日本で販売倍増! 好調マクラーレンに見るクルマ新時代への心構え

日本で販売倍増! 好調マクラーレンに見るクルマ新時代への心構え

2017.09.24

日本でマクラーレンの販売が好調だ。販売台数は2015年の90台が昨2016年には179台と倍増。好調の立役者となっているのは、同社としてはエントリーモデルの位置づけとなる「スポーツシリーズ」だ。このシリーズに今回、3つ目のボディタイプとしてコンバーチブルの新型車「570S Spider」(スパイダー)を導入する。

「570S Spider」

シリーズ初のコンバーチブル登場、スタイルが多彩に

日本では2015年に導入となったスポーツシリーズ。クーペの「570S Coupe」と実用性を高めたグランドツアラーの「570GT」に続き、シリーズに新たに追加となるのが、リトラクタブル・ハードトップを開閉することでオープンエアのドライブが楽しめるスパイダーだ。

屋根の開閉が可能なコンバーチブルはスポーツシリーズで初めて

スパイダーは3.8リッターV8ツインターボエンジンを搭載。最高出力570PS、最大トルク600Nmを発揮する。ルーフはドライバーシートから電動操作できて、時速40キロ以下での走行時に15秒で開閉が可能だ。受注は始まっており、車両本体価格は税込みで2,898万8,000円からとなる。

時速100キロまでの加速は3.2秒、最高速度は時速328キロ

日本で販売台数が倍増、7割が新規客

マクラーレン・オートモーティブ・アジア日本支社代表の正本嘉宏氏によれば、スポーツシリーズの特徴は「サーキットでの卓越したパフォーマンス」「マクラーレン史上最も快適で洗練されたオンロード性能」「日常での実用性」の3つ。2016年に日本におけるマクラーレンの販売台数が倍増した大きな理由が、このスポーツシリーズの存在だ。

スポーツシリーズの導入が日本事業に追い風となった(画像は「570S Coupe」)

正本氏によると、2015年の途中から日本に導入したスポーツシリーズが、2016年は通年で販売に貢献したのが台数倍増の要因。マクラーレンのエントリーモデルに位置づけられるスポーツシリーズだが、購入者の約7割が他ブランドからの乗換え客など新規ユーザーだったというから、新たな顧客層の開拓も進んだ模様だ。

「570GT」

日本で販売台数が倍増と言っても、それは90台が179台に増えただけとも言えるわけだが、正本氏はマクラーレンを「あくまでニッチプレイヤー」と表現し、「ドライビングプレジャーに徹底的にこだわり、そこを軸に車両を開発」していくことで、「いかにクルマを運転する楽しさを味わってもらえるかに徹底」するのが同社の在り方だと話す。

「クルマのコモディティ化」懸念にマクラーレンは

マクラーレンは2016年にビジネス・プラン「Track22」を掲げ、その中では商品の半数をハイブリッドモデルにすることや、モーターとバッテリーのみで駆動する電気自動車(ピュアEV)を試作することなどを発表している。これを見ると、マクラーレンも自動車業界のトレンドである「電動化」の流れには対応していく様子だ。

電動化と自動化が進めば、クルマの差別化が難しくなり、クルマはコモディティ化してしまうとの見方がある。電動化するマクラーレンは今後も、個性的なニッチプレイヤーというポジションを維持していくことができるのだろうか。正本氏に聞いてみると、「他社はSUVを出したりするが、マクラーレンは2シーター、軽量、ラグジュアリー、ハイパフォーマンスなスポーツカーに特化して、これ以外は基本的に作る予定もない。この価値を体感したい顧客に最高の商品とブランド体験を用意する」との答えだった。電動化した時、クルマは何で個性を発揮するのか。マクラーレンのクルマを見ていれば、1つの解答が得られるのかもしれない。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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掲載中の連載記事につきましても同様に、マイナビニュースへ移管いたします。各連載記事の新しい掲載URLにつきましては、以下となります。

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○森口将之のカーデザイン解体新書
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○ゲームとともに振り返る“平成”という時代
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○文具ソムリエール・菅未里の「新しいコンパス」
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○活字・写植・フォントのデザインの歴史 - 書体設計士・橋本和夫に聞く
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○カレー沢薫の時流漂流
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最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu