スバル躍進のカギを握る“個性”とは? 吉永社長が語るブランド戦略

スバル躍進のカギを握る“個性”とは? 吉永社長が語るブランド戦略

2017.06.06

今年で2回目を迎えたアドバタイジング・ウィーク・アジアで、4月に社名を改めたばかりのSUBARU(スバル)の代表取締役社長、吉永泰之氏が基調講演を行なった。テーマは「個性を活かして生きる」。マーケティングや広告のイベントで、自動車会社の社長は何を話したのか。講演後の取材を含めて報告しよう。

アドバタイジング・ウィーク・アジアの基調講演に登壇したスバルの吉永社長

自動車メーカーから異例の登場

5月29日から6月1日まで、東京・六本木の東京ミッドタウンで開催された「Advertising Week Asia 2017(アドバタイジング・ウィーク・アジア)」は、ニューヨークやロンドンなどで開催されているマーケティング、広告、エンジニアリング、エンターテインメントなどをテーマとしたイベントのアジア版だ。

このイベントの基調講演に、スバル代表取締役社長の吉永泰之氏が登壇することを知ったのは1カ月前。マーケティングやデジタルエンジニアリング関係の登壇者が多い中では異例だ。何を話すのだろうか。興味があって六本木に足を運んだ。

吉永氏が掲げた基調講演のテーマは「個性を活かして生きる」。我々は何者か、スバルの戦略、我々は今後何を目指していくか、というテーマで話を進めていった。

5年で売上高が倍増、販売台数は100万台を突破

まずはスバルの最近の状況が紹介された。売上高は5年前の倍以上となり、2008年度には赤字だった営業利益は、2016年度実績で4108億円の黒字にまで成長した。利益率は製造業としては異例の高さだ。5年前に64万台だった販売台数は、2016年度実績で100万台を突破。2009年に「レガシィ」の全幅を広げたことが成長のきっかけになったという。

販売台数を示すグラフは右肩上がりだ

我々は何者かという説明では、ちょうど100年前に飛行機会社としてスタートし、第2次世界大戦後に飛行機の生産が禁止される中でさまざまなものづくりを始め、その中からスバルブランドの自動車が主力に育ったことを紹介。今年4月に社名をスバルに変更したという説明を行なった。この過程で吉永氏は、スバルの特徴として次の3点を挙げた。

飛行機会社としてのルーツを紹介するスライド

「飛行機会社の思考回路を持つこと、その結果として技術オリエンテッドな会社であること、そして高コスト体質であることです。つまりコストで戦うのは厳しいと感じていました。ただ、高コストというと一般的には欠点と捉えられますが、逆にこれを個性として戦略を考えることもできると思っていました」(以下、かっこ内は吉永社長の発言)

クルマと飛行機にフォーカス

自動車産業は世界的には成長産業であり、2020年には生産台数が1億台の大台に乗ると吉永氏は解説する。業界の常識では新興国向けのコンパクトカーが伸びるとも添えた。対するスバルのシェアは世界で1%。そこで個性をいかそう、強みをいかそうと思ったという。つまり、業界の常識はスバルの常識ではないと判断したのだ。

スバルの世界シェアは1%に過ぎない

続いて吉永氏は、スバルの戦略として、選択と集中、差別化、付加価値を挙げた。選択と集中の中では、事業の集中、車の中での集中、技術の集中を進めたことを紹介した。

「社長になった日の夕方に、塵芥収集車(清掃車)事業と風力発電事業を止めると決断しました。今年の9月には汎用エンジンなどを担当する産業機器事業からも撤退し、自動車と飛行機に集中することにしました。従業員はすべて自動車部門で吸収しました。飛行機を残したのは、先端産業であり今後の日本のためにも続けるべきと考えたからです」

車種の選択と集中も進めた

クルマでは軽自動車の開発生産から撤退し、ダイハツ工業からの供給に切り替えたことを挙げた。スバルのクルマ作りは軽自動車から始まったので反対する声もあったが、価格が勝負を決する戦いは得意ではないと冷静に判断した。その資源をいかして「XV」や「BRZ」、「レヴォーグ」を新たに生み出し、「インプレッサ」のモデルチェンジサイクルを短くもした。

軽自動車「SUBARU 360」でクルマづくりを始めたスバル

「技術の集中では、お客様がスバルを買う理由は何か、我々が何を提供できるかを考えました。環境でトップになるのはスバルの企業規模では難しい。飛行機会社でもあるので、安全をアピールすることにしました。20年間研究を続けてきたアイサイトで勝負しようと決め、『ぶつからないクルマ?』という言葉とともにアピールしました」

アイサイトに刺激を受けるように、他の自動車会社も安全技術を磨き上げてきている。機能だけを取り出せばアイサイトより良いものもある。しかし価格は高い。スバルは10万円で完全に止まれるものを目指すと吉永氏は語った。また無人運転は現状では考えず、運転支援システムを極めるほうが先であるとも述べていた。

米国では「LOVE」で訴求、価格競争には参戦せず

吉永氏はアイサイトとともに、米IIHS(道路安全保険協会)の最高評価「トップセイフティピック」に2009年から全車が選ばれ続けていることも紹介。現地ではこの結果を「企業姿勢」と取る人が多いそうで、安全重視のブランド戦略が根付きつつあることを実感したという。

講演の後、囲み取材で無人運転やアイサイトについて語った吉永社長

しかし、差別化や付加価値をものにするには、技術以外にブランド力を高めていくことも必要になる。そこで米国では、クルマを通じて幸せな人生を提供していくという意味を込め、「LOVE」という言葉を使ったマーケティング活動を開始。逆に値引きのCMは止め、ディーラーへのインセンティブ(販売奨励金)も減らした。その結果、価格競争とは距離を置くことができたそうだ。

では今後のスバルは何を目指すのだろうか。

ブランド価値向上へ退路を断つ

「差別化とは、際立つことだと思います。だから、中期経営ビジョンは『際立とう2020』と名づけました。スバルブランドを磨くために、できることは全部やっていこうと考えました。会社の名前を変えたのもそのひとつです。退路を絶って決意表明をしたということです」

スバルは今年の春、社名を変えた直後に、日本のすべての新聞に巨大な広告を出した。そこには「モノをつくる会社から、笑顔をつくる会社へ」という言葉が添えてあった。実は文言が決まる1週間前まで、この言葉の後半は「価値を届ける会社へ」だったそうだが、一部の社員からの「作り手目線ではないか?」という声を受け、笑顔という表現に変えたそうだ。

自動車にとって技術は大事だ。しかし、自動車会社が歩み続けていくためには、その技術をいかにユーザーに伝えていくかという、ブランディングやマーケティングの視点も必要になる。

吉永氏は営業本部や戦略本部で経験を積んだ経営者らしく、飛行機作りから始まった独創の技術をいかにしてブランドに結びつけるかを考え、成功した。自動運転の話題を見ても分かるように、自動車の世界は技術論に走りがちだ。だからこそ吉永氏の講演は、とても新鮮であり参考になった。

LINE WORKSを削除(解約)するには?

LINE WORKSを削除(解約)するには?

2019.03.21

LINE WORKSを解約したいと思ったら

解約の前にまずは「所属メンバーの削除」を行う

ユーザーは自分のアカウントを削除できるの?

LINE WORKSを試験的に導入したけれど合わなかったという場合や、利用していたプロジェクトが終了したから削除したいという場合に備えて、LINE WORKSを削除(解約)処理する手順をまとめておく。

LINE WORKSの削除はメンバー削除から

「管理者画面」を開いた上で「基本設定」を開くと、左メニューの一番下に「LINE WORKSの解約」という項目がある。ただし、使っている最中にいきなり解約しようとしても「解約できません」と表示されるはずだ。解約のためには、先に所属メンバー全員を削除しなければならない。

「基本設定」で「LINE WOKRSの解約」を選択
メンバーが残っていると解約できない

メンバー削除は、上メニューで「メンバー」を選んだ画面から行える。最高管理者は削除できないため、解約準備ならば上部のチェックボックスを使って全員を一括選択してから、最高管理者のチェックだけを外すのが簡単だ。上にある「削除」をクリックすると確認画面が表示されるので、「メンバー削除」で完了させよう。

なお「副管理者」など役職者については先に権限を削除してからでなければメンバー削除ができないので注意して欲しい。

「メンバー」で最高管理者以外を選んで「削除」をクリック
確認画面で「メンバー削除」をクリックしよう

解約理由を添えて処理完了

再度「基本設定」で「LINE WORKSの解約」を選ぶと、メンバーの削除が完了していれば解約へ進む画面が表示されるはずだ。最高管理者のパスワードと、解約理由のアンケートを入力すれば解約が完了する。

最高管理者のパスワードを入力
解約理由のアンケートも必須項目だ

個人アカウントの削除方法は?

LINE WORKSを管理者ではなくユーザーとして利用している場合、自分のアカウントを削除することはできない。

LINE WORKSのユーザーアカウントは、会社のメールアドレスのようなイメージだ。アカウントに利用する文字列などはユーザーが決められるが、アカウントの存在自体は管理者がそれぞれに発行している。そのためユーザー側はログインしないことで「使わない」状態にはできても、削除はできない。もし退職する、プロジェクトから外れるなど事情がある場合には、管理者にメンバー削除の依頼を出そう。

同じく、最高管理者の権限を持っている人が異動等でアカウントを削除したい場合には、まずは権限の委任をして、一般ユーザーになってからメンバー削除をしてもらう必要がある。

「LINE WORKS 完全指南 設定&使い方」バックナンバーはこちら
https://biz.news.mynavi.jp/category/lineworks

関連記事
総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
関連記事