アップルやソフトバンク参戦も? 混迷極める「東芝メモリ争奪戦」の背景

アップルやソフトバンク参戦も? 混迷極める「東芝メモリ争奪戦」の背景

2017.09.11

東芝のフラッシュメモリ事業である「東芝メモリ」の売却交渉が大詰めを迎えている。その背景を整理しつつ、いま東芝とフラッシュメモリ業界で何が起きているのか、今後の状況を占っていこう。

買収交渉に望む企業連合

現在、東芝を巡って繰り広げられている一連の騒動は、「東芝メモリ」の売却先について、後に日米間連合と呼ばれる米BainCapitalを中心としたコンソーシアム、iPhone製造などで知られる台湾Hon Hai Precision Industry (鴻海精密工業)、東芝とパートナーを組んでフラッシュメモリ開発や製造を続けてきた米SanDiskを買収した米Western Digital (WD)の3つの交渉先との間での決着を巡って繰り広げられているものだ。

東芝メモリは業績悪化に伴う事業売却を目的に2017年初頭に設立された半導体子会社だ

もともと東芝メモリ売却の発端となったのは、同社が米Westinghouse買収に絡む原発事業における巨額損失に起因する。2017年3月期の連結決算で5400億円超の債務超過が確定し、倒産回避のために2018年3月のリミットまでに資金を確保する必要があった。

売却資金を基に債務超過を解消するというシナリオが順当とも考えられるが、実際にはいくつかのオプションがあり、完全売却以外に東芝メモリへの外部資本参画なども手段となる。最終的には東芝本体の事業継続に必要なつなぎ融資枠を銀行団に承諾してもらえれば倒産は回避できるため、東芝メモリの売却というのはその手段の1つというわけだ。

売却交渉の成立から資金を確保するというタイミングを最終リミットから逆算し、東芝が内部的に設定していた交渉期限が8月31日だった。しかし、交渉が難航していることを受けて結論は9月に持ち越されることになった。本稿を執筆している9月8日時点で、この最終決定は9月13日が見込まれている。

東芝メモリ売却の話が具体化した4月以降、さまざまな企業が交渉に手を挙げている。代表的なものでいえば、日本からは産業革新機構や日本政策投資銀行といった政府系機関、投資ファンドの米BainCapital、米KKR、同業者の韓国SK Hynix、台湾Hon Hai、米Broadcomと米Silver Lake Partners連合といった具合だ。

このほか、Hon Haiのグループにはシャープやソフトバンク、Appleといった企業の名前も見られ、BainCapitalと組んだSK Hynixと合わせて、おおよそ3-4グループによる争奪戦の様相を見せるようになった。

だが、こうした状況に異を唱えたのは交渉に名乗りを上げた1社である米WDだ。

同社は5月に東芝によるメモリ事業売却阻止のため国際仲裁裁判所に訴えを起こしたが、これは交渉の過程で他社がメモリ事業売却先に選ばれることを嫌ったためだ。同社が買収したSanDiskは、もともと2000年から東芝と共同でNANDフラッシュの共同開発を続けている。多くの知的財産を所有する一方で、製造関連設備などのアセットを東芝の工場に置いている。

人的交流も密に行われており、東芝の事業所にはいまだ多くのWD(元SanDisk)社員が常駐している。そのため東芝が事業を売却する相手によっては、これら資産の多くが意味のないものとなってしまう可能性がある。

このほか、Samsung対抗という意味合いも強い。NANDフラッシュメモリの世界では業界2位の東芝だが、大きな利益の源泉となるデータセンター向け製品などのコア市場をSamsung側では確保しており、今後WDが既存のHDD会社の殻を破って成長を続けるには、どうしてもこの領域に食い込む必要がある。

そのため、東芝との共有資産であるNANDフラッシュメモリ事業を手元に置いておくことはWDにとって必須事項だ。そもそもSanDisk買収の理由がここにあるわけで、東芝メモリをそのまま他社に取られてしまうとSanDisk買収が失敗ということで株主らの反発は避けられず、是が非でも自ら交渉を進めたいと考えるわけだ。

さまざまな意見や報道があるが、この買収交渉に最も社運をかけており、かつ本命なのがWDなのだと筆者は考えている。

最後は買収後の経営関与の割合で決定

東芝と企業連合との交渉の行方は……。東京都港区芝浦にある東芝本社

売却交渉が本格化した当初、その最有力とされて優先交渉が行われていたのが日米韓連合といわれるグループだ。BainCapitalとSK Hynixのグループに産業革新機構と日本政策投資銀行が加わり、日米韓の資本が組み合わさった形となる。この日米韓連合の交渉は6月中を目処に行われるという話だったが、最終的にまとまることはなかった。

もともと買収によってBainCapital、産業革新機構、日本政策投資銀行の3社が議決権を握る形態を模索していたが、本来は融資のみということで参加していたSK Hynixが議決権要求へと傾いたため交渉が難航しているという話が、7月に入ってから聞こえてきた。

SK HynixはNANDフラッシュ業界で東芝のライバルにあたるものの、目下の最大の共通のライバルはSamsungであり、これを機会に何らかの影響力を行使できるかと考えたのかもしれない。

後に交渉が停滞したのを受けてSK Hynixが軟化姿勢を見せたようだが、8月後半に入って東芝が交渉先をWDに切り替えたという話が入ってきた。おそらく、当初決着予定から2ヶ月が過ぎて交渉が長引く気配が強まったため、係争中のWDを巻き込んでリミットまでの交渉を一気に進めようと考えたのだと思われる。

WDは当初からKKRと組んで交渉に望んでおり、最終的に産業革新機構と日本政策投資銀行がこのグループへと鞍替えして新しい日米連合を組織して東芝との交渉に臨むことになった。

執筆時点でこの"日米新連合"を軸に話が進んでいるようだが、最終的にWDがどのような形で関与するのかが鍵になっているようだ。

一部報道では、KKRと産業革新機構、日本政策投資銀行の3組織が総額約2兆円を拠出して東芝メモリを買収し、WDはこの時点で資金拠出を含む買収行為には直接関与しない。一方で、将来に東芝メモリが上場した際には新規発行分の16%程度の株式を取得して議決権を得るという手法だ。

これは、東芝メモリ買収に際して世界の関連機関の承認を得やすくするためのもので、早期決着を必要とする東芝に一定の配慮を行った結果だ。なお、買収における資金拠出の代替案として四日市工場の(かつて東芝がSanDiskから買い取った)製造設備の買い戻しの提案もあるといい、いずれにせよ、最終的にWDの提案がどう判断されるかがポイントのようだ。

Wall Street Journalの報道によれば、こうした状況でも東芝経営陣の一部が、WD以外の交渉相手を望んでいるという声もあるようだ。実際、Bloombergなどは「(WDが組んでいる)銀行団やファンドは買収後のキャッシュアウトが狙い」というHon Hai側の声を紹介しており、Samsung対抗となるNANDフラッシュメモリ供給元の東芝を救済してサプライを安定させたいAppleなどの企業との連合で、いまもなお交渉の余地があることをアピールしている。

いずれにせよ、時間がない東芝にとっては現在最も有力な交渉をまとめることが最善であり、ほとんど選択肢がない状態だ。この行方は、9月13日の同社の正式発表に注目していてほしい。

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あらゆる面で様変わり!  新型「デリカ D:5」試乗で感じた格段の進歩

あらゆる面で様変わり! 新型「デリカ D:5」試乗で感じた格段の進歩

2019.03.26

三菱自動車の新型「デリカD:5」に試乗

顔つきの変化に目を奪われがちだが中身もすごかった

本質を追求する三菱自動車の着実な技術開発が奏功

三菱自動車工業が2019年2月に発売した新型「デリカD:5」は、印象をガラッと変えたフロントマスク(顔)に注目が集まりがちだが、注目すべきはその中身だ。三菱自動車らしく本質を追求した改良により、クルマの性能は先代に比べ格段に進歩している。その出来栄えを試乗で確かめてきた。

三菱自動車の新型「デリカD:5」

12回目の改良で大幅に進化した「デリカD:5」

三菱自動車工業の「デリカ」が誕生したのは1968年のこと。その車名は「デリバリーカー」に由来しており、目的地まで人や物を運ぶクルマとして当初は商用を主体としていたが、翌1969年には9人乗りの「デリカコーチ」という乗用の車種が登場した。そして一昨年、デリカは誕生から50周年を迎えた。

左が初代「デリカ」、右は改良前の「デリカD:5」

現在の「デリカD:5」はデリカの5代目ということで、この名が付いた。50年を超える歴史の中では、1982年の2代目で早くも4輪駆動車を設定し、ディーゼルエンジンを搭載した。この2つは、今日もD:5を特徴づける要素となっている。

3代目までは「キャブオーバー」といって、エンジンを運転席下に搭載するワンボックス車の形態だったが、4代目からは客室の前にエンジンを搭載するミニバンとなった。そしてデリカD:5は、2007年のモデルチェンジによって登場し、すでに12年の歳月を経ようとしている。この間、三菱自動車は11回も一部改良を実施していて、今回が12回目となる。歴代デリカは1つの車型を長く継承する傾向にあったが、ことに今回の改良では、大きな進化を遂げたと感じる。

2019年2月に発売となった最新のデリカD:5は、外観の輪郭は従来のままだが、ことに顔つきが大きく変わり、押し出しの強い造形となった。その効果は、例えば今回の試乗で、大型トラックがやや無理な車線変更をしようとした際、ミラーに映るデリカD:5の顔を認識し、一瞬、動きを躊躇した様子にも見てとれた。この造形は、三菱が2015年の「アウトランダー」以降、フロントの共通性として各車で採用している「ダイナミックシールド」の概念に基づいた変更である。

改良を経て大幅に変わった「デリカD:5」の顔つき

またフロントの造形は、主に市街地などでの利用が多い顧客向けに新しく車種設定した「アーバンギア」と、標準仕様といえる「D:5」とで異なる意匠を採用している。

こちらが「デリカD:5 URBAN GEAR(アーバンギア)」。「D:5」には4つ、「アーバンギア」には2つのグレードがあり、価格は384万2,640円~421万6,320円となっている

いずれにしても、この大胆な顔つきの変更が注目されがちだが、それ以上に今回の改良は、走行性能や上質さといった面での進化が大きく、格段の進歩と驚かされるほどであった。なかでも、ディーゼルターボエンジンの改良と、変速段数を6速から8速へと増やしたオートマチックトランスミッション(8速AT)の効果は絶大だ。

SUV顔負けの悪路走破性に上質な乗り心地をプラス

エンジンの基本は変わらないが、新たに「尿素SCR」と呼ばれる排ガス浄化装置が取り付けられ、その精度が高まった。走行のための燃料である軽油のほかに、排ガス浄化用の尿素水溶液を補給する手間は増えるが、いまやディーゼルの排ガス浄化は尿素SCRなしでは語れない時代となっている。

その上で、エンジン内部の摩擦損失を減らしたり、燃焼室の改良や新型燃料噴射装置を採用したりするなどの改良により、最大トルクを増大し、アイドリングストップ後の再始動性を改善している。

2.2Lコモンレール式DI-D(ダイレクト・インジェクション・ディーゼル)クリーンディーゼルターボエンジンを搭載

8速ATは発進で使う1速のギア比を大きくして力強さを上げ、それ以後のギア比は従来の6速に比べ小さくすることで、滑らかかつ燃費に効果的な変速を可能にしている。

車体は、もともとデリカD:5の特徴であった「リブボーンフレーム」と呼ばれる骨格構造に加え、車体前部の剛性を上げる改良が施された。4輪駆動による悪路走破で、SUVの「アウトランダー」や「パジェロ」などに引けを取らない性能を発揮するデリカD:5は、強靭な骨格構造により、大きな凹凸のこぶ路面で、前後のタイヤが対角線上で持ち上げられ、車体にねじれが加わった状態でも、後ろのスライドドアを開閉できる車体剛性を持つ。それが他では真似できない特徴の1つだった。そこに車体前部の剛性の強化が加わり、舗装路での走りの上質さが改善されたのである。

試乗をしてみると、それらの改善が、D:5の走りを格段に進歩させていた。

新型「デリカD:5」および「アーバンギア」のボディサイズは、全長4,800mm、全幅1,795mm、全高1,875mm、ホイールベース2,850mm、最低地上高185mm。車両重量はグレードによって違うが1,930キロ~1,960キロだ

試乗で実感、性能は「様変わり」

ディーゼルターボエンジンは、始動後にディーゼルらしい音を発生させるが、軽やかに聞こえるので嫌な気分にならない。1,900キロを超える重い車体であるにもかかわらず、4輪駆動車であることから、発進時の動き出しは軽やかだ。その際もエンジンはうなることなく、ほぼアイドリング回転に近いところで走り出した。

エンジン内部の摩擦損失が軽減されたこと、同時にトルクが増大されたこと、さらには8速ATの1速ギア比が大きくなり、ギア比の力でエンジンを助ける効果などにより、このスムーズな発進が実現できたのであろう。

また今回、パワーステアリングが電動化されたので、発進してすぐに曲がる場面でも、クルマは軽やかに進路を変えた。

パワーステアリングは油圧式から電動に変わった

この走り出しの時点で、すでにデリカD:5の大きな進化を実感した。さらに、アクセルペダルを踏み込んで加速させていくと、わずかなペダルの踏み込みで速度を増していく。しかも、速度が上がるに従って、ディーゼル音は気にならなくなるほど静かになり、快適だった。8速ATの効果でエンジン回転を上げ過ぎないこともあるし、防音や吸音を増した車体の効果も静粛性に効いている。

高速道路に入っても、エンジンやトランスミッションの効果、また快適な室内の様子は変わらない。時速100キロで走行中のエンジン回転数は、アイドリングから少し上の毎分1,500回転ほどでしかない。従来のディーゼルエンジン車では、この速度で巡行するには騒音が大きく、音に疲れる印象があったが、様変わりである。

走り出しでも高速道路でも改良の効果が感じられた新型「デリカD:5」

乗り心地も、車体前部が強化されたことにより、路面の凹凸を乗り越えた際の衝撃が緩和され、改善されたことを実感した。走行感覚も乗り心地も、明らかに上質なミニバンとなった。この快適性であれば、D:5でもっと遠出をしたい気持ちにさせられるはずだ。

「様変わりした」というのが、まさしく適切な評価だろう。そこには、モデルチェンジによらず、実績を踏まえて一歩ずつ改良を加えていく三菱自動車のよさが現れている。

先進的だが着実、三菱自動車の技術開発

三菱自動車は2000年のリコール問題や2016年の燃費不正などを経験し、今日に至る。社内の隠蔽や規律違反などを抱えながら、一方で、技術開発においては先進的な取り組みを続けてきた側面がある。

1996年の直噴ガソリンエンジンの量産化や、同年の電子制御を活用した4輪駆動力制御などで、三菱自動車は先駆的な技術開発力を発揮してきた。同時に、1970年代からのラリー競技への出場や、1980年代からの「ダカールラリー」(パリダカ)出場などにより、悪路走破性のみならず、舗装路での俊足の走りを追求してきた歴史がある。

今日、三菱自動車は電動化とSUVに的を絞った商品展開で、存在感を発揮しようとしている。その両方の技術を合わせた象徴的な商品が「アウトランダーPHEV」だ。同車は世界で最も売れているプラグインハイブリッド車である。

電動化とSUVにフォーカスする三菱自動車の象徴的な商品が「アウトランダーPHEV」だ

三菱自動車が力を注いできた4輪駆動についてはデリカの歴史の中で触れたが、電動化に関しても同社は、1966年に電気自動車(EV)の開発を開始し、2009年には世界初の量産EV「i-MiEV」の市販にこぎつけるなど、先駆的な歩みを進めてきた。

いずれの技術も世界の主要自動車メーカーが開発に取り組んでいるものだが、それを量産化し、一般へ市販して世に問うことを、三菱自動車は長年にわたり粘り強く続けている。さらに、その技術を一時的な流行で終わらせることなく、磨き続けるのが同社の特徴にもなっている。それを可能としているのは、そもそも同社が、本質的な原理原則を追求した技術開発にこだわってきたからなのであろう。

世界初の量産EVとなった「i-MiEV」の現行モデル

デリカD:5においても、例えば「車体剛性」のような、一見しただけでは消費者には分かりづらい部分において、「リブボーンフレーム」という本質的な剛性構造を採用することで、ミニバンとしては悪路走破性で抜きん出た性能に仕上げている。そこが土台となり、乗り心地が格段に改善しているのだ。

技術革新といっても、目新しさをやみくもに追うのではなく、本質的な課題解決の道を探ることが、長年にわたり技術を進化させ、磨き続けることを可能にする。今度のデリカD:5においても、まさにそうした三菱自動車の開発姿勢が発揮されたと実感した。すでにD:5を所有している人でも、今回の改善には驚き、食指が動くことだろう。

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iPadのビジネス利用が広がる? アップルの地味な新製品への期待

iPadのビジネス利用が広がる? アップルの地味な新製品への期待

2019.03.25

iPad、iMac、AirPods…アップルが3日連続で新製品

一見地味な製品アップデートだが、その狙いは?

メインストリーム需要の受け皿としては充実

3月18日からの3日間は、アップルの新製品ラッシュとなった。「iPad Air」と「iPad mini」の新型を皮切りに、19日には「iMac」、20日には「AirPods」を立て続けに発表し、世界的に話題を巻き起こした。

iPad製品群に「iPad Air」と「iPad mini」の新モデルを追加

個々の製品はいずれも既存モデルのアップデートにとどまっており、見た目の変化も少なく地味な印象だ。果たしてアップルの狙いはどこにあるのだろうか。

目立ったわりにアップデートは地味

今回アップルが発表した製品に共通しているのが、見た目に大きな変化はなく、中身のアップデートにとどまっている点だ。

新しいiPad AirとiPad miniは、いずれも既存モデルとサイズや画面の大きさがほとんど同じだ。最新世代のiPad Proはデザインを一新したのに対し、2つの新製品は既存モデルの金型や部品を流用しやすい構造となっている。

新型「iPad Air」の見た目はiPad Pro 10.5とほとんど同じだ

専用ペンの「Apple Pencil」も第1世代の対応にとどまっている。第2世代のペンは無線充電方式になっており、これに対応させるとなればiPadのフルモデルチェンジは避けられなかっただろう。

プロセッサーはiPhone XSやXR世代の「A12 Bionic」を搭載した。この点についても、スマホ需要が伸び悩む中、販売不振が指摘されるiPhone XRのプロセッサーを流用したのではないかと邪推したくなるところだ。

新しいiMacは最新の第9世代Coreプロセッサーを搭載したものの、基本デザインは従来モデルから変わっていない。AirPodsの再生時間は最大5時間のままだが、新チップの搭載で接続性が高まり、ワイヤレス充電のケースが加わった。

ディスプレイ一体型「iMac」の新モデル

 

新しい「AirPods」はワイヤレス充電対応モデルも

いずれも既存モデルの順当なアップデートだが、3日連続という異例の発表スタイルを採ることで、発表会の中に埋もれることなく注目を浴びることに成功したと言えるだろう。

新生活には朗報、ビジネス利用もお手軽に

新しいiPad AirとiPad miniに期待されるのが、ペン入力への対応や低価格化によるビジネス利用の拡大だ。

小型タブレットのiPad miniは、主にコンテンツの再生用途に使われてきた。だがスマホが大画面化する中で、再生用途だけでは買い換え需要が伸び悩んでおり、2015年のiPad mini 4を最後に製品投入が途絶えていた。

これに対して、第5世代となる新モデルは専用ペンの「Apple Pencil」に対応したことで、ビジネス利用の可能性が広がっている。メモ用途に最適なサイズとして、iPad miniの対応を待っていた人も多いのではないだろうか。

 

第5世代のiPad miniはペン入力に対応した

新iPad Airは、専用キーボードの「Smart Keyboard」に対応した最も安価なモデルになる。ペンとキーボードを合わせて購入しても10万円に収まるようになり、ビジネスパーソンや学生に訴求する価格帯に降りてきたといえる。

iPadのビジネス利用にあたっては、iOSの機能やアプリ対応の面で課題が多い。だが、低価格帯のiPadが登場したことは、春からの新生活に合わせてiPadの購入を検討していた人には朗報だろう。

2018年に登場した最新のiPad Proは、プロのクリエイター用途などハイエンド寄りになっていた。その中で登場した新しいiPad AirとiPad miniは、ビジネス用途をカバーするメインストリームの製品として売れ行きに注目したい。

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