欧州でガソリン車禁止の連鎖、電気自動車で世界一を狙う日産の見方は

欧州でガソリン車禁止の連鎖、電気自動車で世界一を狙う日産の見方は

2017.07.28

フランスと英国で、政府が内燃機関で走るクルマの販売を禁止するという方針を打ち出したとの報道を受けて、日産自動車の決算会見では、電動化に関して報道陣からの質問が相次いだ。電気自動車(EV)の販売で世界トップの日産は、政府主導で進む欧州の電動化をどう見ているのか。

クルマの電動化について多くの質問が出た日産の決算

第1四半期の業績は

フランス政府と英国政府が、ディーゼルエンジンあるいはガソリンエンジンで走るクルマ、つまりは内燃機関だけで動く自動車の販売を2040年までに禁止するとの方針を相次いで打ち出したことが注目を集める中、日産は7月27日に2017年度第1四半期の決算発表を行った。

日産の第1四半期決算について触れておくと、売上高は前年同期比4%増加の2兆7604億円、営業利益は同12.8%減少の1533億円という業績だった。グローバル販売台数は同5%増の135万1000台。日本では新たな電動パワートレイン「e-POWER」が評判の「ノート」や、「高速道路同一車線自動運転技術」の「プロパイロット」を初めて搭載した「セレナ」といった車種が好調で、販売台数を同45.6%増の13万1000台に伸ばした。営業利益を押し下げた要因として大きかったのは、米国市場の鈍化による販売経費の増加だ。

2016年11月のマイナーチェンジ以来、7カ月で累計10万台の販売を達成し、2017年上半期の国内販売でコンパクトカー分野のトップとなった「ノート」。新たに追加した新電動パワートレイン「e-POWER」が多くの顧客から高い評価を得ているという

日産では米国の全需を昨年度並みの1750万台程度で推移すると見積もっていたが、足元の状況では、今年度の全需は1600万台後半で着地しそうな情勢とのこと。需要の減少が販売競争の激化を招き、値引きの原資となる販売奨励金(インセンティブ)が増加した結果、米国で販売経費が増えている。減益の要因としては、原材料費の上昇も効いているという。

決算発表の質疑応答では、クルマの電動化で業界トップのポジションを狙う日産に質問が相次いだ。

EVで業界トップの日産アライアンス

「(欧州で政府主導の電動化が進む流れは、日産にとって)プラスになる」。決算説明会に登壇した日産の田川丈二常務執行役員は、電動化の流れに拍車がかかりそうな現状を追い風と感じているようだ。

日産の田川常務

日産はEVの「リーフ」を2010年12月に発売し、これまでに累計20万台以上を販売してきた実績がある。仏ルノーの「ゾエ」と三菱自動車の「i-MiEV」を合わせると、アライアンス全体でのEV販売台数は累計48万台を超えるという。これは業界トップの数字だ。日産の西川廣人社長は先頃、株主総会で「EVでリーダーシップをとる」と発言。業界トップの地位を今後も維持していくことに意欲を示していた。

EVへの不安払拭に期待、価格競争力も向上へ

欧州で政府主導の電動化が進むことは、欧州に本拠を置く自動車メーカーのEV戦略にはプラスになっても、日本メーカーに良い影響はもたらさないのではと思ったのだが、日産の捉え方は違うようだ。

リーフで業界トップのEV販売を達成した日産だが、その台数は当初の見込みよりも少ないという。顧客がEVを買い控える要因として、田川常務は「航続距離」「コスト」「充電インフラ」への不安があると分析。こういった不安が、欧州でクルマの電動化に向けた動きが活発になり、顧客のEVに対する印象が変化することで、払拭される可能性があるというのが田川常務の考えだ。

日産「リーフ」

欧州で電動化の流れが加速すれば、多くのメーカーがEVを含む車両の開発に注力するようになる。そうすれば、サプライヤーを含む全体的なコストが下がって価格競争力が上がるので、EVの販売も「どこかの段階で加速する」と田川常務は予想する。しかし、この流れは競争の激化を意味するので、田川常務も「本当の勝負はこれから」と気を引き締めていた。

これから始まる本当の勝負に向けて、日産が期待をかけるのが9月に発表予定の次期リーフだ。新たなリーフは航続距離が伸びて、「プロパイロット」も搭載となる。発表に先立ち、日産がさまざまな情報を小出しにしているところを見ても、同社が次期リーフにかける期待は大きいようだ。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu