ソフトバンク孫社長の「スプリントのV字回復」宣言は本物か

ソフトバンク孫社長の「スプリントのV字回復」宣言は本物か

2016.05.23

5月10日に行われたソフトバンクグループの2015年度3月期決算において、代表取締役社長の孫正義氏は同傘下の米携帯キャリア「スプリント」の「V字回復」など、反転攻勢に入ったことを宣言した。2013年7月の買収完了以降、重くのしかかる設備投資や販促費用からくる赤字体質と顧客流出に悩まされ続けてきたスプリントは、長らくソフトバンクにとってお荷物的存在だと考えられてきた。孫氏の宣言は本物なのかを検証しながら、米国の携帯電話業界とスプリントに起きつつある変化をみていく。

2015年度3月期決算発表会で、その時間の多くを割いてスプリントの業績改善とV字回復をアピールするソフトバンクグループ代表取締役社長の孫正義氏

「V字回復宣言」にまつわる根拠を探る

スプリントの業績の詳細は同社の四半期決算のプレスリリース(PDF形式)またはソフトバンクの決算説明会でのプレゼンテーション資料(PDF形式)を参照してもらうとして、現在のスプリントと米携帯キャリアをとりまく状況を簡単に説明する。

まずスプリントで特に問題だった点として、営業赤字が長年にわたって続いたことで流動資産としてのキャッシュが枯渇していたことが挙げられる。

例えば、同社会計年度で2014年度(FY2014)には345億ドルの売上があったにもかかわらず、営業経費が364億ドルもかかっているため、トータルとしては19億ドルの営業赤字となっている。345億ドルという売上高は、日本の大企業の多くと比較しても高い水準であり、これだけの事業規模があるにもかかわらず利益をまったく生み出せていなかったということだ。

ソフトバンクが買収後にまず着手したのは徹底したコスト削減であり、FY2015は売上が322億ドルに減少しているにもかかわらず、営業経費は319億ドルと大幅に削減できており、結果として3億1000万ドルの営業黒字を達成している。スライドで孫氏が「過去9年で初の(通期)黒字」と表現したのはこの部分だ。コスト削減は買収完了から過去2年ほど継続しているが、ようやく結果として返ってきたといえる。

過去9年で初の通期黒字を達成したと強調する孫氏

コスト削減はもちろん「ムダ」という部分もあるものの、本来顧客獲得を行うためのマーケティング費用や店舗運営コスト、さらには将来への投資である設備投資の削減も招く可能性があるため、短期的には競合を優位にしてマイナス効果を生み出すこともある。こうした状況でもコスト削減を優先する理由は、まずは黒字化して「止血」を行うことを目指したからだと考えられる。

スプリントは昨年2015年夏にT-Mobileで契約者数で抜かれ、第3位から第4位へと転落している。勢いづくライバルの躍進を横目に、まずは自らの営業体質改善を優先したというわけだ。孫氏も強調していたが、キャッシュが枯渇することで短期的な資金繰りに目が行きがちになり、結果として高い買い物となるケースが少なくない。債務面での負担をソフトバンク側が保証することで、前述の黒字化と合わせて将来的な体力作りを目指し、それが一定の効果を得つつある。

完全とはいえないものの、基礎体力が整いつつあるのはおそらく間違いないだろう。問題は、これが本当にV字回復の反転攻勢につながるものかという点だ。目安の1つは契約者数とそこから得られる売上で、これを解約トレンドから純増トレンドへと転換させる必要がある。スプリントの契約者数全体でいえば昨年度比でプラスにはなっているものの、サービス販売による売上は減少となっている。原因は不明だが、ポストペイドのARPUがFY2014の59.63ドルからFY2015には53.39ドルへと減少しており、これがおそらく売上全体にマイナスに作用した可能性が高い。

契約者の"質"が重要に

次に決算報告のプレスリリースを参照してほしいが、スプリントの契約者数の推移を見るうえで「ポストペイド(Postpaid)」「プリペイド(Prepaid)」「ホールセールアンドアフィリエイト(Wholesale and Affiliate)」「チャーン(Churn)」の4つを重要なキーワードとして挙げておく。

ポストペイドは毎月利用料金を後払いするタイプの契約で、これが携帯キャリアのビジネスの基本となる。次がプリペイドで、ポストペイドと違って月額契約方式ではないため一定収入を得にくく、あらにARPUが低めに出やすいという傾向があるが、全体に料金が安めでユーザー数を獲得しやすいメリットがある。「ホールセールアンドアフィリエイト」というのはスプリントの特徴的なビジネスで、これは「M2M」や「MVNO」などスプリント回線の又貸しビジネスだ。伝統的に、この比率が他のキャリアに比べても高いのがスプリントの特徴で、仮にプリペイドの契約数と合算すれば全契約数の4割近くに達し、トータルとしてのポストペイド契約を圧迫してARPUを引き下げる要因にもなり得る。

5月10日のソフトバンクの決算会見でのスライドでも、ポストペイド契約が増加したことを孫氏は強調していたが、FY2015通年でポストペイド契約数が124万5000伸びる一方で、プリペイド契約数は130万9000減少している。つまりポストペイド+プリペイドの合算では逆にマイナスとなっているわけだ。

5月初旬に行われたスプリントの2015年度第4四半期(2016年1~3月期)決算決算で発表された最新のユーザー動向。ポストペイド契約数が大きく伸びている
米4大携帯キャリアでのポストペイド契約の純増数の推移を比較したところ。純増数でAT&TとVerizon Wirelessを同時に抜くのは初だという
米Nielsenが出している全米主要都市での4大携帯キャリアでのLTEダウンロード速度比較。具体的な計測方法や縦軸の数値は不明だが、「スプリントが最もネットワーク品質が高い」と説明する孫氏の根拠になっている

それでも先ほど契約者数全体が伸びているのは「ホールセールアンドアフィリエイト」の増加分に由来する。つまりプリペイドの顧客を捨ててでも、収益が安定しやすいポストペイド獲得を優先している状態だ。

また米国では携帯キャリア同士が互いの顧客を引き抜くためのキャンペーンが熾烈化していることでも知られているが、こうしたキャンペーンにつられる形での顧客流出が同時に問題となっている。この解約率を「移り気な顧客」と意味を込めて「チャーン」と呼ぶが、このチャーンをいかに引き下げるかが各キャリアにとって悩みの種だ。そしてスプリントは、近年の同社としては初の低水準となる1.61%をFY2015に達成している。黒字化の話と合わせ、このあたりが孫氏のいう「V字回復」の根拠となっているのだろうと推察する。

1~2年の経過観察は必要

2000年以降を振り返って、2桁成長も珍しくなかった米国の携帯電話契約者数だが、ここにきて踊り場に到達しつつあるという認識が広がっている。実際、すでに全米のキャリアを合計した契約者数は同国の全人口を突破しており、普及率は100%を超えているとみられる。そのため、特にポストペイド契約で新規顧客を獲得するのは難しいとの考えから、キャリア同士の引き抜き合戦のほか、2台目需要やM2Mなど、携帯回線をさらに活用してもらうためのサービスメニューを拡充する方向へとマーケティングが変化してきている。「Uncarrier」戦略を打ち出して急激に契約者数を伸ばしているT-Mobile USAを除き、各キャリアのポストペイド契約者数は微増または微減を繰り返しているのが現状だ。

今回、Verizon Wireless、AT&T、T-Mobile、スプリントの4大キャリアの決算が出揃う直前に、あるアナリストが出した予想では、ポストペイド契約ではT-Mobileを除き、残り3つのキャリアはすべて純減になるといった意見もあった。結果的にこの予想を大きく裏切る形となったわけだが、予想を上回る結果が評価される一方で、スプリントのこのトレンドが続くかは不透明な部分も大きく、その成果が確実なものかを検証するにはまだもう少し時間がかかるだろう。好調なT-Mobileも、増加する顧客と設備投資のバランスが維持できるかの分岐点に差し掛かりつつあり、場合によっては低下したネットワーク品質で顧客流出を招く危険性もある。いずれにせよ1~2年の経過観察は必要だ。

ポストペイドからプリペイド強化へ向かう米国市場のなぜ

そしてポストペイドでの増加が停滞しつつあるいま、各社の動きにも注目したい。先ほど「スプリントはプリペイド契約を犠牲にしている」と表現したが、まずはポストペイド契約で足下を固めつつ、プリペイドでも水面下での反転策を探っているようだ。

同社は現在、MVNOのVirgin Mobile USAと、買収で獲得したBoost Mobileの2つのプリペイド専業ブランドを抱えている。Boost Mobileは中間以下の比較的低所得層をターゲットとしたブランドとなっているが、一方のVirginはもともと若者や学生などを中心にサービス展開を行っていた。

だが、FierceWirelessのレポートによれば、現在VirginはTargetやBest Buyといった量販店から次々と姿を消しており、スプリントのキャリアショップまたはRadioShack、Kmartといった限られた場所でしか見られない状態だという。これは、今年後半にVirgin Mobileのブランドとしての再ローンチを計画しており、Boost Mobile買収で方向性を見失いつつあったスプリントのプリペイド戦略を改めて明確にする意図があるようだ。

米ワシントンDCにあるRadioShack店舗を2015年5月に撮影したもの。ちょうど店舗内でのスプリント商品の取り扱いがスタートしたところだが、完全に1店舗での営業というわけではなく、スプリントのサービスカウンターがRadioShack店舗内に間借りして存在するという同居体制になっていることが営業時間の違いからわかる。RadioShackとの提携の狙いは、固定費のかかるスプリント専門のキャリアショップの維持費を削減しつつ、より広いエリアに浸透を図るのが目的だ

ポストペイド契約では冴えないAT&Tだが、傘下のプリペイドブランドであるCricket Wirelessのほか、AT&Tが独自に立ち上げた「Aio」を合わせ、契約者数を大幅に伸ばしつつある。好調なT-Mobileも、プリペイドの専業ブランドとしてはMetroPCSを傘下に抱えており、こちらも契約者数を大幅に伸ばしている。Verizon Wirelessを除く各社が最近になりプリペイドに力を入れ始めた理由として、スマートフォン販売の停滞とポストペイドARPUの減少が背景にある。

先ほどスプリントでの例を出したが、他のキャリアでも過去2~3年ほどでポストペイドARPUが1~1.5割ほど減少する傾向が見られており、やや上昇傾向にあるプリペイドARPUとは対照的となっている。ポストペイドARPUとプリペイドARPUが接近しつつあるなか、AT&TとT-Mobileは積極的にプリペイド市場開拓に乗り出しているというレポートも出ている

米携帯キャリアはバンドル販売や契約縛りを強化

もう1つ興味深いのは、携帯キャリアがバンドル販売や契約縛りを強化しているトレンドだ。かつては米国で始まり、日本でもソフトバンクを通じて一般的となった「2年契約縛り」という商習慣だが、携帯キャリアが「販売奨励金(Subsidy)」を名目に、ユーザーの携帯端末購入に2年契約を条件に補助金を出すことで、安価に端末をバラ撒いて新規顧客を獲得しつつ、既存顧客をつなぎ止めるという一石二鳥の方式だ。

だが、年々上昇する端末価格と顧客の増加により、携帯キャリアにとって、販売奨励金の負担はばかにならず、AT&Tが2015年前半に撤退したのを最後に、米国では基本的に2年契約縛りの契約スタイルは消滅した。代わりに登場したのは「AT&T Next」のように、端末を割賦販売するだけでなく、1年継続利用など一定条件を満たせば分割支払いを完了しなくても新端末購入が可能になる「永続縛り」プランで、似たような仕組みは現在AppleもiPhoneで適用しつつある。2年縛り亡き後、他キャリアや他端末への流出を防止するのが狙いの仕組みだ。

バンドル販売とは、他の付随サービスを携帯のポストペイド契約とともに割引販売で提供する仕組みで、付随させるサービス内容によっては解約が難しく、かつサービスのセット販売で売上上昇も見込めるという両得の方法となっている。日本では光回線とのバンドルが比較的昔から一般的だったが、最近では保険や各種ローン、電気とのバンドルも登場し、キャリビジネスの横展開の好例となっている。

米国では、例えばAT&Tが買収した衛星放送の「DirecTV」とのバンドルが話題になっている。DirecTV契約時にはサービス割り引きがあるだけでなく、AT&Tの携帯回線でデータ通信の無制限プラン加入が可能になるというオマケ付きだ。最近ではAT&T回線を持っている筆者のメールボックスにも毎月のようにプロモーションのDMが届いており、いかに販売強化を行っているかがうかがえる。

新規契約ユーザーの伸びの鈍化や解約率増加に悩まされる米携帯キャリアは、あの手この手で引き留め策を模索。米AT&Tは、2014年に傘下に収めた衛星TV会社のDirecTVとの共同キャンペーンで、DirecTV契約のAT&Tモバイルユーザーには無制限データプランを提供。1月あたり上限22GBの条件がつくサービスを「無制限」と表現するのはいささか疑問だが、家族契約でのシェアプランを併用すれば月々の利用料を安く抑え込める
こうした背景もあり、現在筆者が契約しているAT&Tアカウントのメールボックスには、毎月のようにDirecTV契約のキャンペーンDMが送信されてくる。日本でも光回線などとのバンドル強化を携帯キャリア各社は進めているが、これは米国でも変わらない

変わるトレンドにどう対応するか

ようやく止血が終わり、徐々にテコ入れ効果が見えつつあるスプリントの業績だが、反転といくまでにはまだもう少し時間がかかりそうだというのが筆者の予測だ。特に、同社が目指すことになるとみられるT-MobileやAT&Tは、トレンドの先を進んでおり、今後2020年までの5Gへの投資を考えれば、かなり長い道のりであることがわかる。

スプリントの問題は治療されつつあるが、V字回復といくにはまだ時間がかかるか。孫氏の1~2年後の発言や動向に注目

孫氏は設備や端末の調達面での優位を強調するが、おそらくソフトバンクによるスプリントの買収効果は経営見直し以外の部分で、まだあまり効果を上げていないのではないだろうか。各社のサービスが横並びになりつつあるなかで、日本を地盤にしてアジア方面に強いソフトバンクと一緒になったというプラスαの部分をきちんと打ち出しつつ、スプリントならではのサービス面での特徴を出してほしいところだ。

LINE WORKSを削除(解約)するには?

LINE WORKSを削除(解約)するには?

2019.03.21

LINE WORKSを解約したいと思ったら

解約の前にまずは「所属メンバーの削除」を行う

ユーザーは自分のアカウントを削除できるの?

LINE WORKSを試験的に導入したけれど合わなかったという場合や、利用していたプロジェクトが終了したから削除したいという場合に備えて、LINE WORKSを削除(解約)処理する手順をまとめておく。

LINE WORKSの削除はメンバー削除から

「管理者画面」を開いた上で「基本設定」を開くと、左メニューの一番下に「LINE WORKSの解約」という項目がある。ただし、使っている最中にいきなり解約しようとしても「解約できません」と表示されるはずだ。解約のためには、先に所属メンバー全員を削除しなければならない。

「基本設定」で「LINE WOKRSの解約」を選択
メンバーが残っていると解約できない

メンバー削除は、上メニューで「メンバー」を選んだ画面から行える。最高管理者は削除できないため、解約準備ならば上部のチェックボックスを使って全員を一括選択してから、最高管理者のチェックだけを外すのが簡単だ。上にある「削除」をクリックすると確認画面が表示されるので、「メンバー削除」で完了させよう。

なお「副管理者」など役職者については先に権限を削除してからでなければメンバー削除ができないので注意して欲しい。

「メンバー」で最高管理者以外を選んで「削除」をクリック
確認画面で「メンバー削除」をクリックしよう

解約理由を添えて処理完了

再度「基本設定」で「LINE WORKSの解約」を選ぶと、メンバーの削除が完了していれば解約へ進む画面が表示されるはずだ。最高管理者のパスワードと、解約理由のアンケートを入力すれば解約が完了する。

最高管理者のパスワードを入力
解約理由のアンケートも必須項目だ

個人アカウントの削除方法は?

LINE WORKSを管理者ではなくユーザーとして利用している場合、自分のアカウントを削除することはできない。

LINE WORKSのユーザーアカウントは、会社のメールアドレスのようなイメージだ。アカウントに利用する文字列などはユーザーが決められるが、アカウントの存在自体は管理者がそれぞれに発行している。そのためユーザー側はログインしないことで「使わない」状態にはできても、削除はできない。もし退職する、プロジェクトから外れるなど事情がある場合には、管理者にメンバー削除の依頼を出そう。

同じく、最高管理者の権限を持っている人が異動等でアカウントを削除したい場合には、まずは権限の委任をして、一般ユーザーになってからメンバー削除をしてもらう必要がある。

「LINE WORKS 完全指南 設定&使い方」バックナンバーはこちら
https://biz.news.mynavi.jp/category/lineworks

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20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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