ドコモ・バイクシェア 全国2万台の理想

ドコモ・バイクシェア 全国2万台の理想

2017.11.16

東京都心部を歩くと、赤い電動アシスト自転車を見かけることが増えた。実は今、都心部において自転車を気軽にレンタルできるシェアバイクの利用が急速に増えている。事業運営をするのは、ドコモ・バイクシェア。堀清敬社長に聞くと、街中を自転車で移動する"ちょい乗り自転車"がもっと身近になりそうだ。

この赤い自転車を見かけたことのある人は少なくないはず

日本最大の事業者

JRや地下鉄、交通網の発達した都心部においても、移動しづらい場所はある。地下鉄を使っても、歩いてもかかる時間は大して変わらないような場所だ。

そんなときにあったらいいな、と思えるのが自転車だ。普段、歩いていた道のりを自転車を借りて移動する。しかも、その自転車の返却は借り先ではなく、指定のバイクポートであればどこでもいい。そんなサービスを自治体の受託事業という形で提供しているのがドコモ・バイクシェアである。

年度別利用回数の推移(ドコモ・バイクシェアの資料をもとに編集部作成)

もともとは、NTTドコモが横浜市で2011年にサービスを開始したのが始まりだ。以降、2012年に江東区で、2013年に仙台市でサービスを開始し、2014年には千代田区、港区でも事業を受託。2015年にはドコモ・バイクシェアとして法人化した。その後も東京都心部を中心にエリアを広げ、今では全国23拠点(10月末時点)、自転車5671台、サイクルポート521カ所(2017年9月末時点)でサービスを展開する国内最大の事業者となっている。

そして、サービスの利用は今、急速に増えている。2011年度では年4万回の利用だったのに対し、2015年度では年100万回に到達。2016年度は220万回(都内のみで180万回)となり、今年度は年500万回の利用も見込んでいる。

利用が急増したのは、サービスエリアの拡大が大きな要因となりそうだが、真相はどうなのだろうか。

利用が急増したワケ

急増した要因について堀清敬社長によると、都内における自治体の広域連携が実現したことが大きいという。先に挙げたように、2016年度実績をみても利用の8割は都内だ。

利用が急増したのは自治体の広域連携が実現したからと話すドコモ・バイクシェアの堀清敬社長(撮影:磯崎威志)

都内では、2016年2月から江東区・千代田区・港区・中央区の4区において広域連携が始まった。これにより、4区内のバイクポートであれば、どこでも貸出、返却が可能となり、サービス利用の自由度が大幅に向上したのだ。現在では渋谷区、新宿区、文京区も加わり、都内7区でのさらなる広域連携が実現している。新たにサービスを始めた練馬区、品川区も広域連携に加われば、利便性はさらに高まりそうだ。

「広域連携により、使える駐輪ポートが増えた。我々は"ネットワーク効果"と呼んでいるが、駐輪ポートが増えればサービス利用も指数関数的に増えていく。そうなると露出が増えて認知度が高まり、さらに利用が増える」(堀社長)と話す。

認知度という面では、世界180都市でサービスを提供するモバイクが日本での事業参入を果たし、DMM.com、メルカリの事業参入検討を公表するなど、多くのメディアで取り上げられたことも一役買っているようだ。こうした外部要因も含めて、最近は、駐輪ポートを設置して欲しいという問合せも増えているという。

さらに最近大きな伸びを示し、力を入れているのが法人営業だ。都内で350社、2000弱ほどの契約数を抱えるまでになり、利用社数は増えている。

実は、この法人利用によって、思いがけないことも起きている。それは駐輪ポート数の増加だ。かつてはビルオーナーへ駐輪ポート設置の提案をしても断られることが多かった。ところが、法人利用が進むにつれ、テナント側から駐輪ポートを設置して欲しいという声があがり、ビルオーナーが駐輪ポートの設置を実施するといった事態も起きているようだ。利便性の向上を求める声が大きくなれば、駐輪ポートも増えていくだろう。

日本全国2万台に向けて

ドコモ・バイクシェアにとってはまさに追い風が吹いている状態。今後も事業は拡大できるというのが、目下の見方だ。堀社長は「(ロールモデルとなる)ニューヨークや欧州の事例を見ると1万数千台から2万台程度のスケールで展開している。我々もそのくらいのスケールにならないとダメだと思っている。会社の目標として設定した数値ではないが、規模感として(2020年までに)今の4倍、日本全国で2万台規模にしたいという思いはある」とする。

理想の実現に向けてまい進し、ビジネスを拡大したいところだが、そう単純にはいかないのがこの事業だ。ドコモ・バイクシェアでは、自転車の提供とサーバの貸し出しを行う月額制の「システム提供」といったビジネスも行なっているが、自転車の台数やポート設置数といった数から見れば、受託がドコモ・バイクシェアのメイン事業となる。そして、この受託は収益ばかりを追求した運営が本質とはならない。

受託とは

受託は自治体の入札を通じて、自治体が複数の候補から最も最適な事業者を選定する仕組みだ。料金面、サービス面、アフターフォロー、会員管理、安全への配慮、運営に利用する自転車の仕様など様々な条件を候補者が提示し、自治体がふさわしい事業者を選ぶ。

受託によって、自転車費用を補助(自治体により補助額は異なる)してもらえたり、自治体所有地を駐輪ポートとして活用できたりするなどの大きなメリットがあるが、自治体の意向に沿う必要が出てくる。たとえば、「区民の生活における利便性向上のため」といった目標に向けて運営するといったことだ。

それを踏まえながら、駐輪ポートの確保や設置、自転車の増車やメンテナンスなどを行い、サービス提供をしていくのがドコモ・バイクシェアの役割となる。

シェアサイクルについて海外では街中に大量の自転車が溢れてしまったと報道されることがあるが、そうした状態は、日本では望まれない。かつて、数多くの自治体で何年にも渡り、駅前の放置自転車問題に取り組んできた経緯があるからだ。増車するにしても、街の景観を損ねずにバランスよく、いかに利便性を向上させていくかが、ドコモ・バイクシェアに問われていくだろう。

シェアサイクルの課題

目下の課題は、エリア拡大、台数や駐輪ポート数の増加となるが、今後は駐輪ポートの場所も問われていきそうだ。かつての放置自転車問題の影響もあってか、都内の駐輪ポートは目立たない場所に置かれることが多い。

これはドコモ・バイクシェア並びに事業者全体にとっての課題だ。本来、駐輪ポートは、利便性の観点から、公道上が目立ち最適だが、そこにはないのが現実だ。駐輪ポートの場所が変わることで利用者数も1日1台当たりの利用数も大きく伸びそうに思える。この点に関して堀社長はどう考えているのか。

「日本には多くの規制がある。規制自体が悪いわけではない。駅は放置自転車の山になっていたという過去もあった。歩道に雑然と放置された自転車の姿は市民感情からしてもほおっておけない。モラルの上に規制があり、それは仕方ないこと」と話す。とはいえ、ドコモ・バイクシェアでは都内10カ所に限って公道上に駐輪ポートが設置済みという事実もある。「ドコモ・バイクシェアなら大丈夫だと信頼してもらい、理解してもらえるように運営していけば、少しずつ増やしていけると思う」とする。

公道上にバイクポートをさらに設置することで利用回数の増加が見込めそうだ

おそらくこの課題に実効性の高い対策は存在しない。国内最大手が辿りついた答えが「適切な運営を継続し、信頼を得ること」であり、それが最良の解決法なのだろう。

こうしてドコモ・バイクシェアの事業を見ていくと、自治体とともに、市民生活の向上のために街づくり事業の一端に関わっているように見えてくる。その立ち位置から推察すると、おそらく、数年後、十年後と時を経るに従い、嫌味のない形で、街中の移動手段として、シェアサイクルの存在が大きくなっていくとしか思えない。ドコモ・バイクシェアが目指す日本全国2万台という理想の実現に向けて、街の景観を短期間で一変させてしまうことはなさそうだ。

ドコモ・バイクシェアが描く未来

堀社長は目指す高みについてシェアサイクルとITとの融合だいう(撮影:磯崎威志)

最後にドコモ・バイクシェアが描く未来についても触れておきたい。単にシェアサイクルの普及を図ることを目的にはしていない。そこには先がある。

「自転車に乗りながら店舗に近づいたら、スマートフォンに割引きクーポンの付いたプッシュ通知が飛ぶといったような、そうした取組みが今後生まれると思う。シェアサイクルだけではなく、ITを組み合わせた取組みも行っていきたい。今までに見向きもされなかった場所に価値が生まれる、といった新たな価値創造にチャレンジしていければ……」

目指すべき高みはシェアサイクルとITの融合だ。そのためには自転車の利用データがベースになりそうだ。いつ何時、どの道をどのくらいの人が通っているのか、そうしたデータが増えることで、新たなビジネスの種が生まれていく。

シェアサイクル事業が街づくりの一環だと捉えれば、ドコモ・バイクシェアの事業は街づくりにITを持ち込む新たな境地を拓く存在ともなりそうだ。

新AQUOSは“片手ポケット族”狙う iPhone不在の「小型スマホ」市場に勝機

新AQUOSは“片手ポケット族”狙う iPhone不在の「小型スマホ」市場に勝機

2018.11.16

シャープが新スマホ「AQUOS R2 compact」を発表

大画面化の波に逆らい、「片手ポケット族」が増加傾向に

iPhone不在の「小型スマホ」市場を狙う

11月15日、シャープがAndroidスマートフォンの新製品「AQUOS R2 compact」を発表した。名前に「compact」と付いている通り、最近のスマホ市場では選択肢が減っている小型モデルであることが特徴だ。

小型スマホの需要を取り込む「AQUOS R2 compact」

コンパクトな見た目とは裏腹に、中身にはハイエンドである「AQUOS R」シリーズのスペックを詰め込んでいる。世界的にスマホの大画面化がトレンドとなっている中で、あえて時代に逆行するシャープの狙いはどこにあるのだろうか。

スマホを片手で持ち、ポケットに入れて使う人が増加

世界のスマホ市場では、6.5インチの「iPhone XS Max」に代表される大画面モデルが人気を博している。だが、日本では通勤電車などの利用シーンにおいて、片手で使う人が多いといわれている。シャープによれば、スマホを片手で持つ人は64% 、服のポケットに入れて持ち運ぶ人は49% に達しており、その割合は上昇傾向にあるという。

片手で持ち、ポケットに入れて持ち歩く「片手ポケット族」が多いという

その背景として、シャープはスマホの「インフラ化」を指摘する。SNSやコンテンツを楽しむだけでなく、サービスの利用やモバイル決済にスマホは欠かせない存在になっており、日常生活でスマホを取り出す場面が増えている。

AQUOS R2 compactは、日本人の手のサイズを念頭に置いた「横幅64mm」のボディに、できるだけ高性能な部品を詰め込んだハイエンドコンパクト機になっている。プロセッサは最新のSnapdragon 845、メモリは4GBを搭載しているが、これは大画面モデルのAQUOS R2と同等だ。

ポケットに入れやすいサイズに高性能を詰め込んだ

スマホ本体を小型化する一方、画面は前モデルの「AQUOS R compact」より大型化した。このためにシャープは画面の上下に切り欠き(ノッチ)を持つIGZOディスプレイを開発。インカメラと指紋センサを搭載しつつ、表示領域を上下に広げてきた。

前モデル(左)と比べて新モデル(右)は表示領域が広がった

「iPhone不在」の小型スマホ市場を直撃

シャープによれば、小型スマホを求める人は全体の3割程度という。スマホ市場では残りの7割に向けた大画面モデルが幅を利かせており、最新のiPhoneでは6.5インチのXS Maxに加え、一般向けモデルの「iPhone XR」も6.1インチとなっている。

一方、小型モデルとして根強い人気のあった「iPhone SE」は、後継モデルが出ないまま販売が終了。中古市場では価格が上昇する騒ぎもあった。

日本で最大シェアを誇るiPhoneだが、小型スマホ市場では存在感が薄れつつある。ソニーモバイルはXperiaシリーズのコンパクト機を投入しているが、2018年夏モデルの「Xperia XZ2 Compact」と比較して、シャープ機は画面の大きさ、薄さ、軽さの面で圧倒している。

中国メーカーとして日本でも勢いを伸ばすファーウェイ、OPPOも世界市場において大画面化競争を繰り広げており、小型モデルに積極的な動きは見せていない。この点もシャープにとって有利に働いている状況だ。

また、AQUOS R2 compactは顔認証と指紋認証の両方に対応しているのも特徴。これは、iPhoneにもXperiaにもない機能だ。スマホをポケットから取り出し、顔の前に持ち上げるだけでロックを解除できる顔認証だが、卓上に置いている場合は使いにくい。だが指紋センサがあれば、指を置くだけで済む。

顔認証に加えて指紋認証にも対応

スマホの端末メーカーの多くはグローバル市場に目を向け、大画面化のトレンドを追いがちだ。だが、シャープは国内の需要をしっかりとらえた上で、日本のユーザーに刺さる製品作りを続けている。

依然としてiPhone人気が続いている中で、限られた市場であっても「不在」のチャンスをタイムリーに活かし、ユーザーを奪還する。国内に目配りできるシャープならではの戦い方に注目したい。

大画面化するスマートフォン 使いやすさの試行錯誤は縦長から折り畳みへ

知って納得、ケータイ業界の"なぜ" 第23回

大画面化するスマートフォン 使いやすさの試行錯誤は縦長から折り畳みへ

2018.11.16

海外メーカーの台頭で日本にも大画面化の波が到来

大画面化と使いやすさの両立、各社の工夫の歴史

縦長スマホにとって代わるのは「折り畳み」スマホか

スマートフォンのディスプレイは年々大型化が進んでおり、かつては「大きすぎる」と言われた5インチディスプレイが、今や小さい部類に入ってしまうほどだ。一方で使いやすさを維持しながらディスプレイの大画面化を実現するため、メーカー各社はさまざまな工夫を重ねている。スマートフォンのディスプレイサイズはなぜ大きくなり、今後はどのように変化していくのだろうか。

海外メーカーの台頭で日本でも大画面化に拍車

スマートフォンにとってディスプレイは、単に情報を表示するだけでなく、タッチして操作するインタフェースも兼ねている非常に重要な存在だ。そのスマートフォンのディスプレイが、ここ10年ほどで最も大きく変化した要素が「サイズ」である。

どれくらい大きくなったのかというのは、新旧のスマートフォンのディスプレイサイズを比べてみれば一目瞭然だ。日本で最初に発売されたiPhoneである「iPhone 3G」のディスプレイサイズは3.5インチだった。一方、「iPhone X」や「iPhone XS」、「iPhone XR」といった最近のiPhoneのディスプレイサイズは6インチ級があたりまえ。1.7倍に以上に拡大しているのだ。

今やスマートフォンのディスプレイサイズは5インチ以上が一般的で、6インチも珍しくなくなった。画像の「iPhone X」のディスプレイサイズは5.85インチだ

さらに「iPhone XS Max」は6.5インチもあるし、他の大手メーカーでもサムスン電子の「Galaxy S9+」やファーウェイの「HUAWEI P20 Pro」のように、6インチを超えるディスプレイを採用した機種は増えている。なぜ、これほどまでにディスプレイサイズが大きくなったのかというと、それは大画面が欲しいというユーザーが多いため。スマートフォンの性能向上によって動画やコミック、ゲームなどのコンテンツを楽しむ人が増えていることから、ユーザーのニーズに応えるかたちで、大画面が求められるようになったといえよう。

だが日本国内の事情に目を向けてみると、公共交通機関での通勤・通学が多いのに加え、片手で文字入力ができる「フリック入力」が広く普及したこともあり、片手でスマートフォンを操作する傾向が強く、実は大画面に対するニーズはそこまで大きい訳ではない。実際日本では、4インチディスプレイの「iPhone SE」が人気を保っていたし、シャープの「AQUOS R Compact」やソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia XZ2 Compact」などのように、4インチ台のディスプレイを採用したコンパクトなスマートフォンも投入されている。

2018年の夏モデルとして販売されている「Xperia XZ2 Compact」は4.9インチと、最近では珍しくなった4インチ台のディスプレイを採用したコンパクトモデルだ

にもかかわらず、日本でも大画面のスマートフォンが増えているのはなぜか。まずは国内のスマートフォンメーカーが減少したことで、市場に海外メーカー製のスマートフォンが増えているためだ。海外では移動手段の違いに加え、文字入力システムの違いからスマートフォンを両手で持って操作する機会も多く、片手操作に対するこだわりが弱いのだ。

新興国などでも、ディスプレイサイズが大きいほど人気が出る傾向が目立ち、大画面に対するニーズが強いのである。海外製スマートフォンが日本市場に入り込みやすくなったことが、日本国内においてもスマートフォンの大画面化を進めたといえる。

縦長スマホの元祖はアップルだった?

とはいえ、スマートフォンが大画面化するに従って、本体の横幅がひろがり、さすがに海外のユーザーからも「持ちづらい」という声が増えてきたようだ。そこで近年急速に増えているのが、従来の16:9比率ではなく、18:9や19:9といった縦長比率のディスプレイの採用である。

持ちづらさに影響する横幅をこれ以上広げることなく、ディスプレイを縦に伸ばすことで大画面化しようとしたのだ。この流れをけん引したのは韓国メーカーで、2017年にはLGエレクトロニクスが「LG G6」(日本未発売)、サムスン電子が「Galaxy S8/S8+」といったように、縦長比率のディスプレイを採用した機種を積極的に投入した。

2017年発売の「Galaxy S8」「Galaxy S8+」は、18.9:9と縦長比率の有機ELディスプレイ「インフィニティディスプレイ」を採用したことで大きな話題となった

この韓国の両メーカーとも、グループ内にディスプレイデバイスを開発する企業を持っている。それゆえ縦長比率のディスプレイが生み出されたのには、実は大画面化だけが目的ではない。自社のスマートフォンに新しいディスプレイをいち早く搭載し、トレンドを作り上げることで、グループ企業のディスプレイデバイス販売拡大につなげる狙いもあったといえる。

だが、縦長ディスプレイで大画面化するというアイデアを真っ先に実践したのは、実はアップルである。アップルはかつてディスプレイの大画面化に消極的で、2011年発売の「iPhone 4s」までは3.5インチのサイズにこだわっていた。だが大画面化を求めるユーザーの声を受け、2012年発売の「iPhone 5」でディスプレイサイズを4インチに拡大した際に、ディスプレイの横幅はそのままに、縦に長くするという手法をとったのである。ある意味、アップルは5年前に現在のトレンドを先取りしていた、といえるかもしれない。

スマートフォンのディスプレイを縦に伸ばして大画面化するというアイデアをいち早く実践したのは、アップルの「iPhone 5」だった

しかしながら、ディスプレイを縦に伸ばして画面サイズを大きくする工夫にも、いずれ物理的な限界が来ることは目に見えている。そこで、さらなる大画面化の追求で、いま注目されているのが折り畳み式ディスプレイだ。このアイデア自体は、NTTドコモが2013年の「MEDIAS W」(NECカシオ モバイルコミュニケーションズ製)、2018年の「M」(ZTE製)で既に実現しているものだが、いずれも2枚のディスプレイを用いていたため、どうしても画面の折り目に継ぎ目が発生してしまう弱みを抱えている。

折り畳みスマートフォンとして注目されたNTTドコモの「M」は、2枚のディスプレイを用いるスタイルであるため折り畳み部分に継ぎ目が発生してしまう

だが有機ELを用いれば、ディスプレイを折り曲げられる“真の”折り畳みスマートフォンが開発できると言われており、大手スマートフォンメーカーがその開発を進めているとの観測報道も幾度となくなされている。

これは折り畳みできるという意味の「フォルダブル」スマホなどと呼ばれ、先ごろはサムスン電子が、来年発表するというフォルダブルスマホ「Galaxy F」のプロトタイプを開発者向けに見せはじめたりしている。2019年は各社から製品が登場するのではないか? との声もあるようだが、いま確実に言えることは、真の折り畳みスマートフォンがいつ、どのメーカーが、どのような形で投入するのかが、大いに注目されているということだけである。