IoTのパナソニックとTVのシャープ、両社に見るCEATECのゆくえ

IoTのパナソニックとTVのシャープ、両社に見るCEATECのゆくえ

2017.10.12

CEATEC JAPAN 2017

10月3日~6日までの4日間に渡って開催されたCEATEC JAPAN 2017は、展示会のコンセプトを「CPS/IoTの総合展示会」に変更して2回目だった。異業種企業を含めた新たな出展社が増加し、来場者の客層が変化。CEATEC JAPANそのものの変容を印象づけた。

CEATEC JAPANの主力は、大手電機メーカー各社の展示だが、今年のCEATEC JAPAN 2017では彼らの展示内容にも変化が見られた。その最たる例がパナソニック。というのも、今年のパナソニックブースの特徴は、薄型テレビを1台も展示しなかったからだ。

パナソニックが期待する「オープンイノベーション」

家電見本市、いわゆる「最先端ITエレクトロニクスの総合展示会」時代は、当然ながらテレビの展示が主役だった。もちろん、パナソニックがテレビを展示しないCEATEC JAPANなどは考えられなかったわけだ。しかし、「CPS/IoTの総合展示会」となったCEATEC JAPANには、テレビの展示は不要であるという判断が、同社には働いたようだ。

方向性が変わったその展示の中身は、新たに発表したB2B向けIoTサービス「μSockets」を活用したソリューション展示のほか、RFIDプロトコルを利用して端末への給電と通信を同時に行うマイクロ無線給電、幼児向けソーシャルロボット「cocotto」、温度・湿度などの計測が可能なデバイスを衣服に縫い付けることができるウェアラブルメーカーパッチ、カロリー/栄養素チェッカー「CaloRieco」、顔を撮影した静止画上で、本物のメイクをするかのように自由にデザインができる「メイクアップデザインツール」など。

パナソニックはμSocketsによるソリューション展示などに力を注いだ
本物のメイクをするかのように自由にデザインができる「メイクアップデザインツール」

さらに、2種類のカメラと画像処理技術により非接触で人の感情、眠気、温冷感を推定する「感情・体調センシング」や、独自レーザスキャン技術によって周囲にある物体までの距離と方向を広範囲に計測できる「三次元距離センサ 3D LiDAR(ライダー)」といったように、製品化時期が明確ではなかったり、他社との協業によって利用範囲が拡大すると想定される技術が中心となった。

加えて、ブースの「メインステージ」においても変化が見られた。例年であれば女性コンパニオンがステージに立ち、最新製品・技術を大々的に紹介する演出が行われている。これは、過去のCEATEC JAPANで多くの大手電機メーカーが行ってきた展示手法だ。

だが今年のパナソニックブースは、メインステージとなる部分を「Open Innovation Lab」と呼ぶステージに変え、パネルディスカッションやセミナーなどを毎日4回、テーマを変えて実施した。派手な演出がなく、地味な印象を与えることは否めない。しかしパナソニックは、ブースのど真ん中にこれを設置することで、「来場者との対話を通してオープンイノベーションの創出を目指す」という内容に変えたのだ。

パナソニックは、ブース中央に「Open Innovation Lab」を設置。パネルディスカッションやセミナーなどを行った

実際、パナソニックブースを視察した同社 代表取締役社長の津賀 一宏氏は、「今までのように、パナソニックが正しいと思ったものに対して、時間と金をかけるというやり方はリスクが高い。いかにオープンに手を握り、リスク分散をするかが大切である。パナソニックは社内外とクロスバリューイノベーションというスローガンのもとで、オープンなバリューのチェーンを作るということを中核にしている。Open Innovation Labは、それを形にしたものである」と語っていた。

一方で「家電の展示が無くなった」という声に対して「家電の定義の仕方次第だ」(津賀氏)と反論。製品ユーザーの暮らしに寄り添うものを"家電"と定義すれば、B2Bのようなパートナーシップで作る家電があってもいいと話す。

「サービスという形で、機器を売り切りしないビジネスモデルで作る新しいジャンルがあってもいい。いずれも、暮らしに密着し、お役立ちをするという点では何も変わらない。その点では、パナソニックの考え方には変化がない」(津賀氏)

これまでのパナソニックと同じ展示を期待して訪れた来場者にとっては、従来型家電が用意されていないブースに「期待外れだった」という印象を抱いたかもしれない。しかしパナソニックは、「CPS/IoTの総合展示会」という観点にあわせる形で、新たな展示内容に踏み出したともいえる。

これは、2013年1月に米ラスベガスで開催されたCES 2013でパナソニックブースがB2B中心へとシフトし、来場者を驚かせた時のインパクトに近い。これはB2C中心だったCESが、B2Bを視野に入れた展示会へと踏み出すきっかけになったのは間違いない。

これに対して、従来型の展示内容を踏襲したのがシャープであった。まさにパナソニックとは対照的な展示内容であったといえる。

シャープは中央部に「事業ビジョンステージ」を配置。70型ディスプレイを16台使用して、8K相当の解像度を実現したマルチディスプレイによるステージを用意した。印象的な映像、音楽と共に女性コンパニオンがナレーションを加え、同社の事業ビジョンを紹介してみせた。

シャープは女性コンパニオンが中央ステージで事業ビジョンなどを説明

また、IoTによって各種家電製品を接続し、快適なライフスタイルを実現するデモストレーションを行う「AIoT ワールドステージ」と、超高精細8K映像技術をコアに新たなビジネスの広がりを模索する「8K ワールドステージ」をそれぞれ設け、ここでも女性コンパニオンが、内容をストーリー仕立てで紹介した。

展示内容は、AIoT関連商品や各種「COCORO+」サービスの具体的な連携、発表したばかりの料理キット宅配サービスの「ヘルシオデリ」、CEATEC JAPANでは常に人気者となる「ロボホン」、AIoT対応液晶テレビ「AQUOS」の新製品や8K対応テレビなど、すでに入手できたり、近々購入できるものが中心となっていた。

8K対応テレビをはじめ、いますぐに買える製品を全面に打ち出す

もちろん、IGZO技術を活用したSuper Wide Displayや円形ディスプレイを搭載したDriving Assistantのほか、耳にかけるだけで咀嚼回数やスピードなどを計測し、正しい噛み方を提案する新たなヘルスケアツール「bitescan(バイトスキャン)」、最終糖化産物であるAGEs(エージーイー)の蓄積レベルを簡単に測定できる「AGEsセンサ」など、近い将来に商品化するものも展示されたが、それらが前面にあるわけではなかった。

こうした「期待通りの展示内容」を実現してみせたシャープのブースは、例年通りの終日黒山の人だかりという状況だったようだ。今後、パナソニック型の展示が増えるのか、シャープ型の展示が継続されるのか、出展社にとって、来場者にとって、そして、主催者にとっても注目すべき動向だといえそうだ。

来場者が求める"シャープ型"、一方で差別化には"パナ型"が重要に

もし、パナソニック型の展示が増加するのであれば、出展する企業の業種の幅は今後広がりをみせるだろう。そしてCEATEC JAPANを一度離れたソニーや日立製作所といった企業が、この変化に気が付けば、再出展するという可能性もありそうだ。奇しくも、彼らもB2Bソリューションの拡充を進めているプレイヤーであるからだ。

しかし、シャープ型の展示がこれからもCEATEC JAPANの主力になるというのであれば、主催者はCESやIFAという海外の大規模展示会との競合を見据えながら、その方向性を改めて検討し直す必要がある。実際、今年のブースの盛り上がりを見れば、パナソニックブースよりも、シャープブースの方が確実に盛り上がっていた印象を受ける。あくまで「来場者ウケ」という視点では、理解しやすいシャープ型展示が求められているという結論に至る。

昨日の記事でも触れたように、2年目を迎えた「CPS/IoTの総合展示会」としてのCEATEC JAPANはまだまだ過渡期と言える。CEATEC JAPAN実施協議会では、「来年は、より幅広い業種、業界の参画を促し、『つながる社会、共創する未来』の具現化と実現に向けて、さらなる変革を加速する」と語る。

主催者側は明確にしていないが、CPS/IoTの総合展示会を継続するのではあれば、今後は、パナソニック型の展示内容を増やすように働きかけていくことが見込まれる。それこそが国内外の展示会と差別化できる要素であり、CEATEC JAPANが生き残る道として考えている様子が伺えるからだ。

CEATEC JAPAN 2018は、2018年10月16日~19日の4日間、千葉県幕張の幕張メッセで開催される予定だ。出展各社は、今年の成果をどう評価するのか。そして今回出展した異業種企業やこれまで出展していなかった企業、そして出展をやめた企業が今回のCEATECに対してどんな評価を行い、どんな印象を持ったのか。その結果が、来年のCEATEC JAPANの姿になるはずだ。3年目を迎える新生CEATEC JAPANに向けた動きはもう、始まっている。

新AQUOSは“片手ポケット族”狙う iPhone不在の「小型スマホ」市場に勝機

新AQUOSは“片手ポケット族”狙う iPhone不在の「小型スマホ」市場に勝機

2018.11.16

シャープが新スマホ「AQUOS R2 compact」を発表

大画面化の波に逆らい、「片手ポケット族」が増加傾向に

iPhone不在の「小型スマホ」市場を狙う

11月15日、シャープがAndroidスマートフォンの新製品「AQUOS R2 compact」を発表した。名前に「compact」と付いている通り、最近のスマホ市場では選択肢が減っている小型モデルであることが特徴だ。

小型スマホの需要を取り込む「AQUOS R2 compact」

コンパクトな見た目とは裏腹に、中身にはハイエンドである「AQUOS R」シリーズのスペックを詰め込んでいる。世界的にスマホの大画面化がトレンドとなっている中で、あえて時代に逆行するシャープの狙いはどこにあるのだろうか。

スマホを片手で持ち、ポケットに入れて使う人が増加

世界のスマホ市場では、6.5インチの「iPhone XS Max」に代表される大画面モデルが人気を博している。だが、日本では通勤電車などの利用シーンにおいて、片手で使う人が多いといわれている。シャープによれば、スマホを片手で持つ人は64% 、服のポケットに入れて持ち運ぶ人は49% に達しており、その割合は上昇傾向にあるという。

片手で持ち、ポケットに入れて持ち歩く「片手ポケット族」が多いという

その背景として、シャープはスマホの「インフラ化」を指摘する。SNSやコンテンツを楽しむだけでなく、サービスの利用やモバイル決済にスマホは欠かせない存在になっており、日常生活でスマホを取り出す場面が増えている。

AQUOS R2 compactは、日本人の手のサイズを念頭に置いた「横幅64mm」のボディに、できるだけ高性能な部品を詰め込んだハイエンドコンパクト機になっている。プロセッサは最新のSnapdragon 845、メモリは4GBを搭載しているが、これは大画面モデルのAQUOS R2と同等だ。

ポケットに入れやすいサイズに高性能を詰め込んだ

スマホ本体を小型化する一方、画面は前モデルの「AQUOS R compact」より大型化した。このためにシャープは画面の上下に切り欠き(ノッチ)を持つIGZOディスプレイを開発。インカメラと指紋センサを搭載しつつ、表示領域を上下に広げてきた。

前モデル(左)と比べて新モデル(右)は表示領域が広がった

「iPhone不在」の小型スマホ市場を直撃

シャープによれば、小型スマホを求める人は全体の3割程度という。スマホ市場では残りの7割に向けた大画面モデルが幅を利かせており、最新のiPhoneでは6.5インチのXS Maxに加え、一般向けモデルの「iPhone XR」も6.1インチとなっている。

一方、小型モデルとして根強い人気のあった「iPhone SE」は、後継モデルが出ないまま販売が終了。中古市場では価格が上昇する騒ぎもあった。

日本で最大シェアを誇るiPhoneだが、小型スマホ市場では存在感が薄れつつある。ソニーモバイルはXperiaシリーズのコンパクト機を投入しているが、2018年夏モデルの「Xperia XZ2 Compact」と比較して、シャープ機は画面の大きさ、薄さ、軽さの面で圧倒している。

中国メーカーとして日本でも勢いを伸ばすファーウェイ、OPPOも世界市場において大画面化競争を繰り広げており、小型モデルに積極的な動きは見せていない。この点もシャープにとって有利に働いている状況だ。

また、AQUOS R2 compactは顔認証と指紋認証の両方に対応しているのも特徴。これは、iPhoneにもXperiaにもない機能だ。スマホをポケットから取り出し、顔の前に持ち上げるだけでロックを解除できる顔認証だが、卓上に置いている場合は使いにくい。だが指紋センサがあれば、指を置くだけで済む。

顔認証に加えて指紋認証にも対応

スマホの端末メーカーの多くはグローバル市場に目を向け、大画面化のトレンドを追いがちだ。だが、シャープは国内の需要をしっかりとらえた上で、日本のユーザーに刺さる製品作りを続けている。

依然としてiPhone人気が続いている中で、限られた市場であっても「不在」のチャンスをタイムリーに活かし、ユーザーを奪還する。国内に目配りできるシャープならではの戦い方に注目したい。

大画面化するスマートフォン 使いやすさの試行錯誤は縦長から折り畳みへ

知って納得、ケータイ業界の"なぜ" 第23回

大画面化するスマートフォン 使いやすさの試行錯誤は縦長から折り畳みへ

2018.11.16

海外メーカーの台頭で日本にも大画面化の波が到来

大画面化と使いやすさの両立、各社の工夫の歴史

縦長スマホにとって代わるのは「折り畳み」スマホか

スマートフォンのディスプレイは年々大型化が進んでおり、かつては「大きすぎる」と言われた5インチディスプレイが、今や小さい部類に入ってしまうほどだ。一方で使いやすさを維持しながらディスプレイの大画面化を実現するため、メーカー各社はさまざまな工夫を重ねている。スマートフォンのディスプレイサイズはなぜ大きくなり、今後はどのように変化していくのだろうか。

海外メーカーの台頭で日本でも大画面化に拍車

スマートフォンにとってディスプレイは、単に情報を表示するだけでなく、タッチして操作するインタフェースも兼ねている非常に重要な存在だ。そのスマートフォンのディスプレイが、ここ10年ほどで最も大きく変化した要素が「サイズ」である。

どれくらい大きくなったのかというのは、新旧のスマートフォンのディスプレイサイズを比べてみれば一目瞭然だ。日本で最初に発売されたiPhoneである「iPhone 3G」のディスプレイサイズは3.5インチだった。一方、「iPhone X」や「iPhone XS」、「iPhone XR」といった最近のiPhoneのディスプレイサイズは6インチ級があたりまえ。1.7倍に以上に拡大しているのだ。

今やスマートフォンのディスプレイサイズは5インチ以上が一般的で、6インチも珍しくなくなった。画像の「iPhone X」のディスプレイサイズは5.85インチだ

さらに「iPhone XS Max」は6.5インチもあるし、他の大手メーカーでもサムスン電子の「Galaxy S9+」やファーウェイの「HUAWEI P20 Pro」のように、6インチを超えるディスプレイを採用した機種は増えている。なぜ、これほどまでにディスプレイサイズが大きくなったのかというと、それは大画面が欲しいというユーザーが多いため。スマートフォンの性能向上によって動画やコミック、ゲームなどのコンテンツを楽しむ人が増えていることから、ユーザーのニーズに応えるかたちで、大画面が求められるようになったといえよう。

だが日本国内の事情に目を向けてみると、公共交通機関での通勤・通学が多いのに加え、片手で文字入力ができる「フリック入力」が広く普及したこともあり、片手でスマートフォンを操作する傾向が強く、実は大画面に対するニーズはそこまで大きい訳ではない。実際日本では、4インチディスプレイの「iPhone SE」が人気を保っていたし、シャープの「AQUOS R Compact」やソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia XZ2 Compact」などのように、4インチ台のディスプレイを採用したコンパクトなスマートフォンも投入されている。

2018年の夏モデルとして販売されている「Xperia XZ2 Compact」は4.9インチと、最近では珍しくなった4インチ台のディスプレイを採用したコンパクトモデルだ

にもかかわらず、日本でも大画面のスマートフォンが増えているのはなぜか。まずは国内のスマートフォンメーカーが減少したことで、市場に海外メーカー製のスマートフォンが増えているためだ。海外では移動手段の違いに加え、文字入力システムの違いからスマートフォンを両手で持って操作する機会も多く、片手操作に対するこだわりが弱いのだ。

新興国などでも、ディスプレイサイズが大きいほど人気が出る傾向が目立ち、大画面に対するニーズが強いのである。海外製スマートフォンが日本市場に入り込みやすくなったことが、日本国内においてもスマートフォンの大画面化を進めたといえる。

縦長スマホの元祖はアップルだった?

とはいえ、スマートフォンが大画面化するに従って、本体の横幅がひろがり、さすがに海外のユーザーからも「持ちづらい」という声が増えてきたようだ。そこで近年急速に増えているのが、従来の16:9比率ではなく、18:9や19:9といった縦長比率のディスプレイの採用である。

持ちづらさに影響する横幅をこれ以上広げることなく、ディスプレイを縦に伸ばすことで大画面化しようとしたのだ。この流れをけん引したのは韓国メーカーで、2017年にはLGエレクトロニクスが「LG G6」(日本未発売)、サムスン電子が「Galaxy S8/S8+」といったように、縦長比率のディスプレイを採用した機種を積極的に投入した。

2017年発売の「Galaxy S8」「Galaxy S8+」は、18.9:9と縦長比率の有機ELディスプレイ「インフィニティディスプレイ」を採用したことで大きな話題となった

この韓国の両メーカーとも、グループ内にディスプレイデバイスを開発する企業を持っている。それゆえ縦長比率のディスプレイが生み出されたのには、実は大画面化だけが目的ではない。自社のスマートフォンに新しいディスプレイをいち早く搭載し、トレンドを作り上げることで、グループ企業のディスプレイデバイス販売拡大につなげる狙いもあったといえる。

だが、縦長ディスプレイで大画面化するというアイデアを真っ先に実践したのは、実はアップルである。アップルはかつてディスプレイの大画面化に消極的で、2011年発売の「iPhone 4s」までは3.5インチのサイズにこだわっていた。だが大画面化を求めるユーザーの声を受け、2012年発売の「iPhone 5」でディスプレイサイズを4インチに拡大した際に、ディスプレイの横幅はそのままに、縦に長くするという手法をとったのである。ある意味、アップルは5年前に現在のトレンドを先取りしていた、といえるかもしれない。

スマートフォンのディスプレイを縦に伸ばして大画面化するというアイデアをいち早く実践したのは、アップルの「iPhone 5」だった

しかしながら、ディスプレイを縦に伸ばして画面サイズを大きくする工夫にも、いずれ物理的な限界が来ることは目に見えている。そこで、さらなる大画面化の追求で、いま注目されているのが折り畳み式ディスプレイだ。このアイデア自体は、NTTドコモが2013年の「MEDIAS W」(NECカシオ モバイルコミュニケーションズ製)、2018年の「M」(ZTE製)で既に実現しているものだが、いずれも2枚のディスプレイを用いていたため、どうしても画面の折り目に継ぎ目が発生してしまう弱みを抱えている。

折り畳みスマートフォンとして注目されたNTTドコモの「M」は、2枚のディスプレイを用いるスタイルであるため折り畳み部分に継ぎ目が発生してしまう

だが有機ELを用いれば、ディスプレイを折り曲げられる“真の”折り畳みスマートフォンが開発できると言われており、大手スマートフォンメーカーがその開発を進めているとの観測報道も幾度となくなされている。

これは折り畳みできるという意味の「フォルダブル」スマホなどと呼ばれ、先ごろはサムスン電子が、来年発表するというフォルダブルスマホ「Galaxy F」のプロトタイプを開発者向けに見せはじめたりしている。2019年は各社から製品が登場するのではないか? との声もあるようだが、いま確実に言えることは、真の折り畳みスマートフォンがいつ、どのメーカーが、どのような形で投入するのかが、大いに注目されているということだけである。