世界第2位も日本では苦戦? 体制変更でバーガーキングは浮上できるか

世界第2位も日本では苦戦? 体制変更でバーガーキングは浮上できるか

2017.11.23

10月中旬、バーガーキングの日本における運営権を香港の投資会社が取得した。世界第2位の店舗数を誇りながら、日本では苦戦を強いられてきたバーガーキングだが、夢の再建は可能なのだろうか。

運営主体の変更でバーガーキングの存在感は高まるか

バーガーキングはマクドナルドに次ぐ規模を誇る世界的なファストフードハンバーガーチェーンだ。しかしながら、日本においてはバーガーキングが98店舗であるのに対し、マクドナルドは約2,900店舗と大きく水をあけられている。フレッシュネスや、ウェンディーズとのコラボ店を含めたファーストキッチンなどと比べてもバーガーキングは少なく、規模だけで見れば投資会社が乗り出すほど魅力がある案件とは思えないのが現状だ。

「直火焼き」が魅力、世界的な知名度も強み

では、数値だけでは知り得ないバーガーキングの魅力とは何だろうか。その最大のものは「直火焼き」だろう。余計な脂分を落として肉本来の味わい、食感を残すパティの焼き方である。

また、ハンバーガーの包み方も独特で、すべての素材をバンズで挟んだ後で、ペーパーでぎゅっと押さえている。ちょうど、日本のおにぎりや寿司のように素材の一体感を強め、味わいを増加させる効果を発揮する手法だ。機械でシャリを製造してネタを乗せただけの寿司と、職人の握り寿司を想像してもらえば、バーガーキングのハンバーガーが持つ特色が分かりやすいだろう。

フレンチフライ(ポテト)のサイズや味付けも、バーガーキングは他社と異なる独自のテイストを持つ。まず、見た目からも太さが違うことがわかる。加えて、塩分が少なめの仕上がりだ。ジャガイモ本来のほくほくした感じが残っている。塩分を気にする向きにはオススメできるフレンチフライだ。

訪日外国人に対しては、これはマクドナルドも同じだが、世界的な知名度が強みとなる。自分の国に存在する店と同じ名前なので、価格や品質が想像しやすく、入りやすい。実際、ある週末にバーガーキング秋葉原昭和通り店を訪れてみると、昼過ぎの時間帯であったが海外からと推測される利用者が全体の2割ほどを占めていた。

ある週末の昼過ぎに秋葉原昭和通り店(画像)を訪れてみると、多くの外国人利用客が目についた

バーガーキングの弱点は「値引き」の多さ?

それでは逆に、バーガーキングの弱点はどこかというと、その1つは販売戦略なのではと分析している。バーガーキング・ジャパンのホームページによると、キャンペーンと銘打った商品の値下げが、2017年だけで50回近く実施されている。特に「無料」や「半額」といった文字が多く見受けられる。

こういった戦略は、もちろん集客に一定の効果は見込めるだろうが、見方を変えれば、通常価格で購入する客を自ら減らしていることとも同義だ。週に1度は何かしらの商品が無料や半額で購入できると知っている店で、あえて定価を支払う消費者はそう多くない。

韓国で実績を持つ投資会社が日本事業を継承

日本におけるバーガーキングの運営権を取得するのは、香港に拠点を置くアフィニティ・エクイティ・パートナーズ(Affinity Equity Partners)なる投資会社だ。同社は韓国でバーガーキング・ブランドの“著しい(significant)”発展を実現させた実績を持つそうで、米バーガーキングのホセ・シル社長も「日本でも再現可能と楽観」しているとのコメントを出している。ちなみに、日本にある98の既存店は、今後も従来のフランチャイジーで運営を続けていくとのことだ。

さて、アフィニティは日本でバーガーキング・ブランドの発展・強化を図っていくというが、それにはどのような策が有効なのだろうか。

バーガーキングの日本事業は香港のアフィニティが買収。既存の店舗では、これまで通りのフランチャイズ体制を継続していくという(画像は御茶の水サンクレール店)

コアなファンは確かに存在も大衆受けは微妙?

バーガーキングの提供する商品群は、どちらかといえば一部のファンが熱狂的に支持するようなものが多く、大衆受けする商品は少ないというのが私の印象だ。個性的なネーミングも多く、単なる利用客からファンのレベルに“昇格”するには、かなりの道のりが必要であることにも言及しておきたい。

コアなファンを作り出し、ニッチな戦略で訴求していく戦略で攻めるならば、店舗の数は最初から関係ない。そこの店舗に行かなければ味わうことのできないテイストや価値観が存在するならば、ファンは遠路もいとわず能動的に店を訪れるはずだ。

これまでのバーガーキングを考えると、その商品群からは、どんな客に来てもらいたいのかというメッセージが見えにくかった。もっといえば、バーガーキング自体が、消費者の選択肢から遠い位置をあえて選んでいるかのようだった。

バーガーキングの独特な商品群にコアなファンは存在するが、一般受けの点では微妙な存在だ

今やどこの街にでもファストフード店はあふれるほど存在する。コンビニも津々浦々に存在し、飽和状態となっている。この環境の中で、消費者に選ばれる存在になることは、はっきりいって相当難しい。

バーガーキングが何を中心軸に据えて拡大していくつもりなのかは、今後の出店の状況などを見て考えてみるしかないが、例えば、東京オリンピック・パラリンピックの2020年に向け、更なる増加が見込まれる訪日外国人を取り込む戦略をとるのであれば、全店を本国仕様にしてみても面白いだろう。いっそ使用言語も本国に習って英語にしてしまえば、英会話の練習にもなるので日本人客が増えるかもしれない。

店舗数の少なさから考えても、このタイミングであれば、バーガーキングは特権として思い切ったリブランディングを仕掛けることができる。日本のファストフード業界に対し、目新しい選択肢として再登場できるような路線をとるならば、バーガーキングは日本市場でも存在感を発揮できるだろう。

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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2019.03.20

Googleが新しいゲームプラットフォームを発表

配信方式でゲーム機不要、「ゲーム機」の時代の終焉?

2019年内にローンチ、性能はプレステやXbox以上か

3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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