ソフトバンクも参入、ホワイトカラーの仕事を自動化する「RPA」とは

ソフトバンクも参入、ホワイトカラーの仕事を自動化する「RPA」とは

2017.10.25

10月20日、ソフトバンクが「RPA」ソリューション事業への取り組みを発表した。これまで工場労働者の仕事がFAによって自動化されてきたように、RPAによってホワイトカラーの仕事も自動化できるという。

ソフトバンクが「SynchRoid」を発表、RPAソリューション事業に参入する

そもそもRPAとは何なのか、ソフトバンクがホワイトカラーの仕事を自動化する狙いはどこにあるのか、順番に見ていこう。

PC操作を自動化できるRPA

RPA(Robotic Process Automation)という言葉は、「ロボットによる業務自動化」と定義される。これだけでは何のことか分からないが、その中心にある考え方はマウスやキーボードの操作を記録し、繰り返し再生する自動化だ。

たとえば交通費精算の業務で、Excelに入力された駅名と金額のリストがあるとする。不正チェックのためにインターネットの乗換案内サイトで検索し、適切な金額ならば社内システムに入力する。単純だが、ExcelとWebブラウザー、社内システムを往復する必要があり、手間のかかる作業だ。

PCを使った単純作業はRPAで自動化できる

そこでRPAを使えば、こうした操作を1度覚えさせることで、2回目以降は自動化できる。あたかもロボットがPCを操作するように動作し、操作に無駄やミスがない。疲れたりサボったりする人間より何十倍も効率的だ。

技術的にRPAは目新しいものではない。古くからWindows用のフリーウェアなども公開されている。だが、業務で利用するには画面内の情報を読み取って条件分岐するなど高度な機能や、管理や運用面の機能も求められる。

これを10年近く手がけてきたのがRPAホールディングスの子会社であるRPAテクノロジーズだ。今回ソフトバンクが発表した「SynchRoid」は、RPAテクノロジーズの「BizRobo!」のソフトバンク版といえる。今後のRPAの盛り上がりを見込んで、ソフトバンク自身もRPAツールにEラーニングの教材や導入支援を組み合わせたソリューション事業に参入するというわけだ。

教育や導入支援を含むソリューション事業を展開

従来のIT化とは「時間軸が異なる」

RPAは、従来のシステム開発とはどう違うのだろうか。先ほどの例でいえば、社内システムに交通費精算の機能を追加し、乗換案内サイトとはAPIで接続する、といったシステム開発が従来型のIT投資といえる。

だが、現実はそう簡単ではない。間接部門の細々とした業務は、費用対効果に見合わないなどの理由でシステム化には至らないことが多い。これに対してRPAは、人間の操作を自動化するだけなので既存システムをそのまま利用できる。異なるアプリケーションを容易に横断できるのも強みといえる。

特に日本では、現場の従業員が改善のアイデアを持っているにも関わらず、これまでお蔵入りになってきたとRPAテクノロジーズの大角氏は著書『RPA革命の衝撃』で強調する。こうしたアイデアをRPAが実現することで、自動化できる労働から従業員を解放できるという。

「RPAで意味のない労働をなくし、個人や組織の自己実現を可能にする」と語る、RPAテクノロジーズ代表取締役社長の大角 暢之氏

もちろん、RPAですべてが解決するわけではない。RPAはすでにあるものを自動化するだけであり、将来を見据えたシステムへの投資は別途必要だ。だが、企業内のシステム刷新には何年もかかるのが通例だ。「RPAとは時間軸が異なる。両者は並行して進めていくものだ」とソフトバンクの上永吉氏は指摘する。

「RPAは時間軸が異なる」と語るソフトバンク 法人事業統括 プロセスマネジメント本部 副本部長 兼 RPA推進室 室長の上永吉 聡志氏

現在のRPAは決まった動作を繰り返す定型業務に特化しているが、ソフトバンクは人工知能(AI)を組み合わせることで、非定型業務にも応用していく。たとえば見積依頼のメールをIBMの「Watson」で解析して商品名などを抽出。RPAが既存の見積システムに入力し、最後に人間が確認して返信する、といった連携が実現するという。

ロボット、AIに加えて「RPA」に参入

人型ロボットの「Pepper」やAIの推進など、ソフトバンクは「情報革命」に取り組んでいる。そのポートフォリオにRPAを組み込むことで、相乗効果を狙うというわけだ。

日本のEC市場を変える? アマゾン「YouTuber」起用でライブコマース参入

日本のEC市場を変える? アマゾン「YouTuber」起用でライブコマース参入

2018.11.22

アマゾンが年末セール「サイバーマンデー」を実施すると発表

今年の目玉は特大おせちと“急がない便”?

「YouTuber」「試着サービス」で新規ユーザー獲得狙う

アマゾンジャパンは12月7日18時~11日午前1時59分まで、年末セール「サイバーマンデー」を開催すると発表した。これは毎年の恒例行事となっており、7月の「プライムデー」に匹敵する大規模なセールだ。

今年は新たに「試着サービスやライブコマース」に取り組むとのこと。さらなるEC事業の拡大に向け、特に新規ユーザーの掘り起こしを強化したいという狙いがあるようだ。

アマゾンが毎年恒例の年末セール「サイバーマンデー」を開催

今年の目玉は特大おせちと「急がない」便?

米国におけるサイバーマンデーとは、感謝祭(11月の第4木曜日)の次の月曜日から始まるオンラインのセールを意味する。日本ではあまり馴染みがないものの、感謝祭翌日の金曜日「ブラックフライデー」とともに、現地では1年で最大の商戦期として定着している。アマゾンジャパンは12月のセールにこの名称を使ってきた。

2018年のサイバーマンデーも数十万点の商品を用意しており、カスタマーレビューが4つ星以上の商品が豊富に用意される「特選タイムセール」を始め、「数量限定タイムセール」や、限定商品も複数用意する。

限定商品の例としては、「ル・クルーゼの鍋と料理教室」「レゴのロボットとプログラミング体験」のように、今年の時流もあってか商品と体験をセットにしたものが目立つ。また、お正月に向けた目玉商品として、約30人前で税込39万円の「林裕人監修 スーパー超特大おせち」をはじめ、大小さまざまなサイズのおせち販売にも力を入れる。

30人前で39万円の超特大おせち

大幅な値引きや限定商品でセールを盛り上げる一方、懸念されるのが配送だ。人手不足が社会問題化する中で、アマゾンのセールは年末年始の混雑に拍車をかける形になる。

これに対してアマゾンは今年、無料でお急ぎ便を利用できるプライム会員が、あえて「通常配送」を選んだ際、引き換えにAmazonポイントを還元するポイントバック施策の導入を決めた。「急がない」メリットを選択肢として加えることで、出荷を平準化する狙いだ。

プライム会員が「通常配送」を選ぶことで30ポイントをバックする

「YouTuber」「試着サービス」で新規ユーザー獲得へ

日本でも年々、セールの規模を拡大させているアマゾンだが、国内のEC市場は約16.5兆円規模で、物販分野のEC化率は約5.8%にとどまっている(経済産業省調べ、2017年)。中国では今年11月11日の「独身の日」に、アリババがたった1日で約3兆4000億円を売り上げたと話題となったが、日本市場はEC化率が低い分、まだまだ成長余地はあるとみられる。

そもそもネットで買い物をする習慣がないなど、アマゾンを使ったことがない人は意外と多い。新規ユーザーの取り込みが成長の鍵となってくるのだ。

そこで同社は、サイバーマンデーをきっかけに、アマゾンでの買い物に慣れ親しんでもらうことを狙う。コンビニやATM払いにも対応する決済の便利さや、不慣れな人向けに買い物の方法を説明するコンテンツを用意して強くアピールする方針だ。

また、ファッションに特化した新サービスとして、10月からは「プライム・ワードローブ」も始まっている。これは、好みの服やシューズを取り寄せて自宅で試着できるサービスで、一定の条件下で7日以内なら返品できることが特徴だ。返品せず、手元に残すことを決めた時点で初めて代金が請求される仕組みで、気軽に試着できる。

服やシューズを試着できる「プライム・ワードローブ」

ネット通販でありがちなのが、実際に試着しないと色合いや質感、サイズが分からないという問題だ。プライム・ワードローブなら、欲しいシューズがあれば3つのサイズを一度に取り寄せ、合わなかった2つを返送するといった使い方ができる。

海外を中心に盛り上がりを見せる「ライブコマース」にもアマゾンジャパンとして初めて取り組む。動画のライブ配信とECを組み合わせた販売手法で、動画クリエイターと組んでアマゾンの商品を紹介する。発表会場には「MasuoTV」(チャンネル登録者数約109万人)で知られるYouTuberのマスオさんが登壇し、動画撮影を実演した。

超特大おせちの紹介動画を撮影するYouTuberのマスオさん

動画はアマゾンの公式YouTubeやTwitterアカウントだけでなく、動画クリエイターのアカウントでも閲覧できるようにする。影響力のあるインフルエンサーに独自の視点や語り口で紹介してもらうことで、視聴者をアマゾンに呼び込むのが狙いだ。まずはサイバーマンデーのセール商品に対象を絞って展開するが、反響次第ではECのあり方を大きく変える可能性も秘めている。

実は20代に選ばれるクルマだった! 「シボレー カマロ」に新型登場

実は20代に選ばれるクルマだった! 「シボレー カマロ」に新型登場

2018.11.22

GMジャパンが第6世代「カマロ」の新型を発売

購入者を年代別に見ると驚きの事実が

「競合車」の概念が変わる? クルマ選びの実態とは

ゼネラルモーターズ・ジャパン(GMジャパン)が開催した新型「シボレー カマロ」の発表会で、驚きのデータが判明した。アメリカを象徴するマッスルカー「カマロ」を買っているのは、多くが20代の若者だというのだ。なぜ若者に「カマロ」が受けているのだろうか。

伝統のV8エンジンを積む「シボレー カマロ SS」。総排気量は6,153cc、最高出力は453馬力だ

6世代目「シボレー カマロ」がマイナーチェンジ

「シボレー カマロ」は1967年に発売となったアメリカンクーペで、現行モデルは6世代目だ。GMジャパンは2016年末に6代目カマロの予約受付を開始し、2017年に発売した。今回の新型モデルは、6世代目カマロがマイナーチェンジを受けたものだ。

オープンカーになる「シボレー カマロ コンバーチブル」。2リッターターボエンジンを積む。パワートレインは「LT RS」というグレードと一緒だ

6代目カマロには伝統のV8エンジンを積む「シボレー カマロ SS」のほか、直列4気筒ターボエンジンを搭載する軽量モデル「シボレー カマロ LT RS」とオープンカーになる「シボレー カマロ コンバーチブル」がある。今回のマイナーチェンジでは、全てのクルマがフロントとリアのデザインを刷新。「SS」は新開発のパドルシフト付き10速オートマチックトランスミッションを搭載した。価格は税込みで「SS」が680万4,000円、「コンバーチブル」が615万6,000円、「LT RS」が529万2,000円だ。

画像は新型の誕生を記念した限定モデル「シボレー カマロ LAUNCH EDITION」。「LT RS」は限定20台で税込み561万6,000円、「SS」は30台限定で同712万8,000円だ

購入者の7割超が新規、そのうち3割近くが20代!?

発表会でGMジャパンの若松格(わかまつ・ただし)社長は、6代目カマロの販売状況に関する興味深いデータを示した。このクルマを購入した人のうち、74%が新規顧客(GMのクルマを買うのは初めてという人)であり、その新規顧客の内訳を年齢別で見ると、割合としては20代が28%で最多だったというのだ。

6代目「シボレー カマロ」の顧客分布。74%が新規顧客で、そのうち28%が20代だったという

もちろん、カマロは年間数万台を販売するクルマではないし、この6代目も数百台というボリュームだとは思うのだが、「若者のクルマ離れ」といわれて久しい中で、こういう内訳となっているのは意外だった。アメリカ車を買う人といえば、「若い頃に映画などでアメリカ文化にしびれた」世代、年齢でいえば40~60代あたりが中心だろうと思っていたからだ。

6代目「カマロ」の購入者は初代「カマロ」(画像)に憧れた世代が多いのかと思ったら、そうでもないらしい

なぜ、6代目カマロは若者に受けたのか。若松社長によれば、このクルマの販売ではSNSなどを用いたデジタルマーケティングに注力したので、それが響いたのかもとのことだったが、この結果については、社長も喜びつつ驚いていた。

GMジャパンの広報からは、現代のクルマ選びに関する示唆に富む話も聞けた。カマロを実際に購入した人の多くは、必ずしもアメリカのクルマを対抗馬(競合車)として検討していなかったというのだ。日本車とカマロで悩む人もいれば、アメリカの文化が好きだということで、バイクのハーレーとカマロを比べる人すらいたという。フォードが日本から撤退したので事情が変わったのかもしれないが、「カマロ」と比べるなら「マスタング」(フォード)とか、何かマッスルなクルマだろうと思っていたのだが、その想像は間違っていた。

若者が何をきっかけに「カマロ」の購入を検討し始めたのかは気になるところ。6代目の発売時期から考えると、ロックスター・ゲームスの「グランド・セフト・オートV」をプレイして、マッスルカーが欲しくなったという人がいてもおかしくない

新しいクルマが登場すると、「このクルマの競合車は何だろう?」という視点で考えがちな自分にとって、カマロ購入者のクルマ選びに関する話は目からウロコだった。ひょっとすると、クルマについて既成概念や先入観を持たない若者がクルマを買う場合には、同クラスの似たような車種を比べて決めるのではなく、「これが欲しい!」という“指名買い”が多くなるのかもしれない。そんな風に感じた新型カマロの発表会だった。