル「sDrive20i」が566万円となっている

そのあたりについて、友山副社長が語ったところをまとめると、まず、「スポーツカーは数(販売台数)が限られる割に、開発には莫大なコストがかかるので、単独で作るのは難しい」とのこと。今回のスープラは企画とデザインがトヨタ、設計がBMWと説明しているが、クルマの開発は「そんなに簡単なものではないし、(明確に役割を)区切れるものでも」なく、企画の段階で、トヨタとしてどんなクルマを作りたいか、どんな味を出したいかといった点については徹底的に詰めたという。それに、これは多少、冗談めかした発言ではあったものの、「BMWが作ったクルマだから」という理由でスープラを購入する顧客もいるそうだ。

トヨタの友山副社長。自身は先代「スープラ」を改造して乗っていて、トヨタの役員駐車場で警備員に止められたこともあるという

スープラを「BMW製」だと見る人たちに対して友山副社長は、「どこ製ということではなく、これは『スープラ』なんです。両社のいいところを組み合わせた最高の合作、それがスープラです。乗ると分かりますが、Z4とは全然違います」とのメッセージを伝えたいそうだ。

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