富士通、第1四半期決算は「普通」 - レノボとの提携はいつ?

富士通、第1四半期決算は「普通」 - レノボとの提携はいつ?

2017.07.28

富士通は7月27日、2017年度第1四半期(4~6月)の連結決算を発表した。四半期利益は21億円の黒字と、第1四半期では2014年以来の黒字を計上。しかし、ネットワークプロダクトの北米事業や今期好調だったユビキタスソリューションの先行きが不透明として、通期予想は据え置いた。

富士通 代表取締役副社長/CFO 塚野 英博氏

この日行われた決算説明会で富士通 代表取締役副社長/CFOの塚野 英博氏は、第1四半期の業績について「普通」と表現。デジタルサービスへの注力など、構造改革の進捗がほぼ計画通りに推移していることから「計画した通りの意味で"普通"だ」(塚野氏)とした。

セグメント別では、テクノロジーソリューションがニフティの切り離しや金融業界向けソリューションの減収などが一部響いたものの、その他業界向けソリューションや、ネットワークプロダクトの国内向け携帯電話基地局の需要が伸びたため、前年同期比で1億円減となる6726億円となった。なお、特殊事項である海外の法的紛争案件の損失により、営業利益は前年同期比18億減の52億円となっている。

一方で好調だったのがPCや携帯電話のユビキタスソリューション。デスクトップ/ノートPCがともに特徴ある製品戦略で市場に受け入れられ、個人向け、法人向けの双方で売上が伸びた。また、携帯電話ではドコモ向け「arrows Be F-05J」と、同「らくらくスマートフォン4 F-04J」が好調で、前年同期比215億円増の1540億円となった(営業利益は同34億円増の55億円)。

また、残るデバイスソリューションでも前年同期比で53億円増となる1353億円の売上を計上(営業利益は同46億円増の34億円)。スマートフォン向けLSIが好調で、部材価格も上昇傾向にあり、「各社の投資動向なども見る限り、少なくとも今年いっぱい、私見も交えて言えば来年の上期までは部材のショートが続くのでは」(塚野氏)とした。

なお、連結対象外となったニフティのコンシューマー事業の影響を除けば、全セグメントで増収となった。

海外事業は構造改革の途上、下半期に改善見込む

全体的に好調だった連結業績だが、質疑応答ではテクノロジーソリューションの売上収益が7四半期連続でマイナスとなった点について質問が及んだ。これに対して塚野氏は「今は仕掛けを作っている段階で、花が開くまで時間は必要。ファンダメンタルで言えば国内市場は2022、23年までは右肩上がり、天変地異さえなければ伸びていくと考えている」と回答した。

22、23年までの収益拡大については、2020年のオリンピックに向けたICTインフラへの投資が堅調なことや、同社がキーテクノロジーと定める、クラウド・IoT・AI・セキュリティの各種テクノロジーへの関心が大きく寄せられているといい、「オリンピック後も大阪万博の誘致やIR法などの話もある。それらを根拠とした拡大予想だ」(塚野氏)とした。

同事業は通期予想でも2016年度の3兆1266億円から3兆700億円とマイナス成長で、現在は構造改革の途上。塚野氏が「懸案は海外事業」と語るように、これまでマネージドインフラサービス(MIS)に頼っていた海外事業は利益率が低く「MISの分野はレッドオーシャン」(塚野氏)。海外売上比率がおよそ3割を占めており、この改善なくして連結業績が改善しないという認識だ。

テクノロジーソリューションは通期でもマイナス予想。海外事業は黒字予想だが、塚野氏は「懸案」と表現する

方策としては、国内と同様にSI・ソリューションなどのビジネスアプリケーションシステム(BAS)を主軸とすることで、利益率の改善を見込む。

「MISからBASへと言っても、デリバリーリソースがないからまだ途上にある。もちろん、セールス部門についても揃えている最中。改組は規模が相当あるので時間がかかっているものの、下半期には効果が見えてくるはず。BASはアプリケーションの積み上げなどコスト構造を改善できる領域であり、デジタルサービスへの注力によって、表に出てクライアントと一緒にプレーする方向へと変えていきたい」(塚野氏)

なお、2016年10月に公表したPC事業のレノボとの提携については、「お待たせしているが、進めている段階」(塚野氏)。

「現在は活況だが、国内、グローバルともにボリュームは鈍っていく。買い替えサイクルが3~4年から5~6年と長期化しており、消費者はより良いものを長く動きを見せている。マーケットは世界中にあるから、両社が協議する中で、一つの事業から価値をどう生み出していけるのか考えている。(提携が)壊れると言われるが、壊れない。時間はそうかからないかと思う」(塚野氏)

時間はそうかからないとしたPC事業の提携だが、すでに昨年10月の公表から約9カ月。それ以前にはVAIOを含めた経営統合の話もあったほか、6月にも同社社長 田中達也氏が「早晩まとまる」と経営方針説明会で発言している。PCと携帯電話をあわせたユビキタスソリューション事業は、通期予想の構成比で15.6%ともはや花形ではない。

もっとも、携帯電話は基地局設備を納品するNTTドコモとの関係性や、IoTを見据えた技術確保のためにも手放せない事業。PCのみが難しい舵取りを迫られている状況だ。舵を切ったBASはクラウドへの先行投資がかさむ。黒字を計上したとはいえ「国内にとどめれば生き残れる余地はあるだろうが、時間は有限。事業として強くなるために模索しなければならない」という塚野氏の言葉通り、提携にこれ以上時間をかける余裕はないだろう。

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2019.06.17

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放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu