対立に決着? あえてマクドナルドがマック・マクド論争に介入する理由

対立に決着? あえてマクドナルドがマック・マクド論争に介入する理由

2017.08.07

「マック」か「マクド」か。マクドナルドの正当な略称を巡る長年の論争は、ついにマクドナルド本体が乗り出して決着の時を迎える。雑談で多くの人が一度は触れたことがありそうなテーマだが、このタイミングでオフィシャルが介入する背景とは。

長年の論争に決着?

日本マクドナルドが仕掛ける「マックなのか?マクドなのか?おいしさ対決」は、マック軍の「東京ローストビーフバーガー」とマクド軍の「大阪ビーフカツバーガー」が対決し、マクドナルドの愛称を巡る論争に“おいしさ”で決着をつけようというキャンペーンだ。勝敗は各メニューの商品名が書かれたツイートの数で決まる。各バーガーは8月9日の発売で、勝敗を決するツイート(投票)の期間は8月20日までとなっている。

マック軍は平愛梨さん、マクド軍は今田耕司さんがセコンドに就任。ちなみに平さんは兵庫県の出身だそうだが、平さんの家族の間ではマクドナルドをマックと呼んでいたので、セコンド就任に問題はないというのが公式見解らしい

マックの愛称を巡る論争について、日本マクドナルドでは従来、「お客様に親しんでもらっている名称なので」(日本マクドナルド・ナショナルマーケティング部の河野辺孝則上席部長)として、どちらが正当なものかという問い合わせにオフィシャルな回答を提示することは避けていたのだという。ではなぜ、この論争をあえて取り上げ、キャンペーンを展開することにしたのだろうか。

「マクドナルドでは最近、『名前募集バーガー』や『マクドナルド総選挙』といったように、お客様と一緒に楽しめる取り組みに力を入れています。お客様と一緒に盛り上がるキャンペーンを仕掛けるにあたり、この話題は避けて通れません」。河野辺上席部長によれば、今回のキャンペーンも、マクドナルドを「FUN PLACE TO GO」にするための施策の一環なのだという。おいしいハンバーガーと楽しい話題は、マクドナルドをFUN PLACEにするために不可欠な要素だそうだ。

マック軍の「東京ローストビーフバーガー」は単品440円、セット740円。ビーフパティとローストビーフの両方をバゲット風のバンズで挟んだ商品だ。マック軍にはこのほか、朝マックの「東京ローストビーフマフィン」(単品360円)とチキンマックナゲットにつける「東京レモンバジルソース」が加わり、マックフィズとマックフロートのフレーバーとして「山形ラ・フランス」(フィズ250円、フロート310円)も登場する

あえて対立構造を導入するマクドナルド

今回のキャンペーンでは、マクドナルド公式Twitterアカウントをフォローし、「#マック軍」あるいは「#マクド軍」のハッシュタグが付いた投稿のどちらかをリツイートすることで、任意の軍に1票を投じると同時に、オリジナル応援Tシャツのプレゼント企画に参加できる。抽選に外れた人には、リツイートで応援“しなかった”軍から「果たし状クーポン」が届く。このクーポンの出し方は、例えばガチガチのマクド派に対して、マック側のハンバーガーも食べてもらえるよう促す効果を狙った仕組みだ。

マクド軍の「大阪ビーフカツバーガー」は単品390円、セット690円。関西でおなじみの洋食「ビフカツ」とマスタード風味マヨソースの組み合わせは食べ応えがある。マクド軍には朝マックの「大阪ビーフカツマフィン」(単品330円、セット530円)、ナゲットのソースとして「大阪お好みマヨソース」、フィズ・フロートのフレーバーとして「和歌山温州みかん」(フィズ250円、フロート310円)が加わる

キャンペーン発表会で示されたマクドナルド調べのデータによると、マクドナルドをマクドと呼ぶ地域は、マックとマクドの両方の呼び方が混在するエリアも含めて11府県しかない。マクド派は圧倒的に不利な状況と思われるが、大阪府民の「地元愛」は無視できず、勝敗については読めないというのが河野辺上席部長の見方だ。

マック・マクドの分布図

マック・マクド論争にフィーチャーしたキャンペーンについては「2回目もあるかも」(河野辺氏)とのことだったので、マクドナルドとしては、この論争を今後も楽しんでいくつもりらしい。あえて対立構造を面白おかしく持ち込んだキャンペーンを実施するマック、もといマクドナルドからは、業績回復からくる余裕のようなものを感じた。

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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2019.03.20

Googleが新しいゲームプラットフォームを発表

配信方式でゲーム機不要、「ゲーム機」の時代の終焉?

2019年内にローンチ、性能はプレステやXbox以上か

3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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