iPhone商戦に先手打ったソフトバンク、新サービスは

iPhone商戦に先手打ったソフトバンク、新サービスは"パンドラの箱"か

2017.09.13

アップルが現地12日にiPhone最新機種を発表したことを受け、動きを活発化させる大手携帯電話会社。先手を打ったのは、今年もソフトバンクだった。

iPhoneが発表後の9月から11月が1年で最も重要な商戦期であると話すソフトバンク副社長の榛葉淳氏

ソフトバンクは13日、都内で新サービス説明会を開催した。スマートフォンを使う際のストレスを減らす新サービスやネットワークへの取組みが披露されたが、簡単にまとめれば、最新のiPhoneを利用する上でソフトバンクが一番であることをアピールした発表会となる。

新サービスで注目されるのは「半額サポート for iPhone」と「ウルトラギガモンスター」の2つ。これらの新サービスは、大手通信会社の経営上の課題や本音をダイレクトに反映したサービスともいえる。そこに触れる前に、サービス内容を見ていこう。

注目は2つの新サービス

「半額サポート for iPhone」は最新のiPhoneの機種代金が最大で半額になる無料のプログラム(9月22日提供開始)。最新のiPhoneを48カ月の分割払いで購入し、25カ月目以降に機種変更をすると、その時点での機種代の残債が免除される。指定プランへの加入、機種変時に利用していたiPhoneが回収されるなどの条件はあるが、機種代の負担が小さいのが特徴だ。

たとえば、端末の実質負担額が4万円だった場合、2年経過時点での実質負担は2万円、残りの2万円は旧機種の回収を条件に免除される。

25カ月目以降の機種変更時に残債が免除。旧機種の回収が条件

「ウルトラギガモンスター」は、月額7,000円で月間50GB利用できるデータ定額サービスとなる(9月22日提供開始)。昨年同社が発表した大容量のデータ定額サービス「ギガモンスター」をパワーアップさせたものとなる。動画に当てはめると、毎月約220時間視聴できるとし、実質の通信フリーに近いサービスになるという。

遂に50GBプランが登場。動画視聴で1日7時間可能とし事実上のデータフリーに相当するものとアピールする

ウルトラギガモンスターが誕生したのは、大容量データの利用者でも速度制限を経験した人が多いからだ。新規加入者におけるギガモンスターの契約比率は55%で、そのうちの3割が速度制限を経験からだという。さらに大容量プランを用意することで、ストレスフリーなスマホ利用環境を提供しようというわけだ。

ウルトラギガモンスターは、新たに提供する「みんな家族割」も適用できる。みんな家族割は、加入した家族の人数に応じて割引が適用されるサービス。割引額は最大で2,000円で、4人以上の加入だと、1人あたり2,000円引き、計8,000円お得になる計算だ。さらに、家族の定義についても、同一住所に暮らしていれば別姓であっても対象となり、利用を促した形となる。

みんな家族割への加入を増やし通信収入の増加を図りたいようだ

新サービスがもたらす影響

いずれも最新のiPhoneの機種代金を抑えることができ、大容量サービスに不満を持っていた人には魅力的に映りそうだ。ビジネス的観点から見ると、ARPUの高い長期利用者の増加を見込むことができ、経営上の課題も緩和されるだろう。

いまや格安通信サービスの台頭によって、大手通信事業者では、いかにMVNOへの流出を防ぐかが鍵になっている。それをダイレクトに反映させた新サービスといえる。

特にギガモンスターは、ソフトバンクを手始めに、他社へ広まったサービス。今後はプランや料金面で他社にも影響が出そうだ。また、「半額サポート for iPhone」については、同様のサービスとなる「アップグレードプログラムEX」をKDDIがすでに提供している。しかし、KDDIでは対象がAndroid端末に限定されており、iPhone向けのプランが登場することも十分考えられる。

もうひとつ言及しておきたいのは、ウルトラギガモンスターのような大容量プランが、自身の足を引っ張りかねないことだ。これだけ大容量のプランになると、そもそも固定通信の必要性がなくなっていく。携帯大手は固定通信サービスとスマホのセット割を成長のドライバーとしているが、スマホの大容量プランは、そこに悪影響を及ぼすかもしれない。

SoftBank光はソフトバンクの成長ドライバーとなる

この点について、ソフトバンク副社長の榛葉淳氏は「(SoftBank光とウルトラギガモンスターの)両輪でやっていく」とし影響は少ないと見る。モバイル通信と固定通信では、そもそものニーズが違うという見方があるが、それが正しければ通信収入のさらなる成長につながりそうだ。だが、間違っていれば開けてはいけないパンドラの箱になりかねない。

日本のEC市場を変える? アマゾン「YouTuber」起用でライブコマース参入

日本のEC市場を変える? アマゾン「YouTuber」起用でライブコマース参入

2018.11.22

アマゾンが年末セール「サイバーマンデー」を実施すると発表

今年の目玉は特大おせちと“急がない便”?

「YouTuber」「試着サービス」で新規ユーザー獲得狙う

アマゾンジャパンは12月7日18時~11日午前1時59分まで、年末セール「サイバーマンデー」を開催すると発表した。これは毎年の恒例行事となっており、7月の「プライムデー」に匹敵する大規模なセールだ。

今年は新たに「試着サービスやライブコマース」に取り組むとのこと。さらなるEC事業の拡大に向け、特に新規ユーザーの掘り起こしを強化したいという狙いがあるようだ。

アマゾンが毎年恒例の年末セール「サイバーマンデー」を開催

今年の目玉は特大おせちと「急がない」便?

米国におけるサイバーマンデーとは、感謝祭(11月の第4木曜日)の次の月曜日から始まるオンラインのセールを意味する。日本ではあまり馴染みがないものの、感謝祭翌日の金曜日「ブラックフライデー」とともに、現地では1年で最大の商戦期として定着している。アマゾンジャパンは12月のセールにこの名称を使ってきた。

2018年のサイバーマンデーも数十万点の商品を用意しており、カスタマーレビューが4つ星以上の商品が豊富に用意される「特選タイムセール」を始め、「数量限定タイムセール」や、限定商品も複数用意する。

限定商品の例としては、「ル・クルーゼの鍋と料理教室」「レゴのロボットとプログラミング体験」のように、今年の時流もあってか商品と体験をセットにしたものが目立つ。また、お正月に向けた目玉商品として、約30人前で税込39万円の「林裕人監修 スーパー超特大おせち」をはじめ、大小さまざまなサイズのおせち販売にも力を入れる。

30人前で39万円の超特大おせち

大幅な値引きや限定商品でセールを盛り上げる一方、懸念されるのが配送だ。人手不足が社会問題化する中で、アマゾンのセールは年末年始の混雑に拍車をかける形になる。

これに対してアマゾンは今年、無料でお急ぎ便を利用できるプライム会員が、あえて「通常配送」を選んだ際、引き換えにAmazonポイントを還元するポイントバック施策の導入を決めた。「急がない」メリットを選択肢として加えることで、出荷を平準化する狙いだ。

プライム会員が「通常配送」を選ぶことで30ポイントをバックする

「YouTuber」「試着サービス」で新規ユーザー獲得へ

日本でも年々、セールの規模を拡大させているアマゾンだが、国内のEC市場は約16.5兆円規模で、物販分野のEC化率は約5.8%にとどまっている(経済産業省調べ、2017年)。中国では今年11月11日の「独身の日」に、アリババがたった1日で約3兆4000億円を売り上げたと話題となったが、日本市場はEC化率が低い分、まだまだ成長余地はあるとみられる。

そもそもネットで買い物をする習慣がないなど、アマゾンを使ったことがない人は意外と多い。新規ユーザーの取り込みが成長の鍵となってくるのだ。

そこで同社は、サイバーマンデーをきっかけに、アマゾンでの買い物に慣れ親しんでもらうことを狙う。コンビニやATM払いにも対応する決済の便利さや、不慣れな人向けに買い物の方法を説明するコンテンツを用意して強くアピールする方針だ。

また、ファッションに特化した新サービスとして、10月からは「プライム・ワードローブ」も始まっている。これは、好みの服やシューズを取り寄せて自宅で試着できるサービスで、一定の条件下で7日以内なら返品できることが特徴だ。返品せず、手元に残すことを決めた時点で初めて代金が請求される仕組みで、気軽に試着できる。

服やシューズを試着できる「プライム・ワードローブ」

ネット通販でありがちなのが、実際に試着しないと色合いや質感、サイズが分からないという問題だ。プライム・ワードローブなら、欲しいシューズがあれば3つのサイズを一度に取り寄せ、合わなかった2つを返送するといった使い方ができる。

海外を中心に盛り上がりを見せる「ライブコマース」にもアマゾンジャパンとして初めて取り組む。動画のライブ配信とECを組み合わせた販売手法で、動画クリエイターと組んでアマゾンの商品を紹介する。発表会場には「MasuoTV」(チャンネル登録者数約109万人)で知られるYouTuberのマスオさんが登壇し、動画撮影を実演した。

超特大おせちの紹介動画を撮影するYouTuberのマスオさん

動画はアマゾンの公式YouTubeやTwitterアカウントだけでなく、動画クリエイターのアカウントでも閲覧できるようにする。影響力のあるインフルエンサーに独自の視点や語り口で紹介してもらうことで、視聴者をアマゾンに呼び込むのが狙いだ。まずはサイバーマンデーのセール商品に対象を絞って展開するが、反響次第ではECのあり方を大きく変える可能性も秘めている。

実は20代に選ばれるクルマだった! 「シボレー カマロ」に新型登場

実は20代に選ばれるクルマだった! 「シボレー カマロ」に新型登場

2018.11.22

GMジャパンが第6世代「カマロ」の新型を発売

購入者を年代別に見ると驚きの事実が

「競合車」の概念が変わる? クルマ選びの実態とは

ゼネラルモーターズ・ジャパン(GMジャパン)が開催した新型「シボレー カマロ」の発表会で、驚きのデータが判明した。アメリカを象徴するマッスルカー「カマロ」を買っているのは、多くが20代の若者だというのだ。なぜ若者に「カマロ」が受けているのだろうか。

伝統のV8エンジンを積む「シボレー カマロ SS」。総排気量は6,153cc、最高出力は453馬力だ

6世代目「シボレー カマロ」がマイナーチェンジ

「シボレー カマロ」は1967年に発売となったアメリカンクーペで、現行モデルは6世代目だ。GMジャパンは2016年末に6代目カマロの予約受付を開始し、2017年に発売した。今回の新型モデルは、6世代目カマロがマイナーチェンジを受けたものだ。

オープンカーになる「シボレー カマロ コンバーチブル」。2リッターターボエンジンを積む。パワートレインは「LT RS」というグレードと一緒だ

6代目カマロには伝統のV8エンジンを積む「シボレー カマロ SS」のほか、直列4気筒ターボエンジンを搭載する軽量モデル「シボレー カマロ LT RS」とオープンカーになる「シボレー カマロ コンバーチブル」がある。今回のマイナーチェンジでは、全てのクルマがフロントとリアのデザインを刷新。「SS」は新開発のパドルシフト付き10速オートマチックトランスミッションを搭載した。価格は税込みで「SS」が680万4,000円、「コンバーチブル」が615万6,000円、「LT RS」が529万2,000円だ。

画像は新型の誕生を記念した限定モデル「シボレー カマロ LAUNCH EDITION」。「LT RS」は限定20台で税込み561万6,000円、「SS」は30台限定で同712万8,000円だ

購入者の7割超が新規、そのうち3割近くが20代!?

発表会でGMジャパンの若松格(わかまつ・ただし)社長は、6代目カマロの販売状況に関する興味深いデータを示した。このクルマを購入した人のうち、74%が新規顧客(GMのクルマを買うのは初めてという人)であり、その新規顧客の内訳を年齢別で見ると、割合としては20代が28%で最多だったというのだ。

6代目「シボレー カマロ」の顧客分布。74%が新規顧客で、そのうち28%が20代だったという

もちろん、カマロは年間数万台を販売するクルマではないし、この6代目も数百台というボリュームだとは思うのだが、「若者のクルマ離れ」といわれて久しい中で、こういう内訳となっているのは意外だった。アメリカ車を買う人といえば、「若い頃に映画などでアメリカ文化にしびれた」世代、年齢でいえば40~60代あたりが中心だろうと思っていたからだ。

6代目「カマロ」の購入者は初代「カマロ」(画像)に憧れた世代が多いのかと思ったら、そうでもないらしい

なぜ、6代目カマロは若者に受けたのか。若松社長によれば、このクルマの販売ではSNSなどを用いたデジタルマーケティングに注力したので、それが響いたのかもとのことだったが、この結果については、社長も喜びつつ驚いていた。

GMジャパンの広報からは、現代のクルマ選びに関する示唆に富む話も聞けた。カマロを実際に購入した人の多くは、必ずしもアメリカのクルマを対抗馬(競合車)として検討していなかったというのだ。日本車とカマロで悩む人もいれば、アメリカの文化が好きだということで、バイクのハーレーとカマロを比べる人すらいたという。フォードが日本から撤退したので事情が変わったのかもしれないが、「カマロ」と比べるなら「マスタング」(フォード)とか、何かマッスルなクルマだろうと思っていたのだが、その想像は間違っていた。

若者が何をきっかけに「カマロ」の購入を検討し始めたのかは気になるところ。6代目の発売時期から考えると、ロックスター・ゲームスの「グランド・セフト・オートV」をプレイして、マッスルカーが欲しくなったという人がいてもおかしくない

新しいクルマが登場すると、「このクルマの競合車は何だろう?」という視点で考えがちな自分にとって、カマロ購入者のクルマ選びに関する話は目からウロコだった。ひょっとすると、クルマについて既成概念や先入観を持たない若者がクルマを買う場合には、同クラスの似たような車種を比べて決めるのではなく、「これが欲しい!」という“指名買い”が多くなるのかもしれない。そんな風に感じた新型カマロの発表会だった。