2画面スマホ「M Z-01K」、海外でも販売される理由

2画面スマホ「M Z-01K」、海外でも販売される理由

2017.10.19

NTTドコモの2018年冬春モデルで注目すべきは、2画面スマホの「M」だ。ドコモが企画、ZTEが製造するこの端末は国内のみならず、海外でも販売される。ドコモは通信の会社であり、スマホメーカーではない。スマホ開発を通じて何を狙っているのか。

米国と英国でも販売される「M」

ドコモが新たに発表した2画面スマホの「M」。2つのディスプレイで別々のアプリが利用できるマルチタスクに対応したスマホだ。2つの画面に1つのアプリを表示させ、たとえばグーグルマップのみを表示して地図を大きく見やすくするような使い方もできる。

2画面スマホの「M」

かつて同様のコンセプトを持つスマホとして「MEDIAS W」があった。それを復活させたのがドコモであることは別に記したが、興味深いのは「M」が海外でも販売されることだ。

現在、「M」の取扱いを表明するのは、米国のAT&T、そして英国のVodafone。AT&Tでは「Axon M」として売り出すが、「M」はドコモにとってのグローバルモデルとし、AT&TやVdafoneからは販売台数に応じたロイヤリティを手にするようだ。ちなみに、自社企画のスマホが海外で発売されるのは初になるという。

米国のAT&T、英国のVodafoneに提供される

何か腑に落ちないのは筆者だけではあるまい。販売台数に応じたロイヤリティが得られるにせよ、ドコモは通信会社であり、どういった経緯でこうなったのかは気になるところだ。

大本にあるスマホへの不満

「M」誕生の背景を探り浮かんでくるのは、iPhoneを含むスマートフォンへの不満だ。「5インチディスプレイを備えた長方形型のモバイル通信端末」という括りから、大きくそれることはないのが、今のスマホだ。

新商品もチップやカメラの性能がわずかに向上し、デザインが少し変わるだけで、大きな変化がない。それを残念に思っているのが世界のネットワークオペレーターというわけだ。

多くの海外のオペレーターは、利用者に新たなスマホの選択肢を提供できずにいるという不満を抱えていた。それをドコモは認識していた。海外のオペーレーターからはかねてより、意欲的な取組みをする際には、是非とも紹介して欲しい、と言われていた。かねてからの付き合いが「M」の海外販売につながっていったわけである。コンセプトを記した企画書とモックをもにMの特徴を説明、そう時間がかからず採用が決まったという。

「M」の海外販売はまだ2社だが、多数の海外オペレーターと交渉をしており、取り扱いは今後も増えていきそうだ。ドコモは「M」以降も、引き続き特徴的な端末の開発に取り組んでいくとしており、iPhoneとその他大勢というスマホの現状をわずかながらも変えることになるかもしれない。

キャリアの戦略を変える力も?

ところで、ドコモにとって自社企画のスマホはロイヤリティ収入にとどまらない大きな意味を持つ。ドコモを初め大手キャリアが抱える課題として、格安通信のMVNOにいかにユーザーが奪われないようにするかがある。その対策のひとつが「M」となるように思われるからだ。

通信事業者を選ぶ際、かつては大手キャリアを選ぶべき理由があった。Xperiaを使いたいならドコモがいい、iPhoneを使いたいならソフトバンクがいい、と人によって様々だったはずだ。しかし、どのキャリアも同じような端末を扱うようになり、選ぶ理由はほぼなくなった。

さらに、総務省のガイドラインにより、端末の実質負担額をゼロにすることは許されなくなり、SIMロック解除までの期間も短くなった。つまり大手キャリアを選ぶ理由が年々薄れているのが現状である。通信料金の安いMVNOに乗換えが進むのは自然なことだ。

「M」の登場はこうした現状を少しでも変えるための戦略と考えられそうだ。尖ったコンセプトを持ち、万人ウケすることはないだろうが、響く人には響く端末となるだろう。そうした選択肢はドコモを選ぶ理由にもなるわけだ。とはいえその効果がわかるのは、発売予定日となっている2018年1月以降となる。「M」のような尖った存在は、ドコモにとって新たな戦略となりうるだろうか。

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Googleマップが壊れた? 3月21日以降、表示がおかしい

地図のダウンロード機能でゼンリンと決裂したか?

新しい地図は機械学習で地図データ生成という指摘も

Googleマップの表示がおかしい。3月21日頃から、Googleマップの不具合を訴える声が各所で相次いでいる。道路の表示や建物の位置が正確でなかったり、地形すら間違っている場所もある。Googleマップにいったい何が起こったのか。

地図データの提供元がゼンリンではない?

Googleマップの日本地図データはこれまで、地図データで国内大手のゼンリンから提供を受けていた。両社の契約状況は公開されていないが、少なくとも不具合が発生している現在のGoogleマップ上からは、以前までは記載されていたゼンリン社の権利表記が消え、「地図データ (C)2019 Google」へと変更されている。

Googleマップからゼンリン社の権利表記が消えた

Google社は今月のはじめ、今後「数週間以内」に、日本のGoogleマップをアップデートすると予告していた。このアップデートでは、特にダウンロード可能なオフラインマップを追加することに注目が集まっていた。オフライン環境でもダウンロード済みの地図を利用できる便利な機能だが、地図データの契約上の課題があり、日本のGoogleマップでは制限されていた機能だからだ。結局、両社は契約の課題を解決できず、ゼンリンが地図データ提供から降りてしまったことが、今回の不具合の原因と見られる。

新しい地図は使い物になるのか?

現在のGoogleマップは、Googleが新規開発した自社製の地図データを利用しているようだが、いまだに不具合が報告され続けている状態状態であり、混乱が収束する目途は見えていない。

なお、この新しい地図は、航空写真で山脈の陰部分が湖になっていたり、並木の多い道路が公園になっていたりする間違いや、ほかにも交差点に面したコンビニエンスストアの駐車場が道路と語認識されていたりすることから、航空写真をもとにした機械学習や、スマホ位置情報の移動軌跡から地図データを生成しているのではないかと指摘されている。

航空写真では山の陰になっている部分が、川と湖になってしまっている
地図では鎌倉街道から大栗橋公園を抜ける道があるが、実態はただの公園広場だ。スマホ位置情報の移動実績をもとに道と認識したか?

新しい地図の仕組みや改善の見込みについては、Google側のアナウンスを待つほかないわけだが、GoogleマップはAndroidの標準地図として利用されており、影響を受けるユーザーがあまりにも多い。他の地図サービスを駆逐して大きな影響力を持っているのだから、責任も伴うはずだ。

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ペットボトルコーヒーに対抗? キリンが目指す「午後の紅茶」"仕事のお供"戦略

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「午後の紅茶」に微糖のミルクティーが登場

新CMでは無糖・微糖を中心に新しい飲用シーンを訴求

ペットボトルコーヒーに対抗? 今後の戦略は

昨年まで、ビジネスマンの仕事のお供として「ペットボトルコーヒー」に注目が集まっていたが、今年は「紅茶」が主戦場になるかもしれない。

3月26日より発売されるキリンの「キリン 午後の紅茶 ザ・マイスターズミルクティー」は、これまでの“ペットボトルのミルクティーは甘い”というイメージに反して、缶コーヒーでいちカテゴリを築いている「微糖」が特徴。また、同社が長らくカテゴリ内最大シェアを誇る「午後の紅茶 おいしい無糖」についても、あらたな消費イメージを打ち出す方針だ。

今春から「午後の紅茶」新CMに出演する新木優子さん、深田恭子さん、リリー・フランキーさん

ペットボトル紅茶飲料のトップブランドと言える「午後の紅茶」。この春から公開する新CMには、既存の紅茶飲料のイメージを覆す狙いが透けて見えた。

2つの軸で「紅茶」のイメージを変える

紅茶飲料のイメージと言えば、「午後の紅茶」の名前の由来となっている「アフタヌーンティー」(英国発祥の喫茶習慣)に象徴されるように、「女性の飲み物」であり、「時間的・金銭的余裕がある人の趣味」というところだろうか。それも紅茶という商品のひとつの側面だが、近年の消費者層のメインストリームではなくなっている。

今回、キリンが「午後の紅茶」新CMで打ち出したのは、大きく分けてふたつの飲用イメージだ。深田恭子さんが仕事で車を走らせ、駐車して一服するのに選んだのは微糖のミルクティー。一方、アーティスト然としたリリー・フランキーさんが飲んでいるのは無糖の紅茶。2本ともに「仕事のお供」としての訴求が挙げられる。

車を止め、「キリン 午後の紅茶 ザ・マイスターズミルクティー」をひとくち飲む
絵を描く合間にのどを潤すのは「午後の紅茶 おいしい無糖」

もうひとつは、おなじくリリー・フランキーさんがカレーと紅茶飲料を一緒に味わうというCM。過去には同社の無糖紅茶が「おにぎりに合う」と訴求したこともあるが、あらためて食事中の飲料として「フードペアリング」を提案する。

カレーのような香りの強い食べ物とも合わせられる点を訴求
最年少の新木優子さんは、無糖紅茶を飲むようになった自分を「大人になった」と評するCMに出演。若者への無糖紅茶訴求を担う

紅茶を、コーヒーや緑茶と並ぶカテゴリに

カフェなどでは食後の飲み物をコーヒーか紅茶から選ぶのが定番だが、ペットボトル飲料市場では状況が異なる。コーヒーに次ぐ大規模市場は緑茶飲料で、紅茶はそこから比べるとかなり小規模だ。日本全体の清涼飲料市場で見れば、そのシェアは5%以下。仕事中の飲料としてメジャーなコーヒーが14.5%、緑茶飲料が13.3%という数字を見ると、半分以下という状況となっている。

清涼飲料市場において、紅茶はコーヒー、緑茶と比べて市場が小さい

こうした市場背景を確認した上で、今後「紅茶を、コーヒーや緑茶などの無糖茶と並ぶカテゴリに成長させたい」と意欲を示したのは、午後の紅茶を担当するキリンビバレッジ マーケティング部 商品担当 部長代理の加藤麻里子氏。世界での紅茶飲料と茶葉生産量の伸び、国内紅茶市場の回復傾向を論拠に、RTD紅茶のトップブランドとして、新しい紅茶文化を創っていきたいと語った。

「午後の紅茶」ブランド全体としては、既存の定番3種は甘さを求める若年層に対して継続投資を実施。甘さから離れる20代~30代の働く女性に向け、紅茶飲料としては珍しい「微糖」の新製品「キリン 午後の紅茶 ザ・マイスターズミルクティー」を投入する。

午後の紅茶ブランドにおける年代別の主要商品マッピング

また、30代後半意以降の年代を健康意識や嗜好の変化から「糖離れ・無糖飲用層」と位置づけ、すでに市場で受け入れられている「午後の紅茶 おいしい無糖」の訴求強化を行っていく。

狙うはペットボトルコーヒーへの「対抗」ではなく…?

「2年前までコーヒーのCMをやっていたのにどのツラ下げて…というのはありますが」と茶化しながらも、自分のような「おじさん」にこそ紅茶は飲みやすいとコメントしたリリー・フランキーさん

製品ごとに異なる年齢層を狙って投入される新CM。「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖」「キリン 午後の紅茶 ザ・マイスターズミルクティー」のCMでは、商品をことさらには誇張しない画面作りやキャスティング、出演者の自然体な演技とは裏腹に、「コーヒーから寝返っちゃおうかな」(リリー・フランキー出演「寝返り」編)、「ラテよりこっちかな」(深田恭子出演・「裏切られた」編)など、“コーヒー飲料からの転向”を示唆するようなセリフが目立つ。

働く大人がコーヒーから紅茶に「乗り換え」することを示唆するCMは、ここ2年でワーカー向けのペットボトル飲料の拡大を牽引し、ちょうど先日同ブランドから紅茶飲料を発売したサントリーの「クラフトボス」をはじめ、昨今増えているワーカー向けのコーヒーペット飲料に対する宣戦布告にも読める。だが、加藤氏にペットボトルコーヒー飲料のヒットに紅茶で対抗する構えかどうか尋ねると、決してそうではないという。

「今やひとつのカテゴリとなっているペットボトルコーヒー飲料も、複数社から新商品を展開し、協力して棚の広さを獲得した経緯があります。現状、紅茶飲料の棚は一段程度ですが、これを各社協力して2段へと増やしていきたいです」 

オフィス需要に対して、企業とコラボレーションし飲用機会を設ける試みも

また、「仕事のお供」需要を喚起する施策として、三菱地所に対して仕事中の飲料として「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖」を提供。働き方改革推進企業とコラボレーションし、オフィスでの休息機会に手に取る飲料として配布する。今後、他の企業からオファーがあればそちらにも対応するとのこと。想定シーンに対して直接サンプリングすることで、需要の広がりを見込んでいる。

「午後の紅茶」は、日本国内の紅茶飲料としてはNo.1ブランドの地位を獲得しているだけに、紅茶飲用の文化を牽引して、先述の通りコーヒー・緑茶に並ぶ市場規模への拡大を狙っている。

昨今はスターバックスの「TEAVANA」、タリーズコーヒーの紅茶業態などが定着しており、タピオカミルクティーブームも依然続くなど、カフェ業界でも紅茶に追い風が吹いている。今後、午後の紅茶が「コーヒー党」や「緑茶党」をどれだけ引き込めるか、注目したい。

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