iPhone商戦、台風の目になるのは型落ちの「6s」か

iPhone商戦、台風の目になるのは型落ちの「6s」か

2017.09.26

「iPhone 8」の発売日となった9月22日の朝には、国内大手3キャリアが発売イベントを開催。上位機種「iPhone X」の発売を11月に控え、ファンの間では様子見ムードも漂う中、少しでも盛り上げようと各キャリアが気勢を上げた。

大手3キャリアがiPhone 8の発売日にイベントを開催

だが週明けの9月25日には、ワイモバイルとUQモバイルが相次いで「iPhone 6s」を10月に発売することを発表。2年前の型落ち機種が、iPhone商戦で台風の目になる可能性がある。

格安スマホでシェア3割のワイモバイル

スマホ市場におけるワイモバイルとUQモバイルの存在について、簡単に振り返ってみよう。ワイモバイルはソフトバンクが運営する別ブランドで、UQモバイルはKDDIグループのUQコミュニケーションズが展開するMVNO事業だ。立ち位置は異なるものの、いずれも大手キャリア系列のサブブランドと位置付けられることが多い。

ワイモバイルは人気が高く、MMD研究所による2017年3月の調査ではサブブランドとMVNOを合算した格安スマホ市場で3割のシェアを占める。特徴は、料金が安いにも関わらず、全国に約1000店舗を展開するなど大手キャリアに匹敵するサービスを受けられることだ。

格安スマホ市場でワイモバイルのシェアは3割

その背中を追うUQモバイルも、店舗数は2017年8月に100店に到達。ワイモバイル同様、積極的なテレビCMを展開するなど猛追する。さらに、他の格安スマホ事業者と大きく異なるのがiPhoneを取り扱うという点だ。

他の事業者でも整備品のiPhoneを海外から仕入れるなど独自の動きはあるものの、日本でiPhoneを販売するキャリアは大手3キャリアとワイモバイル、そしてUQモバイルにほぼ限られている。

サブブランドが取り扱うiPhoneは、毎月の料金を節約しながらiPhoneを持ちたい人にとって魅力的な存在だ。さらに最近では、子どものスマホデビューに買い与えたところ、大人でも十分に使えることが分かり、家族まるごとサブブランドに移行する動きが大手キャリアを脅かしている。

型落ちだが見劣りしないiPhone 6s

こうして「庶民の味方」として人気を博してきたサブブランドのiPhoneだが、ひとつ弱点があった。それは、取り扱いモデルが「iPhone 5s」か「iPhone SE」という4インチの小型画面モデルしかなかったことだ。

これまでサブブランドで販売していたiPhone 5sとSEはいずれも小型画面モデルだ

4インチのiPhoneは片手で使いやすく根強い人気があるものの、一般に売れ筋なのは4.7インチのiPhoneだ。画面が小さいことを理由にサブブランドを敬遠していた人も少なくないだろう。

これに対して今回発表された「iPhone 6s」は、サブブランドとして初めての4.7インチモデルになる。価格はiPhone SEよりは高いものの、月額割引により端末代を含めて毎月4000円強でiPhone 6sを持てる計算になり、インパクトは大きい。

ただ、iPhone 6sの発売は2015年9月で2年の型落ちになる。果たして大丈夫なのだろうか。たしかに最新のiPhoneではプロセッサーの性能や画面の見やすさ、カメラ性能が大きく向上した。Suicaなどが使える「FeliCa」も、iPhone 7以降の機能になる。

また、かつてのiPhoneではiOSを最新版にアップデートすると途端に動作が重くなり、性能的な限界を感じることも多かった。だがiPhone 6sは基本性能も高く、最新の「iOS 11」を入れても操作感は大きく変わらない。手に取ってみると、まだまだ現役で使えると感じる人が多いはずだ。

外観という点で、iPhone 6sのデザインは7や8と基本的に変わっておらず、見劣りするところはない。8では背面がガラスに変わったものの、正面から見れば見分けがつかないほどだ。

2年型落ちのiPhone 6s(左)だが、外観はiPhone 8(右)と大きく変わらない

さらにiPhone 6sは、7から廃止された3.5mmのイヤホンジャックを備えており、従来のヘッドフォンをそのまま使えるというメリットもある。買い換えがいらず経済的で、変換アダプターを使う不便さもない。

常に最新のスマホ体験を求める人にとって、iPhone 8を買うか、それともXを待つべきかは悩ましい選択肢だ。だが、毎月の料金を抑えたい人にとって、サブブランドが発売するiPhone 6sはこの秋もっとも魅力的なiPhoneになりそうだ。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

NewsInsightは、諸般の事情により記事更新を終了いたします。

ご愛顧いただいた読者の皆様、また関係者の皆様に、編集部一同、誠に感謝いたします。

なお、NewsInsightに掲載中の記事につきましては、引き続きマイナビニュース(https://news.mynavi.jp)へと掲載場所を移管いたします。

掲載中の連載記事につきましても同様に、マイナビニュースへ移管いたします。各連載記事の新しい掲載URLにつきましては、以下となります。

○安東弘樹のクルマ向上委員会!
https://news.mynavi.jp/series/andy

○森口将之のカーデザイン解体新書
https://news.mynavi.jp/series/cardesign

○清水和夫の自動運転ソシオロジー
https://news.mynavi.jp/series/autonomous_car

○ゲームとともに振り返る“平成”という時代
https://news.mynavi.jp/series/game_heisei

○岡安学の「eスポーツ観戦記」
https://news.mynavi.jp/series/e-Sports_review

○企業戦士に贈る「こむぎのことば」
https://news.mynavi.jp/series/komuginokotoba

○藤田朋宏の必殺仕分け人
https://news.mynavi.jp/series/shiwakenin

○「食べる」をつくる科学と心理
https://news.mynavi.jp/series/food_science

○阿久津良和のITビジネス超前線
https://news.mynavi.jp/series/itbiz

○山下洋一のfilm@11
https://news.mynavi.jp/series/filmat11

○モノのデザイン
https://news.mynavi.jp/series/designofthings

○知って納得、ケータイ業界の"なぜ"
https://news.mynavi.jp/series/mobile_business

○文具ソムリエール・菅未里の「新しいコンパス」
https://news.mynavi.jp/series/bungu

○活字・写植・フォントのデザインの歴史 - 書体設計士・橋本和夫に聞く
https://news.mynavi.jp/series/font-history

○カレー沢薫の時流漂流
https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu

最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu